中学受験に興味があるお子さん・保護者に向け、注目の学校を取り上げる本企画。この記事では、大阪府枚方市にある私立「東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部(東海大仰星)」について紹介します。
1983年に開校した同校は、6年間でカリキュラムが組まれた共学の中高一貫校です。「チーム仰星」を合言葉に、先生・生徒が一丸となって取り組む姿勢を大切にしています。「文武両道」を実践している学校で、クラブ活動はもちろん、国立大学・難関私立大学への進学においても実績を残しています。
教頭補佐・教務主任(昨年度は生徒募集対策室長)、さらにサッカー部(中等部)の監督もされている菊池先生にインタビュー取材し、同校の教育理念や特徴的なカリキュラム、自慢のクラブ活動などについて詳しく伺いました。
▲インタビューに対応してくださった菊池聡先生。ご自身も、東海大でサッカーに励んだ経験を持つ
この記事の目次
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部のモットーは「チーム仰星」
▲職員室前の廊下で自習に励む生徒。テスト前には満席になる
最初に、東海大付属大阪仰星高等学校・中等部の教育目標をお聞かせください。
本校が目指すのは、生徒一人ひとりが、自分が目指す将来を歩んでいくための能力・自信を育んでいけるような教育を受けられるようにすることです。
それは東海大学の建学の精神とも共通していて、具体的には「持続可能な社会の実現に向け、自主的に行動する」「ローカルかつグローバルな視点で行動する」「知識・技能を応用し、課題発見や解決につなげる」「他者の多様性を受容し、協働する」という4つの目標に基づいて、育てたい人物像を示しています。
特に重視しているのは、「他者の多様性を受容し、協働する」意識です。本校では「チーム仰星」を掲げ、授業・部活動・行事などにみんなで一丸となって取り組む点を大切にしています。実際に、そのような雰囲気が根付いているので、生徒は得意・不得意は関係なく積極的にいろんなことにチャレンジしていますよ。
▲部活などいろいろなシーンで、先輩が後輩を気遣いサポートする風土がある
学年間の仲も良く、先輩から温かく迎えられた後輩たちが、次の後輩をやさしく育てていきます。また、「できない子を排除しない」校風なため、学習面のサポートも充実しています。職員室の前には机があり、先生たちが生徒からの質問を受けられるようにしていますね。
地域とも連携して実績を残す、東海大仰星の探究学習
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部の特徴的なカリキュラムは、地域と密着した探究学習です。ここでは問題解決プログラムと、研修旅行について詳しく教えていただきます。
地元・枚方市の問題を調べ地域の魅力を引き出す「課題解決プログラム」
▲課題解決プログラムの発表で受賞した「博報賞」の賞状
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部が実施する「課題解決プログラム」は、どのような取り組みなのでしょうか?
課題解決プログラムは総合的な学習の時間を活用したもので、中学校の3年間をかけて実施しています。SDGs(持続可能な開発目標)の視点から身の回りの課題を見つけ、解決策を考えることで、生徒たちが問題に自律的に取り組んでいく能力を育みます。
2020年度からは生徒たちにとって一番身近である地元の枚方市と協力し、「10年後、戻りたくなる枚方のまち」と呼ばれる地域発展プロジェクトを進めてきました。
中学1年生は枚方市の統計データなどを調べ、地域の魅力と課題を分析します。2年生ではフィールドワークとして枚方市内の企業や団体に足を運び、データでは見えない実態をインタビューしました。さらに、研修旅行で昨年度は鹿児島県大崎町(SDGsの実践地域)を訪れ、ゴミ処理施設やゴミの分別体験を通して、枚方市をより良くするための提案を考えました。
提案をまとめたポスターは枚方市の商業施設「ビオルネ」の会場内に展示し、地域住民の方々にも見ていただきました。生徒たちの意欲的な取り組みが高く評価され、公益財団法人「博報堂教育財団」より「博報賞」を授与されたんですよ。
ポスター発表を終えた後の3年生では、どのような活動をするのでしょうか?
3年生ではもう一段階学びを掘り下げ、「枚方市でSDGsの目標達成を実現するための企画」を考えます。2023年度では、コロナ禍で飲食店などに普及したアクリル板の活用方法を提案しました。
その中では役目を終えたアクリル板のほとんどが焼却処理されていることに触れ、フォトフレームや画びょうの飾り部分などに活用するプランを提案しました。これは校内のアイディアコンペで発表したのですが、会場も大盛り上がりでした。
SDGsと関連した「研修旅行」で、環境関連の取り組みに触れる
問題解決プログラムのほかに、探究学習に関連する取り組みはありますか?
中学1年生・2年生で実施する研修旅行は、探究学習にも関連しています。研修旅行で学んだ内容を資料にまとめ、文化祭で発表する流れです。
1年生は東海大学の静岡キャンパスに出向き、海洋学部の調査に使う「望星丸」を見学したり、海洋科学博物館での実習などを通して海の環境に触れます。
2年生は2024年度、徳島県の上勝町(かみかつちょう)を訪れる予定です。「リサイクルの町」とも呼ばれる上勝町は、日本で初めて「無駄・ごみ・浪費」をなくす宣言(ゼロ・ウェイスト運動)をしました。町内にある「福原ふれあいセンター」で、SDGsの取り組みについて学びます。
資料をまとめる際には、東海大学教養学部教授の岩本先生(SDGsについて研究)に環境に関する授業をしてもらうほか、発表に対する講評もいただいています。
クラブ活動が活発な東海大仰星。生徒も先生も文武両道
▲校内に並ぶトロフィーや賞状の数々。ラグビー部を筆頭に、輝かしい実績を残している
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部は、クラブ活動も盛んだと伺いました。ほとんどの生徒さんが、何らかの部活動に所属しているのでしょうか?
中学校・高校いずれも、9割ほどの生徒がクラブに所属しています。校内に希望するクラブがない場合は外部で活動している生徒もいるので、勉強もクラブも頑張って「文武両道」を実行している子はかなり多いと思いますね。
また、本校は中学校・高校の合同でクラブ活動を実施しています。そのため、ゴルフ部などでは、他校様では中学生にはハイレベルとされ参加できない内容であっても、本校では中学1年生から参加できます。
そうなんですね。生徒の皆さんを指導されている先生方には、特徴はあるでしょうか。
生徒だけではなく、先生たちも「文武両道」を貫いていることはお伝えしたいですね。例えばバトントワーリング部は、なんと世界チャンピオンが顧問を務めています。彼は中学で英語を担当しているのですが、2023年の夏休み中にイングランドのリバプールで開催されたバトントワーリングの世界大会に出場し、金メダルを取得したんですよ。
それ以外でも、特に運動系の強化クラブだと、東海大学出身で自身も競技をやってきた教員が顧問に就くケースは多いと思います。私も東海大学サッカー部OBですし、ラグビー部も同様です。
▲プロとして活躍している卒業生も多数存在。後輩の憧れとなっている
ラグビー部など全国的に活躍する強豪クラブが揃う。未経験でも歓迎!
▲ラグビー部の部員は中学校・高校で200人ほど。全国優勝6回を数える強豪クラブだ
運動部には実績あるクラブが揃っていると思いますが、ぜひそれらに共通する特徴についてお教えいただきたいです。
本校はラグビーや陸上などの強豪クラブでも、未経験者の入部を受け入れています。また、中学校でサッカーをしていた生徒が、高校になってから陸上を始めるというように、クラブを移動することも可能です。
本校の合言葉は「チーム仰星」なので、初心者も経験者もみんなで練習していますね。経験の有無に関係なく、それぞれの活躍を目指して工夫できるのが本校の強みです。
先生はサッカー部の顧問をされているそうですが、練習の雰囲気はどのような感じですか?
私は中学校のほうの監督ですが、本校の高校生とも練習試合をすることもあります。高校生のプレイを間近で見られるのは、中高一貫校ならではの特徴です。毎年エネルギーのある子が入部してくるので、教え甲斐がありますよ。
▲全国高校サッカーでベスト4にもなったサッカー部。プリンスリーグ関西1部にも在籍
初心者の生徒さんが、全国大会に出場するようなクラブの練習についていくのは大変なイメージがあります。実際のところはいかがですか?
もちろん練習についていけなくて退部するケースもありますが、ほとんどの新入部員が辞めずに続けていくんです。一概にはいえませんが、部員たちの中に「初心者を排除」するのではなく、一人ひとりを大切にする意識が根付いているからだと思います。
▲夏の大阪大会制覇と甲子園出場を目指す野球部。明るい表情で筋トレに励んでいる
ゴルフ部や吹奏楽部なども、充実した施設で存分に腕を磨いている
▲吹奏楽部が活動している大きな講堂。施設が充実しているのも同校の特徴
その他のクラブの活動についても、お教えいただけますでしょうか。
施設が充実しているのも東海大仰星の特徴で、例えばゴルフ部は枚方市の山のほうにある「和光カントリー倶楽部」というゴルフ場と提携しています。
週に3日、夕方になると送迎のバスがきて、ゴルフ部のメンバーをゴルフ場に連れて行ってくれます。本物のゴルフ場で練習できる上に、月に何回かはプロのレッスンを受けることが可能です。
費用面もお安く、コースも回らせてもらえます。さらに、プライベートで自主練に行った際に、無料で使わせてくれるケースもあると聞いています。2021年にプロになった上野菜々子選手は、本校のゴルフ部出身です。
▲全国大会でも結果を残している吹奏楽部
体育系のクラブを中心に伺ってきましたが、文化系のクラブはいかがでしょうか?
文化系だと、吹奏楽部が人気ですね。高校の吹奏楽部が、4大会連続で全国大会に出場しました。2024年度も、全国大会での初めての金賞を目指して練習に励んでいます。
この前のゴールデンウィークには、兵庫県の尼崎で同じ東海大付属の「高輪台高等学校」との合同演奏会を実施しました。高輪台は全国大会で2年連続(2022年・2023年)金賞を受賞している強豪校なので、部員たちも触発されているようです。
東海大仰星の特色ある学校行事をチェック!
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部には、オリジナリティあふれる行事も豊富です。特徴的な学校行事の内容を詳しく伺ってみましょう。
本気とエンターテイメントが融合した「星河祭」
御校は、年間の行事も充実しているそうですね。生徒さんから人気のある行事を教えていただけますか?
生徒たちからはやはり、9月から10月にかけて開催される「星河祭」が人気ですね。星河祭には体育の部(体育祭)と文化の部(文化祭)があり、連続した日程で実施します。中学校・高校の合同なので、迫力が違いますよ。
初日の体育祭では、吹奏楽部が入場行進のファンファーレを演奏します。本校はイベントの幅が広く、本気で挑む要素とエンターテイメントに分かれます。特に盛り上がるのは、クラブごとに参加する「部活対抗リレー」ですね。
インターハイで上位を取るメンバーがそろう陸上部と、ラグビー部やサッカー部のメンバーが本気の走りを競い合うんです。そこに柔道部は畳を持ってきて投げたり、吹奏楽部は演奏しながら走ったりと、エンターテイメントの要素も加わります。
お話からも、体育祭の活気が伝わってきました。文化祭についても教えていただけますか?
2日目からは文化祭で、校内はお祭りムードに包まれます。クラス・クラブごとに作品の展示や映像発表、講堂での出し物などを披露します。高校生のアイデアがユニークで、「カジノ」をイメージした出し物をしていましたね。
高校生がディーラーになってトランプを配り、カジノのスリル感を体験するという内容です。中学生だけでは思いつかないような発想に触れられるのも、中学校・高校で合同開催する面白さだと思います。
中学生にとっては、「自分もあんな高校生になりたい!」と憧れの気持ちを抱く機会にもなりそうですね。行事もかなり本格的ですが、どのようにして学業と両立させているのでしょうか?
できる限り、行事の準備に時間をかけずに済むようにしています。例えば体育祭の応援合戦など、練習時間を要する種目は実施しません。また、高校生を中心に、役割分担をしながら効率よく準備を進めています。
全員参加・希望制の「海外研修」も好評
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部は、海外研修にも参加できるそうですね。海外研修について、簡単に説明していただけますか?
本校では中学3年生の6月下旬ごろに、全員参加の「ハワイ語学研修(2024年度は5泊7日を予定)」を実施しています。研修中は東海大学の系列の短大「ハワイ東海インターナショナルカレッジ(HTIC)」に出向き、ネイティブの先生に語学を教えてもらったり、ハワイの歴史やスポーツに触れたりします。
参加した生徒たちは、ハワイの爽やかな気候に感激していましたね。ハワイは気温が高いもののカラッとした暑さで、日本のような湿気はないんです。自然と吹き込んでくる爽やかな海の風も、生徒たちから好評でした。
気候の違いも、生徒さんたちにとっての貴重な学びですね。高校の研修旅行では、どこの国に行くのでしょうか?
高校2年生の「研修旅行」は、行き先や訪問場所で何をするかを含めて、学年ごとに自分たちで決めています。そして、最終的な行き先を自分で選択することが可能です。2023年度の場合は、オーストラリア・フィンランド・ドイツ・シンガポールのほか、日本の北海道も研修先になりました。中学校のようにクラス単位ではなく、自分の選んだ場所に行けるのが特徴です。
特に人気なのは、マリンスポーツや動物との触れ合い、ホームステイが体験できるオーストラリアです。2023年度は100人以上の生徒がオーストラリアを選択し、「つながれば、はじまる」をテーマに現地の文化に触れてきたようです。
ここまで全員参加型の研修について伺ってきましたが、御校は希望制でも海外研修を実施しているそうですね。この研修は中学生・高校生が対象なのでしょうか?
中学2年・3年と高校生の希望者を対象に、カナダのトロントへの海外研修を開催しています。7泊8日のスケジュールで、現地の「ロイヤル・セント・ジョージズカレッジ」を訪れて、ネイティブの人たちと交流しながら英語力を鍛えます。
指定校推薦枠も豊富!東海大仰星の進学実績
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部は、コース制になっているそうですね。コースごとの特徴を簡単に説明していただけますか?
中学校・高校のいずれも、希望する進路に合わせて「英数特進コース」か「総合進学コース」を選択できます。
英数特進コースに在籍するのは、国公立大学や、関西の難関私立大学(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)、東海大学の医学部などを志望する生徒がほとんどです。一方の総合進学コースは、東海大学、京都産業大学や近畿大学、龍谷大学、東海大学などへ進学したい生徒に向いています。
ただし、2年次に習熟度上位クラス(αクラス)を設置しており、関関同立などの難関校にもチャレンジします。
進路の変更に伴い、コースを変えることも可能です。東海大学の医学部は一般入試だと狭き門ですが、付属校のため推薦枠で受験できます。
東海大学の推薦枠がもらえるのは、付属校ならではの強みですね。卒業後には、大学進学を希望する生徒さんが多いのでしょうか?
そうですね。約9割の生徒が関西圏の大学や、付属の東海大学への進学を希望します。近年の卒業生は、大阪大学・神戸大学・大阪公立大学・大阪教育大学・京都教育大学・九州大学といった国公立大学にも多数の合格が出ました。関西大学・同志社大学・立命館大学をはじめとする11大学の指定校推薦枠があるため、東海大学以外の私立大学を選択する生徒も多いです。
一方で、ラグビー部・サッカー部の生徒たちは総合型選抜入試(※)のような形で、競技を続けられる大学に進学する生徒も多くいます。
(※)書類審査や小論文・面接などで、受験生の能力を総合的に判断する入試方法
特にラグビー部は他大学からお声をいただくことも多く、東京の明治大学・早稲田大学・青山学院大学・立教大学や、茨城県の筑波大学などにも進学しています。
公式:東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部「2023年度入試 進学実績(高校の大学合格実績)」
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部からのメッセージ
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部に興味を持っているお子さん・保護者へ向け、メッセージをお願いします。
「チーム仰星」を掲げる本校は、仲間との関わりの中で自分の良さを見つけられる学校です。体育祭・文化祭をはじめとする学校行事や部活動など、勉強以外の経験も充実しています。
中でも例年1月ごろに実施する「耐寒行進」は、本校ならではの行事です。中学校の全生徒が、学校付近から京都の宇治までの20キロメートルほどの道のりを半日かけて歩きます。寒い中を歩くので、体力・忍耐力が身につくのはもちろん、仲間と一緒にやり遂げる達成感も味わえるでしょう。
さまざまな経験を通してやりたいことを見つけ、目標に向かって進んでほしいと思います。9月から10月にかけて実施する「星河祭」は、外部の方の見学も可能です。ぜひ本校にお越しいただき、生徒たちの雰囲気を確かめてみてください。
ほとんどの生徒さんが、御校を第一志望にして入学してくると伺いました。「チーム仰星」に共感して集まってきた生徒さんが、温かな校風を受け継いでいるのですね。
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部の保護者からの口コミ
最後に、東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部に通う生徒の保護者から寄せられた口コミを紹介します。
口コミからも、生徒同士が触発し合いながら、勉学・部活動に取り組める校風がうかがえます。駅から通いやすく、自然豊かな環境面にも満足している保護者が多いようです。
東海大学付属大阪仰星高等学校・中等部へのお問い合わせ
運営 | 東海大学 |
---|---|
住所 | 大阪府枚方市桜丘町60-1 |
電話番号 | 072-849-7211 |
問い合わせ先 | メールフォーム:https://www.tokai-gyosei.ed.jp/contact/ |
公式サイト | https://www.tokai-gyosei.ed.jp/ |
※詳しくは公式ページでご確認ください