子どもの心と体の成長に寄与する習い事をお探しの方に向けて、大阪府、兵庫県、京都府といった関西圏を中心に和太鼓教室を運営する特定非営利活動法人和太鼓教育研究所の教室をご紹介します。
和太鼓教育研究所の特徴は、演奏技術だけでなく子どもの心身の発達に重点を置いたレッスンを行っていること。和太鼓演奏のプロであるだけでなく、子どもの教育・療育に関する専門知識を持つ指導者が揃っているため、子ども一人ひとりの成長を見据えたレッスンを受けることができます。
今回は理事長を務める吉田さん、副理事長を務める野口さんに、教室のコンセプトや、3つのクラスの具体的な指導内容についてお話を伺いました。
この記事の目次
「子どもの健全な体と心を育む」ことをコンセプトに、3つの和太鼓教室を運営
和太鼓教育研究所さんでは3つの和太鼓教室を運営されているとのことですが、それぞれの特徴を教えていただけますか?
「楽座」は大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県で実施している地域密着型の和太鼓教室です。子ども向け教室と大人向け教室があり、子ども向けの「楽座キッズ」では小学生を対象としています。
「和らぼ」は神戸市長田区の「和らぼ長田スタジオ」を拠点に活動する教室です。幼稚園から高校生まで幅広い年齢の子どもを受け入れており、和太鼓の取り組みを通して本の文化を学びながら舞台演奏ができるようになることを目指しています。
「どんど鼓(どんどこ)学舎」は大阪府、兵庫県で実施する障がいのあるお子様向けの和太鼓教室です。和太鼓や打楽器を用いて療育発達支援を行っており、一般クラスよりもスモールステップでゆっくりと和太鼓を楽しめる教室となっています。
3つの教室に共通するコンセプトはありますか?
我々は和太鼓を使って子どもの健全な体と心を育むことを目的に教室活動を行っています。和太鼓は子どもたちにとって、見たらつい叩きたくなってしまうような、本能的に引き寄せられる魅力を持っている楽器だと思います。だからこそ楽しく叩くところを入口に、和太鼓の取り組みを通して子どもたちのさまざまな育ちに寄与できたらと考えています。
教育のプロが、子どもの個性に合わせてオリジナルのレッスン内容を実施
▲「どんど鼓学舎」のレッスン風景。子どもの心身の特性を踏まえてレッスン内容を組み立てる
他の和太鼓スクールとは違う、貴教室ならではの魅力はどういった点にあると思われますか?
教員免許の保持者や保育士など、子どもの教育や療育に関する専門的知識を持つ指導者が多いのが本教室の特徴です。演奏技術を教えるだけでなく、褒め方や指導方法など子どもの成長に適切な接し方ができる点に魅力を感じて本教室を選んでいただく方が多くなっています。
レッスン内容も、子どもたちの様子や個性をよく観察して内容をオリジナルでつくっているんですよ。既存の曲ありきではなく、レッスンに通う子ども一人ひとりの特徴を踏まえて目標設定をしてレッスンを組み立てている点も保護者の方から信頼してもらっているポイントです。
どういったきっかけで教室に通われるお子様が多いのでしょうか。
最初はメディアなどで和太鼓演奏家を見て、保護者の方が「子どもに習わせたい」と連れてきてくださることが多いですね。ただ続けていく内に子どもたち自身が和太鼓に魅了され「続けたい」と言ってくれることが多くなっています。「楽座キッズ」は小学生を対象としていますが、中学生以降も大人のクラスで継続する子どももいます。
和太鼓を使った療育プログラムを提供する「どんど鼓学舎」
各教室のレッスン内容についても詳しく伺います。まずは療育支援プログラムを実施されているという「どんど鼓学舎」について、改めて教室の目的を教えてください。
「どんど鼓学舎」は和太鼓や打楽器の取り組みを通して障がいをもつ子どもの育ちを支援する(認知・運動機能・体力を向上させる)ことなどを目的とした教室です。またこの教室で出会った友達同士で和太鼓を楽しむことで社会参加を促すことも大切な目的の1つです。
先ほど子どもの成長に関する専門知識を持つ指導者が多いとのお話がありましたが、どんど鼓教室に関しても障がい特性などに配慮したレッスン内容を組み立てているのでしょうか。
はい。現在は合計20名ほどの子どもたちが所属していますが、それぞれの個性や特性を踏まえた上で半年、1年の成長を見越したプログラムをつくっています。
和太鼓はシンプルな楽器ですが、上から叩くだけでなく、台に乗せたり斜めにしたりと、さまざまな演奏スタイルを楽しめます。そういう和太鼓の特徴を活かして、立っているのが難しい子でも楽しく叩けるようにするなど、子どもたちが今できることを一番大切にして内容を考えています。そこに少しずつ課題を足していって、「できた」という達成感を感じられる目標を設定するように工夫しています。
「どんど鼓学舎」以外のクラスでも演奏技術の向上のみを目的としていないのは同じですが、この「どんど鼓学舎」に関しては療育支援を目的としているため、特に子どもの“育ち”にフォーカスしたレッスン内容となっているのが特徴です。
楽器というとどうしても演奏に焦点が当たりますが、和太鼓をあくまで道具の1つとして日常生活にプラスすることで子どもの発達を促していけたらというのが我々の思いです。
とはいえ楽器の楽しさは演奏するところにあります。演奏ありきのプログラムとならないよう配慮しつつ、最終的には皆で合わせて演奏する楽しさも享受できるよう工夫しながら指導を行っています。
▲発表会では人前で演奏を披露する楽しさも味わう
和太鼓の取り組みを通して、子どもの体力や心の成長を実感できる
「どんど鼓学舎」を通してお子様たちはどのような成長を得られるのでしょうか。
1つはやはり体力面や運動機能の向上です。障がいのあるお子様は体幹が弱い場合も多いのですが、和太鼓の取り組みを通して体幹が鍛えられ姿勢が良くなったという声もよく耳にします。体力や筋力がつくことによって食欲も出て体が大きくなったという声も多いですね。
もう1つ、社会性の面での成長も大きなポイントです。障がいのあるお子様の中には集中できる時間が短いという特性を持つ子もおり、最初の内は5分も集中がもたずに立ち歩いてしまうという子も少なくありません。しかし徐々にレッスン中に先生の話を聞けるようになっている、レッスンの45分間集中しているといった変化が表れてきます。
また和太鼓は言葉を使って覚えていく楽器のため、発話や発声機能が育っていくという変化も見られます。和太鼓を叩きながらかけ声を発するといったことを続けていく内に、いつの間にか普段の挨拶など日常における発語もしっかりとしてきます。
このように心身の変化が見られることを保護者の方からは非常に喜んでいただいています。「和太鼓に関わってなかったらどうなっていたか」という声も多いくらい、お子様の成長にとって良い影響を与えられる場所となっているのではないでしょうか。
「楽座キッズ」では体全体を使って演奏を楽しむことを重視
「楽座キッズ」のレッスン内容や特徴についてもご紹介ください。
こちらも「どんど鼓学舎」と同様に、和太鼓の演奏だけでなく体を動かすことによる運動機能の発達を促すことにも重点を置いています。「体全部を使って和太鼓を演奏する」ことを指導の柱に、大人だったらリズム優先になるところでも全身を使った演奏となるように工夫しながらレッスンを行っているのが特徴です。
例えば叩き終わっても呼吸が乱れていない子がいたら「まだ全部出し切れていないね!もう1回やろう!」という感じで、とにかく体全部で叩いてもらっています(笑)。大変なことも難しいことも含めて一生懸命取り組むからこそ、やりきったときに感じる楽しさを味わってもらえたらなと思っています。
実際にどのような曲を演奏しているのですか?
リズム重視の曲よりも、太鼓を打ちながら横へ移動する曲、跳んだり跳ねたりスキップしたりしながら太鼓を打つ曲など、体を大きく使った打ち方ができる曲を演奏しています。友達と交代しながらサークルのように回って太鼓を打ち続けるという曲も、大人は「足が痛い」などといってすぐへこたれてしまうのですが子どもは大好きなんです(笑)。
「太鼓を打ちながら横へ移動する」というのは和太鼓の伝統的な演目です。太鼓を横一列に並べ、複数人で移動しながら同じリズムを繰り返し演奏します。この演目は特に小学校3、4年生くらいの子どもに人気があります。
同じリズムを繰り返すのは大変そうだなとも感じるのですが、皆で一緒にやるから楽しいということもあるのでしょうか?
もちろん友達と一緒に音を揃えることで感じる楽しさもあります。それと同時に、同じリズムを繰り返すという和太鼓ならではの音楽的な楽しさもあるんですよ。一定の音型を繰り返す「オスティナート」という音楽用語があるのですが、それを身を持って体感できる演目となっています。
音楽のフェス会場などをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。皆で一体感を感じるときというのはリズムのうねり、音楽のうねりが生じていて、それに皆で乗っている状態なんですね。和太鼓でも多くの人数が一緒に同じリズムを鳴らしているからこそ、そのリズムのうねりに楽しさを感じられるのだと思います。
短いスパンで達成感を得られる、半年に1回の発表会
「楽座キッズ」では日頃のレッスンの成果を人前で披露する機会はありますか?
大阪、兵庫、京都の3会場で半年に1回スクール発表会を実施しており、発表会が終わった後は、皆晴れ晴れとやりきった表情をしています。
半年に1回大勢の人の前で発表会をするというのは、なかなか高頻度ですよね。
その通りです。半年間のレッスンで1つの曲を仕上げるプログラムとしているため、短いスパンで達成感を感じられるのが魅力です。発表会の場を通して保護者の方にも毎回お子様の新しい面を発見していただける機会となっているのではないでしょうか。
▲半年に1回の発表会に向けて練習してきた演目を披露
高い演奏スキルの習得と人間的成長を目指す「和らぼ」
▲年齢ごとに分かれている「和らぼ」では、大人たちと一緒に合同練習を行うこともあるそう
「和らぼ」は日本の文化を学びながら舞台演奏を目指すクラスとのことですが、他の2つのクラスとは違う特徴を改めて教えてください。
舞台演奏というのはお客様を入れた興行型のコンサートを意味します。「楽座キッズ」の発表会は無料で実施していますが、「和らぼ」の方では有料コンサートでも観に来ていただけるようなスキルを身に付けていくというのが目標の1つです。
そしてもう1つ「和らぼ」で大切にしているのが、和太鼓の取り組みを通して、人として生きていくために必要な心技体を鍛えること。和らぼに通う子どもたちが将来世界に羽ばたいていったときに、和太鼓の取り組みを通して日本文化の良さを発信できるような人材になってほしいという願いを持って教室を運営しています。
舞台演奏ができるようになることが目標ではありますが、ただかっこよく演奏ができることを目指しているわけではないんですね。演奏技術と人間性の両面があってこそ自分の表現を演奏に乗せることができる、それをしっかりと指導の中で伝えながらレッスンを行っています。
和らぼでは、挨拶や礼儀はもちろん、自然のものを使った和太鼓に触れることで命の大切さも学んでいただけたらと思っています。また自分1人でかっこよく演奏するのではなく、友達と一緒に演奏をする中で人との関わりを学ぶことも大切です。「和らぼ」は月3回と、他のクラスよりも回数が多いため、家庭や学校だけではない学びの場として、子どもたちの成長を支えていけたらと思っています。
和太鼓教育研究所からのメッセージ
▲インタビューにご対応いただいた和太鼓教育研究所理事長の吉田さん(左)と副理事長の野口さん(右)
最後に、記事を読んで興味を持った読者の皆様に向けてメッセージをお願いします。
どんな芸能も音楽もスポーツも素晴らしいものですが、和太鼓も良いものですよ、とお伝えしたいです。音楽とスポーツの融合のような要素があるため、音楽もスポーツも親しみたいお子様にはぴったりだと思います!
本教室は太鼓と教育の専門家である指導陣が魅力です。技術や知識だけでなく、熱心で情熱を持った先生が指導を行っています。子どもたちにとっても保護者の方にとっても「この先生だったら信頼できる」「また会いたい」と思っていただけるような素敵な先生と、一緒に和太鼓を楽しめると嬉しいです。
吉田さん、野口さん、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!
「どんど鼓学舎・楽座キッズ・和らぼ」の料金
どんど鼓学舎 | ・月2回:4,500円 ・年10回:22,500円 |
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楽座キッズ | 教室により異なる ※会場リンク一覧を参照 |
和らぼ | ・月3回:5,500円 ・月6回:8,800円 ・月9回:13,200円 |
「楽座キッズ」は開催期間内であれば1,000円で体験レッスン可能、レッスン見学は通年無料で受け付けています。気になる方はまず体験レッスンやレッスン見学から始めるのもおすすめです。
・体験・見学のお申込み:https://wadaiko-edu.org/experience-visit/index.html
「どんど鼓学舎・楽座キッズ・和らぼ」に通う子どもの保護者の声
和太鼓教育研究所を利用する保護者の声の一部を紹介します。
和太鼓教育研究所の基本情報
企業名 | 特定非営利活動法人和太鼓教育研究所 |
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住所 | 神戸市東灘区深江本町3丁目1-30-102 |
電話番号 | 078-412-2060 |
お問い合わせ | https://wadaiko-edu.org/etc/info.html |
公式サイト | https://wadaiko-edu.org/index.html |
※記事中の金額はすべて税込表示です。