「杉並空手道クラブ聖基館」の考えさせる指導で養われる計画力と改善力とは

この記事では、基礎体力や礼節、自己管理能力を養える子どもの習い事を探している方に向けて、東京都杉並区にある「杉並空手道クラブ聖基館」をご紹介します。

杉並空手道クラブ聖基館は、道場を「子どもたちが自分の問題を見つけて解決していく生涯学習の場」と位置づけ、空手の稽古を通して計画力や実行力、改善力を身につけることに重点を置いています。

先生の教え方が論理的で分かりやすく、自分の課題を考えさせたり、後輩に教える機会を与えたりする中で、空手だけにとどまらない汎用性の高い能力が身につくと評判ですよ。

今回は、聖基館代表の池谷正基さんと、指導補佐の勝俣陽子さんにインタビューを行い、クラブの特徴や魅力、子どもたちの成長の様子などを聞いてきました。

子どもの課題解決力を育てる「杉並空手道クラブ聖基館」

杉並空手道クラブ聖基館の池谷さんが子どもたちに解説している様子

▲代表の池谷さんは、子どもたちに考えさせる指導を心がけているという

杉並空手道クラブ聖基館は、4歳ごろから入会できる空手道場です。特に子どもの真剣な姿や成長を間近で見られることから、親子での入会を推奨しているそうです。

流派としては、伝統空手四大流派の一つである松濤館(しょうとうかん)流に属しており、形を重視して、組手では安全性のために防具を使用するスタイルです。

それではさっそく、聖基館のコンセプトや入会者の年代・動機について、代表の池谷さん、また子どもと一緒に聖基館で空手を始め、現在は指導補佐を務める勝俣さんにお話を伺っていきましょう。

汎用性が高い問題解決能力を磨く生涯学習の場

杉並空手道クラブ聖基館の稽古風景

編集部

まずはじめに、杉並空手道クラブ聖基館のコンセプト・理念についてお聞かせください。

池谷さん

子どもたちが考えながら創意工夫して、自分の問題を見つけて解決していく。そういった生涯学習の場所を作りたいというのが、大きなコンセプトの一つです。

というのも、空手を始めた子たちの9割9分は、いずれ空手をやめます。そのとき、子どもたちの人生に何も影響を与えない教室だったら、ちょっと寂しいなと思うんですよ。

そういった意味から、どうすれば突きが速くなるか、どうやったら蹴りが高くなるかと自分の中で問題を見つけて解決していくような、汎用性が高い能力を身につけてもらいたいと考えています。

小学1年生前後の入会&親子入会が多い。形と礼儀を重視する伝統派

杉並空手道クラブ聖基館の勝俣さんが子どもを指導している様子

▲子どもと一緒に入会した勝俣さんは、いまでは指導する側に

編集部

入会者で多い年代や、入会の動機について教えてください。

池谷さん

幼稚園の年長さんから小学校低学年ぐらいまででスタートする子どもが多いですね。それに関連して、お父様やお母様が一緒に始められることもあります。

勝俣さん

実は私も5年前、当時小学1年生の息子が入会したことをきっかけに、池谷先生から「一緒にやりませんか」と声を掛けていただいて空手を始めました。

当時は、子どもと一緒に習い事ができる、共通の話題ができる点に魅力を感じたのです。実際に息子が段階的に成長していく姿を近くで見ることができて、とても勉強になりました。

いまは小学1年生に上がったばかりの娘が「私もやりたい」と言って、お兄ちゃんの道着を着て頑張ってくれています。

杉並空手道クラブ聖基館でよく見られる親子そろっての稽古風景

▲親子で入会するケースも多いという

編集部

勝俣さんが空手クラブの中でも、聖基館を選んだ理由を教えていただけますか?

勝俣さん

きっかけとしては、家がたまたま近かったことと、フルコンタクト空手は避けたかったことが大きかったですね。

そもそも空手に魅力を感じたのは、自分の身を守る護身術としての技術であり、形がとっても綺麗で美しいと感じたことがきっかけでした。

聖基館では形を丁寧に教えてもらえますし、実際に体験に行ったときに礼儀をきちっと教えてもらえたことがすごく好印象だったことから入会を決めました。

杉並空手道クラブ聖基館のカリキュラムの特徴やクラスの雰囲気

それでは次に、杉並空手道クラブ聖基館のカリキュラムの特徴やクラスの雰囲気について伺っていきましょう。

初級から上級まで3段階のクラス分け。昇級審査や大会出場も

杉並空手道クラブ聖基館の池谷さんと会員

編集部

実際の指導内容についてお尋ねします。まずは杉並空手道クラブ聖基館のコースやカリキュラムについてお聞かせください。

池谷さん

子どものクラスは大きく3つに分かれています。

まず、4歳程度の未就学児から小学校低学年ぐらいまでの子たちが最初に入るのは初級クラスです。次のレベルの中級クラスは、小学3年生から中学生くらいまでの子が多いですね。最終的に上級クラスになると茶帯以上、つまり3級から初段くらいのレベルになります。

このほか、高校生以上を対象とする「一般部」があり、こちらは初心者から上級者までが一つのクラスで学びます。

全クラスに共通しているのは、年に4回の昇級審査です。また、春と秋にある杉並区の大会に出ることも、子どもたちの大きなモチベーションになっています。

「からだ作り運動」を楽しみながら運動能力を鍛える「初級クラス」

杉並空手道クラブ聖基館のからだ作り運動の様子

▲楽しみながら「からだ作り運動」に取り組む子どもたち

編集部

入門クラスとなる「初級クラス」について、詳しい内容を伺えますか?

池谷さん

初級クラスでは、レクリエーションの中で体を動かすことがメインです。

運動理論に基づく「からだ作り運動」という方法で、遊びの中で走ったり、瞬発的に手を出したりしながら、多様なスポーツに応用できる感覚や体力を養っていきます。

例えば、2人1組のペアになり、間にペットボトルを置きます。そして「ペットボトル」と言われて先に取ったほうが勝ちなのですが、そこに「自分の肩を触って」などとフェイントを入れるのです。子どもたちはかなり楽しみながら取り組んでくれますよ。

勝俣さん

そういった遊びを、ずっと空手の中腰の状態でやるんです。トーナメント制でやったりしてすごく盛り上がるし、体も頭も鍛えられるので面白いですね。

編集部

そうした遊びが、空手の基礎づくりにつながっていくのですか?

池谷さん

空手で非常に重要なことは、状況を把握して体の動きにつなげる瞬発力なんです。

いまの遊びのように、耳で聞いた情報を実際の体の動きにつなげることで、そうした能力が鍛えられて、冷静に瞬発的に判断できるようになっていきます。例えば大人の仕事でも、言われたことに対してレスポンスが早い人のほうが、話が進みやすくてスムーズですよね。

こうした「からだ作り運動」と、「その場基本・移動基本」といった純粋な空手の基礎の動きを、約1時間の稽古の中で30分ずつ取り組むイメージです。

集中力と真剣さが求められる「中級クラス」で本格的に空手を学ぶ

杉並空手道クラブ聖基館の稽古で集中する子どもたち

編集部

一つステップアップして「中級クラス」になると、どのような稽古内容に変わるのでしょうか?

池谷さん

中級クラスになってくると、もう初歩的な運動は全てできる前提なので、完全に純粋な空手の稽古になっていきます。

「からだ作り運動」のような動きも準備運動の中に取り入れているものの、レクリエーションの要素はかなり小さくなります。

あらゆる状況を想定して作られた空手の基本動作である「形」を学ぶことで、空手の動きをバランスよく習得することができます。

また約束組手、試合組手といった対人の組手も行います。当道場では安全面のうえから、必ず防具を着用して組手を行っています。

編集部

実際に教わる立場も経験された勝俣さんから見て、クラスの特徴や雰囲気はいかがですか?

勝俣さん

初級クラスにも通じることなのですが、個人的には礼儀を大切にする点、上手い下手で叱られない点が印象的でした。

その子が集中しているか、自分としっかり向き合っているかを大事にされていて、そこができていなければ小さい子でも容赦なく稽古から外されます。「正座して見ていなさい」となるんです。

反対に一生懸命やっていたら、どれだけできなくても丁寧に指導してくださるので、子どもたちも本当に一生懸命にやっていますね。

いつも「今日の自分が一番よくできている」という限界を目指しているので、毎回成長が見られることが本当にすごいと感じています。

人に伝えて技術の完成を目指す「上級クラス」。論理的な指導も魅力

杉並空手道クラブ聖基館で先輩が後輩を指導する様子

▲上級クラスになれば、後輩を指導する中でさらに技術への理解を深めていく

編集部

最後の「上級クラス」になると、どのような点が重視されるのでしょうか?

池谷さん

いつも上級クラスの子たちに言っているのは「教わった技術を自分以外の誰かに伝えて、その人が自分と同等レベルのことができるようになって、初めてマスターしたと言える」ということです。

これは私が師匠から教わったことです。例えば単に自分の突きが速いとか、形を1つ覚えたと言っている子どもは、まだ技術習得の半分であって、師匠が言うには「成熟した技術ではない」のです。

だから子どもたちでも上級クラスぐらいになったら、後輩たちに指導してもらう場面を増やすようにしています。

編集部

教える立場になると、まさにコンセプトとして仰っていた「問題を見つけて解決する力」が鍛えられそうですね。

池谷さん

まさにその通りで、何となく数をこなしてできるようになっただけでは、決して人には伝達できないんですよ。

だけど、自分の動きの特徴を把握して、目的の動きをするためにはどういう能力が必要かとロジスティックに解決していくことができれば、それを人に伝えることもできるわけです。

いわば社会人で言う「PDS(Plan、Do、See)サイクル」ですね。PDSサイクルの中で技術を身につけていけば、社会へ出たときにもそのまま役立つでしょう。

そうした成長を促すために、もちろんヒントは出しますが、特に上級クラスでは最終的な答えは教えません。

「なんでこういうふうになると思う?」「この人の動きを見てどこが問題だと思う?」といった問いかけの時間を長くとるようにしていますね。

勝俣さん

初級クラスの段階から、そうした先生からの問いかけの場面はあります。一方で特に初歩の段階では、本当に論理的に教えてくださるので、子どもはもちろん大人にとっても理解しやすいです。

「体の構造がこうなっているから、こういう動きになる。だから、ここの位置じゃないと力が入らない」などと、すごくわかりやすいんです。聖基館の大きな魅力だと感じています。

杉並空手道クラブ聖基館で身につく力

杉並空手道クラブ聖基館の稽古風景

それではここからは、杉並空手道クラブ聖基館で空手を学ぶ中で、子どもたちがどのような能力を鍛えていくことができるのか、さらに詳しく聞いてみましょう。

地に足ついた基礎体力と他者を大切にする礼節が身につく

杉並空手道クラブ聖基館の稽古風景

編集部

あらためて体力面や精神面など、聖基館での空手の稽古を通じて子どもたちが身につけていく力について教えてください。

池谷さん

まず体力面では、空手に限らず幅広いスポーツに役立てられる体力を養えます。飛ぶ、跳ねる、走る、屈む、掴むといった基礎能力ですね。

例えば、いまの子どもたちは私が見る限り握力が弱いので、木登りができません。そういう一見すると運動とは思えないような身体操作が実は重要な基礎体力につながっていくのです。

別にバク転ができるから運動能力が高いわけではないんです。むしろ木登りができる子のほうが地に足をつけた体力を持っている。そういった基礎体力を養うことを目標にしています。

あとは精神面、礼節の部分です。私が子どもたちに教えているのは、「礼節とは、自分よりも他者のことを大切にする心だよ」ということです。

いまの時代は人に迷惑さえかけなければ、個々人が何をしても比較的自由です。

そうして個が尊重されること自体はいいのですが、そこに相手を敬うリスペクトの気持ちがなかったら、いつまでたっても力を合わせて大きな力を発揮することはできないですよね。

そういった意味から、道場で礼をする意味は、自分のことよりも相手を大切にする心を養うためだと教えています。

実際に子どもたちは挨拶を、同級生だけじゃなくて、後輩にもお迎えに来た親御さんにも、見学している人たちに対しても、必ず行います。

そこはかなり実践的にやっていて、割と身についてきている子たちが多いと感じていますね。

稽古の最初に「五条訓」を唱えて人格を形成していく

杉並空手道クラブ聖基館の稽古風景

編集部

勝俣さんは、実際にお子さんもご自身も学ばれた立場から、杉並空手道クラブ聖基館でどのようなことを得たと感じておられますか?

勝俣さん

個人的には、毎回最初に唱える「五条訓」から学んだことは多かったと感じています。

▼五条訓

  • 人格完成に勤むること
  • 誠の道を守ること
  • 努力の精神を養うこと
  • 礼儀を重んずること
  • 血気の勇を戒むること

どれも子どもたちの人格形成に役立つ教えばかりで、特に私は3番目の「努力の精神を養うこと」が好きになりました。

そこから先生が分かりやすく説明してくださったのは、疲れることや大変なことを嫌わず、目標のために頑張ることの大切さでした。

好きなことをやっていても、疲れることや大変なことは必ずある。そのときに、もう一歩先に進んだらもっと上手になれる、新しい扉が開くと信じて努力できる精神力が、すごく大事だと気づいたんです。

これを子どもたちに伝えたいとの思いで、いまは指導に携わらせてもらっています。

杉並空手道クラブ聖基館からのメッセージ

杉並空手道クラブ聖基館の池谷さんと勝俣さん

▲杉並空手道クラブ聖基館の池谷さん(右)と勝俣さん(左)

編集部

最後にあらためて、杉並空手道クラブ聖基館への入会に興味を持った保護者さんやお子さんに向けて、それぞれからメッセージをお願いいたします。

池谷さん

まずは親御さんの立場から、勝俣さんお願いできますか。

勝俣さん

まずは体験してみていただいて、子どもがどう変わっていくか、特に目の色がどう変わっていくかを見ていただきたいですね。

そして、もしできたら怖がらずに、お母さんお父さんも一緒に参加してみてください。頑張っている子どもの姿を見ながら、自分の背中を見せることができますよ。

背中を見せて「一緒に頑張ろう」って言える習い事はなかなかないと思うので、これは大きな魅力だと感じています。

編集部

ありがとうございます。池谷さんはいかがですか?

池谷さん

私も勝俣さんが言ってくれたように、親御さんも一緒に通っていただくのが一番いいと思います。子どもたちの真剣な目を近くで見たいのであれば、うちの道場はすごくおすすめです。

昔の話なのですが、あるところで空手を教えていて、子どもたちが大会に出ました。そこで惨敗した子に感想を聞いてみたら、悔しがってもいないし喜んでもいないんです。

本当にただ笑っているだけの姿を見て、私はとても残念だったんですよね。でも、その子の普段の稽古を見ていて納得しました。というのも、どう考えても真剣ではなかったんです。

真剣な子は勝とうが負けようが、何か感情的に、あるいは感覚的に学ぶものがあります。だから、子どもたちが真剣になっているその目を見るだけでも、親としてはかなり値打ちがありますよ。

子どもを何かに真剣に取り組ませたいという親御さんがいれば、ぜひお子さんを当道場へ預けてください。

編集部

お二人とも、それぞれの立場から聖基館の魅力をたっぷりと語ってくださり、ありがとうございました。

杉並空手道クラブ聖基館の月会費・体験申し込み・稽古日

杉並空手道クラブ聖基館では、例年2月中旬から3月中旬にかけて「体験期間」が設けられており、まずはこの「体験」から始めることが推奨されています。

クラブに興味のある方は、12月から2月上旬の「体験受付期間」にコンタクトを取りましょう。

なお、体験期間中にかかる費用は体験入会費(5,000円/月)のみです。それ以外の道衣や防具代、入会金、保険料などは、4月以降に正式入会する際に必要となります。

▼子どもの月会費・諸費用など

体験入会費 5,000円/月
月会費 8,000円/月
入会費 5,000円(入会時のみ)
連盟登録料(区連・都連) 3,000円/年
スポーツ保険費 1,000円(入会時のみ)

また、杉並空手道クラブ聖基館では、以下のような割引もあります。該当しそうな方は、ぜひ活用を検討してみてください。

▼割引制度

家族割 兄弟姉妹での入会の場合、2人目以降は入会費無料。また月会費を各50%割引
親子割 お子様が当会の会員の場合、保護者様の会費は無料

なお、稽古日・稽古時間は平日や土曜日の夕方・夜で、練習場所によって異なります。

■杉並空手道クラブ聖基館の練習スケジュールは、こちらから!(公式サイト)
https://www.suginami-karatedo.com/稽古予定/

杉並空手道クラブ聖基館の利用者の声

杉並空手道クラブ聖基館に通う子どもたち

ここでは、公式サイトに掲載されている保護者の声の中から、子どもたちの成長の様子や道場の雰囲気がよく分かるものを抜粋してご紹介します。

学校の体力テストが悪かったことが入会のきっかけで、息子は先生の形のカッコ良さが決め手になったようです。稽古を続けるうちに運動神経が良くなり、自信が満ちてきました。

休みの日の過ごし方から、お手伝いや宿題のプランまで、子どもから提案してくれるようになりました。聖基館での空手を通して自己管理が身についてきました。

試合で勝っても負けても、どんな日があっても稽古に通い続ければ必ず成長できる。社会に出ても大切なことを、身をもって学んでくれています。

池谷先生の指導は厳しい中にも愛が感じられます。また先輩が後輩の指導をする姿がよく見られること、他者への気遣いに溢れていることも魅力です。

保護者からは、子どもたちが自分で計画を立てて努力できるようになり、ぐんぐん成長していったという声が多く寄せられていました。

道場の雰囲気についても、先輩が後輩に指導する姿が見られるなど、他者への思いやりが感じられるようです。

杉並空手道クラブ聖基館の基本情報

練習場所 東京都杉並区堀ノ内2-4-2
MO-LEスタジオ2階
堀ノ内本部道場

東京都杉並区高円寺北1-4-11
高円寺学園

東京都杉並区和田2-30-21
和田小学校体育館
問い合わせ https://www.suginami-karatedo.com/お問合せ/
電話番号 03-5936-3655
公式URL https://www.suginami-karatedo.com/