子どもの能力を引き出す独自の幼児教育を行うスクールを紹介する本企画。この記事では、都内で唯一となるコワーキングスペース併設のインターナショナルモンテッソーリスクール「RYOZAN PARK Montessori」を紹介します。
1歳半から6歳の子どもを対象とする同スクールは、「働く・学ぶ・暮らす・育てる」の新しい形を提案するコミュニティ「RYOZAN PARK」の教育事業として2018年に開園しました。
「100%英語」の環境と、子どもを尊重し自立と自信を育む「モンテッソーリ教育」を特徴とするほか、同じビル内にシェアオフィスやコワーキングスペースを併設することで「働く」と「育てる」が共存する新しい空間を生み出しました。
今回は、園長で共同設立者の近藤直美先生と、オーナー・共同設立者のレイチェル ファーガソン氏にインタビューさせていただきました!
※RYOZAN PARK Preschoolは2024年4月、「RYOZAN PARK Montessori」としてリニューアル開園します。
この記事の目次
RYOZAN PARK Montessoriは親と子が一緒に成長できる場所
コワーキングスペースを併設したプリスクールは都内初だと伺いました。まずは、このようなスタイルにした狙いからお話しいただけますか?
RYOZAN PARKは元々、働きながら子育てをする女性を応援したいという思いから、託児スペースを備えたシェアオフィスを運営していました。
その後、私にも子どもが生まれたことでより親のニーズが分かるようになり、もっと子育てにコミットできる仕組みや、親が子どもと適度な距離を保ちながら働ける空間が必要だと感じたことから、2018年にシェアハウスとコワーキングスペースを併設したプリスクールを開園させました。
ご自身にお子様が生まれたことが、現在のユニークなスタイルへとつながっていったのですね。
そうです。また、私たちはシェアハウスを運営しており、そこで暮らすメンバーにも子どもを持つ人が増えました。彼らのためにも「仕事と子育て」というコミュニティの新たなニーズに応え、親子が一緒に成長できるような場所を作りたいと思いました。
「100%英語保育」を掲げるRYOZAN PARK Montessori
100%英語保育を打ち出すRYOZAN PARK Montessoriには、フィリピンやインドなど海外出身の先生もおり、さまざまなアクティビティを通じて英語表現を身につけています。
ここからは、同スクールの英語保育について紹介します。
アクティビティを通して思いや考えを英語で表現できる力を伸ばす
RYOZAN PARK Montessoriでは、どのようにして子どもの英語力を伸ばしているのでしょうか?
子どもが日本語でのコミュニケーションを望んだ時以外は、英語でコミュニケーションをとっています。アートや音楽、ダンス、ロールプレイなどを通して場面に応じた英語を知り、自分の思いや考えを英語で表現できる力を伸ばします。
ただ、小学校に進むうえで日本語でコミュニケーションする能力も必要になってくるので、週に1度、日本語を使って活動する時間を設けています。
近藤園長の子どももここに通っていましたよね。日本に住み、家では日本語を話しているのに、ここまで流暢に英語を話せるようになるのは素晴らしいと感じました。
息子は小学生になりましたが、RYOZAN PARK Afterschool Clubに通っています。小さい頃に身につけた英語の素地があるので、今では動物の生態系について英語で学んでアウトプットできるレベルまで成長しています。
外国人の先生の採用基準は幼児教育への熱意
先生のなかにはフィリピンなど海外出身の方もいると伺いました。先生を採用するうえで重視していることがあれば教えてください。
英語が話せることだけで先生を採用することはしないのが私たちの方針です。英語が話せる以上に、幼児教育に関わりたいという意欲を持つ人であることを重視しています。
教育を軸にしたキャリアを持ち、モンテッソーリにも理解がある先生たちに来ていただいているので、質の高い教育が可能なのです。
英語というと、イギリスやアメリカ、カナダ、オーストラリアのイメージを持つ方も多いかもしれませんが、世界にはファーストランゲージを英語とする国がほかにもたくさんあります。
当スクールは固定観念にとらわれることなく、インドやフィリピン、過去にはアフリカなどさまざまな国から優秀な先生を採用しています。
さまざまな文化や価値観に触れることができそうですね。また、これからはあらゆる国の人たちと英語でコミュニケーションを取る時代なので、異なるアクセントの英語に慣れるうえでも意味のある経験だと感じます。
そうですね。どんな人が話す英語でも聞き取れるようになることは大切です。
また、英語をファーストランゲージにしない先生の場合でも、分かりやすい明瞭な英語を話してくれるので子どもたちが理解しやすいというメリットもあります。
モンテッソーリ教育で子どもの「自己教育力」を育む
RYOZAN PARK Montessoriは、モンテッソーリインターナショナル協会によって設定された基準に沿った教育を行っています。
先生は子どもの自己教育力を信じて見守り、必要に応じて手助けを行うことで、子どもの自立や自信を育みます。
ここからは同スクールのモンテッソーリ教育について紹介します。
関心のあることに集中する3時間の「ワークサイクル」
モンテッソーリ教育に基づいたプログラムには、どのようなものがありますか?
モンテッソーリ教育では、子どもたちが自分のやりたいことに集中して取り組む「ワークサイクル」があります。当スクールでも3時間の連続したワークサイクルを通じて自己教育力と集中力を伸ばしています。
教室には数字に関する教材から裁縫セットまで、さまざまなテーマの教具が置かれていますね。
日常生活の練習、感覚教育、言語教育、算数教育、文化教育というモンテッソーリの5つの教育分野に即した教具を不足なく揃えており、子どもたちはそのときの興味に応じて教具を選び、ワークサイクルの時間を過ごしています。
ワークサイクルを行うことで、子どもはどのように成長していくのでしょうか?
モンテッソーリの活動が初めてとなる子どもたちがまず取り組むのが、自立心を育むための日常生活(プラクティカルライフ)の練習です。お豆をジャーから移したり、コップに水を入れたり、洗濯板を使って洗濯をしたりするうちに指先の動かし方がどんどん上手になっていきます。
動きもだんだんと細かくなります。お裁縫で針の穴に糸を通して、縫うことができるようになり、最終的には自分でデザインしたバッグを作れるようになります。このようにして、子どもたちのなかに「大人みたいなことを自分もできるんだ」という自信が芽生えます。
算数の分野では、紙に書かれた数字を扱うのではなく、ビーズなどの具体物を使って数を理解していきます。
10個のビーズを繋ぐと1本の棒になり、100個のビーズで10本の棒を作ると正方形になります。1,000個のビーズを使うと立方体ができます。
このようにゲーム感覚で10進法や2進法といった算数の素地を高めていきます。
遊びの要素を取り入れることで、自然とスキルや学びを得られるのですね。
子どもが関心を持つまで見守るのが先生の仕事
ワークサイクルで何をするかは、子どもに委ねているのでしょうか?
そうです。子ども自身がその時にやってみたいと思うワークを選択し、先生はそれをガイドする存在だと考えています。
自分で選び取って活動できる場合と、先生がきっかけを作る場合があります。 例えば「この子はそろそろ算数に興味がありそうかな?」と感じたら、先生が算数のワークをその子の前で見せてみます。興味を持てば子どもが真似をしてそのままワークに入りますし、興味を持たなければ無理に勧めることはせず、次のタイミングを待ちます。
子どもが主役で、スクールは素地を伸ばすための環境づくりやアシストに徹するのですね。
その通りです。先生は適切なタイミングで適切なワークを紹介したらあとは見守ります。子どもが教具を少し間違って使っていたとしても、危険な行為でない限りは止めません。「失敗しても大丈夫、それは成長の過程」と考えるのがモンテッソーリ流だからです。
子どもの自己教育力を信じて見守ることの大切さが伝わるようなエピソードがあればご紹介いただけますか?
子どもを待ってあげることの大切さを感じたエピソードを紹介させてください。3歳くらいのときに通い始めた女の子がいたのですが、彼女は教室でほとんど喋らず、ダンスの時間でも自分は踊らずに見ているだけのことが多かったので、保護者の方もとても心配されていました。
当スクールはそのような選択を認めているのでしばらく見守っていたのですが、半年経ったころに完璧な文法の英語をワーっと喋り始めたのです。つまり、彼女はそれまでずっとインプットを続けていて、アウトプットの準備が整うのを待っていたのだと思います。
子どもの成長ペースは一人ひとり違うことを理解し、本人の準備が整うまで見守り続けたからこそ、ついに「ここは安心して自分を出せる場所だ」と感じ、能力を開花させたのだと思います。
無理やり何かをさせるのではなく、機が熟すまで待ってあげることは、スクールや先生に対する信頼感や安心感を生み、結果として子どもの伸び伸びとした成長につながるのですね。
異なる年齢の子どもと過ごしコミュニーケーション能力を養う
子ども同士や大人とのコミュニケーション能力はどのように育んでいるのでしょうか?
モンテッソーリに対して「ひとりで黙々と何かに没頭する」というイメージをお持ちの方も多いと思います。しかし、実はそれだけではなく、異なる年齢の仲間と過ごしてお互いから学び合う異年齢保育も大事な要素です。
小さい子は大きい子の行動を見て学び、大きい子は小さい子がわからないときにフォローしてあげる、そんなコミュニケーションが生まれるような環境を作っています。
立ち振る舞いや思いやりの大切さも日常的に教えており、子どもたちは自分のパーソナルスペースに入って来てほしくないときは「No, thank you」と伝えるなど、お互いに意思表示をしながら距離感や適切なコミュニケーションの取り方を学んでいます。
小学生向けのアフタースクールも運営されていますが、そのくらいのお兄さんお姉さんともコミュニケーションする機会があるのでしょうか?
そうですね。モンテッソーリキンダーは2歳半から6歳までを対象としていますが、午後2時半以降のアフタースクールは小学3年生まで受け入れているので、この時間で歳の離れた子ども同士がコミュニケーションをとる姿も見られます。
子どものコミュニケーション能力に驚かされたエピソードもあれば、お話しいただけますか?
当スクールではお昼を食べる席も子どもが自由に決めており、時には座りたい席がバッティングしてしまうことがあります。
ある日、ひとつの席を2人の男の子が取り合うような状態になってしまったのですが、片方の子が辛抱強くお願いした結果、もうひとりの子が譲ってくれました。そうしたら、譲ってもらった男の子は別の女の子に声をかけてその席に座らせてあげたのです。女の子がその席で食べたいと思っていることを知っていたのですね。
話し合いで解決する社会性を身につけただけでなく、誰かを思いやってその子のために行動できる姿に心を打たれました。
あらかじめ席を決めてしまえば取り合いは起こりませんが、近藤園長がお話されたような成長も見込めなかったかもしれませんね。
その通りです。自由な選択肢があるからこそ、問題が生まれても自分たちで解決する力が身につくと考えています。
「働く」と「育てる」がワンストップで叶うRYOZAN PARK Montessori
ここからは、コワーキングスペースや屋上菜園など、RYOZAN PARK Montessoriに併設されたユニークな施設について紹介します。
ワークスペース併設だから安心して子どもを預けられる
▲洗練された内装のコワーキングスペース「CORE」はプリスクールの1つ下の6階にある。
コワーキングスペース併設のプリスクールということで、実際に子どもを預けながらここで仕事をする保護者も多いのでしょうか?
そうですね。お迎えの時間まではひとつ下の6階にあるコワーキングスペースや、5階のシェアオフィスで仕事をする人も多いです。お昼になると保護者がスクールの和室に集まってランチを食べることもありますよ。
すぐ近くにいるという安心感を持ちながら、自分の仕事にも専念できるちょうど良い環境だと思います。
英語保育やモンテッソーリ教育だけでなく、透明性が確保され安心して預けられる点もRYOZAN PARK Montessoriが支持される理由なのだと感じました。
都心にありながら屋上には自然に親しむ菜園も
▲屋上では野菜を育てるほか、夏は水遊びをする場所として活用している。
ビルの屋上にはテラスがあると伺いました。どのように活用されているのでしょうか?
子どもたちは菜園で野菜を育てています。菜園はシェアオフィスの利用者にも開放されているので、大人が遊びに来ることもありますよ。
今はミニ大根を種から育てています。間引きしたりお水をあげたりしながら育てて、収穫したら自分たちで切ってお醤油つけて食べたり、ランチのサラダに使ったりしています。
都心にありながら、自然に親しむことができる空間が確保されているのですね。自分たちで育てた野菜を食べることは、食育にもつながりそうだと感じました。
RYOZANコミュニティの大人たちが子育てをバックアップ
シェアオフィスが下の階にあったり、大人も使える菜園が屋上にあったりすることで、日常的に先生以外の大人と触れ合う機会も多いのではないでしょうか?
そうですね。ハロウィンやクリスマス、節分といったイベントでは、シェアオフィスで働く方がボランティアでサンタクロースの役や鬼の役を買って出てくれます。ハロウィンでは5階のシェアオフィスを訪問し、オフィスのドアを一つひとつノックしてお菓子の代わりのシールをもらっていますよ。
RYOZAN PARKのシェアハウスに住む人たちが企画してくれる運動会もあり、子どもたちも参加します。住人には30代の若い人が多く、イベントの計画から担当してくれます。
このような環境なので、大人に対しても恐れたり物おじしたりせずフレンドリーに接することができる子が多いですし、「この人とは英語で話した方がいいのかな?日本語かな?」などと相手を観察して最適なコミュニケーション方法を見出す力も高いと感じます。
近隣住民だけでなく離れた区からも通う
RYOZAN PARKのシェアハウスやシェアオフィスを利用している保護者以外にも、子どもをスクールに通わせている人はいるのでしょうか?
はい。当初は近隣の方とRYOZAN PARKコミュニティの方を想定していたのですが、当スクールの教育方針や、仕事と教育の2つのニーズをワンストップで満たせるシステムに多くの方に共感いただき、港区など少し離れたエリアから通ってくれる方もいます。
当スクールに通う子どものうち、徒歩や自転車で通えるエリアにお住まいの方が3分の1で、もう3分の1は隣接した区から通う方、残りの3分の1がレイチェルがお話した港区の方のように車や電車を使って来てくださる方です。
RYOZAN PARK Montessoriからご家族・お子様へのメッセージ
最後に、記事をご覧の子どもたちと保護者の皆様にメッセージをお願いします。
子どもたちが自分の第二の家のように安全でハッピーに過ごせる場所を作りたいと考え、当スクールを開園しました。この思いを実現するために欠かせないのは、遊びながら学ぶこと、先生が優しさと愛を込めて教えることだと考えています。
安心できる場所にお子様を預けたいと思っている方、当スクールの教育方針に共感いただけた方はぜひお問い合わせいただけると嬉しいです。
モンテッソーリは、子どもの力を信じてそれを最大限引き伸ばすサポートをすることを重要視しています。
周囲が無理強いすることなく、子どもたちがプレッシャーを感じない環境で伸びていくのがモンテッソーリの素晴らしいところですし、ここはそんな教育が実際に行われている園だと思います。さらに、当スクールではそれらの教育を英語で行っている点にも強みがあると思っています。
また、親同士が子どもの成長を喜び合えるコミュニティがあるので、孤独な子育てではなく、いろいろな人と繋がりながら大人も子どもも一緒に成長していける場所だと思います。
「働く」と「育てる」の共存を実現するRYOZAN PARK Montessori。モンテッソーリ教育に加え、コミュニティのなかで子どもを育てる環境も、コミュニケーション能力や好奇心を養ううえでプラスになっていると感じました。
本日は、ありがとうございました!
RYOZAN PARK Montessoriに通う子どもの保護者の声
最後に、RYOZAN PARK Montessoriに通うお子様を持つ保護者の皆様の声をご紹介します。
口コミでは、教育の素晴らしさだけでなく、保護者同士で交流できる点を評価する声も目立ちました。
お問い合わせ
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