子どもの知育に役立つボードゲームは世界中で注目!「ボドゲーマ」にその魅力について取材

この記事では、子どもの知育に役立つと言われているボードゲームの魅力について紹介しています。今回ボードゲームについて詳しくお話を伺ったのは、「ボドゲーマ」を運営する株式会社オーバードライブ代表取締役の若狭さんです。

「ボドゲーマ」とは、50,000人を超える会員数を持つ国内最大級のボードゲーム専門総合情報サイト。ボードゲームのレビューの他、ボードゲームに関するあらゆる情報を網羅しています。

子どもの知育に興味がある方、子どもが遊びながら学べるようなゲームが欲しいけれど何を選べば良いか分からないという方は、ぜひ今回の記事を通じてボードゲームの魅力に触れてみてください。

子どもの知育に役立つボードゲームの魅力とは

ボードゲームとは、テレビゲームなどの電子ゲームを除くアナログゲームの総称です。テーブルゲームやカードゲームなどのすべてのアナログゲームを含みます。

今回取材をした「ボドゲーマ」は、そんなボードゲームに特化したボードゲーム専門の総合情報サイトです。世界各国のボードゲームの情報が集約されており、日本はもちろん、ボードゲーム大国と呼ばれるドイツをはじめとするヨーロッパやアメリカなど、世界中のボードゲーム情報が集まっています。また、レビューや売れ筋・評価などから魅力的なボードゲームを効率的に探すことができます。

そんな「ボドゲーマ」の運営者であり、ご自身もお子さんと一緒にボードゲームを楽しまれているという若狭さんに、まずはボードゲームの魅力とボードゲームで遊ぶことによって身につく力について尋ねました。

ボードゲームの魅力は、子どもから大人まで家族一緒に遊べること

家族でボードゲームで遊ぶ様子

編集部

最初に、若狭さんの思うボードゲームの魅力について教えてください。

若狭さん

ボードゲームというのは、お子様にとってとても良い遊び方だと思っています。ボードゲームは皆で一緒に準備して遊び、終わったら皆で一緒に片づけるもの。皆で楽しく遊ぶためにルールを守る必要があります。親や先生に言われてやるのではなく、楽しく遊ぶために自らルールを守る行動ができるようになることは、子どもの成長にとってとても良い影響を与えてくれるでしょう。

そして個人的にボードゲームの最もすごいと感じる点が、子どもと大人が一緒に遊べるコンテンツであるということです。私が「ボドゲーマ」というサイトをつくった理由の1つに、親子で一緒にボードゲームで遊んでほしいという思いが背景にあるんです。

加えて、屋内で大勢で遊べる娯楽というのもポイントです。テレビゲームも同じ性質を有していますが、目が悪くなるなどの理由から抵抗のあるご家庭も少なくありません。ボードゲームは1回あたり数十分で終わりますし、親にとっても心配が少ない魅力的な遊びだと思っています。

編集部

子どもが遊ぶ上で、囲碁や将棋のような日本の伝統的なゲームとボードゲームの違いを感じることはありますか?

若狭さん

やはりボードゲームの持つキャラクターや世界観は、子どもが遊びたいと思う上で重要なポイントなのではないでしょうか。甘いお菓子や動物などファンシーまたはファンタジーな世界観を持つものが多いので、子どもを惹きつけやすいと思います。

一方でボードゲームを創作するゲームデザイナーは、キャラクターや世界観だけでなくゲーム性も非常に重要視しています。考える要素、工夫する要素がたくさん散りばめられているゲームが多いので、ただ楽しいだけでなく、子どもが思考し、学ぶことができるものとなっているんだと考えます。

海外でも注目度が高い!ボードゲームでさまざまな力が身につく

ボードゲームで遊ぶ様子

編集部

近年、ボードゲームにはさまざまな教育効果があると言われていますが、子どもがボードゲームで遊ぶことでどのような力が身につくのでしょうか?

若狭さん

論理的思考力、記憶力、表現力、想像力、相手の考えを推測する力、ルールを理解する力、心理的な駆け引き力などです。最近では頭の体操として授業はじめにボードゲームを取り入れている学習塾や、ボードゲーム部がある公立小学校もあると聞きます。教育機関である学校側が、生徒たちにボードゲームで遊ぶ機会をつくっているようです。

子どもにとってボードゲームは、勉強や学習ツールではなく、純粋に楽しむだけの遊びです。しかし遊べば遊ぶほど、楽しもうとすればするほど、子どもの中で学びが生まれていきます。楽しいからこそ自ら繰り返し取り組むことで力がどんどんと身についていくのだと思います。

海外ではその点に注目し多くの企業が、子どもの知育や教育に役立つボードゲームの開発に取り組んでいるほどです。

編集部

遊ぶボードゲームによって、身につく力は違ってくるのでしょうか?

若狭さん

違いはあると思います。記憶力・想像力・計画力など、どんな要素が強く絡んでくるのかは、ボードゲームによって異なります。

ゲームに向き合ってる子どもは純粋です。得をしたときは喜びますし、最終的に勝ったときは嬉しいものです。そのため子どもは子どもなりに考えて、工夫して、思いついたことを実行します。プレッシャーもないので気軽に失敗することができますし、次は別の工夫をするなど、トライアンドエラーの機会で溢れています。

また、対戦型なのか、チームで協力してゲームをクリアするのかによって、コミュニケーションの取り方や接し方も変わるので、さまざまな力を身につけるには色んなゲームに取り組んでいくのも良いと思います。

4、5個ほどプレイすると、どれも違う面白さがあったり、それぞれがもつゲーム性の奥深さに気付いてくれます。初めてプレイしたボードゲームを、飽きるまで繰り返し遊ぶことも少なくないのですが、できれば色々とプレイしてみたうえで、自分にとってのお気に入りを2、3個見つけてもらうのが良いですね。

その場合、多くのボードゲームを購入するのは大変でしょうから、ボードゲームカフェで子どもと一緒に参加できるイベントなどを探してみると良いかもしれませんね。

子どもの力を育むおすすめのボードゲーム

ボードゲーム「おばけキャッチ」で遊ぶ子どもの様子

ここからは、ボドゲーマに掲載されているボードゲームの中から、特に子どもが遊ぶのにおすすめなゲームを紹介していきます。ゲームを通じて子どものどのような力を育むことが期待できるのかも紹介しているため、魅力的なボードゲームを見つける参考にしてみてください。

観察力・集中力を育む「おばけキャッチ」

編集部

ボドゲーマに掲載されているボードゲームの中で、子どもの学びにつながるようなおすすめのゲームを教えてください!

若狭さん

「おばけキャッチ」がおすすめです。対象年齢は8歳からとなっていますが、恐らく5歳くらいの年齢のお子様からお楽しみいただけるゲームだと思います。

ボードゲーム「おばけキャッチ」で遊ぶ子どもの様子

▲カードを見て、瞬時に判断が求められる

「おばけキャッチ」は、コマとカードを使ったパーティゲームです。「赤い椅子」「青い本」「緑の瓶」「灰色のネズミ」「白いおばけ」のコマを、机の上に置きます。山札カードをめくると、これらのコマと似た絵が描かれています。しかしカードをよく見ると、少しずつ何かが違うのです。

ボードゲーム「おばけキャッチ」で遊ぶ子どもの様子

▲「おばけキャッチ」で遊ぶお子様の様子

例えば「緑の本」と「白いイス」が描いてあるカードをめくったとしますよね。その場合、その絵に描かれているコマはありません。このとき、色も形も被っていないコマを特定して、最初にコマをキャッチした人に1点が入るというルールです。

緑はダメ。ということは、緑で塗装された瓶のコマではない。

白はダメ。ということは、白で塗装されたおばけのコマではない。

本はダメ。なぜなら、本は緑で描かれていて、しかしそんなコマはない。

イスはダメ。なぜなら、イスは白で描かれていて、しかしそんなコマはない。

つまり、この時は「灰色のネズミ」のコマをキャッチするのが正解です。言われてみると確かに、このカードには灰色もネズミもないな、となりますよね。

無いものを探す、というのがプレイヤーを混乱させるため、まずは目に映った情報を頭の中で整理する必要があります。

さらに何回かカードをめくっていると、コマと全く同じ色・形のものが描かれているカードが登場します。例えば「赤いイス」がカードに描かれていたら、赤いイスのコマをキャッチするのが正解です。無いものを探しているときは、コマと同じものが描かれていることに中々気づきません。

焦って違うコマをキャッチするとお手つきになります。「おばけキャッチ」は大人も子どももたくさんお手つきをしながら、正解できた枚数を競います。

編集部

結構混乱してしまいそうですね…!

若狭さん

はい。子どもも大人も楽しめますし、大人ほど勝ちたい一心になって、お手つきが連発していますね(笑)。

ルール自体はとても簡単なのですが、瞬時の観察力や集中力が求められるので、お子さんの集中力や観察力を育むのにも向いています。子どもが間違ってしまっても「なぜ違うのか」という説明がしやすいので、子どもも納得した上で続けることができます。

編集部

確かに、小さなお子様であっても理解しやすく楽しめそうです。

詰将棋のような「それはオレの魚だ!」

ボードゲーム「それはオレの魚だ!」で遊ぶ子どもの様子

▲「それはオレの魚だ!」で遊ぶ様子

編集部

他に、小学生向けのゲームでもおすすめがあれば教えてください。

若狭さん

「それはオレの魚だ!」というゲームは、小学1、2年生の子どもと一緒に遊ぶのにとてもおすすめです。これは1匹から3匹の魚の絵が描かれた六角形のタイルと、ペンギンの駒を使用するゲームです。

プレイヤーは順番にペンギンを動かしてタイルを移動していくのですが、ペンギンが立っていたタイルは自分のものにすることができます。そこに描かれている魚の数が、自分のポイントになります。

ただしペンギンを動かすことができるのは六角形の方向に直進のみで、タイルがない場所を飛び越えることはできません。進行方向に他のペンギンがいる場合も動かせません。そうしていく内にどんどんタイルが取られていき、穴だらけになってしまうんです。

行ける範囲が狭まってくるので、「そこに行きたかったのに穴があいちゃった」「他のペンギンが立っちゃった」というように、プレイヤー同士で邪魔をし合うような感じになってくるんです。そして終盤の方にはゲームのタイトル通り、「それはオレの魚だ!」と思わず言いたくなってしまうような状況になる、そんなゲームとなっています。

このゲームは詰将棋を複数人でやっている感覚に近いものがあります。子どももやっている内に「本当はこっちに行きたいけれど、他の人の動きを先読みして、今はあえてここには行かないようにしよう」という考えをするようになる、それが詰将棋に良く似ているなと思います。

ボードゲーム「それはオレの魚だ!」で遊ぶ子どもの様子

▲穴があいてくると進行方向に悩んでしまうことも

編集部

「将棋」には興味を持たないお子様であっても、ペンギンと魚というキャラクターで遊べるボードゲームであれば楽しく学ぶことができそうですね。

若狭さん

そうですね。子どもに囲碁や将棋をやらせたいけれど興味を持ってくれない、という親も多いと思いますので、その最初のアプローチという意味でこのゲームを取り入れてみるのも良いかもしれません。

時代や年齢を問わず熱中できるロングセラーゲーム「カルカソンヌ」も人気

編集部

ボドゲーマに掲載されているボードゲームの中で、ロングセラーで人気のゲームはありますか?

若狭さん

「カルカソンヌ」はドイツ発祥のゲームですが、日本でも長年親しまれている人気のボードゲームです。私の子どもも、5歳から6歳の頃にずっとやっていましたね。

シリーズ作品の「カルカソンヌ:アマゾン」で遊ぶ子どもの様子

古代ローマ時代のフランスの都市「カルカソンヌ」をモチーフにしたゲームで、「芝生」「道」「お城」が描かれたタイルを使って街をつくっていくという内容です。簡単にいうと道やお城が完成したら得点がもらえるというルールなのですが、大きい街や長い道を作るほど高い得点を得られるようになっていたり、それを他のプレイヤーが邪魔してきたりと、意外と判断や戦略が求められます。

編集部

ボドゲーマにはカルカソンヌのように長く人気なゲームもあれば、最近トレンドのゲームもあるのでしょうか。

若狭さん

ボードゲームのトレンドというのは、実はあまりないんですよね。特定のジャンルに、人気が一時的に集中して、似たような作品がたくさん発売されるということは、かなり珍しいです。幅広いジャンルで新作・旧作含め楽しんでもらっているのがボードゲームの特徴なのかなと思います。

先程紹介した「カルカソンヌ」は2000年に発売され、今でも多くの人に遊ばれています。「それはオレの魚だ!」は2005年にドイツ人とリトアニア人の方が、「おばけキャッチ」は2010年にフランス人の方が作ったボードゲームです。1世代またいでも現役で遊ばれているボードゲームは非常に多いです。

楽しいだけじゃない、工夫する要素が散りばめられているからこそ力が身につく

子どもがカードゲームで考えている様子

▲とても考えながらカードゲームに取り組んで様子が伝わります

編集部

若狭さんのお子様もボードゲームで遊ばれていたとのことですが、実際にお子様が遊ばれるご様子を見ていて、「こういう力が身についた」など実感されたことはありますか?

若狭さん

例えばカルカソンヌの場合は得点の計算ルールがあるため、5歳のときでも「これをあそこに置いたら何点になる」というのを考えてプレイするようになっているな、というのは感じましたね。「何点取るためにこうすべき」という展開を見越した上で行動する力が身についたのではないかと感じます。何回もゲームに付き合って遊んでいる内に、「うちの子どもも、ついにそういうプレイをしちゃうんだ!」と感動することもありました(笑)。

子どもは楽しいことについては上手くなりたいと思うものですよね。本人は意識していなかったと思うのですが、楽しく遊べるからこそ、自然と必要な工夫をするようになるのかなと思います。

ボドゲーマを使えば、子どもにピッタリのボードゲームが探せる!

ここからは、ボードゲームを数多く紹介するサイト「ボドゲーマ」の上手な活用方法について紹介していきましょう。

まずは「ボドゲーマ」のレビューをうまく活用しよう

編集部

ボードゲームに馴染みのない方にとっては、どのボードゲームを選べばよいか迷うことも多いと思います。そんな方に向けて、ボドゲーマの活用方法を教えていただけるでしょうか?

若狭さん

ボドゲーマの利用方法として最もおすすめなのが、レビューサイトとしての活用です。

何か気になるボードゲームがあるとき、今までは通販サイトやブログでレビューを見つけ出すことが一般的でしたが、購入するかどうかを決めるための十分な情報は得られないことが、少なくありませんでした。

ボドゲーマは、会員によるさまざまなボードゲームのレビューで成り立つ会員制のレビューサイトです。ボードゲーム専門のサイトであるため、レビューの量が非常に充実しており、また普段からボードゲームに親しんでいる人が評価しているため、質的にも充実したレビューを読むことができます。購入の際に非常に参考になるレビューが数多く投稿されているのはボドゲーマの大きな魅力です。

また、遊んだゲームに対して記録をつけていく機能があります。どんなゲームにどれくらいの評価をしたかをシステム側で解析し、好みに合わせた新しいボードゲームの提案が受けられるようになります。

編集部

確かにレビューがあれば、知らないボードゲームでも選びやすいですね。どんな遊びなのか、興味を持ってくれそうなのかをレビューでチェックできれば、自分の子どもにあったゲームを買いやすくなりそうです。

情報収集・交換ができる「コミュニティ」の活用も有益!

編集部

ボドゲーマに関する情報は、他の方法でも得られるのでしょうか?

若狭さん

ボドゲーマは、ボードゲームが好きな方同士でコミュニケーションが図れるコミュニティサイトとしての面も有しています。そのため、会員同士で交流する「コミュニティ」というページで、情報交換をしたり交流をしたりできるのが特徴です。

例えば子どもがいるご家庭であれば、「子ども同士で遊ばせるのに良いボードゲーム」などのテーマで情報交換をしているコミュニティもあります。ご家庭の状況に応じたコミュニティを探してみると、有益な情報を得ることができるのではないでしょうか。

ボードゲームで実際に遊べる「ボードゲームカフェ」情報も掲載

編集部

さきほど教えていただいた、ボードゲームカフェでのイベント情報も、ボドゲーマで検索できるのでしょうか?

若狭さん

ボドゲーマは、全国のボードゲームカフェを運営している方から申請を受け、店舗掲載を行っています。ボードゲームカフェは、ボードゲームが好きな人が集まって楽しむ場というだけでなく、気になるゲームがある場合にお店で実際に遊べるという役割も持っています。

というのも、ボードゲームは集めようとなると結構お金もかかるものなんですよね。ボードゲームカフェで実際にゲームを楽しんだ上で購入の判断材料にしてもらえればという思いもあり、全国各地のボードゲームカフェ情報を掲載しています。

住んでいる地域からボードゲームカフェを検索できるようになっているので、近隣にあるかどうかを調べることができます。またボードゲームカフェでイベントを実施していればその情報も確認できるので、家族などのお出かけスポットの参考にもなりますよ。

子どもの知育玩具やゲームを探すファミリーへのメッセージ

ボードゲームで遊ぶ家族の様子

編集部

最後に、家族で楽しめるボードゲームをお探しの方に向けて、ボドゲーマからのメッセージをお願いします。

若狭さん

子育てをしているほとんどの方は経験していると思うのですが、積み木やブロックなどの子どもの遊びというのは、大人にとっては子どもをただ見守る時間です。退屈に感じるという方は少なくないかと思います。

しかしボードゲームであれば、親が退屈せずに、一緒に楽しく遊ぶことができます。そしてそれは子どもにとってもすごく新鮮なことなんです。子どもからしてみれば、いつもは見守る立場だった親がまるで友達のように、同じルールで、同じ目線で、同じプレイヤーとして一緒に遊んでいる。

私自身、30年以上も前のことを思い返すと、親がどう見守ってくれていたのかは正直記憶にありません。でも、一緒に遊んだボードゲームのことはいくつも覚えています。ダイヤモンドゲーム、ドンジャラ、ウノ、オセロ、はさみ将棋、ブタミントン、マンカラなど、思い出がたくさん残っています。

そして今では私も1人の父親となり、多種多様なボードゲームを通じて子ども達と一緒に楽しんでいます。

ボードゲームに興味が湧いた方は、ぜひボドゲーマをご活用ください。子どもの学びにもなるような最高のボードゲームを見つけて、親子で楽しい時間を過ごしていただけたらと思います。

「ボドゲーマ」の基本情報

「ボドゲーマ」サイトURL https://bodoge.hoobby.net/
運営会社 株式会社オーバードライブ
運営会社所在地 東京都新宿区四谷本塩町1-3
ザ・ブライニービル301号室

※最新の情報はホームページでご確認をお願いいたします。