本記事では、お子さんに豊かな感性と想像力を養ってもらいたいと思っている保護者の方に向けて、東京・神奈川にある生け花・フラワーアレンジメントが学べるお花教室「湘南フラワーコーディネート」を紹介します。
同教室では子ども向けのスクール「お子様お花教室」を開講。フラワーアレンジメントや生け花の技術はもちろん、自由や個性を尊重する指導で子どもたちの創造性と感性を大切に育んでくれると評判です。
子どもたちが楽しみながら花の世界に触れ、創造性と感性を育んでいく。そんな魅力的な学びの場の実態に迫るべく、湘南フラワーコーディネートの代表取締役を務める阿多 星花(あた せいか)さんにお話を伺いました。
この記事の目次
自由に花遊びをする柔軟なお花教室「湘南フラワーコーディネート」
湘南フラワーコーディネートのお子様お花教室では、どんなことを大切にして指導されていますか?
お花を好きになってもらうことです。もちろん技術的な面も指導しますが、何よりもお花を生けたり、自分で何かを作ったりすることの“楽しさ”を感じてほしいんです。“楽しさ”といってもいろいろありますが、一つはお花を使って自由に表現する“作品作りの楽しさ”です。もう一つは、生きたお花を手で触れて、“好きなように使える楽しさ”です。
都会に住んでいる子は、生きたお花を見る機会がなかなかないですよね。それこそ公園の花壇やよそのお家の庭ぐらいでしか見かけないですし、当然そこの咲いているお花を勝手に抜くと怒られてしまいます。そういう点を考えると、やはり生きたお花を自由に使える時間は子どもにとって貴重で楽しいものだと思います。
レッスンの中で、子どもたちが「楽しんでいるな」と感じられる瞬間はありますか?
作品作りの途中で、夢中になって花びらや葉っぱをむしったり、切り刻んでおままごとをしている様子は、本当に楽しんでいると感じます。
お花教室でむしったり切り刻んだりというと意外だと思いますが、時間内に作品ができるのであれば、あえてそれは止めずに子どもたちの好きなようにさせています。
あえて止めないのはなぜでしょうか?
お花はいろいろな形のものがあるので、切り刻んだりちぎったりすることで「植物はこんな構造になっているんだ」と理解するきっかけになると思うからです。
また、大人はお花はその美しさを鑑賞するものという感覚があると思うのですが、子どもにとっては観察対象。ちぎったり切り刻んだりするからこそ見えてくるものがあるので、そこを大切にしています。
このような体験をすることで、「この花の正面はこっちだよね」とか「この葉っぱの特徴は何かな」といった具合に、一つひとつの花をじっくり観察できます。これは理科の勉強にも役立つんですよ。
例えば、理科の授業でおしべと雌しべの話や水を吸い上げる管の話を習うじゃないですか。お花教室で実際に花を触ったり観察したりしていると、「あ、これのことか!」と理解が深まるんです。
基本の型も子どもの個性も大事に。湘南フラワーコーディネートの「お子様お花教室」
お子さんに生け花やフラワーアレンジメントのレッスンをするにあたり、大切にしていることを教えてください。
生け花なら基本的な型があるので、自由創作と型を交互に混ぜながら教えています。自由に制作する時間もありますが、せっかくなら基本的なことは身につけてほしいので、テキストに沿って指導しています。
とはいえ、その日の子どもの様子を見て柔軟に対応しています。例えば、「今日は集中力に欠けてるな」とか「運動会の後で疲れてるな」と感じたら、型をやる予定でも自由創作に切り替えたりして、一人ひとりのペースに合わせながら、コースが終わるまでにカリキュラムはすべて終了できるようにしています。
子ども向けのテキストはどのような内容なのでしょうか?
大人用のテキストを子ども向けに簡単にアレンジしたものを使っています。でも、内容自体は大人が基礎のコースを終えるのと同じぐらいのことが学べるようにしているんですよ。
ただ、難しい専門用語は使わずに子どもたちが理解しやすい言葉で説明するようにしています。例えばフラワーアレンジメントの型を教えるときは、「今日は江ノ島の灯台みたいに作ろう」とか「ダイヤモンドを箱の中に作ってみようかな」といった感じで、ストーリー性を持たせているんです。
子どもでも必ず型は習うのですね。
はい。生け花はどうしてもそこが身につかないと「生け花をやってます」って言えないので、型は必ずやっていただきます。そのためのカリキュラムもそれなりにきちんと組んであります。せっかくなら基本的なことはしっかり身につけてほしいので、テキストに沿って指導してきちんと基礎も身につくという点も大事にしています。
子ども本人のこだわりは必ず尊重。モチベーションを下げない配慮も
ほかにお子さんを教えるにあたって工夫していることはありますか?
個性を大切にすることです。やっぱり本人のこだわりポイントって必ずあるので、そこを大事にしていきたいなと思ってます。例えばできあがった作品を見て手直ししたいなっていう部分がたくさんあった場合でも、一つか二つで絞って伝えるようにしてます。
あとは本人がここは絶対譲りたくないポイントというか、ここを大事に生けたんだよっていうところは仮に大人が見て美しくない状態であっても必ずそのままの形で残してあげるようにします。
その代わり、「こっちはこういう風に調整したらいいよ」とほかの部分をアドバイスして一つの作品にまとまるようにしてあげます。
やはり全部手直ししてしまうと、子どもたちのモチベーションもさがってしまいますよね。
そうですね。子どもたちは「これはこういうイメージでやった」ということを教えてくれるので、そこは大切にしないといけないなと思います。
ただ、型の場合はきちんと型通りに作ってもらわないといけないので、必ず横について指導します。ただし型通りに作っているときでも、「ここはきちんとできたら、こっちは自分の思うとおりにやっていいよ」と、その子の個性を感じられるような指導を意識しています。型をきちんと守りつつ個性を伸ばしていくように工夫していますね。
大規模なスクール展を定期的に開催。ユニークな「海で生け花」も
湘南フラワーコーディネートでは、発表会など子どもたちの作品を披露する機会がありますか?
スクール展は数年に1回のペースで開催しています。実は、今年の11月にも予定しているんです。結構大規模なイベントになりますよ。
会場はさまざまですが、2024年はみなとみらいギャラリーをお借りして開催する予定です。過去には様々な場所で開催してきました。例えば、藤沢ホテルのロビーをお借りしたり、古民家を借りて展示会を行ったりしました。
また、「海生け」といって海でお花を生けるイベントを開催したこともあります。
海で生け花というのもユニークですね!子どもたちも喜びそうです。
海岸に打ち上げられたものを収集する「ビーチコーミング」をして、そこで拾ってきたものを使い合わせて作品を生けましょうというコンセプトで開催しました。
ただ、最近は海もキレイに清掃されていてなかなか素材になるものが落ちていないため、私どもの教室で流木などある程度の材料は持参したんです。それに加えて現地で拾った貝殻などを利用して花を生けました。
草月流では「野外生け」といって屋外で花を生けることもあるんですが、海で生ける機会はなかなかないですよね。うちの湘南藤沢本校が海に近いからこそできる、湘南フラワーコーディネートならではの企画だと思います。
▲いつもと違う場所と材料で作品を作った海生けイベントは、生徒たちにも大好評
湘南フラワーコーディネートで身につくのは集中力
湘南フラワーコーディネートのレッスンを通して、お子さんはどのように成長するとおもいますか?
限られた時間の中で作品を作るので、集中して物事に取り組む姿勢が身につくと思います。ひとつのものを作り上げるのって結構根気がいる作業なので、最初は集中力が続かなくても、何度か繰り返すうちに徐々に長時間続けられるようになるんだと思います。
あとは、落ち着いて静かに作業している大人がお手本になるのでしょうか、子どもたちも空気を読むというわけではないですが、落ち着いてレッスンに取り組めるようになるというのも副次的についてくると思います。
また大人の人たちとお話しする機会も設けられるので自然と目上の人に対する話し方を覚えられる、ということもありますね。
湘南フラワーコーディネート「お子様お花教室」のレッスンの雰囲気
教室の雰囲気を教えていただけますか?わりと皆さん和気あいあいとおしゃべりをしながら作品を作っているのでしょうか?
教室自体は和やかな雰囲気です。でも作品作りに集中することも大切にしています。お子さんの場合は大人と一緒に交じってやるので、結構黙々とやる子が多いんです。作品に集中しているか、お花との触れ合いに集中しているかは別として、あまりおしゃべりしてワイワイというよりは、作品作りに集中している感じですね。
無心になって何かを作り上げる時間は、自分自身と向き合える大切な時間ですよね。こうして子どもたちの集中力が高められていくんでしょうね。ちなみに、入会するにあたり守ってもらいたいお約束はありますか?
教室を出てすぐのところが結構大きい通りで車が頻繁に通るので、小学校低学年の生徒の保護者の方には送迎をお願いしてます。子どもたちも安心してレッスンに来ることで作品に集中できると思いますので、そこは保護者の方に必ずご協力いただくようにしています。
お子様お花教室は対象年齢が4歳からだそうですが、どのくらいの年齢のお子様が一番多いのでしょうか?
一番多いのは小学生です。生け花はどうしても枝を切ったり挿したりと多少力がいるのと、生け花の構造や角度を考えなければいけないので小学生以上から始めていただくのがよいと思います。
低学年からスタートして、小学校卒業まで続ける子が多いですね。「お花が好きだからやってみたい」とお子さん本人が親御さんに伝えて入会するケースが多いので、長く続いている子がほとんどです。
小学校入学前からお花に触れさせたい、という場合はフラワーアレンジメントから始めるのがおすすめです。
うちの教室は大人と子どもで時間帯を分けておらず、一緒にレッスンするんです。なので、親子で一緒に生け花やフラワーアレンジメントを習いにいらっしゃる方が多いですね。
生け花にアレンジメント、子ども向けレッスンコースの選び方
湘南フラワーコーディネートのレッスンコースは3種類(大人が対象)。
- 草月流生け花コース
剣山を使って花を生ける日本の三大流派の一つ「草月流」を学べる。 - SFC生け花コース
湘南フラワーコーディネートのオリジナルコース。伝統的な生け花を現代の空間に合わせてわかりやすく学べる。 - フラワーアレンジコース
吸水スポンジを使ってお花を生けるなどアレンジメントが学べる。
子供向けのレッスンコース「お子様お花教室」では、子供向けにわかりやすくした上記3つのコースから好きなものを選べます。ここからは、そんな湘南フラワーコーディネートの子供向けレッスンについて、選び方やお稽古に向けて必要な準備について伺いました。
途中変更もOK!まずお花に触れてみたいなら「SFC生花コース」がおすすめ
子供向けレッスンでは、3つのコースから選べるそうですが、何を基準に選ぶと良いでしょうか?
お子さんの場合、流派など関係なく単にお花に触れたいのであれば「SFC生花コース」をおすすめしています。
途中でコース変更もできるので、アレンジメントから始めて生け花に進む子もいれば、生け花がある程度できるようになってきたのでフラワーアレンジメントもやりたいという子もいます。
生け花は「引き算の美しさ」を作るのに対し、フラワーアレンジメントは「面の構成」といってお花をたくさん使って面を構成していきます。それぞれ全く別物ですので、どちらも習いたいという方は多いですよ。
ちなみに、「SFC生花コース」と「草月流生け花コース」ではどちらの方がより本格的に生け花を学べるのでしょうか?
子ども向けのカリキュラムが終われば大人のコースに進んでいただくので、続けていけば最終的には同じくらい本格的に学べます。
ただ、どちらのコースでも師範を目指せるのですが、SFCの方が師範の資格を取るまでの期間が短いです。「草月流生け花コース」では師範を取るのに5年ほどかかりますが、「SFC生花コース」では3年くらいで取得できます。師範を早く取りたいという方はSFCを選ばれますし、大きな流派を好まれる方は時間がかかっても草月流を選ばれることが多いですね。
小学生や中学生でも師範は取れるのでしょうか?
幼稚園や小学1年生で始めて、早くに子どものカリキュラムから大人のカリキュラムに移行した子のなかには、中学生で師範を取った子もたくさんいます。また、師範は取らなくても中学卒業後に農業高校に進学してコンテストで優勝した、という子もいますね。
特別な道具や季節のご挨拶は必要なし!思い立ったらすぐに始められる
レッスンを始めるにあたり、どんな道具を準備すればよいのでしょうか?
基本的には、最初はほとんど何も用意する必要はありません。ただ継続的に通う場合は、いくつか準備していただくものがあります。まず、ハサミは買っていただきます。でも、子どもの年齢によって変わるんです。小さい子どもの場合は危ないので、工作用のハサミを買っていただく場合もあります。
生け花をする子の場合は、花器と剣山を買っていただくこともあります。でも、子どもって気持ちが変わることも多いので、一気に全部買ってもらうことはあまりしていません。
どのタイミングで道具を揃えていけばいいんでしょうか?
大体1ヶ月か2ヶ月ぐらい様子を見てから、必要なものを買っていただく感じですね。お子さんの様子を見ながら決めています。
最初から親子で通う予定の場合は、お母さんが持っているものを使えることもあるので、その場合はケースバイケースで対応させていただいています。
お花を習うにあたって覚えておくべき慣習などはありますか?たとえば、お中元やお歳暮といった季節のご挨拶はどうすればいいのか疑問に思う保護者の方も多いと思います。
季節のご挨拶は一切必要ありません。ホームページに書かれている料金と教材費以外はいただきません。これらの必要な費用も、入会のときにご説明いたします。それ以外のものは一切いただいていないですね。
湘南フラワーコーディネートの生徒や保護者からの感想
実際に通われている生徒さんやその保護者の方からは、どういった感想が寄せられますか?
「教室にあるものを自由に使って作品を作るのが楽しい」という声をよく聞きます。うちでは花器や道具だけでなく、ぬいぐるみやビー玉など色々なものを置いてあります。それらを自由に組み合わせて作品を作ってもらうので、それが面白かったという感想が多いですね。
オリジナリティあふれる作品が作れるので、子どもたちの創作意欲がわきそうですね。ほかにはどんな感想が印象に残っていますか?
子どもたちからは「お菓子の時間が楽しみだった」とよく言われます(笑)。お菓子といっても特にたいそうなものではなく、スーパーやコンビニで売っているようなお菓子なんですが、やっぱり頑張った後のご褒美的な感じで嬉しいと思ってくれているのかもしれませんね。
あと、夏休み明けとかだと皆さんお土産を買ってきてくださるので、それが置いてあったのが嬉しかったとか。そういうのって、ずっと思い出に残るんだろうなって思います。
湘南フラワーコーディネートでは、生け花やフラワーアレンジメントを通じて自分を表現できる楽しさを体感し、個性と感性を磨ける教室なんだなということがよくわかりました。
生け花やフラワーアレンジメントは大人になっても長く続けられるので、今後の人生がより彩り豊かになりそうですよね。
阿多さん、今日は貴重なお話をありがとうございました!
湘南フラワーコーディネートの料金・体験申し込み
湘南フラワーコーディネートのお子様お花教室の料金は以下の通りです。
月1回 | |
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SFC生け花 | 5,000円〜 |
草月流生け花 | 6,000円〜 |
フラワーデザイン | 5,500円〜 |
※料金は花代込み
※入会事務手数料2,000円(初回のみ)、共同教材費1,000円(3月・9月のみ)が別途必要。
また、体験レッスンも随時受付中。現在お子様お花教室を開講しているのは湘南藤沢本校のみですが、大田蒲田校と目黒校も希望者がいれば体験レッスンの受付、教室の開講も可能とのこと。各スクールの開講日および時間は、公式ホームページでご確認ください。
▼体験レッスンの料金
- 生け花ジュニアコースが3,000円
- ジュニアフラワーデザインコースが4,000円
▼体験レッスン申し込みはこちら
湘南フラワーコーディネートの基本情報
湘南藤沢校 | 神奈川県藤沢市南藤沢8-3プレジデント藤沢202 電話:0466-28-2731 |
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大田蒲田校 (花屋kkotkkot) |
東京都大田区萩中2丁目6-17 電話:03-6750-6954 |
目黒校 (日本文化体験 NAGOMI HOUSE) |
東京都目黒区目黒2丁目11−3 電話:080-5001-9143 |
問い合わせ先 | https://sfc-hana.com/inquiry/ |
公式ページ | https://sfc-hana.com/ |
※詳しくは公式ページでご確認ください