STEM教育|ロボットトイ「toio™(トイオ)」で、遊びながらプログラミングを学ぼう

今回「STEM・STEAM教育」特集で紹介するのは、PlayStationで有名なソニー・インタラクティブエンタテインメントが提供する、遊びながら学べるロボットトイ「toio(トイオ)」です。

「toio」は、難しいパソコンやネットワークの設定なしで、専用タイトルとともに開封して5分ですぐに始められるので、忙しいお母さんにピッタリ。初級から上級まで対応可能なため、幼児から大人まで家族みんな一緒にゲーム感覚でプログラミング感覚を身につけることができます

プログラミング教室や学校のICT教育でも導入されている「toio」。この記事では、そんな「toio」を使った学び方や身につく力などについて、紹介しています。

ロボットトイ「toio(トイオ)」とは

ロボットトイ「toio(トイオ)」の基本セット

「toio(トイオ)」は、コンソール*と2体のロボット、2つのコントローラーがセットになっており、このロボットと様々な専用タイトルを使って様々なゲームやプログラミングを楽しめます。
*コンソール:入力・出力用の装置で、例えばPlayStationの本体のようなもの。

自分の工作品をロボットに載せて友達と対戦したり、ロボットでパズルゲームをしながらプログラミング的思考を身に付けたり。そしてプログラミングが上達すれば、自分でロボットゲームを生み出すことも可能です。

この可愛らしい見た目のキューブ型のロボットにどれだけの魅力が詰まっているのか、「toio」事業推進室で「toio」を開発された田中章愛さんと、室長の桜井哲郎さんにお話を伺い、「toio」の魅力やどんな遊び・学びが体験できるのかを伺いました。

遊びに夢中でOK!楽しんだ先でプログラミング的感覚が自然と身に付く

ソニー・インタラクティブエンタテインメントtoio事業推進室の桜井さん

▲取材に応じてくださったソニー・インタラクティブエンタテインメントtoio事業推進室の桜井さん

編集部

まずは、「toio」のコンセプトから教えていただけますか?

桜井さん

一言でいうと、『触ってあそべるロボットトイのプラットフォーム』です。遊びの中で、楽しみながら感覚を培っていくことで自然とプログラミング的感覚が身に付けられるように、ということを大切にしています。

昔は、竹とんぼや凧揚げなど、どうすればもっと飛ぶか、上手く行かない場合はこうすれば良いのではないかなど、試行錯誤しながら遊んでいましたよね。でもこのようなシチュエーションは、現代では失われつつあります。

だからこそ「toio」では、子どもたち自身で遊び方の工夫ができるようにしたいと考えました。

ただ「工夫して」といってもいきなりは難しいので、当社よりユーザーの皆さんに楽しんでいただける様々なタイトルを提供しております。その「遊び」のなかから「どんな工夫ができるか」のヒントを得れば、ひらめくきっかけになると考えています。そして最終的には、ひらめきがまた次のひらめきを生み、どんどんどんどん自分たちで遊びを作っていけるようになるのではないかと思っています。

遊ぶためのロボットトイが、プログラミング教材として文部科学大臣賞も受賞

「toio(トイオ)」の開発者である田中さん

▲インタビューに応じてくださった「toio」の開発者の1人である田中さん

編集部

「toio」はプログラミング教材として注目されていますが、もともとは教材として開発されたものではないと伺いました。どのような思いで開発されたのでしょうか?

田中さん

「toio」はもともと、「ロボットトイを使って遊べるおもちゃ」として作りました。

自分自身がブロックで作ったおもちゃを動かして遊べるものが欲しいという思いから、10年ほど前に共同開発者ででゲームを研究していたアレクシー・アンドレ(ソニーコンピュータサイエンス研究所)とともに「ロボットとゲームを合体したら面白いんじゃない?」という軽いノリでプロジェクトが始まりました。

そしてプロジェクトを進めていく中で、作ろうとしているロボットトイが「簡単かつ正確なプログラミングができるおもちゃ」になる可能性に気づき、そこからはプログラミングに初めて触れる子どもたちのために開発するようになりました。

編集部

リリースされた後の反応はいかがだったでしょうか?

田中さん

プログラミング教室や学校から「プログラミング教材として使いたい」という声を多くいただきました。

「楽しいし手軽だし、本質的な深い学びに繋がる」「プログラミングも理解できるし、ロボットを動かすことでその立場になって物を動かすことも理解できる」と称され、名だたるデザイン賞などいろいろな賞をいただいています。

そして2022年には第10回ロボット大賞の文部科学大臣賞を受賞するなど、ロボットとして優れているというだけでなく、その教育効果も認めていただいたと思っています。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントが受賞した文部科学大臣賞

桜井さん

私が、「toio」を教材として採用されているプログラミング教室の講師の方からよく聞くのが、入口としての入りやすさです。小さな子どもでもすぐに理解できるため、プログラミングへの敷居が低く、子どもたちが抵抗なく取り組めるようですね。また、自分のやりたいように工夫できる自由度の高さも、プログラミングへの障壁を下げていると思います。

もう一つは、女の子にも受け入れられやすいということです。ジェンダーレスの時代とはいえ、プログラミング教材はどうしても男の子の方が好きな傾向が多いのが現状なんですよね。でも「toio」なら、自分の好きなようにカスタマイズできるので、女の子も楽しく取り組めるのかもしれません。あとはシンプルに、白くて小さいという見た目を「可愛い」と感じるお子さんが多いようです。

「toio」のメリットは、肌感覚でプログラミングを理解できること

親子が自宅で「toio」を使って遊びながら学ぶ様子

編集部

「toio」は夢中になって遊んでいるうちに、自然にプログラミング的感覚が身についていくというお話でしたが、「遊びながら学べる」が実現できているのはなぜでしょうか?

桜井さん

目の前にあるロボットを動かすため、肌感覚でプログラミングを理解できるところにあると思います。

例えば、よくあるプログラミング学習ソフトのようにパソコン画面の中でキャラクターを動かそうとすると、自分がいる世界と違うため「何をすれば、画面上で動かせるようになるのか」を想像しづらいケースがあります。

「toio」ならロボットが目の前にあるので、「ロボットに右を向けと言ったらこっちに動くだろうな」と想像しやすく、理解しやすいんです。「そんなの当たり前」だと思われるかもしれませんが、実はそれが大きく影響しています。

例えば、紙面で数字だけ見て『5ひく3』は理解できなくても、目の前に5個あるりんごを3つ食べれば2個残るということは体感で分かりますよね。それと同じように、「toio」を使えばしっかり肌感覚で理解できるので、「遊びながら学ぶ」に繋がります。

また、「toio」でプログラミング感覚をしっかり身につけておくことで、後から本格的にプログラミングを学んだ時にも腑に落ちやすくなります。

子どもの“やりたい”を邪魔しないデザイン&仕組み

可愛らしい「toio」のロボット

編集部

「toio」はロボットトイですが、「ロボット」と聞いて想像するものとは少し違いますよね。形やデザインに対するこだわりがあれば教えてください。

田中さん

白くて四角くてシンプルな「ブロックにしか見えない小さなロボット」という見た目にはこだわりました。お子さんが製作された工作やキャラクターが目立ち、土台となる「toio」は裏方に回るためです。そもそも「toio」は、レゴブロックや自分の好きなキャラクターをくっつけて遊ぶことが前提となっています。そのため、「toio」のほうが目立ってしまうことを避けたいのです。

ブロックにしか見えない小さなロボットtoioコアキューブ

▲こうしてみると、本当にただのブロックにしか見えませんね

こうしたデザインにした背景には、「誰かが作ったロボットよりも、自分で何か手を加えたロボットのほうが、より気持ちが入るよね」という子供心があります。「自分で作ったものが動いた」という感動を味わってほしいとも考えました。それが、今のような形・見た目になった理由です。

編集部

なるほど、確かに作品を上に載せれば「toio」は目立たないです。あくまで子どもの作品が主役で、「「toio」が子どもの世界観を邪魔しない」ことを大切にされたからこそのデザインなのですね。

他にもデザインにおけるこだわりはありますか?

田中さん

「届いたらすぐ楽しめる」という点にもこだわっています。商品が届いたら、箱を開けて5分で遊べます。

一般的な組み立て式のロボットだと、組み立てるだけで30分や1時間はかかってしまいますが、「toio」は組み立て不要なのですぐにやりたいことができます。

編集部

子供は、おもちゃが届いたらすぐに開けてすぐに遊ぼうとしますよね。それなのに、遊び始める前に組み立てをしなきゃならないとなると、せっかくの「やる気」が失われてしまいそうです。やる気を損なわずに取り組み始められるのは、メリットとして予想以上に大きい気がします。

「toio」の同じ動きを再現できる「正確性」が、トライアンドエラーでは重要なポイント

toioコアキューブを見せてくれるインタビュイーの桜井さん

編集部

「toio」と他のロボットとの違いは、どのような点にあるでしょうか?

田中さん

「toio」に搭載されている位置がわかるセンサーの正確さです。「前に何歩動かす」「左に何度曲がる」という動きを正確に指示できます。実は、ロボットにおいて、この「何歩」という歩数指定の実現がなかなか難しいのです。

この動きの正確性は、プログラミングを行う上で大きく影響します。なぜなら、ロボットの動きが正確でなければ、プログラム通りにロボットが動かなかった場合にエラーの理由がプログラ厶の誤りなのかロボットのバグなのかを判断できないからです。

何度動かしても、誰がどのプログラムを使っても同じ動きを再現できる。これが可能であることで「何が問題か」を特定できるため、トライアンドエラーがやりやすく、先生も授業で教えやすくなります。

「toio」は初級から上級まで楽しめるよう、さまざまな商品を用意

ソニー・インタラクティブエンタテインメントが提供する「toio」のタイトルたち

編集部

「toio」を使った遊びと学びについて、もう少し具体的に教えていただけますか?

田中さん

「toio」は本体セットのみでも遊べるのですが、「タイトル」と呼んでいる遊び方を提案するブック型のキットを複数用意しています。このタイトルと組み合わせて遊ぶことで、さまざまな遊び方のヒントを得られます。

例えば、「トイオ・コレクション」というものがあるのですが、その中に「クラフトファイター」という相撲ゲームがあります。

これは、折り紙や鉛筆、洗濯バサミなど好きなものを使って自分だけの相撲ロボットを作り、相手のロボットと相撲遊びができます。単純な遊びのようですが、腕の付け方や重さ・バランスを考えたりといろいろな工夫が必要で、子どもたちの創意工夫を存分に引き出すことができます。また、無意識のうちに物理現象も理解しながら遊んでもらえます。

遊び方は自分なりにどんどんカスタマイズできるので、工夫を楽しめる余地、余白を残して遊べるような設計にしています。

「トイオ・コレクション」はその他にも、「音楽を合わせてプログラムを組みパズルを解いていくゲーム」や「追いかけっこをして尻尾を踏むゲーム」など、さまざまな遊びができるようになっています。

対象年齢は幅広く、6歳頃から高校生レベルまでのプログラミング要素が学べる

ソニー・インタラクティブエンタテインメントが開発した「toio」のタイトル「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」

編集部

ちなみに、何歳くらいから始められますか?

桜井さん

「toio」のタイトルは、すべて6歳以上を推奨年齢としています(2023年12月時点)。

例えば「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」というタイトルがありますが、これも文字を読めるお子さんであればお取り組みいただけます。

物語になっているので、どんどん先に進めたくなる、先に進めるために夢中になって考える、ということができるタイトルです。こちらは、難しいことを考えずに始めてほしい・楽しんでほしいという思いで作りました。

「プログラミングを学ぶ」と聞いても、特に小さいお子さんは理解が難しいので、プログラミングに触れる入口で嫌いになってしまうことがあります。そうならないよう、「楽しめる入口」として発売しました。

「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~のパッケージ

▲「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」はこのような絵本形式になっています

編集部

もう少し上の年齢でも楽しめるものなのでしょうか。

桜井さん

もちろんです。年齢というよりは、プログラミングの基礎知識がどの程度あるかで、タイトルを選んでいただけると良いと思います。

例えば、先ほど紹介した「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」よりも少しプログラミングレベルが上がったものが「GoGo ロボットプログラミング アドバンス」です。

物語形式で同じようにゲームをクリアしながら進めていくのですが、『ロジーボのひみつ』よりも解くパズルもより複雑になり、プログラムできる範囲が広がります。例えば、各ページをクリアすることで、関数の仕組みやもっと複雑な「並列プログラミング」という仕組みを学べるようになっています。

実はこの「並列プログラミング」はわりとレベルの高いプログラミングで、「GoGo ロボットプログラミング アドバンス」で学べる知識はプログラミングの要素でいうと高校レベルなんです。

こういうと難しく思われてしまうかも知れませんが、実際に使われているユーザーは小学3年生から中学1年生ぐらいの方ですので、年齢にすると10歳くらいから理解してもらえる内容だと思います。

田中さん

「並列プログラミング」は、複数のものを同時に動かすプログラムで一般的に難しく考えられていますが、実はそれほど難しくないんです。お母さんが毎日やっている料理というのがまさにそうで、段取りを考えて並列で複数の料理を作っていくというのが、並列プログラミングの考え方です。

そうやって身の回りのことに置き換えて考えれば難しくないのですが、プログラミングとして学んでしまうとどうしても難しくとらえてしまう。そんな風に学んでしまうと、プログラミングが嫌になってしまうんですよね。

そうならないよう遊びながら学んでもらい、「いつの間にか身についてた!」を私たちは目指しています。

本格的なプログラミングも可!大人のクリエイターにも楽しまれている

インタビューで「toio」の中級・上級者向けの楽しみ方について教えてくださる桜井さん

編集部

中級・上級者の方でも楽しめる方法はあるのでしょうか?

桜井さん

初級・中級者向けとなるのですが、「toio Do(トイオ・ドゥ)」という無料のプログラミングソフトをご用意しています。これを使えば、小学生でも簡単にロボットゲームなどのプログラミングを作ることができます。「toio Do」はWindowやMACなどのパソコン・iPad・Chromebookにも対応しているので、それらで作ったプログラムをロボットに読み込ませることで、楽しみ方や学びはさらに広がります

「toio Do」の画面

▲無料プログラミングソフトの画面

「toio Do」詳細:https://toio.io/do/

田中さん

上級者向けとしては、より高度なプログラミングをしたい方に向けて、「toio」の技術仕様を公開しています。その他にも開発環境などを用意していますので、大学の研究などで大人のクリエイターがガッツリ使ってくれているという状況もあります。

プログラミングといっても、年齢や知識などによって、楽しさや分かりやすさが違うため、様々な形で提供しています。

学校での活用例|千葉県流山市では小・中一貫のプログラミング教育に「toio」を導入

まだ文字が読めない小学1年生でも扱える「toio」

編集部

学校にも導入されているとのことですが、そこでの反応はいかがでしょうか?

桜井さん

代表的な例として、人口増加が著しいことで最近話題になった千葉県流山市を紹介します。

流山市では、小学校から中学校まで一貫したプログラミング教育を行っており、その教材として「toio」が導入され全校で使用されています。流山市教育委員会、およびサポート頂いている東京理科大学 滝本教授が目指されている流山市のプログラミング教育において「toio」の活用が最適であるという点や、まだ多くの文字を習う前の小学1年生から中学生の学びまでサポートできる幅広い汎用性といった点を評価していただいております。

田中さん

他にも、プログラム教育への導入のスムーズさを評価されています。一般的なプログラム教育では、パソコンやタブレットを利用することがほとんどですが、その使い方を知らない低学年の場合だと、そこから教える必要が出てしまいます。

本来はプログラミングやプログラミング的思考・論理的思考も含めて理解してほしいのに、その手前の助走が長すぎてしまうんですね。

一方「toio」なら、パソコン等の使い方のレクチャーだけでなく、ネットワークの設定や準備などもすべて必要ありません。目的までの助走が一切なく、最初からロボットを使った遊びとしてプログラミング要素を覚えることができます。

桜井さん

もう1つ、「toio」の動きも子どもたちを惹きつけることに一役買っていると思います。ロボットを動かしてみるとわかるのですが、ぐるぐる回転したり、「ちょっとした動き」を足しています。

これは、キャラクター性を設けるためにあえて設計したもので、このような「toio」の世界観があるからこそ、子どもも興味や親しみをもって取り組んでもらえているのではないかと思っています。

「toio」のキャラクター性

▲こんなに可愛らしい「toio」たちがくるくると回ります

高学年になると、どのように活用されているのでしょうか?

桜井さん

流山市の小学5〜6年生では、算数の時間にも活用されています。

例えば、正多角形を描く授業があり、そこでは「内角」と「外角」の概念を理解します。実はこの概念は意外に理解が難しく、直近の全国テストだと対象小学生の約半数が誤回答しています。

わかりやすい例としては正三角形を描く際の曲がる角度です。正しくは120度なのですが、「正三角形なので60度だ!」と勘違いしてしまう小学生が多いようです。

そしてこれを最近の学校では画面上のプログラミングで学習するケースが増えているのですが、まだまだ子供たちには理解が難しいようで、それがテストの結果に出ていると思われます。

そこで流山市では「toio」を使い、専用の紙マットの上でロボット動かすプログラミングをして学習をしています。この「toio」を活用した学習ならロボットを上から見て考えられるため、ロボット目線で考えられるようになります。そうすることで、120度が正解だとより理解しやすくなるんです。

編集部

なるほど。運動場で正三角形に線を引けば、進行方向に対して60度だけ向きを変えても正三角形が描けないことが分かると思いますが、画面上だと理解までに時間がかかりそうです。でも、目の前でロボットの動きが見られるからこそ、体感したのと同じように感覚的に理解できるということなんですね。

「toio」で遊びながら身に付く力はプログラミング力だけじゃない

「toio」のタイトル「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」

編集部

「toio」を使うことで、どのような力が身につくのでしょうか。

田中さん

STEAM教育の目的である、工学・理系の知識やアート・文系的な要素を含めた力がバランス良く身についてくるのではないかと思います。あとは、論理的思考ですね。他には「新しいことにどんどん取り組み、一歩一歩進めていく」という力も養えると思います。

プログラミングは、試行錯誤とチャレンジの連続です。自分でルールを作り、動きを作ってみて、思った通りうまくいくかどうかを創意工夫しながらトライアンドエラーを繰り返します。また、アクティブラーニング*の考え方が「toio」による遊びの中に含まれていることもあり、課題を発見して解決策を探るといったPDCAの取り組み方が自然と身に付くのではないでしょうか。
*アクティブラーニング:一方的な講義式の授業ではなく、受講側が能動的に考え学習する教育法

桜井さん

現代の教育現場では、「失敗を繰り返して学んでいく」というを豊富に作れるほど、授業時間に余裕が無いように見受けられます。文科省も学校の先生も「失敗するな」とは言っていませんが、なかなかそのサポートを手厚くする時間も取りにくいと思われます。

でも、「toio」は、遊んでいるうちにたくさん失敗します。現代では社会に出てからでないと経験できないような、「失敗」と「試行錯誤」、そこから得た「学び」「積み上げ」といったことを、子供の頃から体験することができるんです。

しかも楽しみながらその経験が得られているので、「失敗を恐れない」「何度もチャレンジするマインド」が身に付くという点もありますね。

また、「toio」を導入されている学校の先生からは、「実社会のシミュレーションに近い体験ができる」とよく言われます。例えば身近な例でいうと、お掃除ロボットは裏側でソフトウェアにより制御を行いハードウェアで動かして世の中の役に立っています。この制御する仕組みは「toio」も同じなので、自分たちの手で社会の役に立つロボットを創り出していくことをイメージしやすくなるのではないでしょうか。

こうして、ロボットを扱う技術者がどんどん育成され、さらに役に立つロボットが増えていく。こういった仕組みを、遊びながら感覚的に学べるというのは大きいと思いますね。

「toio」に興味を持たれた読者へのメッセージ

ソニー・インタラクティブエンタテインメントtoio事業推進室の田中さんと桜井さん

編集部

最後に、「toio」に興味を持った読者の方に向けて、メッセージをお願いします。

田中さん

今はロボットAIが当たり前の時代となり、これからを生きていくお子さんにとってAIの理解は不可欠になっていくだろうと感じています。そのため、まずは親子で「ロボットと親しむ」「ロボットと遊ぶ」を体験していただきたいです。それがAIの理解にも繋がるからです。

AIは、将来お子さんが仕事をするときに、パートナーやサポートしてくれる相棒になる可能性もあります。ですから、小さい頃から遊びを通してAIに触れる感覚を身につけると良いと思います。「toio」がその手助けとなれれば、こんなに嬉しいことはありません。

桜井さん

私は学校関係者やプログラム教室の方、大学の教授とお話をする機会が多いのですが、そういう教育関係者と話していて感じるのは、「遊び」と「学び」は分けることではないということです。

私も親なので、つい分けて考えがちで「勉強しろ」ってなっちゃうんですが、そもそも全て興味から入るものだと思います。「toio」は自然とお子さんが興味を持って次のステップへ進み、学びにも繋がるものなので、まずは楽しんでほしいですね。

編集部

小さい頃から「toio」で遊ぶことで、自然とこれからの社会で役立つ能力が身についていくわけですね。STEAM教育などが注目されていますが、暮らしている環境によって、どの程度触れられるかというのは差が出ている現状があると思います。

「toio」ならおもちゃとして、ゲームとして家庭に取り入れられるものなので、地域格差なしに誰でも挑戦できるという点も素敵だと思いました。

田中さん、桜井さん、本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

「toio」利用者からの口コミ

ソニー・インタラクティブエンタテインメントに集められた「toio」利用者の声

▲ソニー・インタラクティブエンタテインメントさんが見せてくださったユーザーの声

ここからは、実際に「toio」を利用された方の感想を紹介します。「toio」に触れることでどのような遊びができるのか、学びがあるのか、購入を検討する上での参考にしてください。

とにかくシンプルに可愛いし、自分で工夫できるところが楽しい。

子どもに与えるものなので壊してしまうかもと思ったけど、意外と丈夫!*
*高いところから落とすなどの衝撃に耐えられるというわけではなく、あくまで使用する上で実感した感想です。

小さい頃からずっと長く遊べるおもちゃはそうそう無い。大人も遊べるので親子で一緒に楽しめるのも良いと思う。

一人で夢中になって遊ぶこともできるし、友達と一緒にワイワイ楽しむこともできるのが良い。

「toio」の特徴である可愛くて、工夫を楽しめて、年齢問わずに長く遊べるという点を評価する声のほか、プログラミングが必修科目ではなかった親世代にとっては、子どもと一緒に楽しみながら学べる良い機会になっていることがわかる声もありました。

「toio」の購入方法について

「toio」の取り扱い店は、toio公式ホームページ(https://toio.io/)右上の『購入する』を参照

「toio」の基本情報

提供会社 株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
問い合わせ先 https://support.toio.io/