この記事ではSTEM教育・STEAM教育に関する課外活動として、科学実験専門教室「栄光サイエンスラボ」と、ロボット&プログラミング教室「栄光ロボットアカデミー」を紹介します。
「栄光サイエンスラボ」「栄光ロボットアカデミー」はZ会グループの、株式会社栄光が運営する教室。最大8人の少人数制クラスで行う丁寧な授業と、知識を教えるだけでなく「創造力」「問題発見力」「問題解決力」「論理的思考力」「表現力」の“5つの力”を育む指導を行っているのが特徴です。
今回は栄光サイエンスラボ高田馬場校責任者の新村さん、栄光ロボットアカデミー高田馬場校責任者の清野さんにインタビューを行い、「栄光サイエンスラボ」「栄光ロボットアカデミー」の方針や特徴、授業内容などについて教えていただきました。
この記事の目次
「栄光サイエンスラボ」「栄光ロボットアカデミー」とは?
「栄光サイエンスラボ」は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の12か所で展開する科学実験専門教室、「栄光ロボットアカデミー」は東京都と神奈川県横浜市の6か所で展開するロボット・プログラミング教室です。2024年2月から始まる新年度では、栄光サイエンスラボは年中の年齢から、栄光ロボットアカデミーは年少の年齢から通うことができ(いずれも新学年)、成長に合わせたコース展開をしているのが特徴です。
まずはそんな栄光サイエンスラボ、栄光ロボットアカデミーに共通するコンセプトや、授業を行う上での特徴について伺いました。
「PDCA」サイクルを取り入れた授業が特徴
▲インタビューに対応していただいた栄光ロボットアカデミーの清野さん(写真左)、栄光サイエンスラボの新村さん(写真右)
まずは栄光サイエンスラボと栄光ロボットアカデミーのコンセプトについて教えていただけますか?
栄光サイエンスラボは「科学実験専門教室」、栄光ロボットアカデミーは「ロボット&プログラミング教室」なので、それぞれの教室で体験できる内容は異なります。しかしどちらの教室も、子どもたちが自ら未来を切りひらくために必要な“5つの力”を身につけることをコンセプトに運営しています。その“5つの力”とは「創造力」「問題発見力」「問題解決力」「論理的思考力」「表現力」。ただ実験をしたりロボットを作ったりするだけでなく、この5つの力を育むことを意識した授業を行っています。
2つの教室で共通のコンセプトを掲げられているんですね。コンセプトを実現していくための、栄光サイエンスラボと栄光ロボットアカデミーに共通する授業の特徴などはあるのでしょうか。
いずれの教室にも共通しているのが、「PDCA」サイクルを意識した授業を行っていることです。計画や仮説を立て、実験やプログラミングを行い、結果をまとめ、考察する。“5つの力”を育む上で、このサイクルを繰り返し実践していくことに重点を置いているのが特徴です。
栄光サイエンスラボ・栄光ロボットアカデミーでは、具体的にどのような授業の進め方をされているのでしょうか。
栄光サイエンスラボでは実験を行うので、まず実験の前に「Plan」としてその実験に必要なことを学び、必ず自分で仮説を立てた上で「Do」として実験を行います。「Check」で実験結果を記述して、最後の「Action」で実験結果の考察や、失敗してしまったのであれば失敗原因を検証します。今回の実験内容が身の回りのどこで使われているものなのかを考えるのも「Action」の一環です。栄光サイエンスラボで使用しているテキストにもPDCAサイクルを意識できる欄を設けています。
▲テキストでも「PDCA」をしっかり意識できる
さらにテキストに書くだけでなくクラスのメンバー内でディスカッションも行っています。自分の考えを友達に伝えることで実験に対する理解を深めることができますし、表現力を向上することにもつながってくるのではないでしょうか。
▲生徒同士でのディスカッションを行うことで理解度・表現力アップにつなげる
栄光ロボットアカデミーでも、PDCAサイクルを意識した授業を行っています。子どもたちにはまず「今回はこういうロボットのパーツを作るよ」ということを伝えて、パーツの特徴を説明した後で、「このロボットだったら右足と左足を揃えた方が歩くのかな?それとも別々の位置で交互に動かした方が歩くのかな?」というように予想を立ててもらっています。
▲右足と左足を揃えたほうが歩くのかな?
ロボットを作って実際に動かした後に「うまくいったのか」「それはなぜなのか」を考えてもらって、さらにそこから「どう改造していくのか」という改善点も考える。そのPDCAサイクルを生徒たちで回していけるのが栄光ロボットアカデミーの特徴ですね。
実験やロボット作りを「やって終わり」ではなくPDCAサイクルを意識させることで、子どもの多角的な力を伸ばしていくことにつながるんですね。
最大8人の少人数制クラスだからこそできる体験
▲栄光サイエンスラボも栄光ロボットアカデミーも「少人数制」が特徴
今ご説明いただいた「PDCAサイクルを取り入れた授業」以外にも、栄光サイエンスラボと栄光ロボットアカデミーで共通している授業の特徴はありますか?
栄光サイエンスラボも栄光ロボットアカデミーも、少人数制で実施しているのが特徴です。どちらの教室もクラスの人数は最大8名まで、先生一人につき4人の生徒をマックスとしています。5人以上になる場合は必ずフォローの先生が付いているんですよ。
少人数制のクラスにすることでどのようなメリットがあるのでしょうか。
先ほど「授業の中でディスカッションをしている」と申しましたが、やはり少人数の方が意見を言いやすくなっているなというのは感じます。また生徒たちが友達になりやすいというメリットもありますね。友達同士でディスカッションできるのも意見が言いやすくなるポイントです。友達の意見を取り入れて自分のアイディアを発展させていくこともできますし、ライバル関係も生まれます。切磋琢磨し合える関係づくりができるのが少人数制の強みだと考えます。
コミュニケーション面でいうと、少人数制にすることで異年齢の交流が生まれているのもポイントですね。栄光ロボットアカデミーの一部のコースでは、幅広い学年を対象にしていて、小学生と高校生が同じ場所で作業をすることがあります。小学生が高校生を見て「将来自分もこういうことができるようになるのか」という憧れ、好奇心を感じるきっかけにもなっていますよ。
なるほど。コミュニケーション面以外でのメリットとしてはどのようなことがありますか?
栄光サイエンスラボでは生徒一人ひとりが実験器具を触って体験することを大切にしているのですが、そうすると必然的にアルコールランプに火を点けたり、塩酸や水酸化ナトリウムのような触ると危ない水溶液を扱ったりする場面が出てきます。少人数制にすることで生徒一人ひとりを大人がしっかりと見ることができるため、安全管理上のメリットも生まれていますね。
栄光ロボットアカデミーでは「子どもたち自身に考えさせる」という方針で授業を実施しているのですが、そうすると子どもによって全く異なる発想が生まれてきますし、それぞれにアドバイスをしていく必要が出てきます。例えば「ロボットを歩かせよう」というテーマに対して「足を広くすることで摩擦を強くして歩かせよう」と考える生徒がいたら、「じゃあその接着方法はどうしようか?」というように、生徒から出てきたアイディアに応じたアドバイスをしていくわけですね。
大人数だとそれらにきめ細かく対応するのが難しい局面が出てきてしまいます。あえて少人数にすることで子ども一人ひとりの意見に寄り添うことができていると感じています。
実験器具を一人ひとつ用意し、体験に重点を置く「栄光サイエンスラボ」
▲栄光サイエンスラボの新村さん
栄光サイエンスラボ、栄光ロボットアカデミーそれぞれのこだわりや具体的なカリキュラム内容について伺っていけたらと思います。まず栄光サイエンスラボからお聞きしたいのですが、授業の中で特にこだわっている点や工夫していることはありますか?
栄光サイエンスラボでは「科学が好きになる。未来をひらく力になる。」という理念を掲げており、生徒一人ひとりが実験器具を使って作業をする「体験」の機会を提供することを重視しています。私自身生物を専攻し大学院まで進学したのですが、その原点は小学校のときに体験した理科の実験の楽しさにあります。だからこそ、子どもたちにも自分で作業をする楽しさを体験してほしいという思いを持っています。
その中でも特に重要なのが、「生徒の一人ひとりが作業できる」ということ。
▲一人ひとつの実験道具を用意し、自分で触って作業ができるようにするのが栄光サイエンスラボのこだわり
小学校ではチームで一つしか実験器具がないのが一般的なのですが、栄光サイエンスラボでは顕微鏡やアルコールランプなど実験器具は一人一台用意しています。全員が自分の手を動かして作業することで、より一人ひとりの理解にもつながりやすくなっていると思います。
大学などの第一線で活躍する「研究者の講座」を親子で受けられる
その他にも、栄光サイエンスラボならではの特別な取り組みなどがあれば教えてください。
特徴的な取り組みとしては、「スペシャリスト講座」という研究者の方が行う講座があります。これは研究者の方にお話をしてもらったり、研究者の方が所属する研究機関や大学を見学させてもらったりする講座です。
この講座の特徴は、子どもと保護者が一緒に参加できるものであること。第一線で活躍する研究者の方の講座を通じて、子どもの学びの場にするだけでなく、保護者の方にも科学実験や研究の意義を実感してもらうことを目的としています。
具体的にはどのような授業が行われていますか?
羊の血清を使った実験など、大学1年生で行うような授業を子どもたちが保護者と一緒に体験しています。
普段授業で行っている実験よりも高度な内容になりますよね。
はい、でも研究者の方や教授には「小学生でも理解できるようにあえて分かりやすくする必要はない」ということはお伝えしています。分からないからこそもっと知りたい、勉強したいという原動力になってくれたら良いなと思っています。
また教授からは自分が小学校の頃にどういう子どもだったのかということもお話いただいています。保護者の方からは「特別な環境で育ってきた方が教授になるものだと思っていたけれど、案外同じような境遇で過ごされているんですね」という声も良く聞きます。子どもたちが夢を持つきっかけにもなったら良いなという思いもありますね。
「栄光サイエンスラボ」は年齢に合わせた7つのコースあり
栄光サイエンスラボの具体的なカリキュラムについても伺います。まずは栄光サイエンスラボにはどのようなコースがあるのかを教えてください。
栄光サイエンスラボには年齢に応じた7つのコースがあり、加えてすべて英語で授業を行う小学生1年生から6年生までを対象としたイングリッシュコースがあります。
未就学コースは2つに分けており、年中が「キンダーコース」、年長が「プレップコース」で、どちらも授業は月1回で親子での参加をお願いするものです。親子で教室に参加することで、教室で体験するだけでなく家に帰ってからも授業に関する話題を出して子どもの興味を広げてもらうことが狙いです。
小学校は4つのコースがあり、1・2年生が「バチュラーコース」、3・4年生が「マスターコース」、5・6年生が「ドクターコース」と「中学受験コース」となっています。「バチュラーコース」「マスターコース」「ドクターコース」は90分ずつの月2回で、物理・化学・生物・地学を幅広く体験してもらう授業です。「中学受験コース」は、月1回で中学受験に関連するカリキュラムのみを扱います。
元々は小学生までを対象としていたのですが、「中学校になっても栄光サイエンスラボに通いたい」という要望が多かったことにより誕生した「ポストドクターコース」という中学生のコースもあります。こちらでは小学校よりも一歩踏み込んだ難しめの内容となっております。
色・光の三原色からはじめて、小学校高学年からは解剖も行う
各コース、例えばどういった内容の体験ができるのかを教えてください。
未就学児のコースでは科学の基礎知識を学ぶ導入として、色付きのセロハンを使って色の三原色を学ぶ実験など行っています。何の色を重ねたら何の色になるのかを確認してもらったり、ステンドグラスみたいに自分の名前の形にくりぬいた黒い紙のところにセロハンを重ねて色をつけたり、といった内容の実験です。
▲色の三原色・光の三原色を学べる未就学児コース
1・2年生の「バチュラーコース」だと、来年は空気砲を作る実験を行う予定です。空気砲というと段ボールに穴を開けたものをイメージされるかもしれませんが、栄光サイエンスラボでは持ち手のあるいわゆる銃のような形のものを作ります。狙いを定めて「バン」と打つ楽しさを体感できるのと同時に、空気砲から出る煙がどういう形になっているのか、どのくらいの速度で進むのかなどを観察して学びにつなげています。
小学校高学年になると解剖も行っていて、生徒にも人気です!ちょうど今日の授業で、精肉所から届いた本物を使って豚の眼球の解剖を予定しています。
豚の眼球の解剖ですか!難しそうなイメージがありますが、どのように進められるのでしょうか。
まずは眼球そのものを確認した後で、前側と後ろ側に分けて2つに切り、中の様子を確認していきます。水晶体越しにテキストの文字を見ると本当にレンズみたいに文字が大きくなるので、そういったことを観察してもらっています。
学校の授業でもなかなかできない体験だと思います…!怖がったり拒否したりする生徒の方もいるのではないですか?
反応は生徒によって千差万別ですね。
もちろん嫌がる生徒もいますが、その「嫌」という気持ちも経験したからこそ生まれたものです。栄光サイエンスラボでは、経験するからこそさまざまなことに興味が生まれるのだと考えています。嫌だったとしても、経験したから生まれたその「嫌」という気持ちは尊重するようにしています。
小学校高学年でも解剖という高度な体験をしているように思いますが、中学生のコースではどういった内容の授業をしているのでしょうか。
中学生のコースの「気体発生とその性質」というカリキュラムでは、教科書で紹介されるアンモニア・水素・塩化水素といった、取り扱いに注意を要する気体を用いて実験し、その性質を考えます。他にも浸透圧の実験など、少し高度な科学実験も行っています。
中学生のコースになると、実験内容だけでなくテキストの内容も変化します。小学生用のテキストはイラスト付きのわかりやすいものなのですが、中学生用になると指示だけがシンプルに書いてあるものになるんです。自然と読解力の成長にもつながっていくものになっています。
年齢が上がるにつれて学びを深めていくことができる
お聞きしていると、各コースで行う内容というのはそのコースだけで完結するのではなく、年齢が上がったときにもまた知識としてつながっていくような内容になっているのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
おっしゃる通りです。未就学児コースで行った光の三原色の知識などの基礎知識が各学年で再登場することもあります。「前もやったけれど、違う実験だ」というように別の角度からアプローチすることでより知識が深まることもありますね。
いろいろな経験をすることで知識が重層的につながっていき、学びを深めていけるということですね。
未完成のロボットを使って“考える”力を育む「栄光ロボットアカデミー」
では続いて栄光ロボットアカデミーについて伺います。まずは栄光ロボットアカデミーが授業の中で特にこだわっている点や工夫していることについて教えてください。
栄光ロボットアカデミーの授業で大切にしているのは、「どうすればうまくいくのか」を自ら考える力をつけることです。それは子どもたちが将来目標や夢を持ったときにも、必ず求められる力です。だからこそ試行錯誤する機会を提供し、楽しみながら乗り越えていく成功体験を栄光ロボットアカデミーを通じて重ねてもらえたらと思っています。
そのために栄光ロボットアカデミーで行っているのが、あえて完成形ではないロボットを使って授業をすることです。何か足りない部分があるというロボットを使うことで、「うまく動かないのは何でなのか」「どうすれば動くのか」を子どもたち自身が考えられるようにしています。それに加えて最初にお話したようにPDCAサイクルを意識した授業にすることで、より考えを深めてもらっています。
▲あえて完成形ではないロボットを使うことで「考えさせる」のが栄光ロボットアカデミーのこだわり
授業で使用されているテキストは、オリジナルのものなのでしょうか?
はい。ロボットの設計図も完成形まであるものは授業には適さないため、我々自身が1からロボットの設計を考えています。どのコースでも毎回基本的に違うロボットを作成するようにしているので、これまでオリジナルで作ったロボットは恐らく100を超えるくらいの数になっているのではないでしょうか。
すごい数ですね!生徒にとっても毎回新鮮な学びを得ることにつながりそうです。
ロボット・プログラミングの知識だけでなく「プレゼン能力」にも重点を置く
その他にも栄光ロボットアカデミーの授業で工夫している点などがあれば教えてください。
栄光ロボットアカデミーでは、ロボットコンテストに出場する生徒もいるのですが、ロボットコンテストではロボットだけでなくプレゼンテーション能力も評価項目になります。「なぜこのロボットを作ったのか」というコンセプトをしっかりと説明できないといけないということですね。そのため栄光ロボットアカデミーは生徒の説明能力を伸ばすことにも重点を置いています。
もちろんロボコンに限らず、社会に出るといろいろな場面でプレゼンテーション能力は求められます。だからこそ栄光ロボットアカデミーではなるべく幼いうちから伝える力、表現力を育めるよう発表の機会を設けるようにしています。
「アドバンスコース」では自分が作ったロボットについて、「何ができるロボットで、どこを工夫して、実際に動かすとどうなるのか」を保護者やクラスの皆に向けて発表してもらっていますよ。
栄光サイエンスラボでも最初の方で生徒同士ディスカッションを行っているというお話がありましたが、栄光ロボットアカデミーでも伝えること、表現力の向上に重点を置いているということが良く分かりました。
年齢や興味に合わせて展開する「栄光ロボットアカデミー」の7つのコース
栄光ロボットアカデミーのコースやその内容について、どのようなものがあるかを教えていただけますでしょうか。
栄光ロボットアカデミーでは、ロボティクス&STEM教材の「教育版レゴ®」、自分で描いた絵をプログラミングできるビジュアルプログラミング言語「viscuit」を導入し、子どもの学年に合わせた7つのコースを設定しています。
未就学コースは年少・年中のコースと、年長のコースに分かれており、そこではロボットのキットを使ってロボットの基礎を学んだり、「viscuit」を使ってプログラミングに慣れ親しんだりというところから始めています。
小学校からは、1・2年生で「プライマリーコース」を学び、3年生以上で「スタンダートコース」と進んでいきます。キット・プログラム等の難度をどんどん上げていきながらロボット・プログラミングの基礎知識を定着させていきます。
そして、小学校高学年以降は「アドバンスコース」「ロボコンマスターコース」「Pythonコース」と3つのコースに分かれていきます。この7つが栄光ロボットアカデミーのコースの全体像です。
7つのコースに共通する特徴などはありますか?
いずれのコースも「先生から何らかのミッションを生徒たちに与えて、それを生徒たちが自分の力で解決していく」という授業方法を取っています。もちろんそのために必要な基礎知識はしっかりと教えつつも、どう解決していくかは子どもたち自身が考え、実行しています。
そのため同じ授業の中でも出来上がるロボットは全然違うんです。生徒一人ひとりが考えて作ったものが出来上がるのが特徴です。
ロボット・プログラムの基礎を学んだ後は、興味に応じてコース選択も可能
小学校高学年以降の「アドバンスコース」「ロボコンマスターコース」「Pythonコース」は基礎を踏まえた上で入っていくコースとのことですが、さらに高度な内容を学んでいくことになるのでしょうか?
内容のレベルが上がるということももちろんありますが、より自分のやりたいことに合わせて専門性を深めていける、できることの幅を増やしていくことができるのが「アドバンスコース」以降のコースの特徴です。
例えば「アドバンスコース」は先生が設定したテーマに合わせたロボットを自分で考えていくという内容で実施しています。SDGsという枠組みで「海をきれいにしよう。」というテーマを設定したのであれば、そのためにどのようなロボットが必要かを皆でディスカッションして考えていきます。「僕はゴミ拾いロボットを作る」「僕はゴミをポイ捨てしている人を注意するロボットを作る」という感じですね。
「ロボコンマスター」はどのようなことを学べるコースなのでしょうか。
「ロボコンマスターコース」はロボットコンテストに優勝するためのロボットを自分で作り、大会参加を目指すコースです。実際にロボコンに出場する生徒も少なくありません。小学生から高校生までが参加する2023年の「宇宙エレベーターロボット競技会」では栄光ロボットアカデミーから4チーム参加し、全チームが入賞を果たしました*。その中の小学生チームは、グローバル小学生部門で優勝、さらに最優秀チームに授与される文部科学大臣賞も受賞することができました!
*参考:「第10回宇宙エレベーターロボット競技会」で3年連続優勝&文部科学大臣賞受賞! 参加全4チームが入賞
▲「宇宙エレベーターロボット競技会」で作成したロボット
「Python」コースの内容についても教えてください。
「Pythonコース」はよりプログラミングを深く知っていきたい生徒向けのコースで、プログラミング言語を使って実際にゲームを作っています。ゲームが好きな子どもは多いので、より発展的な知識、技術が必要ながらも親しみやすい内容になっているのではないでしょうか。
高校生くらいの年齢になると、自分でゲームのプロジェクトを立てる生徒もいますよ。ソーシャルゲームをPythonで再現するにはどうすれば良いのかというのを考えて作っています。
もちろんいきなりそのレベルに達することは難しいのですが、少しずつ基礎を積み重ねて繰り返していけばそういうことも可能です。
教材は子どもでも扱いやすい「教育版レゴ®」とお絵かき感覚で楽しめる「viscuit」
先ほども少し教材について触れていただきましたが、教育版レゴ®とviscuitを導入されている理由を教えてください。
教育版レゴ®は、センサーやモーターが搭載された動く機能の付加されたレゴです。小学1・2年生向けのものはプログラムを入れる本体と、モーターや色がわかるセンサーがついています。3年生以上向けのものはさらに距離がわかるセンサー、押されたことがわかるセンサーなどさらにセンサーが増えているため、自分のやりたい動きを再現しやすくなっています。
教育版のレゴを導入している最大のメリットは、組み立てやすいこと。動かすためのセンサー、モーターが搭載されてはいますが、組み立て方は普通のレゴと基本的に同じなんです。子どもたちはご家庭や学童などでレゴに慣れ親しんでいるため、直感的に組み立てがしやすいのは大きなメリットですね。また他のキットと比べて頑丈で壊れにくいのもポイントです。
教育版レゴ®を使って、実際にどのようなロボットを作られていますか?
これはもうそのときどきでバラバラですね。動物をつくるときもあれば、2022年9月には地震をテーマに、揺れに強い構造を考えたこともあります。
そのときどきでテーマは与えますが、同じテーマでも作るものは生徒それぞれです。「地盤の上に家を作って歩く家にする」と言って作った子もいました。子どもならではの発想でいろいろと作成しています。
生徒の方が創意工夫を楽しんで学んでいるのが伝わります。もう一つの教材である「viscuit」はどのようなものなのでしょうか。
viscuitは自分で絵を描いてそれをプログラムで動かすことができるものです。「左の絵から右の絵の状態に変える」ための“メガネ”というプログラム一つですべてを制御できるため、かなり直感的にプログラムの動きを想像しやすいのが特徴です。
具体的にviscuitを使用してどういったものを作るのでしょうか?
ゲームを再現することが多いですね。例えば最近ではフルーツと動物の絵を使ったゲームを作成しました。フルーツが入っているバスケットの絵を描いて、バスケットをタップすることで発射されたフルーツを動物に渡すことができる、という仕組みのゲームです。
絵を使った教材なので、絵を描きながら楽しく学ぶことができます。自分の書いた絵が動くというので結構興味を持ってくれる子も多いと思います。
専門知識やPDCAを回す力だけでなく「自立」の力も育まれる
これまでのお話と重複する部分もあるかもしれませんが、栄光サイエンスラボと栄光ロボットアカデミーで子どもがどのような力を身に付けていけるのかを改めて教えてください。
栄光サイエンスラボでは科学知識そのものや、先ほどお伝えした「PDCAを回す力」はもちろんのこと、いろいろなことに興味を持ち、自発的に学ぶ力を身に付けることができます。実際に保護者の方から「栄光サイエンスラボに通い始めたことで子どもが自分からいろいろと調べるようになった」「興味を持って本を読むようになった」という言葉をいただくことがあります。
もちろん栄光サイエンスラボがきっかけで科学に興味を持ってその道に進んでくれるのも嬉しいですが、どんな道を選んでも栄光サイエンスラボで身に付けたことを活かして楽しく生きてくれれば良いなと思います。
栄光ロボットアカデミーでは「自立」できる力を身に付けることができます。保護者や教師が子どもを見ていられる時間はどうしても限られるため、子どもたちが自分で考えて判断しなくてはいけない局面は必ず現れます。正解がない問題がほとんどの中で、自分なりに仮説を立てて失敗を恐れずに挑戦していく経験を栄光ロボットアカデミーでは積んでもらえるのではないかと思います。
それは「何度でも失敗できる」というプログラミングならではの特徴が活かされている部分ですね。こちらで「間違っているな」と気づいても、あえて伝えず失敗してもらって、それを考えるきっかけにしてもらうことも良くあります。自分で考えた上で「チャレンジしてみたけれど失敗した、じゃあ次どうしよう」と考えてもらえたら良いかなと思います。
またプログラミングの授業は学校でも導入していますが、基本的に決まった型があり「これを作りましょう」という内容で進んでいくことが多くなっています。型が決まっていると「ただやらされているだけ」という感覚になってしまうことも少なくありません。しかし栄光ロボットアカデミーではある程度自由に作っていくことができるので、そこも大きな特徴かなと思います。
清野さんから見ても、「やらされる学習」と「自分からやる学習」は身になり方が違うと感じられますか?
やらされているのと自分で楽しんで学ぶのとでは、身につき方が圧倒的に違うと思います!授業で学んだプログラムを家で改造する生徒もいるんですよ。「家で自分なりにこういう工夫をしてみたよ」というのを見せてくれることもあります。そういう生徒を見ると、楽しみながらやることの大切さを実感しますね。
「栄光サイエンスラボ」&「栄光ロボットアカデミー」からのメッセージ
最後に「栄光サイエンスラボ」「栄光ロボットアカデミー」に関心を持った読者の方に向けてメッセージをいただけますか。
栄光サイエンスラボではしっかりとした実験器具を取り揃え、一人ひとつの器具を使って年齢に応じたさまざまな実験を行うことができます。親子揃って第一線で活躍する研究者の方のお話を聞く機会があるのも、他にはない栄光サイエンスラボならではの特徴です。子どもを理系に進ませたい方はもちろん、漠然と「子どもにさまざまな経験をさせたい」と考えている方にも合っている実験教室なのではないでしょうか。
実験というと火や薬品を扱うために危険なのではないかと感じられる方もいるかもしれません。しかし栄光サイエンスラボでは少人数制のクラスで大人がしっかりと子どもの様子を見ています。安全管理も重視する保護者の方も、安心してお子様を通わせていただけたらと思います。
栄光ロボットアカデミーは子どもの成長や興味に合わせたコース展開ができるのが特徴です。少人数制クラスで、子どもたち一人ひとりの好奇心や興味を大事にしています。ものづくりやプログラムに興味がある方も、「プログラミングって一体なんだろう?」という初心者の方からでも安心して受講していただけるので、ぜひ検討してみてください。
授業体験について
栄光サイエンスラボ・栄光ロボットアカデミーでは専任教師による少人数制授業、PDCAサイクルに則ったカリキュラムなど、実際の授業の様子を体験できる「授業体験」を実施しています。
参加費 | 栄光サイエンスラボ:3,300円 (税込) 栄光ロボットアカデミー:無料 |
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所要時間 | 各コースの授業時間と同様 |
- 「栄光サイエンスラボ」体験授業についてはこちら:https://www.eikoh-sciencelabo.com/trial
- 「栄光ロボットアカデミー」体験授業についてはこちら:https://www.eikoh-robot-academy.com/workshop
「栄光サイエンスラボ」「栄光ロボットアカデミー」利用者の声
「栄光サイエンスラボ」「栄光ロボットアカデミー」それぞれの生徒・保護者からの口コミ・感想を紹介します。栄光サイエンスラボ・栄光ロボットアカデミーに通うことを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
▼「栄光サイエンスラボ」利用者の声
栄光サイエンスラボに通うことで、集中力や人の話を聞く力がついたと思います。発表もするので、話す力も成長しました(保護者)
まだ幼稚園ですが、栄光サイエンスラボに入会してから実験の説明もできるようになりました。家でも楽しそうに実験の様子を話してくれます(保護者)
学校では使わない実験器具や薬品を使って、学校ではやらないような実験ができるのが楽しい(生徒)
▼「栄光ロボットアカデミー」利用者の声
先生が丁寧に生徒一人ひとりを見てくれて、ポジティブなフィードバックをくれます。だからこそ上手くいかなくても子どもが「またチャレンジしよう」と前向きになれていると思います(保護者)
子どもが自由に、楽しく取り組むことができています。プログラミングの基礎を身につける場としては、これ以上ない環境だと思います(保護者)
テーマに沿って作りたいロボットを自由に作れるところが良いなと思います(生徒)
クラスで話しながら進める中で、自分が思いつかなかった考えを聞くことができてたくさんの発見があるのが楽しいです(生徒)
「栄光サイエンスラボ」「栄光ロボットアカデミー」の基本情報
運営会社 | 株式会社栄光 |
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本社住所 | 〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目11番11号 |
問い合わせ先 | 栄光サイエンスラボ・栄光ロボットアカデミー各校にお問い合わせください |
教室数 | 【栄光サイエンスラボ】 12か所(東京都6か所・神奈川県4か所・千葉県1か所・埼玉県1か所) 【栄光ロボットアカデミー】 6か所(東京都5か所・神奈川県1か所) |
公式サイト | 【栄光サイエンスラボ】 https://www.eikoh-sciencelabo.com/ 【栄光ロボットアカデミー】 https://www.eikoh-robot-academy.com/ |
※記事の内容は、2023年12月取材時点のものです。
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