この記事では、特色ある教育に取り組む“注目の学校”として、埼玉県川越市にある「秀明中学校・高等学校」をご紹介します。
秀明中学校・高等学校は、首都圏において唯一“全寮制(※)”の中高一貫校です。寮生活によって「規則正しい生活習慣が身に付く」「勉強に集中できる」といったメリットがあるほか、社会で必要とされる優れた人間性が自然と育まれていきます。
※高校は通学も可
また、教育環境に多彩な特色があることも大きな特徴です。英国人専任教師による「オールイングリッシュ」の英語教育をはじめ、医学部や難関国公立大への現役合格を目指すコースもあり、特に医学部・歯学部の合格率は全国トップクラスとなっています。
ぽてんでは、そんな魅力あふれる秀明高等学校の神原校長にインタビュー取材を行い、秀明中学校・高等学校の教育方針や寮生活の魅力、カリキュラムの特色について詳しく教えていただきました!
この記事の目次
秀明中学校・高等学校が大切にする「知・技・心」のバランスに優れた人間形成
まずは、秀明中学校・高等学校が掲げている教育方針について教えてください。
秀明中学校・高等学校では、「常に真理を追究し、友情を培い、広く社会に貢献する人間形成を目的とする」といった建学の精神のもとで教育活動を行っています。また、開校以来「知・技・心」を校訓に掲げており、特に「知」と「技」を支える「心の学習」を重視して豊かな人間性の育成に尽力していることも大きな特徴です。
「知・技・心」のバランスに優れた人間形成は、寮生活があってこそ実現できると考えております。同じ目標を持った仲間との共同生活によって望ましい学習・生活習慣を身に付けさせ、豊かで健全な人間性を育むことが秀明中学校・高等学校の狙いです。
善悪の区別やいたわりの心、感謝について学ぶ「心の学習」が秀明教育の基盤
特に「心の学習」を重視されているとのことですが、具体的にどのような学習を実施されていますか?
ホームルーム中に、新聞記事を題材として善悪の区別やいたわりの心、感謝について生徒と教員が一緒に学ぶ「心の学習」の時間を設けています。たとえば近年は大麻問題が深刻化しており、中学生や高校生の手にも届くような時代になっております。そのような危険なものが氾濫する世の中でどのように生きるべきなのかを生徒と教員が共に考え、意見を交換し合うといった学習です。
基本的に生徒は文章で考えをまとめ、それぞれの生徒の意見を教員が発表する形で共有し合うことで思考を深めていきます。自分の考えを文章でまとめる際に思考力や判断力、表現力が身に付き、さらに他の人の意見を聞くことによって広い視野で物事を考える力も養うことが可能です。
この学習を積み重ねることで、社会で必要とされる確かな人間形成が叶います。また、習慣的に多くの文章をまとめるため、「大学受験における小論文の対策になった」と喜ぶ卒業生も多くみられますよ。
切磋琢磨・協力協働し合える秀明中学校・高等学校の寮生活
秀明中学校・高等学校における最大の特徴といえるのが「寮制」であることで、中学生は2人部屋、高校生は個室で寮生活を送ります。首都圏在住の生徒は月曜日に登校し、金曜日に自宅へ帰宅する4泊5日の寮生活が基本ですが、自宅が遠方にある生徒は週末も寮に宿泊しています。
高校のみ通学制も選択可能ですが、実際には生徒の約9割が寮生活を送っているそうです。では秀明中学校・高等学校の寮生活にはどのような魅力があるのか、目的や生徒の様子についてお話を伺っていきます。
親離れによって自立心が高まり、共同生活で人間力を養える
秀明中学校・高等学校が全寮制である理由について教えてください。
同年代で生まれも育ちも異なる友人と共同生活を送ることで、大きな人間力を養うことが全寮制の狙いです。創始者自身も寮生活によって初めて親のありがたみを実感した経験があり、「小学校から中学校に上がる時期が自立のベストタイミング」といった考えが受け継がれています。
というのも、小学校までは子どものことを「児童」と呼び、「児」も「童」も子どもを表す漢字です。それが中学校・高校では「生徒」へと呼び名が変わり、「生徒=1人で走って生きていく」といった意味があることから、そう保護者の方に宣言をして親離れをする時期であると秀明は考えています。
つまり、身の回りのことを全て自分で行いつつ、同じ環境にいる友人と切磋琢磨・協力協働しながら人間性を磨いていくことが、秀明の寮生活における大きな意義です。そして、最終的には誰とでもうまく付き合える高い対人関係能力が身に付き、実際に本校の卒業生はそれぞれの社会において非常に高く評価していただいています。
初めは在住地域が近い生徒と同室になるため、寮生活に馴染みやすい
新入生に早く寮生活に慣れてもらえるよう、学校側で工夫されていることがあれば教えてください。
中学生は2人部屋なのですが、なるべく住んでいる地域が近い生徒たちを同室にしています。そうすることでお互いに共通の話題を見つけやすく、比較的早く仲良くなれることが大きなメリットです。
ちなみに秀明中学校の入学式は水曜日に設定しており、初めは水・木・金の2泊3日で帰れるようにしています。同じ地域、あるいは近い地域の子が同室にいれば帰る方向が同じなので、そういった点でも安心感があると思いますよ。
初めて親元を離れて生活するお子様がほとんどだと思いますが、ホームシックになるケースもあるのでしょうか?
昔は多かったのですが、近年はあまり見られなくなりましたね。現代はスマートフォン等で気軽に連絡を取り合えることから「家族と離れていても大丈夫」と考える生徒が多く、比較的スムーズに寮生活をスタートできています。
むしろ、ほとんどの生徒が寮生活を楽しみに入学している印象です。もちろん生まれも育ちも異なる初対面の人たちと、入学したその日から一緒にお風呂に入ったり、ご飯を食べたりするわけですから、「うまくやっていけるかな」といった不安な気持ちもあるのではと思います。しかし、実際には不安よりも期待感のほうが大きい子どもたちが秀明には多く入学しているように感じています。
夜間は再び学校へ!演習問題や確認テストでより理解が深まる
秀明中学校・高等学校での寮生活では、協調性や他者への思いやりの心などが養われるだけでなく、学習面においても大きなメリットがあるそうですね。
秀明の寮生活ならではのメリットといえるのが、月曜日から木曜日に実施している「夜間学習」です。具体的には夕食後に再び学校へ登校し、午後9時までの40分×3コマの授業において問題演習や確認テスト等を行っています。
その際は昼間と同じ教員が教壇に立つため、昼間の授業で学んだことを夜間の演習問題で理解を深めるなど、より効率的に学習を進めることが可能です。我々教員としても昼間の授業の理解度を夜間に確認し、次の授業でフィードバックできるため、生徒・教員双方にとって理想的な学習体制であると考えています。
秀明中学校・高等学校の“資質を最大限に伸ばす”教育
続いては、秀明中学校・高等学校における教育の特色についてお話を伺いました。
英国人教員による独自の英語教育。オールイングリッシュのコースもあり
秀明中学校・高等学校では、独自のプログラムによる英語教育が充実してるそうですね。
選り抜きのイギリス人専任スタッフが7名在籍しているほか、英語の授業に標準以上のコマ数を確保していることも本校の特徴です。授業以外でもイギリス人スタッフが生徒の身近におり、昼食を共にするなど“生きたイギリス英語”を学べますよ。
また、秀明中学校には「スーパーイングリッシュコース」があり、こちらに在籍している生徒は“オールイングリッシュ”の英語授業を週に10時間受けられます。そして「美術」「音楽」「技術・家庭」の副教科の授業も英語で行われ、色・形の表現や食材・調理器具の使い方、調理方法などを英語で覚えることによって英会話の実践力を高められることも魅力です。
ちなみに「スーパーイングリッシュコース」は入学の難易度が高く、高度な英語力を持っている方や帰国子女の方、親御様のどちらかが外国人で家庭で英語を使用している方などが多く在籍しています。
中学2年で2週間、高校1年で3週間イギリス英語研修へ
秀明中学校・高等学校では「イギリス英語研修」も大きな特色ですよね。具体的にどのような研修なのでしょうか?
中学2年で2週間、高校1年で3週間、生徒全員がイギリスにある秀明学園のカレッジで生きた英語を学びます。そこには寮が同じようにあり、寮に寝泊りしながら午前中に90分の授業を2コマ、午後に90分の授業を1コマ受講する研修です。
なお、授業だけでなく小旅行や現地生徒との交流の場も設けられており、英語力の向上はもちろん、異文化を吸収する良い機会となっています。
医学部への現役合格を目指す「医学部進学コース」もあり
秀明中学校・高等学校ともに医学部への進学を目指すコースがあると伺いました。具体的にどのようなサポートをされているのかご紹介ください。
医学部の受験指導経験が豊富な教員と、教科指導力の高い教員が連携し、一人ひとりの目標達成に向けてきめ細かな学習指導を行っています。
また、「医療の現場で活躍したい」といったモチベーションを高められるよう、医療講演会や埼玉医科大学との連携による課外活動も積極的に取り入れています。医者や医療がどういうものなのかをさまざまな体験を通じて実感できることが、秀明の医学部進学コースならではの醍醐味ではないでしょうか。
秀明中学校・高等学校の教員と生徒は家族のような関係性
続いて、秀明中学校・高等学校の雰囲気について教えていただきました。
長い寮生活によって生涯の財産となる人間関係を築ける
秀明中学校・高等学校は寮生活なので、一般的な学校に比べて先生や他の生徒さんと過ごす時間が長いですよね。先生と生徒、あるいは生徒同士はどのような関係性でコミュニケーションをとっていらっしゃるのでしょうか?
まず、教員と生徒の距離は非常に近いです。
というのも、本校では「師弟一体」の教育体制を大切にしており、生徒と教員が喜びも悩みも分かち合って過ごすことをモットーとしています。また、教員は生徒が寝るまでは交代で寮に入り、各部屋や浴室等を巡回しながら生徒たちが眠るまで安全を見守るなど、親心のような気持ちでケアしていることも特徴的です。
その関係性で最大6年間過ごすため、家族や親戚のような間柄が自然に構築されていきます。なかには、「国家試験の発表を学校で一緒に見てもいいですか?」と教員を訪ねて来る卒業生もいるほど近い距離感ですね。
生徒同士はさらに親密な関係性で、まるで兄弟のような雰囲気です。中学・高校の6年間友人と共同生活をするわけですから、その間は本当の兄弟よりも長く一緒にいることになりますね。
もちろんトラブルもありますが、それを繰り返すことによっていつしか相手をうまく受け入れられるようになり、協調性や他者への思いやりの心などが育まれます。卒業する間際になるともう“阿吽の呼吸”で、「相手が何も言わなくても考えていることがわかる」と生徒たちは口々に言っていますよ。
生徒たちの楽しみは絶品ランチやお風呂タイム、入浴後の語らい
秀明中学校・高等学校の生徒たちは、どのようなことを楽しみにして寮生活を送っていますか?
生徒たちが特に楽しみにしているのは、ランチタイムです。本校では調理師が厨房にて食事を作っているのですが、ランチ時には生徒たちの故郷の郷土料理が出たり、生徒たちが考えたメニューが提供されたりして大変評判を集めています。
また、お風呂の時間や入浴後の語らいの時間を楽しみにしている生徒も多いですよ。
秀明中学校・高等学校からご家族・お子様へのメッセージ
秀明中学校・高等学校に興味をお持ちのご家族やお子様へメッセージをお願いします。
秀明の学校生活・寮生活で培った確かな学力と豊かな人間性は、その後の人生における大きな糧になると思います。将来の夢・希望を実現したいという強い意欲がある方、医学部進学を目指している方など、ぜひ秀明中学校・高等学校を検討してみてください。
なお、本校は2024年4月に創立46年目を迎えるのですが、これまでの校舎を取り壊して新校舎を建設中です。新校舎竣工が2025年の4月ですので、校舎とともに新しいスタートを切れることは非常に魅力的なチャンスだと思います。
新しい食堂も2026年4月には完成し、朝昼晩の食事をそちらで摂れるようになりますので、ぜひ楽しみにしていてください。
秀明中学校・高等学校の在校生・卒業生の声
ここでは、秀明中学校・高等学校の在校生・卒業生の声をいくつかご紹介します。
寮生活にポジティブな意見が多く、友人と刺激し合い、助け合いながら過ごすことで心の成長を実感する声がたくさん挙がっていました。また、充実した英語教育や受験校に合わせたカリキュラムなど、きめ細かな学習指導についても高い評価を得ています。
進路情報
秀明中学校・高等学校での医学部・歯学部等の合格率は、開校以来全国トップクラスです。2024年春の大学入試では、医学部においては15名、歯学部においては19名が合格を勝ち取りました。
そういった輝かしい進路実績の背景には、医学部・歯学部進学に関する知識が豊富な教員によるきめ細かな受験指導があります。また、歴代の受験生による「受験報告書」が約40年分データ化されており、受験生からは「過去の筆記試験や面接の内容がとても参考になった」などと評判です。
また、秀明中学校・高等学校は例年医学部医学科の「指定校推薦枠」を確保していることも、合格率の高さに繋がっています。
お問い合わせ
問い合わせ先 | 学校法人 秀明学園 |
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住所 | 〒350-1175 埼玉県川越市笠幡4792 |
電話番号 | 049-232-6611 |
公式サイト | https://shumei.ac.jp/ |