賞状を手にする豊島目白空手クラブの子どもたちと代表の熊谷さんの写真

子どもの「諦めずにやり遂げる力」を育む!豊島目白空手クラブの稽古内容とは

本記事では、お子さんに体力的・精神的にも大きく成長してもらいたい、と考えている保護者の方に向けて東京都豊島区の「松濤館流(しょうとうかんりゅう)空手会 豊島目白空手クラブ」を紹介します。

豊島目白クラブは空手四大流派のひとつに数えられている「松濤館流」の空手のお稽古を通じて、礼節や慈愛の精神を学ぶだけでなく、一人ひとりが個人の目標を持ち、それを叶えるべく活動している空手教室です。

お稽古は毎週土曜・日曜に行われており、稽古場では子どもから大人まで、さまざまな年齢の生徒たちが空手を通じて親睦を深めています。また、月謝制ではなく都度払いのチケット制を導入しているので、ほかの習い事で忙しいというお子さんも通いやすいと評判です。

今回は、そんな豊島目白空手クラブの代表を務める熊谷崇さんにインタビューを行い、お稽古の詳しい内容や空手を通して子どもたちが身につく力についてお伺いしました。

大人も子どもも気軽に空手を楽しめる!「豊島目白空手クラブ」の特徴

豊島目白空手クラブの子どもたちと記念写真を撮る熊谷さん

豊島目白空手クラブは、空手をもっと身近に感じてもらいたい、空手を自己成長のツールとして活用してもらいたい、という熊谷さんの思いのもと、2010年に設立された空手道場です。

現在は小学1年生から70代まで幅広い年齢の生徒たちが、空手の技術習得のほか、ダイエットやストレス解消など、さまざまな目的を持って通っています。

まずは熊谷さんに、豊島目白空手クラブの特徴について詳しく伺いました。

対象年齢の広さと都度払いのチケット制の導入で、気軽に通える空手教室

編集部

まず、豊島目白空手クラブのコンセプトを教えていただけますか。

熊谷さん

豊島目白空手クラブは誰でも空手を経験できる、敷居の低い空手教室です。空手は誰でも気軽に始められる「スポーツ」だということを皆さんに知ってもらえたらと思っています。

そのため、対象年齢も小学1年生から70代後半までとかなり幅広くしておりますし、料金も月謝制ではなくチケット制にしています。

編集部

チケット制ということは、お稽古に行くたびに料金を支払う都度払いの制度だということですね。

熊谷さん

そうです。今の子どもたちは塾などの習い事でものすごく忙しいので、月謝制にしてしまうと、都合がつかず通えないときにも料金がかかってしまいます。チケット制にすることで、都合の良いときに気軽に来てもらえるのではないかと思います。

編集部

保護者にとっても、お財布の負担が少ないので嬉しいですね。

熊谷さん

そうですね。実際に、習い事をいくつもやっているご家庭は、「今月は別のスクールの発表会があるので空手は月4回にしますが、来月は8回来ます」などとスケジュールによって調整するケースも多いですよ。

他流派の経験者もウェルカム。本人の想いを尊重している

編集部

そのほかに、誰でも気軽に入会できるように工夫されていることはありますか?

熊谷さん

豊島目白空手クラブでは、ほかの流派や教室で習っていた経験者の方も受け入れるようにしています。

当教室は「松濤館流」という流派なのですが、糸東流(しとうりゅう)や剛柔流(ごうじゅうりゅう)など、ほかの流派を習っていた方が入会されても、「白帯からやり直してください」なんてことはありません。そのままこれまでの帯を締めていただいて、道着もこれまでのものを着ていただいて構わないと伝えています。

やはり皆さんは自分の帯に関して思い入れがあるでしょうし、これまでの努力の証だと思うんです。ひとつのことを2年も3年も続けていくのは、ものすごいパワーが必要なんです。自分自身が空手をしているだけに、頑張った証をリセットするというのはあまりにも酷だなと、個人的に思っています。

編集部

他流派を学んできた人を指導するときは、全くの初心者の場合とは異なりますか?

熊谷さん

経験者であっても空手から長く離れている場合もありますが、「これまでの流派のことは忘れてください」という感じの稽古はしていません。まずは、「体を動かすのは楽しいよね」「空手って楽しいよね」というところを思い出してもらいます。

そのあとに、うちのやり方を実際に見ていただいて、ご本人に違いを確認してもらいます。いきなり「ここを変えてください」という指導をしてしまうと、先入観にとらわれる可能性があるので、稽古の中でご本人に「あ、今までとここが違うからこうしてみよう」と確認してもらうようにしています。

できるだけ本人の意思ややる気を尊重した稽古を行うというのも、当教室のポリシーですね。

大人と一緒に練習することで子どもたちは「身近な目標」が見つかる

私服で集合写真を撮る豊島目白空手クラブの仲間たち

▲年齢を超えた「空手仲間」ができるのも豊島目白空手クラブの魅力

編集部

教室は、年齢によってクラスが分かれているのでしょうか?

熊谷さん

いいえ。うちでは大人も子どもも同じクラスで稽古します。

これには理由があって、空手を覚えるうえで、子どもたちはやはり「あの人みたいになりたい」「あの先輩の蹴りを覚えたい」と憧れ、真似をしたいという対象が必要なんです。あの人みたいになりたいという感情が、「じゃあ練習しよう」という自発的な行動につながります。

そんな対象を見つけてもらうために、あえて大人と子どもを一緒に指導しています。

編集部

なるほど。身近な目標を見つけることでモチベーションにつなげるというわけですね。

熊谷さん

そうですね。あと、大人にも良い効果があって、「子どもの前で格好悪いマネはできない」と自尊心が働くので、稽古に緊張感が生まれるんですよ(笑)。なので一緒に練習するのは、大人と子どものどちらにとっても良い効果があるというわけです。

豊島目白空手クラブの稽古内容とは

集合写真を撮る豊島目白空手クラブの子どもたちとその保護者、代表の熊谷さん

ここからは、豊島目白空手クラブのお稽古内容やそのこだわりについてお話をお聞きしています。

基本動作を大切にすることで小さな成功体験を積み重ねる

編集部

豊島目白空手クラブの稽古内容について、お聞かせください。

熊谷さん

空手の動作には大きく3つのカテゴリーがあります。最初が拳の握り方から基本移動など、空手における動作の基本を覚える「基本動作」、その基本動作の組み合わせとなる「型」、そして一対一でポイントを競い合う「組み手」です。

うちではこの3つのカテゴリーを全て教えておりますが、一番力を入れているのが基本動作です。基本動作がしっかりできていないと、残り2つも習得はできないので、基本動作の大切さはしっかり教えるようにしています。

編集部

子どもたちに基本動作を教えるにあたり、意識していることはありますか?

熊谷さん

仕事なんかでも、品質向上のためには、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)のPDCAサイクルが大切、っていいますよね。それを空手に落とし込んだらどうかな?と思い実行しています。

子どもたちには、まずお手本をよく見てよく聞いて、自分でやり方を考える。そして実際にやってみて、改善すべきところは改善して、もう一度実践する。このパターンを繰り返すことで、自分なりの型が身についていくと思います。

編集部

やはり基礎を大切にすることが、稽古の楽しさにもつながっていくのでしょうか?

熊谷さん

正直、基礎練習は楽しくないです(笑)。ただ、基礎の積み重ねって、イコール「教えてもらったことができるようになった」という小さな成功体験の積み重ねなんですよね。なので、その成功体験を実感できることはモチベーションにつながるのはないでしょうか。

また、対外試合で基礎練習の積み重ねが結果につながったときには、ものすごい充実感というか達成感を得られると思います。

この成功体験と試合での達成感があるから、子どもたちは稽古にしっかりついてきてくれているんだと思います。

ほかの人に教える機会を与えることで、学んだことをアウトプット

柔軟体操をする豊島目白空手クラブの子どもたち

▲子どもたちは、ほかの子たちの指導をして責任感を養っていく

編集部

ほかに、豊島目白空手クラブならではの稽古方法があれば教えていただけますか?

熊谷さん

色帯の子どもたちに、自分が習ったことを、年上かつ自分たちよりも下級の色帯の人に教えさせています。あえて年上の指導に当たらせて「教えてみてどうだった?」と感想を聞くんです。そして、教えるのが難しかったところは、次はどう教えたらいいのか改善策を考えさせるます。

習い事って、往々にしてインプット量はものすごく多いのに、アウトプットする機会がなかなかないですよね。なので、覚えたことをできるだけ短期間でアウトプットさせることによって、より一層自分のものになっていくのではないかと思います。

編集部

できるようになるだけでなく、教えられるようになることでまたひとつ、成長にもつながるということですね。あえて年上の人に教えるのには、どんな目的があるのでしょうか?

熊谷さん

目上の人に対する言葉の使い方を学べますよね。相手は年上の人だから、友達のような話し方は良くありません。じゃあどういう接し方をするべきか、それも自分で考えてもらいます。

あとは、習ったことをうまく言語化できるかどうか。知っている人がまったく知らない人にものを教えるときって、言葉をきちんと選ばないとなかなか伝わらないんですよね。なので、ただ教えるだけじゃない、相手が理解できる教え方を考えてもらいます。

その過程でどうしても難しい、わからない、という部分があれば「じゃあ、こういうやり方はどうだろう」と助け舟を出していきます。とはいえ小学生の子どもって、まだまだボキャブラリーが少ないから、最終的には動きで教えるんですけどね。でも、そうやって教え方のパターンを自分で考えることで、習ったことを確実に自分のものにしてもらいます。

指導所感の配布や習熟度に合わせたお稽古でモチベーションアップ

編集部

子どもたちへの稽古の際は、モチベーションをあげる工夫はされていますか?

熊谷さん

生徒一人ひとりの指導カルテみたいなものを自分なりに作成しているのですが、年末にその集大成、「指導所感」のようなものを全員に配布しています。

これは成績表のようなものではなくて「今年はここが成長したよ」「ここは改善の余地があるからこうした方がいいよ」といった内容です。この内容は全員に共有しています。

編集部

ほかの生徒さんの所感も見られる、ということですか?

熊谷さん

はい。ほかの子の良い所や悪いところがわかる、自分の得意な所や弱点をほかの子に知られる。それが子どもたちの刺激になっていますね。

私自身、子どもたちが「真剣にお稽古をやらない」というのが一番問題だと思っています。親御さんがお稽古代を出してくださっているのに、真剣に稽古と向き合わないと、親御さんを裏切ることになりますよね。だから常に「私は指導に手を抜いていないんだから、君たちも稽古に手を抜くな」ということは伝えています。

つまり、所感をほかの人にも見られる状態にすることは、子どもたちに手を抜かせない、脱落者を出さない策でもあるんです。

編集部

誰一人として置いてけぼりにしない指導ということですね。そして、努力を重ねた子どもたちは昇級にチャレンジするという流れでしょうか?

熊谷さん

おっしゃるとおり4か月に一度の昇級審査があるんですが、これは生徒全員が受けないといけないわけではありません。子どもたちそれぞれのタイミングで受けてもらうようにしています。

あとは稽古回数も、自分でできる範囲で決めてもらうようにしています。ただ、毎日5分でも10分でも、自分のやり方でいいから継続して自主練習をしてほしいということは伝えていますね。

編集部

自分で目標やスケジュールを設定することで、お稽古に自主性が芽生えそうですね。

熊谷さん

はい。目標といえば、うちの教室では入会段階で必ず目標設定をしていただきます。強くなりたいとか、丈夫になりたいとか、曖昧な目標でかまいません。

目標が決まったら、いつまでに目標達成するかを家族会議で決めていただきます。たとえば1年後に目標達成すると決めた場合は「1年たってどうだったか」を家族で話してもらいます。

親子で振り返りの場を持つことで、この1年間目標に向かってどんな努力ができたか、また何が足りなかったか、足りないことを補うにはどうすればいいかを子どもが実感できるので、これはとても大切だと思っています。

豊島目白空手クラブで身につく力|自由に体を動かす力・諦めない心

豊島目白空手クラブの生徒を集めて指導する熊谷さん

ここからは、豊島目白空手クラブのお稽古を通してどんな力が身につくのかを、熊谷さんにお聞きしましょう。

体の可動域が広がって体の動きの自由度アップ

編集部

豊島目白空手クラブでは、お稽古を通して空手の技術習得や習ったことをアウトプットする力、継続する力などが身につくと思いますが、ほかになにか身につくことはありますか?

熊谷さん

体の自由を得ることができますね。つまり、自分の思った通りに体が動かせるようになるということです。

お稽古では、下半身に負荷をかけたり上半身に負荷をかけたり、呼吸法を実践したり、という普段の生活とはまた異なる体の使い方をするので、可動域が広がったり、運動量が上がったりすると思います。その結果、体をより自由に動かせるようになると思います。

壁にぶつかっても諦めない心が身につく

編集部

精神面で何か身につくものはありますか?

熊谷さん

壁にぶつかっても諦めない力は身につくと思います。うちの教室では、子どもたちに「必ず自分の意志で入会を決めてください」と伝えています。たとえ親御さんが「習わせたい」と思っていても、本人にやる気がないと続きませんよね。

たとえば、体験とか見学とかの後のハイテンションの状態で「入会したい」というお子さんがいても、必ず何日か寝かせてから、もう一度入りたいかどうかを考えてくださいと伝えています。

軽い気持ちで始めると、軽い気持ちで辞めてしまうと思うんです。何か壁にぶつかったときに、「じゃあ辞めます」という辞めグセを付けてほしくないんです。

なので、「入会するまでにこれだけ頑張ったじゃん。こんな風に言ったじゃん。だからもう少し頑張れるよ」って本人が思えるだけでなく、親御さんがそう励ましてあげられる状況を作るようにしています。

編集部

親御さんがお子さんをサポートする状況を作る、ということですね。

熊谷さん

やはり、子どもたちの最大のサポーターは親御さんですから。なので、お子さんには必ずお子さんがお稽古から帰ったら「今日はどうだった?」とお話を聞くようにしてくださいと伝えています。「何をしたの?ちょっとやって見せて?」と伝えたら、家でも習ったことをアウトプットできるし、子どもたちも何か辛いことがあっても吐き出せる。

それに壁にぶつかったときにも「親が協力して支えてくれているから、もう少し頑張ってみよう」と思えるんですよね。理解者がいる、支えてくれる人がいるということが、子どもたちの原動力になるはずです。

豊島目白空手クラブから読者へのメッセージ

豊島目白空手クラブ代表・熊谷崇先生の写真

編集部

最後に、この記事を読んで「豊島目白空手クラブ」に興味を持った保護者の方に向けて、メッセージをお願いします。

熊谷さん

当教室では稽古を通して、子どもたちは「物事を諦めずに確実にやり続ける力」が身につくと思います。教室では、その手助けをしっかり行います。また、空手の技術だけじゃなく、教え方や考え方も身につくのが、当教室の特徴だと思います。

ただし、それを実践するのはお子様本人です。稽古をするにあたり、実践するお子様と指導者、家族のサポートという3つの関係が重要ですので、ぜひご協力いただきたいです。

編集部

豊島目白空手クラブは、空手の技術習得だけでなく、そこから一歩踏み込んだ「自分で考えて練習する力」「学んだことをアウトプットできる力」も学べる教室なんだなということがわかりました。これらの力は社会に出たときに大いに役立つと思います。

熊谷さん、今日はお忙しいなか貴重なお話をありがとうございました!

豊島目白空手クラブの料金および体験・見学申し込み方法

豊島目白空手クラブの料金は以下の通りです。

稽古料金 1回一律1,000円
※稽古ごとに納入
年会費 3,000円
※年度初めに納入
スポーツ保険 中学生以下…800円
高校生以上…1,850円
※年度初めに納入
審査費用 昇級審査…1人3,000円
昇段審査…1人5,000円
※受験時に納入

このほか、個人の体格に合わせた道着が必要です。道着の金額は体格やグレードによって異なりますが、1着につきおよそ4,000~1万円程度です。

また、豊島目白空手クラブは見学、無料体験(1回のみ)も随時受付中。申込み方法について、詳しくは教室にお問い合わせください。

■豊島目白空手クラブについてのお問い合わせはこちらから!(問い合わせフォーム|豊島目白空手クラブ公式サイト)
https://www.toshima-mejiro-karate.org/q-a-%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/

豊島目白空手クラブの基本情報

住所 【目白エリア】
目白第二区民集会室
東京都豊島区目白3-4-3 3F 

【高田エリア】
高田第二区民集会室
東京都豊島区高田3-18-3
問い合わせ先 https://www.toshima-mejiro-karate.org/q-a-%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/
公式ページ https://www.toshima-mejiro-karate.org/

※詳しくは公式ページでご確認ください