この記事では、関西に8校、東京・神奈川に6校を展開している0〜5歳児を対象とした日英バイリンガルの教育を行う「関西国際学園 さくらインターナショナルスクール」を紹介します。
2歳児までの乳幼児部では、右脳を鍛える育脳をメインに据え、英語を母国語のように理解できる思考回路を育てています。同学園の神戸校では国際バカロレアのPYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム)の認定校であるため、横浜校でもPYP(探究学習)に基づいて、物事を深く多面的に考える力を養います。
今回は、そんなさくらインターナショナルスクールの取り組みについて、スタッフの大西さんにお話を伺いました。
この記事の目次
日英バイリンガルの探究学習を展開するさくらインターナショナルスクール
まずはじめに、さくらインターナショナルスクールの教育において大切にされていることを教えてください。
さくらインターナショナルスクールが目指すのは、「日英バイリンガルの探究学習を通して、創造力と責任感を持って国際社会に貢献するリーダーの育成」です。すべてのカリキュラムは、この理念に基づいて考えられています。
コースとしては、基本的には妊娠中〜生後9ヶ月を対象とした「親子クラス」、1〜2歳児を対象とした「乳幼児部」、3〜5歳児を対象とした「幼稚園部」の3つで構成されています。
特に親子クラスと乳幼児部では、フラッシュカードやリトミック、クラフト製作やダンス、感覚運動などを通し、右脳を鍛える「育脳」を英語と日本語で行います。3歳までは「右脳の黄金期」と呼ばれ、右脳が持つ直感や高速記憶、処理能力などを最も高めることができる時期といわれています。
なので、早いうちから脳が最も育つ時期にこそ、言語の回路と脳の両方を育てるカリキュラムを用意しています。
関西国際学園(神戸校)は国際バカロレア(IB)の認定校でもあるんですよね。
おっしゃるとおりです。神戸にある関西国際学園は、0歳から18歳までの子ども達が通う一貫校となっており、国際バカロレアのPYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム)のほか、MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)、DP(ディプロマ・プログラム)の認定を受けている(※)ので、一貫性を持ったプログラムを展開できています。
(※)PYPは初等教育(3歳〜12歳対象)、MYPは中等教育(11歳〜16歳対象)、DPはディプロマ過程(16歳〜19歳対象)
神戸校以外のキャンパスでも、幼稚園部はIB PYPに基づいたプログラムを実施しています。
カリキュラムの特徴としては、概念の理解や知識とスキルの習得、学びのプロセスを重視し、深く多面的に考える力を養えることが挙げられます。今自分たちの身の回りでどんなことが起こっているのか子ども達は興味津々です。子どもの興味関心を引き出しながら、日本語と英語の両言語で自分の気持ちや意見を言葉にする練習を、楽しみながら日々行っていきます。
「学ぶ楽しさ」を知り、自主的な姿勢を養う探究プログラム
それでは、幼稚園部の1日の流れについて詳しく教えてください。
一日のレッスンは9時から14時半までです。「サークルタイム」と呼ばれる朝の会から始まって、探究学習や言語学習、算数、ミュージックなどを行います。終わりの会には、「もう、終わっちゃうの?!」と悲しい顔をしてしまう子もいます(笑)それくらい、子ども達にとっては、楽しくてあっという間に1日が過ぎるようです。
国際バカロレアには、「コミュニケーションができる人」「思いやりのある人」「知識のある人」など、学習において大切にすべき「10の学習者像」があります。「思いやりがあるってどういう人のことだと思う?」などと子ども達に問いかけ、学習者像を意識して行動できるように促していきます。学習者像は目指すべき姿でもあるので、教員自身も常に学び続ける姿勢を大切にしています。
レッスンの中で、特徴的なプログラムがあれば教えていただきたいです。
最も特徴的なのは「探究学習」です。子ども達は、設定された1つのテーマに基づいて、疑問を持ったり、仮説を考え、それについて調べたり考えながら、まとめて発表し振り返るという一連のサイクルの中で身の回りの世界と自分の理解を深め、思考力や問題解決力など、これからの変わりゆく未来で必要となる「生きる力」を身につけます。
1年間を5ユニットに分け、5つの探究テーマに取り組みます。例えば、ユニット2は「Sharing the Planet この地球を共有すること」のテーマに基づき、年中クラスは「植物は地球上で繁殖し、私たちの生活の中で役割を果たしている」をテーマに探究を進めています。
自分の意見を伝えることを重視。学校外の体験を通して学ぶことも
▲リサイクルについて英語の資料で学ぶ子ども達
探究プログラムでは、どんな流れで学んでいくのでしょう?
たとえば年長クラスでは、教員が「地球上にはどんな問題がある?」と子ども達に問いかけます。これに対し、「みんなが快適な家に住んでいるわけじゃない」とか「暑すぎたり寒すぎたりするよね」と子ども達から出てくる意見を、教員が書き出していきます。
ハイレベルにも思えますが、年少クラスから、常にいろんなものにアンテナを張り巡らせる習慣を、探究学習を通して積み重ねているので、教員のサポートと共に、子ども達は自然と自分たちの意見を自信を持って発言しています。その姿にこちらが驚かされます。もちろんスラスラと文章を組み立てられるわけではないのですが、感じたこと頑張って言葉にしようとする気持ちやプロセスこそが大切で、コミュニケーション力を育てることにもつながっていくと考えています。
とても楽しそうですね。教室の中だけでなく、園外学習もあるのですか?
はい。季節や行事などにちなんだ校外学習もありますが、探究学習の一環でも園外で学ぶことがあります。「田んぼにはどうやって水を撒いているの?」「川はどうやってできるの?」といった疑問が出てきたら、「実際に田んぼや川を見に行ってみよう」と外へ出かけ、見たり感じたりしたことを絵に描き、後で発表します。
たとえば、園外活動の道中で、ゴミが落ちているのを見つけたら、「ゴミを捨てたらダメって聞いたことがある。どうしてなのかな」「自分たちにできることってなんだろう?」と考えたりします。
ゴミを拾うだけでなく、自分たちでできることも考えたりするんですね!
そうなんです。スチール担当、アルミ担当、プラスチック担当といったようにゴミ箱を手分けして持ち、見つけたゴミの表示マークをみんなで確認しあいながら、「ゴミには種類があって、分別することにより、地球を守る手助けになるんだ」ということを、ゲーム感覚で取り組みながら感じ取っていくんです。小さな子どもに見分けがつくのかと思われるかもしれませんが、みんな子どもながらにも、一生懸命考えながら頑張っていて、いつも「すごいなぁ」と感心してしまいます。
ものづくりを含めた探究プログラムで「学ぶこと」が大好きになる
先ほど廃材を使って、海の生き物を表現するというお話がありましたが、ものづくりの体験も大事にされているんですね。
はい、幼稚園部では実践的な学習方法が子ども達にとって重要だと考えています。例えば「メイカースペース」のレッスンでは、廃材などのいろんな材料を用いた物作りを通して創造し、発明し、学びます。個々でも、グループでも楽しみながら取り組むことができるんです。
子どもは「こんなものを作りたい!」という意欲が意欲があり、さらに人の意見を受け入れて一緒に取り組むことで、自分が思っている以上のものができたりするんですよね。自分が作りたいものだけではなく、相手の気持ちや、やりたいことも聞き入れながら、一つのものを作るプロセスを通して、協働する力を養うことができます。
探究学習を通じて、子ども達はどう成長していくと思いますか?
主体的に学ぶ力が身に付くということですね。問題解決力や想像力、思考力を伸ばすことができると思います。
実際に、探究学習が始まってから、子ども達は「学ぶ楽しさ」を感じ取っていることが、ひしひしと伝わります。当園を卒園した子ども達は、学ぶことに意欲的で、小学校での学習もスムーズに始められるんです。
すばらしいですね。先生方は子ども達の成長をどのようにサポートしていますか?
先生が子ども達にただ教えるのではなく、子ども達の興味、関心をもとに先生が授業をつくっていきます。だからこそ子ども達が主体的に、知りたい、学びたいという意欲を持って、活動に取り組むことができます。
感覚を鍛える乳幼児部の「育脳」プログラム
次に、乳幼児部での取り組みについて教えてください。
1〜2歳を対象とした乳幼児部では、先ほどもお伝えした通り「育脳」にとても力を入れています。3歳までは右脳が最も活発に働きます。この貴重な時期に、五感を刺激し脳を育てるプログラムを多数用意しています。
遊びを通して創造力や記憶力などの力をバランスよく伸ばし、体や脳の機能を開花させる土台をしっかりと作ることを目的としているんです。
具体的にはどんなアクティビティがあるのでしょうか?
指先は第二の脳と呼ばれるほど、運動や感覚の神経が多くあるので、紐通しやボールすくい、ペイントなどの微細運動や、柔らかいもの・硬いものを触って触覚を養ったり、トランポリンやリトミック、外遊びで筋肉をつかう運動をしたりなど、微細・巧緻・粗大運動をバランスよく組み合わせています。また、レッスンではフラッシュカードやドッツカードも使い、イメージ記憶力も養います。
▲言語のカードを使っているようす
カード型教材は子どもの記憶力や語彙力などを鍛える効果があるとよく聞きますが、御校ではどのように使われていますか?
フラッシュカードは、6月は家族、7月は昆虫など毎月学習テーマを設けています。テーマに応じた写真のカードを1枚1秒くらいの速いスピードで見せ、見たものをそのまま記憶する映像記憶の力を養います。
ドッツカードは丸が1~100までランダムに印刷されたカードです。ドッツカードを3歳までの子どもに見せていくと、数的感覚が身につき、数字への理解が高まり、計算がスピーディにできる能力がつくといわれています。1歳児のクラスでは、カードを見せながら丸の数を読み上げ、数の概念をインプットします。2歳児クラスでは、これを発展させて「two plus three equals five(2+3=5)」といった足し算にも挑戦します。
計算の概念はどんなふうに学ぶのでしょうか?
たとえば、クッキーのおもちゃを全員に配って、「ここに"2"と書いてあるから2人ここに来てみよう」「その次は"3"と書いてあるね。じゃあ3人来てみよう」「さて、クッキーは合計で何個集まったかな?」といったように子ども達が見て理解しやすいように、そして遊び感覚で学べるように工夫しています。
すると、子ども達は自然と「"plus(+)"というのは増えていくってことなんだ」「"minus(ー)"は減っていくんだな」といった感じで計算の仕組みを感覚的に掴むようになるんです。
幼稚園に上がると本格的に数字を使って計算をするようになりますが、その前に足し算や引き算の概念を理解しておくと数字への抵抗がなく、計算をする力にもつながっていきます。
早いうちに学び始めることは思考力を高める上でメリットがありそうですね。英語と日本語の脳を作る上でも同じことが言えますか?
はい、長年子ども達を見てきた経験上、何歳から学習を始めたかは本当に大切だと思います。0歳から英語を日常的に聞いていると、脳が英語を「必要な言語の音」と認識して吸収するようになるんです。
当園の乳幼児部では日本語のレッスンが毎日20分間ありますが、それ以外のレッスンは基本的に英語で行われます。小さいうちから英語に触れることで、「英語を母語のように処理する回路」を確実に作ることができます。
さくらインターナショナルスクールからのメッセージ
最後に、記事をご覧の保護者の方に向けてメッセージをお願いします。
私はさくらインターナショナルスクールで勤めて13年となり、高校生・大学生になった教え子達が遊びに来てくれるのですが、みんな必ずと言っていいほど「ここで学んだおかげで英語がずっと得意だったし、海外が身近だった。」や「学ぶことが、ずっと楽しい!」など、ここでの経験が彼らの人生に活きていることを話してくれます。
実際に、卒園生の多くが留学を経験したり、英語や外国語に特化した中学や、高校を選んだりしていて、幼少期の学びが将来の選択肢を変えていくという事実を彼らが証明してくれていると感じています。感受性が強い幼少期に学ぶ楽しさを知ることは、その後の人生を確実に豊かにします。お子さんのためにも、「まだ早い」と思わずに一日でも早く学びをスタートさせてほしいと思います。
さくらインターナショナルスクールは、英語だけではなく、年齢の発達に合わせて、能力を開花させる環境が整っていると自信をもってお伝えすることができます!乳幼児部から幼稚園部、その後は関西国際学園の初等部・高等部と、インターナショナルスクールとしての一貫教育も視野に入れていただける点も魅力のひとつです。
体験会や見学会も行っていますので、ぜひ一度足を運び、雰囲気を感じてみてください。
本日はありがとうございました。
さくらインターナショナルスクールの保護者の口コミ
ここからは、さくらインターナショナルスクールに通うお子さん・卒園生の保護者から寄せられた感想の一部をご紹介します。
子どもの可能性に着目した教育を行ってくれるという声が多数見受けられました。また、卒園した保護者からも、その後もバランスの良い素直な子に育っているという喜びの声がありました。
さくらインターナショナルスクールへのお問い合わせ
▲横浜青葉校のエントランス
運営 | 関西国際学園 |
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