この記事では、岡山県倉敷市にある「阿智神社(あちじんじゃ)」での七五三詣に関する情報をご紹介します。阿智神社は倉敷の観光スポットである美観地区にあり、倉敷一帯の発展と共に氏神様として崇敬されてきた神社です。
阿智神社は立派な藤の大棚があることでも知られ、観光はもちろんですが、お正月や七五三などの行事でも賑わいをみせています。緑豊かな境内や美観地区を見下ろす参道など、写真映えするスポットもたくさんありますよ。
七五三詣のあとは、白壁が特徴的な美観地区での散策や食事を楽しんで、ゆっくりと思い出の日を過ごすことができるでしょう。
今回は阿智神社の権禰宜(※1)である名渡山さんに、七五三詣の流れや神社の見どころについてお話をうかがいました。倉敷で七五三詣を予定されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
(※1)権禰宜(ごんねぎ)は神職の一つ。
この記事の目次
高台から美観地区を見下ろす緑豊かな「阿智神社」
阿智神社は美観地区の鶴形山(つるがたやま)山頂に鎮座し、海の安全を司る神・宗像三女神(むなかたさんじょしん)を主祭神としてお祀りしています。
由緒は文禄3年(1594年)、現在も隣り合う「宝寿山観龍寺(ほうじゅさんかんりゅうじ)」の境内にあった妙見宮(みょうけんぐう)を当地へ遷座し、その後、明治の神仏分離令により阿智神社へと改称しました。
航海交通安全、諸芸上達、開運招福を願う人が訪れ、倉敷中心街の鎮守神として親しまれています。
▲阿智神社は、航海交通安全、諸芸上達、開運招福を願う人が訪れている。
JR倉敷駅からは徒歩15分ほどで、アーケードつきの商店街を抜けた先に参道入口が見えてきます。参道を上がっていくと空気は一転し、境内には豊かな緑に囲まれた静謐なご神域が広がっています。
▲境内にある縁結びの木(もっこく)。
七五三の時期は大変賑わい、御祈祷のあとは境内をはじめ、白壁が美しい美観地区で記念撮影をされるご家族の光景が印象的です。
阿智神社での七五三詣の流れ、初穂料について
観光で訪れる方も大変多い阿智神社ですが、お正月や七五三など、人生儀礼では氏子はじめ倉敷一円の方が訪れます。ここからは、七五三詣について詳しく伺っていきましょう。
予約は不要、年間通して受付OK
阿智神社で七五三詣ができる時期と、予約について教えてください。
七五三詣はいつの時期でも来ていただけます。七五三の御祈祷を希望する場合は、年間を通して休みなく、朝9時から夕方4時まで随時受け付けております。予約は不要です。
神社行事によっては受け付けていない時間帯がございますが、臨時の告知はその都度、公式サイトにてお知らせをしております。ご来社の前にサイトの新着情報をご確認いただけますと安心です。
公式:阿智神社(新着情報)
御祈祷は約30分、初穂料はのし袋で納めるのが礼儀
七五三の御祈祷の流れや所要時間について教えてください。
御祈祷は、手水でお清めをしたあとに社務所にてお申込みください。専用の申込用紙にご記入いただきましたら、御初穂料と一緒に受付へお渡しくださるようお願いします。
御初穂料は5,000円からお気持ちにて納めてください。その際はのし袋に納め、のしの上に「御初穂料」、のしの下に「氏名」をご記入ください。
内容を確認したあと番号札をお渡しします。順番がきましたら番号札の音がなります。それまでは境内を散策するなどして、お待ちいただくと良いかと思います。御祈祷の所要時間はおよそ30分です。
御祈祷終了後におさがり(授与品)をお渡しします。尚、おさがりは祈祷前にお渡しすることはできませんのでご了承ください。受け取られた方から順次ご退出となります。
七五三用の授与品がいただけるのは10月~12月のみ
七五三詣の授与品は、どのようなものでしょうか?
御祈祷のおさがりは、お守り・千歳飴・神話ぬりえ・神社柄クレパス・神社柄ガーゼハンカチ・お菓子のセットで、七五三専用の手提げに入れてお渡ししています。
この七五三用のおさがりをご用意できるのは、10月から12月の間のみで、御祈祷を受けた方のみへのお渡しとなります。ご社頭で、七五三専用の授与品は準備しておりません。
それ以外の時期では、通常の御祈祷のおさがりと同様にお札をお渡しする形となります。
御祈祷の付き添いは両親まで、土日祝日は待ち時間が必要
七五三の御祈祷を希望する場合、何人まで参加できますか?
混雑時はお子さん本人とご両親までです。未就学児や付き添いの無い兄弟姉妹はご一緒に入れます。
七五三詣で混雑しづらい曜日や期間、時間帯があれば教えてください。
コロナ禍に入ってからは、平日も分散して参拝されるご家庭がとても増えました。10月から11月は平日休日に限らず、お時間に余裕をもってご参拝いただけますようにお願いいたします。
土日祝日はどうしても混み合うので、30分~40分程度、お待ちいただくことになります。仏滅などお日柄によって、さほどお待たせすることがない日もございます。
神社参拝にお日柄を気にする必要はありません。思い立ったが吉日です。お子さんやご家族の体調も考慮しながら、都合の良い日にぜひご参拝ください。
美観地区を一望!境内の見どころで記念撮影を
境内を散策する場合に、おすすめのスポットや見どころがあれば教えてください。
当社は美観地区内で一番高い場所に鎮座しております。境内の絵馬殿からは大原美術館や柳が並ぶ倉敷川などを一望できますよ。
▲絵馬殿とその先に広がる美観地区の景色
▲絵馬殿下の参道風景
七五三の時期には、境内のもみじも紅葉して目を楽しませてくれます。
▲紅葉の時期には境内も赤く染まる。
また境内には、菅原神社、城山稲荷神社、戎社(えびすしゃ)など、いくつもの末社があります。秋を彩る木々に癒やされながら、ゆっくりと見て回るとよいでしょう。
▲学問の神様である菅原道真公を祀る「菅原神社」
▲戎大黒火産霊社(えびすだいこくほむすひのやしろ)に並ぶ石像、えびす様と大黒様。
参道での撮影がおすすめ!石段を上る可愛らしい姿が撮れる
▲阿智神社の境内図。中央に見える階段は東参道の石段、その先に随身門と拝殿。
七五三詣の記念撮影をする場合、境内ではどの場所がおすすめでしょうか?
当社の東西2カ所にある石段の参道がおすすめです。1カ所は東からの参道で、3段階に分かれて200段近い石段が続きます。
参道のスタート地点から撮影していくと、一生懸命石段を登っていく表情が撮れると思いますよ。
▲東の参道入口。こちらは美観地区の路地から入った先にある参道入口。
もう1カ所は西からの参道で、こちらは緩やかな石段になります。
▲西の参道の入口。アーケードの商店街を抜けてすぐ現れるのが、この西参道入口。
▲西の参道。木々に囲まれ神聖な雰囲気に包まれる。
▲西参道の石段風景
▲西参道の石畳
おすすめスポットは、東の参道で「米寿段」とも言われている、最初の88段を登りきったところで振り返ってみる光景です。眼下に美観地区の瓦屋根の風景が見渡せます。
▲東参道の眼下に広がる瓦屋根の景色
ここを背景に撮影すると、鮮やかな晴れ着と瓦屋根のコントラストで、美しいショットが撮れることでしょう。
▲東参道の「厄除段」と呼ばれる最後の33段を上ると見えてくる随身門。
紅葉した季節では、もみじをバックに撮るときれいですよ。随身門の端などで撮影するのもいいですね。
▲境内側から見た随身門の先に広がる風景。
▲随身門から見下ろす参道の風景。
境内には低い位置に狛犬さんがいる境内社もございます。
▲境内の狛犬。小さな子どもと背比べするとちょうどいい。
狛犬と並んで背比べするお子さんの姿を撮影してみてはいかがでしょうか。境内では、おみくじを結ぶ様子や手を合わせてお詣りする姿など、どこを切り取っても絵になると思いますよ。
七五三の年に限らず、毎年同じ場所で撮影していくと、長い期間に渡り成長を感じられることでしょう。
近くの「二葉写真館」で着付けと記念撮影ができる、衣装での参拝もOK
▲西参道の鳥居の風景。鎮守の森という雰囲気が漂う。
近くに貸衣装や着付け、ヘアメイクなどのサービスを提供しているお店があれば教えてください。
美観地区の目の前に、老舗の「二葉写真館」があります。着付けと写真撮影ができるほか、そのままの衣装でご参拝も可能です。写真館からは、東西の参道入口までそれぞれ歩いて数分の距離です。
公式:二葉写真館(七五三)
業者の撮影も可能、マナーを守って真摯な気持ちで臨む神事
他業者を同行して、境内で七五三の撮影をすることはできますか?
境内での撮影は可能です。柵やしめ縄が張られている場所以外は、自由に撮影いただけます。
一方で、当然ながら、当社へは様々な思いやご事情で参拝される方も多くいらっしゃます。境内の一部を長時間占有したり、通行の邪魔になるような場所での撮影はご遠慮いただけますと幸いです。
周りにも配慮する、譲り合う気持ちを忘れずに、お子さんたちのお手本になるような振舞いで撮影いただけますと嬉しく思います。
また、拝殿内は一切の撮影を禁じておりますので、携帯電話、持参のビデオカメラもご遠慮ください。
七五三詣にあたり、ふさわしい服装など、何か注意点などありましたら教えてください。
御神前に進むのに適した装いとしては、男女ともにスーツや和装です。ご兄弟姉妹がいらっしゃる場合、就学児は学校の制服でもよいでしょう。
お子さんの晴れの日ですから、Tシャツに半ズボン、裸足や過剰な露出などは避けていただけるのがいいですね。
御祈祷は、お子さんの健やかな成長を神様に願う神聖な神事です。保護者の方もどうぞ真摯なお気持ちでご参列いただけたらと思います。
七五三詣前後のおすすめ食事スポット
周辺に家族で食事会ができる、おすすめのお店があれば教えてください。
美観地区内には、たくさんの飲食店がございます。お子さんの好みに合わせて選んであげてください。おすすめとして、次のようなお店はいかがでしょうか。
- 備中そば やぶ
- お食事処 カモ井
- 倉敷 和のうまみ処 桜草
- ピアノホール アヴェニュウ
「備中そば やぶ」は、古民家のおそば屋さんですが、お子さんへの心配りが素晴らしいお店です。大人だけしか入れなさそうな雰囲気ですが、お子さん連れでも入れます。席数はそこまでありませんので、少人数でおすすめですよ。
参考:備中そば やぶ
「お食事処 カモ井」では、目の前に倉敷川が流れる和食店です。窓際の席では美観地区を眺めながらお食事ができますよ。甘いものもありますので、散策に疲れたら一休みするのにもおすすめです。
参考:お食事処 カモ井
「倉敷 和のうまみ処 桜草(さくらそう)」は、お祝い事のご利用にぴったりな和食の店です。宴会用座敷から個室までそろったお店で、メニューはどれをとっても間違いなしですよ。
公式:倉敷 和のうまみ処 桜草
「ピアノホール アヴェニュウ」は、老舗のジャズ喫茶です。特徴あるメニューとして、お子さんも喜びそうな、色とりどり30種類以上のクリームソーダがあります。和装でジャズ喫茶はいい思い出になるのではないでしょうか。
大体どこも駐車場がありませんので、美観地区や近隣の有料駐車場をご利用ください。
阿智神社にも、参拝者用駐車場が15台ほどございますが、土日祝日は観光の方で道路が大変混みあいます。美観地区に駐車していただき、江戸時代の街並みが残る景観を楽しみながら、ゆったりと参拝されるのもおすすめですよ。
阿智神社からのメッセージ
七五三詣を検討しているご家族へメッセージをお願いします。
七五三詣は、お子さんの成長を神様にご報告し、今後の更なるご加護を願う儀式です。小さいお子さんを連れての外出は本当に大変かと思いますが、美観地区での散策や記念撮影などはきっと素晴らしい思い出として残るかと思います。ぜひご家族そろってご参拝ください。
美しい美観地区を見守るような阿智神社のロケーションが、とても素晴らしいですね。境内の撮影スポットも魅力的で、お子さまの成長を祝う晴れの日にふさわしい場所だと感じられました。
美しい街並みとともに、晴れ着を着たお子さんの誇らしげな姿やかわいい表情が、きっと心に刻まれる残ることでしょう。
今回は、お話しを聞かせていただき、ありがとうございました。
阿智神社の口コミ・感想
ここでは、阿智神社を訪れた方の口コミや感想をまとめてご紹介します。
神社から見下ろす美観地区は絶景で、瓦屋根の景色が印象的
賑やかな一帯からすぐ近くなのに、境内は厳粛な雰囲気が感じられる
七五三詣でここまで丁寧に御祈祷してもらったのは初めてで、感激した
口コミでは、賑やかな美観地区にありながら、境内に漂う厳粛な雰囲気を心地よく感じる声があり、神社の様子が伝わってきます。高台からの景色がきれいだという感想も多く見られました。
七五三詣をされた方からの感激の声もあり、七五三の時期は多くの家族連れが訪れているようです。
阿智神社の御祈祷予約・料金(初穂料)・所要時間
御初穂料 | 5,000円~ |
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予約 | 不要 |
受付時間 | 9:00~16:00 ※神社行事で受け付けていない時間帯もあり、事前に公式サイトにて要確認。 阿智神社(新着情報) |
所要時間 | 約30分 |
阿智神社の基本情報(アクセス・駐車場)
住所 | 〒710-0054 岡山県倉敷市本町12-1 |
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連絡先 | 086-425-4898 |
アクセス | 【電車】 ・JR倉敷駅から徒歩15分 【車】 ・山陽自動車道「倉敷IC」より15分 ・瀬戸中央自動車道「早島IC」より15分 |
受付時間 | 授与所:8:30~17:00 |
駐車場 | 15台 |
公式URL | https://achi.or.jp/ |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。