studio PAPAPAの教室で、子ども達が座って話し合いをしている様子

体験型アートスクール「studio PAPAPA」の自由な制作で育まれる想像と創造の力

今回ご紹介する「studio PAPAPA(スタジオパパパ)」は、「アート」と「あそび場」を融合した、新しい形のアート教室です。

同教室にカリキュラムはなく、子ども達が、好きなものを思いのままに制作。一般社会のルールにとらわれない環境の中で、子ども達の「想像力」と「創造力」を目覚めさせます。

そんな「studio PAPAPA」の特徴や、教室で身につく力について、代表の田中盛栄さんに詳しくお話を伺いました。

「絵や工作は好きだけど、決められたものを作るのは嫌」というお子様をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

studio PAPAPAは、子どもファーストの新しいアート教室

studio PAPAPA代表の田中さんと生徒

▲お話をしてくださった、studio PAPAPA代表の田中さん(左)

東京都内に3ケ所の教室を展開するstudio PAPAPAは、レッスンのカリキュラムは存在せず、子ども達が思うまま自由にアートを制作します。また室内にはいくらでも落書きをしていいという、ユニークな教室です。

ここでは、そんな同教室の理念やルールについて伺いました。

常識に捉われないアート制作で「想像力」と「創造力」が目覚める

編集部

まず初めに、studio PAPAPAの理念や、どういった思いのもとに運営されているのかということについてお聞かせ頂けますか?

田中さん

当教室は「アートや美術を通じて、人の“想像力”と“創造力”の覚醒に働きかけ、人生を豊かにする」ということをモットーに運営しています。

この「想像力・創造力の覚醒」については、少し説明が必要かもしれません。普段社会で生活していたり、お子様であれば習い事をしたりする中では、さまざまなルールや縛りがありますよね。

そういう縛りから解放された環境で、さて何をしようかと考えたときに、普段覚醒しないような「想像する」「なにかを創る」感覚が芽生えるんです。その体験は一生ものだと、私達は考えています。

編集部

教室に通われているお子様の年齢層や、入会のきっかけ・目的についても教えてください。

田中さん

年齢層としては、小学校1年生から3年生くらいが一番多いですね。幼児の部もあるので、小学校就学前のお子さんも受け入れています。

保護者の声としては「子どもが、美術は好きだけど決められたものを作るのは嫌がる」とか、「親は習い事をさせたいけれど、子どもがなかなか先生の言うことを聞けない」などをよくお聞きしています。そのように困っている中で、studio PAPAPAが見つかって良かったとおっしゃって頂けていますね。

教室は落書きし放題。3つのルールを守って自由に制作する

studio PAPAPAの教室内

▲壁も机も天井も床も、どこでも落書きし放題!

編集部

studio PAPAPAの大きな特徴である「カリキュラムなし」「教室内に落書きし放題」という点についてお伺いできますか?

田中さん

「子どもの好奇心のまま、なるべく自由に色々なことをやらせたい」というのは、多くの大人が考えることですよね。

とはいえ、例えばご自宅を絵の具や泥まみれにされてしまえば親御さんは大変ですし、幼稚園や学校にしても、安全面や衛生面への配慮もあり、何でもOKというわけにはいかない。そういう社会的なルールはたくさんありますし、あってしかるべきです。

ただ、それらのルールによって、子どもの成長のチャンスを逃してしまう可能性もあると思うんです。そのチャンスをすくい上げたい、また子ども自身も知らない間に縮こまっている心と体を解放させたいという気持ちから、カリキュラムなしで自由に制作、そして教室は落書きし放題にしています。

編集部

子ども達が本当に、思いのままに振るまえる場所なんですね。

田中さん

はい。ただし、守るべきルールが3つあります。

1つ目は、人の嫌がることをしないこと。2つ目は、クラスの終わりの掃除の時間には、みんなで力を合わせて掃除をすること。そして3つ目は、分からないことがあった時、先生に聞く前に必ず1回やってみることです。

この3つのルールさえ守ったら、もうなんでも好きにやっていいよと、子ども達には伝えています。

studio PAPAPAならではの「クリエイティブ」な教室風景

「作るものは子ども次第」という、studio PAPAPA。ここからは、実際の教室での過ごし方や、子ども達の制作内容について伺っていきます。

子どもの自由な発想から、さまざまな制作物が生まれる

studio PAPAPAで制作中の子ども

編集部

決まったカリキュラムはないということですが、実際に子ども達はどのように過ごし、どのようなものを作っているのでしょうか。

田中さん

教室で行っているのは、主に絵や立体工作です。こちらに用意してある画材と、地域から集めたり子ども達が持ち寄ったりしたリサイクル資源を使って、自由に制作をしています。思いつくもので作れそうなものだったら、何でもOKですよ。

カリキュラムがない分、子ども達自身が考えて進めていける教室と言えると思います。いわゆる習い事というよりは、自分の研究課題をそこでずっと進めていくような形です。

編集部

子ども達自身で、どのようにやることを決めるんですか?

田中さん

子ども達に最初に必ず話しているのは「あなたたちに喜んでもらうために、ここを作ったんだよ」ということです。それを伝えることによって、子ども達は「自分が本当に望んでるものをやっていいんだ」と安心して、色々なアイデアが生まれてきますね。

編集部

どのような発想が出てくるのか、興味深いです。具体的な制作例を教えてください。

田中さん

幅広いのですが、シンプルなものでいうと、例えば木で椅子を作ったり、テーブルを作ったりしています。また、ひたすら絵の具だけを混ぜたり、映画のゴジラを観て「この世界観を作りたい」ということで自由に作ったりと、みんな自由に取り組んでいます。

当教室はご近所などからいろいろな資源を頂くのですが、以前コーヒー屋さんからコーヒー豆を頂いたことがありました。それを見た子ども達が「コーヒー屋さんをやりたい」と言って、数人で店舗やコーヒーのろ過装置、お店のチラシなども作っていましたね。

編集部

一般に「アート」と聞いて想像する枠組みを超えていると感じました。本当に自由でダイナミックですね。

成功も失敗も子ども自身のもの。「自力でやり遂げること」を尊重しながらサポート

子どもが釘やトンカチを使うのを、studio PAPAPAの講師がサポートしている様子

編集部

子ども達の自由な取り組みに対して、講師の皆さんは、どのようなサポートやお声がけをされていますか?

田中さん

まずは、道具を使うことに対するサポートや、安全管理といった面が1つです。

当教室にはさまざまな工具があり、場合によってはノコギリやインパクトドライバーも貸し出します。そういう危険を伴う道具は最初から使わせるのではなく、その子の創作の幅を広げるために必要と判断した場合に、講習などを行ってから貸し出しています。

編集部

安全にしっかり配慮されているのですね。保護者の方にとっても安心だと思います。マインドの面ではいかがでしょうか?

田中さん

「失敗も成功も、全部子どものものであって欲しい」という気持ちをベースに、サポートを行っています。

大人は、子どもをサポートをする時に答えを教えがちです。これは一見正しいのですが、弊害が2つあると考えています。1つはそれが「正解」と刷り込まれてしまうこと。もう1つは、他にも色々あるはずの答えに子どもが自力でたどり着けなくなることです。

結局、答えを教えてしまうことで、その子のものではなくなってしまうんですね。自分で考えれば、仮に失敗したとしても、その失敗も含めて子ども自身のものです。

その中で、子ども達が具体的に何かが作れないとか、行き詰まってしまうような時には、私達が少し背中を押してあげたり、相談に乗ったりしています。

編集部

行き詰まってしまうというのは、どのような場面でしょうか。

田中さん

子どもが一生懸命制作している中で、時折「これ以上できない」など、投げ出しそうになる時があります。

講師陣は美大の在校生や卒業生、作家業をしていたりと、創作や芸術の世界で何かをやり切るという経験が豊富です。その経験をもとに、あともう一歩頑張れば乗り越えられるというところを、本人が自力でできるようにフォローします。

子ども同士のコミュニケーションも重視している

studio PAPAPAの教室で、作品の恐竜を囲んでいる子ども達

編集部

その他に、教室の特徴的な部分はあるでしょうか。

田中さん

スタッフが子どもをサポートするだけでなく、分からないことがあった時には、子ども同士で相談させるようにもしていますね。

当教室では、そこにいる子ども達が、全員バラバラなことをしています。ある子が制作しているものに関して、本人が持ち合わせてないアイデアを他の子が持っている可能性があるので、それを引き出し、共有してほしいという考えから、そのようにしています。

あとは、話し合うことでシンプルにコミュニケーション能力と言語能力が磨かれます。それらの力と創作は親和性が高く、自分の考えや表現したいことを丁寧に言語化することで、自分自身も改めて理解できることが多々あります。

編集部

たしかに、気持ちにピッタリくる言葉が見つかった時に、自分自身「そういうことだったのか」と腹落ちするというのは心当たりがあります。

田中さん

はい。芸術には、もちろん心や感性というものがとても大切ですが、言葉にしたり論理的に組み立てて表現する力も、大きくプラスに働きます。

クラスの最後には鑑賞会、子ども達が呼ぶところの「見せびらかし大会」を行います。それぞれ作った作品を持ち寄って鑑賞し、質問や感想を言い合う時間ですが、そこでは「優劣は関係ない」「お互いを称え合う、良いところを探す」という共通認識を固めています。

こういったマナーを守ってコミュニケーションができるようになることは、美術だけでなく生活のあらゆる場面で役立つはずです。

studio PAPAPAで「自己肯定力」「課題解決力」が育まれる

studio PAPAPAで子ども達が思い思いに制作をしている様子

編集部

studio PAPAPAに通って、身につく力はどういったものでしょうか。

田中さん

失敗を失敗でなく、試行錯誤の工程というふうに捉えられるようになりますね。

それから、個性をとことん大切にしているので、子どもがその子自身のまま伸びていくというのも、大きいところだと思っています。どの子も自己肯定力が高いですし、自分なりに工夫して課題解決する能力も身についていきます。

「人に笑われる」とか「失敗したら」という心配がないので、目的に向かって迷わず進んでいけるのでしょう。小さい頃から長く通っているお子さんだと、大人が驚くような集中力を発揮することもありますよ。

編集部

やはり、自分の感性に素直に、やりたいことをやれるというのが根本にあって、それがさまざまな力に結びついていくんですね。

studio PAPAPAからのメッセージ

studio PAPAPAの生徒が足で絵を描く様子

編集部

では最後に、studio PAPAPAに興味を持たれた方に向けて、どういうお子さんにおすすめの教室かというお言葉を頂戴できますか?

田中さん

私たちは、垣根やルールを超えた人間の可能性、それが覚醒する経験をぜひ味わって頂きたいと考えて活動しています。

お子様の中には「何かをやりたくて仕方ないけどその場がない」と、ウズウズした様子の子もいるでしょう。私達は常に、そのウズウズの受け皿になります。

そういう子にとっては、きっと自分を解放できる場所になりますので、お子様に関して思い当たる節がおありでしたら、ぜひお越し頂きたいですね。

編集部

本日は、貴重なお話をありがとうございました!

studio PAPAPA生徒の保護者の口コミ・感想

ここでは、studio PAPAPAに実際に通っている生徒さんの保護者の感想や口コミをご紹介します。

子どもが「普段できないことができて楽しかった」と何度も言っていました。子どもの自由な発想を尊重してもらえる環境と、見守ってくれる先生方のスタンスに、とても感謝しています。

何かを作れた時はもちろん、形にならなくても、興味のある画材や素材に触れて楽しく過ごせているようです。子どもを迎えに行くと、いつも充実感にあふれた顔をしています。

強制されるのが苦手な我が子には、決められたものではなく、好きなものを作り出せることがとても合っているみたいです。

正解や勝ち負けがない習い事を探していて、studio PAPAPAにたどり着きました。のびのび活動させてもらえる点と、仲間や先生とのコミュニケーションを学べる点が理想的です。

他にない自由な環境と温かく見守られる雰囲気の中、子ども達がのびのびと過ごしていることを実感している方が多いようです。

studio PAPAPAの基本情報

運営会社 株式会社フォーアースリングス
所在地 東京都練馬区大泉学園町7-13-17
問い合わせ先 https://www.studio-papapa.com/contact/
公式サイト https://www.studio-papapa.com/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。