アトリエ樹乃会の「キッズアートクラス」は、アートを通じて子どもの可能性を広げる

この記事では、東京都と埼玉県にある子ども向け絵画教室、アトリエ樹乃会の「キッズアートクラス」を紹介します。

「キッズアートクラス」は4歳から小学6年生を対象とした絵画教室です。自画像から静物画、抽象画、植物や昆虫などの観察画、さらにはペーパークラフトなどの工作まで、多彩なカリキュラムを提供しているのが特徴です。個性を大切にし、失敗を恐れずに挑戦できる環境の中で、感性や自己肯定感など子どもの成長にとって大切な力を育んでいくことができます。

そんなアトリエ樹乃会の「キッズアートクラス」のコンセプトや教室の特徴、子どもが身につけられる力などについて、アトリエ樹乃会代表の一ノ瀬さんに詳しくお話を伺いました。

「アート×かがく×えほん」をコンセプトに子どもの非認知能力を育む

アトリエ樹乃会代表の一ノ瀬さん

▲インタビューにご対応いただいたアトリエ樹乃会代表の一ノ瀬さん

編集部

まずはアトリエ樹乃会の特徴を教えてください。

一ノ瀬さん

アトリエ樹乃会は「アート×かがく×えほん」をコンセプトとする絵画教室です。「絵画教室」と謳ってはいますが、絵を描くだけでなく自然観察をしたり工作をしたり、さまざまな体験を通じて子どもたちの非認知能力を育んでいるのが特徴です。

編集部

「アート×かがく×えほん」というコンセプトにはどのような意味が込められているのでしょうか。

一ノ瀬さん

まず「アート」というのは、正解のないものに対して手を動かして考える行為そのものを指します。自分の納得するゴールに向けて、自分が納得するまで手を動かし続ける「アート」に取り組むことは、子どもたちがこれからの時代に必要な「問いを立てる力」「課題解決力」を育んでいくために重要な体験となります。

「かがく」というのは自然科学のことで、アトリエ樹乃会では身近な自然に興味を持って観察する体験を積極的に取り入れています。そういう体験を通じて客観的な観察力、社会に目を向ける視野の広さを身につけていってほしいと思っています。

「えほん」というのは、子どもたちが自分の知らない世界を“疑似体験”できるものです。そのときどきの学びや成長段階に応じた絵本との出会いを橋渡しし、子どもたちの世界を広げていけたらと思っています。

「キッズアートクラス」は1年間でさまざま体験を提供!オンライン受講も可能

編集部

絵を描く以外にもさまざまなアートを体験できるとのことですが、体験できる内容によってクラスが分かれているのですか?

一ノ瀬さん

クラスは4歳から小学生までを対象とした「キッズアートクラス」のみです。その中でさまざまな体験ができるよう1年間のカリキュラムをとても工夫しています。前年と内容が重複しないようにしたり、国立天文台のサイトをチェックして皆既日食など自然現象系のイベントがある際はそれをテーマに組み込んだりと、年間通じて楽しめるカリキュラムにはかなりの自信を持っています!

アトリエ樹乃会のキッズアートクラスの制作風景

▲「春一番」など、テーマ設定にも季節など自然現象を取り入れている

一ノ瀬さん

だからこそ、1年間継続して通っていただけると嬉しいです。1年間さまざまなものを見て、手を動かして考えるからこそ、学び続ける楽しさを知ってもらえると考えています。続けていくとうまくいかない局面も出てくると思いますが、継続する中で培われる「やり抜く力」「失敗しても立ちあがれる力」は成長していく上でとても大切なものになってくると思います。

編集部

4歳から小学生までが対象とのことですが、年齢別のクラスとなっているのでしょうか。

一ノ瀬さん

キッズアートクラスは4つの教室で実施しているため、教室の大きさやつくりなどによって年齢を分ける場合もありますが、基本的には幼稚園から小学校まで一緒の教室で同じ時間に実施しています。小学6年生ともなるとかなり大人に近づいてきているので、そういう子からすると小さい子のピュアな意見というのはすごく新鮮だったりするんですね。

逆に小さい子は、年上の子がやっていることに対して憧れて真似をすることもあります。幅広い年齢で実施するからこそ、お互いにいろいろな発見があって、化学反応が生まれているのがとても面白いなと思います。

編集部

他にもキッズアートクラスならではの特徴があれば教えてください。

一ノ瀬さん

キッズアートクラスはオンラインでも受講できるのが強みです。例えば下の子が熱を出してしまって送り迎えができない場合など、レッスンの直前にお電話いただいてもオンラインで対応しています。

オンラインでも対面と同様に、気になることがあればお声がけいただけますし、レッスン終了後は作品の写真をお送りいただき講評もしています。キッズアートクラスでは必ずその日にやる内容の解説動画を事前共有しているため、オンラインで受講する場合はその動画がフォローアップの役割を果たしてくれるのもポイントです。急な予定変更にも柔軟に対応できるということで、受講者様にもとても好評です!

「体験を通じて学ぶ楽しさを得ること」を大切に

編集部

キッズアートクラスに通われているお子様はどのような目的を持った方が多いですか?

一ノ瀬さん

絵や工作が好きなお子様が自分から習いたいといって通うケースがほとんどですが、絵が苦手なお子様の上達のために保護者の方が通わせている場合もあります。しかし正直なことをいうと、小学校受験のために早く技術を身につけたいというような「手っ取り早く上手くなりたい」という希望を持つ方には、アトリエ樹乃会のキッズアートクラスはまったく向いていないと思います。

キッズアートクラスでは技術の習得よりも、物の見方を学び、つくる過程を楽しむ「体験」に重点を置いています。例えば「赤と青を混ぜた色を見る」という内容の場合、既に「紫になる」という知識を持っている生徒も少なくありません。でも実際にやってみると、一口に「紫」といっても、混ぜる量によってピンクに近かったり藍色に近かったりと、色の幅が出てくることに気がつくんです。

アトリエ樹乃会のキッズアートクラスの制作風景

▲色の三原色でつくる色相を実際に体験する様子

一ノ瀬さん

最近では生徒もインターネットでさまざまな知識を見ているため、「それ知っている」という子も増えています。でも「では本当に見たことがあるか」「やったことがあるか」というと、そうではない場合も多いんですよね。つまり、「知識」と「体験」は全くの別物なんです。

キッズアートクラスは、私が答えを持って最短距離で教えるのではなく、自分自身の体験を通じてたくさんの楽しさや学びを得る場所です。もちろん結果として「手先が器用になった」「絵が上達した」というお声は多くいただいていますが、その過程から得られる成長を大切にされる方にこそ向いている教室だと思います。

 葉っぱの観察や抽象画など、多彩なカリキュラムが子どもの可能性を広げる

アトリエ樹乃会のキッズアートクラスの制作風景

▲卵の殻をつかったモザイクアートや図形のデザイン画など幅広いアートを体験できる

編集部

キッズアートクラスではどのようなレッスンを行っているのでしょうか。

一ノ瀬さん

まず前提として、絵を描く際には4つ切り画用紙というとても大きな画用紙にのびのびと描いてもらうことにこだわっています。また道具については、幼稚園や小学校で使用する一般的なクレパスや水彩絵の具をメインに使用します。

取り組む内容は絵だけでなく自然観察、デザイン、ペーパークラフトなど非常にバラエティ豊かです。絵の主題も自画像から観察画、イメージ画、デザイン画まで本当にあらゆるものに及びます。音を聴いて感じるままに描いてみたり、葉っぱを取ってきて観察して描いたり、「暖かい色」を考えてみたり、その日のテーマを最初に提示して、実際に物を見せたり絵本を見せたりしながら進めています。

アトリエ樹乃会のキッズアートクラスの教材

▲ペーパークラフト

編集部

実際のレッスンの進め方の具体例を教えていただけますか?

一ノ瀬さん

例えば観察画の場合、植物や昆虫などの本物の教材を教室に用意し、描き方だけでなく虫眼鏡を使った観察の仕方から教えています。最初は絵を描かず虫眼鏡を使った観察から始まるため、絵画教室ではない雰囲気になっていることもよくありますよ(笑)。

葉っぱの観察画を行う際には、皆に葉っぱを持ってきてもらって、まずは一緒に観察するところからはじめます。葉っぱにもいろいろな形があるのでまずは形を見る、そしてどんな手触りなのか触って確かめてもらう、といった感じで観察を進めていきます。「でももっと観察する方法があるよね」と生徒に投げかけると、勘の良い子は匂いを嗅ぎ始めるんですね。そうやって虫眼鏡も使いながらじっくりと観察して、気づいたことを皆に発言してもらいます。

小学生の場合、既に学校で習っていることもあるため「この葉っぱとこの葉っぱで葉脈の形が全然違う」ということを言う子もいるんですね。幼稚園の子は葉脈という言葉を初めて聞くため「皆もご飯を食べて栄養を運ぶために血管があるように、葉っぱにも水や栄養が通る道があるんだよ」と説明してあげています。

一通り意見を言ってもらった上で実際に絵を描いてもらうときにも、「葉っぱって左右対称になっているよね」といった描き方のヒントを出しながら生徒とコミュニケーションを取っています。そうすると小学校の算数で対称を習った生徒は、そこでの知識が今の体験とつながっていくんです。そうやってアートを通じて知識と体験をつなげていけたらと考えています。

もちろん小さい子にとって「葉脈」「左右対称」といった言葉は難しいものです。しかしあえて難しい言葉もどんどん使うようにしています。今は分からなくても、ここでの体験がのちのちの学びにつながっていく、そんな種まきができたらいいなと考えています。それは幅広い年齢の生徒が一緒に学ぶキッズアートクラスだからこそのメリットです。

アトリエ樹乃会のキッズアートクラスでの自然観察の様子

▲虫眼鏡を使って自然観察を行う様子

編集部

絵本はレッスンの中でどのように活用されるのでしょうか。

一ノ瀬さん

そのときのテーマに関連した絵本をいくつも用意し、描いている途中や描き終わった後に子どもたちが好きに楽しめるようにしています。葉っぱなど自然観察をする場合は、物語絵本ではなく科学絵本というジャンルの絵本を用意します。もちろん、絵本を参考にして絵を描くわけではありません。絵本はあくまで子どもたちの世界をより広げていくきっかけになるものとして位置づけています。

アトリエ樹乃会のキッズアートクラスの制作風景

▲「感情・表情・色の表現」のテーマで使用している絵本

編集部

「音を聴いて描く」という抽象画のレッスンもあるとのことですが、こちらはまた観察画とは異なる進め方をされているのですか?

一ノ瀬さん

音を聴いて描くレッスンの際は、まず抽象絵画の父と呼ばれるワシリー・カンディンスキーというロシアの画家を紹介し、音楽にインスピレーションを受けて制作したという彼の絵画を一緒に見ていきます。「この絵画からどんな音を感じるのか」というところを導入に、その後約2分間用意した音を聴いてもらって、色や線、形など自分の感じたままに描いてもらう、という流れになっています。

編集部

じっくり観察して描く観察画と、感じたままに描く抽象画は正反対の作業になるのではないかと思いますが、このように多彩カリキュラムを用意している狙いは何なのでしょうか。

一ノ瀬さん

バリエーション豊かな体験の機会を用意することで、生徒の引き出しを増やし、可能性を広げていくというのが狙いです。生徒の中には観察画が得意な子もいれば、逆に感覚的なことが好きな生徒もいます。同じことばかりやっているとマンネリ化してしまいますし、それが苦手な生徒にとっては辛い部分もありますよね。なるべく多くの体験をする中で、楽しみながら自分の得意なもの、好きなものを見つけてもらえたらと考えています。

指導で意識しているのは「子どもの作品に手を加えない」「教えすぎない」こと

アトリエ樹乃会のキッズアートクラスの制作風景

編集部

子どもたちとの接し方について工夫されていることはありますか?

一ノ瀬さん

「子どもの作品に手を加えない」ということは徹底しています。それは子どもの作品を、子どもたちの分身としてリスペクトしているから。「もっとこうした方が良い」と直接絵に修正を加えることはせず、アドバイスを行う場合は、別の紙を持ってきてそこに描きます。

生徒からどうしても直接線を描いてアドバイスしてほしいと頼まれた場合は薄く描いてアドバイスしますが、「私の描いた線に沿って描くと先生の作品になってしまうよ」ということを生徒にも伝え、その線は必ず消させています。

もう1点、指導で気をつけているのが「教えすぎない」ということです。生徒から質問を受けた場合にも、すぐに答えを教えるのではなく逆に質問で返すよう心掛けています。考える力を育むためにも、生徒自身で答えにたどり着けるように導くことを意識しています。

教えすぎないというのは画一的な正解を押し付けないということでもあります。物の見方は人それぞれなので、「暖かい色って?」と聞いたときに、赤と黄色を答えることが正解なわけではありませんよね。逆に正解を知ったつもりになっているけれど、それが果たして本当なのか実際には分かっていないこともあります。いろいろなことに対して深い洞察力を持てるよう、レッスンの中でも生徒たちに問いかけることは大切にしています。

キッズアートクラスで身につく子どもの自己肯定感・集中力

編集部

キッズアートクラスでの体験を通じて生徒の皆さんはどのように変化されていると感じますか?

一ノ瀬さん

最初の内は上手く描けなくて泣いてしまったり、他の上手い子の絵を見て自信を失くしてしまったりする子も少なくありません。しかしそのような生徒でも、キッズアートクラスに通い続ける中でどんどん自己肯定感が上がっていくのが印象的です。

もちろん続けることで上手くなっていくということもありますが、それ以上に失敗も肯定してもらえる環境の中で、安心して挑戦を繰り返せるのが大きいのだと思います。「失敗しても平気」と思えるからこそ、やり抜く力を身につけ、自己肯定感やへこたれない心が身についていくのではないでしょうか。

また「集中力がついた」という声も非常に良く聞きます。子どもも大人も、好きなことには夢中になってしまいますよね。手を動かしながら考えてものをつくっていく内にどんどん集中していって、描き終わった後満足そうに「疲れた!」という生徒の姿を見るのが、私も大好きなんですよ。

編集部

全体的には、皆集中して黙々と作業されることが多いですか?

一ノ瀬さん

その日のテーマによって異なり、皆でワイワイ言いながら描くこともあります。でも基本的には静かに制作に取り組んでいますね。もちろん制作中もアドバイスはしますが、生徒が集中しているときはなるべく声を掛けずに静かに見守っています。声をかけるべきタイミングと見守るタイミングの見極めは、とても大切にしています。

アトリエ樹乃会「キッズアートクラス」からのメッセージ

アトリエ樹乃会のキッズアートクラスの生徒の作品

▲多彩な個性が光る生徒の皆さんの「自画像」

編集部

最後に、アトリエ樹乃会のキッズアートクラスに興味を持ったお子様、保護者の方に向けてメッセージをお願いします。

一ノ瀬さん

アトリエ樹乃会のキッズアートクラスは、個性を大切する絵画教室です。教室のInstagramに載せている生徒の絵を見ていただくとお分かりいただけると思いますが、同じテーマで絵を描いても本当に生徒それぞれの個性が発揮されていて、面白い作品となっています。

絵を描くのは好きだけれどいつも同じになってしまうというマンネリを感じる子は、キッズアートクラスに来ることで個性を伸ばしながらもっと自分の幅を広げていただけると思います。

もちろん絵が好きな子だけでなく、苦手な子も大歓迎です。絵を描くだけでなく、自然観察や工作などさまざまな体験を提供しているため、楽しみながら好きなこと、得意なことを見つけていただけると思います。

編集部

一ノ瀬さん、本日はお忙しい中お話をお聞かせいただきありがとうございました!

■「アトリエ樹乃会」の公式インスタグラム:https://www.instagram.com/kinokai_kids_art/?hl=ja

アトリエ樹乃会「キッズアートクラス」の月謝・入会金

月謝 6,900円(年間33回、月3回程度)
入会金 7,000円
対象 4歳~小学6年生

アトリエ樹乃会「キッズアートクラス」利用者の声

キッズアートクラスの公式サイトに掲載されている、保護者の方の声を一部抜粋して紹介します。入会を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

なごやかな雰囲気が良かったのと、娘が体験レッスンをとても楽しそうに受けていたのが決め手です。葉っぱの観察や、セミの観察などをした上で、実際に絵で表現する事で、自分で考えようとするトレーニングになっている気がします。他にも、展開図から立体形を作ったり、先取り学習をして頂けるので心強いです。

その日のテーマに関する本を読んでくださったり、題材を実際に見たり触れたりしてよーく観察する時間を設けてくださったりするので、聴く力や観察力や集中力が身についてきました。

年齢の異なる他のお子さん達と一緒に学ぶ事で、色々な表現の仕方を見て刺激を受ける事が出来ると思うので通わせて良かったと思います。

自分が描いた物に自信を持って、作品を持って帰ってくるようになったところ。通う前は自信をあまり持っていなかったのですが、自分もこんな風に描けるんだ!と前向きになれているところに成長を感じます。

アトリエ樹乃会「キッズアートクラス」の基本情報

運営 絵画教室アトリエ樹乃会
名称 キッズアートクラス
住所 【ひばり新座教室】埼玉県新座市野寺5-3-34
【ひばりテラス教室】東京都西東京市ひばりが丘3-4-47
【ひばりヶ丘北口教室】埼玉県新座市栗原5-7-2
【いこいの森教室】東京都西東京市緑町3-5-9
問い合わせ先 https://www.kinokai.net/kids-art
公式サイト https://www.kinokai.net/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。