「全人教育」を掲げる玉川学園中学部・高等部の本物にふれる教科横断型探究授業とクラブ活動|幼小中高一貫校

ぽてん読者の皆さまに、特色ある教育プログラムで注目を集める学校を紹介するこの企画。今回紹介するのは、東京都町田市にある私立共学校「玉川学園中学部・高等部」です。

玉川学園中学部・高等部は、1929(昭和4)年に開校した、幼稚部から大学・大学院までの一貫教育を行う総合学園です。自然豊かな玉川のキャンパスには、総勢約1万人の児童・生徒たちが学んでいます。

同校では創立以来「全人教育」を志し、「本物にふれる教育」や豊富な施設、校外とのつながりを生かした教科横断授業に注力しています。

今回は、玉川学園中学部・高等部の教育理念や、校外からも高い評価を受けている教科横断授業、全国レベルで活躍するクラブ活動などについて、Secondary Division(6-12年)教育部長の川﨑先生、Secondary Division(6-8年)担当部長の中西先生にお話を伺いました。

「全人教育」を掲げる玉川学園中学部・高等部の教育理念

玉川学園中学部・高等部のSTEAM教育の様子

▲パソコンを使ってロボットを動かす生徒たち。玉川学園中学部・高等部ではSTEAM教育にも力を入れている。

編集部

初めに、玉川学園中学部・高等部の建学の精神や教育理念について教えてください。

川﨑先生

玉川学園中学部・高等部は、全人教育論の提唱者である小原國芳先生によって創設されました。そのため、本校では全人教育を第一の教育信条としています。全人教育とは、簡単にいえば「豊かに調和のある人格形成を目指す教育」です。

調和とは、学問、芸術、宗教、道徳、健康、生活の6つの人間文化をバランスよく経験して身につけることを意味します。それぞれの本当の価値を見出す人間に育ってほしいと願っています。

ただし、調和のある人格形成とはオールマイティーであることを意味しません。調和のある人格になることで、自分の伸ばしたい個性が見えます。ですから本校では、「個性尊重」も教育理念の中に掲げています。

編集部

あらゆる文化に親しむことで自分の強みがわかり、強みを生かす教育を実践されているのですね。

川﨑先生

はい。「全人教育」「個性尊重」をはじめ、本校では「12の教育信条」を設けて具体的な教育プログラムに落とし込んでいます。

  1. 全人教育
  2. 個性尊重
  3. 自学自律
  4. 能率高き教育
  5. 学的根拠に立てる教育
  6. 自然の尊重
  7. 師弟間の温情
  8. 労作教育
  9. 反対の合一
  10. 第二里行者と人生の開拓者
  11. 24時間の教育
  12. 国際教育

中西先生

同時に、創設者の言葉である「人生の最も苦しいいやな辛い損な場面を真っ先きに微笑を以って担当せよ」という言葉を、「玉川モットー」として生徒たちに話しています。

さらにもう1つ大切にしているのが、多様な経験を通して枠を超えるような大きな夢、多くの夢を持つことです。生徒それぞれが自分の夢を見つけられるよう、幼稚部から大学・大学院まで一貫して惜しみなく「本物にふれる教育」に注力します。

編集部

玉川学園中学部・高等部では、本物にふれる全人教育で生徒一人ひとりが自分の個性や夢を見つけ、活躍できる人材育成に注力されていることがわかりました。

創立以来続く玉川学園中学部・高等部の「本物にふれる」教育活動

玉川学園中学部・高等部の教科横断授業のプレゼンテーション

▲少人数のグループで自由研究の内容プレゼンテーションする生徒たち

玉川学園中学部・高等部は、創設以来「自学自律」の精神のもと、どの授業においても自発的に調べ、学び、表現することを重視しています。

なかでも特化しているのは毎週2時間、全学年が同時間に行う自由研究の授業。生徒自身がテーマを設定し、探究することで、自らの可能性を広げ、夢を実現するための力を育むことを目的としています。また、教科を横断して、企業や自治体とのコラボレーションで行われる授業なども他にはない探究型学習の実践です。

ここからは、同校が注力する探究型学習の中でも特徴的な「教科横断授業」について、具体的な取り組み内容について伺いました。

企業・自治体へプレゼンテーション。社会につながる玉川学園中学部・高等部の教科横断授業

サーモス株式会社の担当者にプレゼンテーションする玉川学園中学部・高等部の教科横断授業

▲データを用いながら、サーモス株式会社の担当者にペットボトル削減のアイディアを提案

編集部

玉川学園中学部・高等部では、探究型学習の一環として教科横断授業に力を入れていらっしゃいます。御校の教科横断授業の概要を教えてください。

中西先生

玉川学園中学部・高等部ではここ数年、身のまわりの問題を、自分たちの事としてとらえ、問題を発見することを授業にと入れています。その1つが企業や自治体とのコラボレーション授業です。この授業を通して、生徒たちは社会とつながり、より身近なこととしてとらえるようになっていきます。

これまでにセーラー万年筆さまやカミソリの貝印さま、魔法びんで有名なサーモスさま、地元である町田市などとのコラボレーション授業を行っています。

サーモス株式会社の担当者にプレゼンテーションする玉川学園中学部・高等部の教科横断授業

編集部

企業や自治体の皆さまとのコラボレーション授業では、どのような取り組みをされていますか。

中西先生

校外のお客様から講義をしていただく「出前授業」のような形式ではなく、生徒たちが課題に感じていることを関連する企業などに提案させていただくスタイルを取っています。例えば「サーモス株式会社にPRしよう」という授業では、3~4名の班が「ペットボトルを削減する『未来の社会』」の実現に向けて、自分たちのアイディアをプレゼンテーションしました。

編集部

課題に関連する企業の方をお招きし、学生がプレゼンテーションを行うのは面白い取り組みですね。

中西先生

はい。その他にも、技術・社会・数学・理科の横断授業の一環として京都府亀岡市にご協力いただき、プラスチック問題について取り組んだこともあります。亀岡市は、「プラスチック製レジ袋の提供禁止に関する条例」を制定し、有償・無償を問わずスーパーなどでのレジ袋提供を禁止しています。この取り組みを受け、本校の生徒がプラスチック削減のアイディアを考え、市の担当者の方にプレゼンテーションをしました。

本校のある町田市では、バイオエネルギーセンターで働く方を迎えて、「電気を作る未来の形を考えよう」というテーマで発表させていただいたこともあります。

編集部

自治体とのコラボレーションも盛んに行っていらっしゃるのですね。教科横断授業における課題の発見から企業などとのコラボレーションまで、どのような流れで進むのでしょうか。

中西先生

先ほどのサーモスさまの事例でご紹介すると、まずはSDGsの授業として、技術・国語・数学が連動した「ペットボトルを削減する『未来の社会』を提供しよう」というテーマを掲げてスタートします。

中学1年生では資源や材料についての授業を行い、ペットボトルなどのプラスチック問題について、5時間くらいかけて調べたり、データを使って調査したり、アンケートをしたりします。その後中学2年生では、数学の授業にプラスして学外の専門家をお招きした講義などを行い、約20時間かけてデータサイエンスについて学びます。

これらの経験を経て、4人程度のグループでデータを活用した資料を作成し、発表用スライドにまとめます。まずはクラス内で発表し合い、その中で代表となったグループが、実際に企業へのプレゼンテーションを実施します。ご協力いただく企業は、技術科の教員などが調整しています。

編集部

1つのテーマについて長い時間をかけて様々な視点から学び、発表につなげているのですね。コラボレーションされている企業様は日常的に使用するアイテムを製造されている会社が多いように見えますが、ご協力依頼の際の基準などはあるのでしょうか。

中西先生

できるだけ生徒たちが普段の生活の中で実際に触れ合っているモノ、知っているサービスなどを提供されている企業様にご依頼させていただいています。生徒たちにとって、そのような企業様に提案できるのは貴重な経験になっていると感じますね。

編集部

実際に企業などとのコラボレーション授業に参加した生徒には、どのような成長が見られていますか。

中西先生

本校ではすべての教科で発表スライドを用いたプレゼンテーションを行うのですが、経験を重ねるうちに堂々と人前で発表できるようになっていると感じますね。中学校で課題に対するアイディアを作る土台を形成し、高校でさらに新しいことを探究したり、チャレンジしたりする流れができています。

まずは「課題解決」より「課題発見」のための「見つける力」「質問する力」などの育成を大切にし、その後見つけた課題に対して提案する力を身につけてもらいたいと思っています。

編集部

玉川学園中学部・高等部の企業とコラボレーションした探究授業は、生徒自身が課題を見つけ、解決に向けた提案を行うまでの一連のスキルが身に着く場であることがわかりました。

玉川学園中学部・高等部の豊かな自然と充実施設が実現する「Tamagawa Mokurin Project」

敷地内の木を伐採する玉川学園中学部・高等部の生徒

▲森の保全などを目的に敷地内の木を伐採し、加工する

編集部

続いて、玉川学園中学部・高等部が取り組まれている「Tamagawa Mokurin Project(※)」について教えてください。
(※)Mokurin=木輪

中西先生

「Tamagawa Mokurin Project」は、玉川大学や環境管理部門などと連携した環境保全に関するプロジェクトです。本校のある丘は創立95年の歴史の中で植林し育ててきた里山ですが、年月を重ねるうちに間伐や伐採が必要な木も増えています。そこで、切った木を教育活動などに有効に活用していくプロジェクトがスタートしました。

生徒たちが木に親しみ、関心を持ち、木を好きになったうえで作品を活動として、自由研究やクラブ活動としても取り組まれています。

編集部

自然豊かな玉川学園ならではの取り組みですね。具体的に、木を加工してどのようなものを制作しているのですか。

中西先生

例えば、木製のコースターやテープカッター、小学幼稚部で使用してもらう小さな椅子などを制作しています。地元町田で活動するプロサッカークラブ「FC町田ゼルビア」の施設が新設される際、木製フレームの時計を作って贈呈したこともあります。

学校に木の乾燥機や加工に必要な設備が整っていますから、玉川で育った木を玉川で加工し、玉川で活用するサイクルができていますね。

玉川学園中学部・高等部で製作した木のステッカーとコースター

▲生徒たちが制作した木のコースターやステッカー

中西先生

その他にも、本校の裏山にあるマリア像が破損したことを受け、屋内に移転する際に像を囲う壁を竹で作ったこともあります。装飾に使うステンドグラスも、校内のガラス工房で生徒たちが制作したんですよ。

編集部

本格的な工房で、いろいろな制作活動ができるのですね。

中西先生

はい。本校には「Art Lab」という制作のための施設があり、コンピュータ制御で動く加工機やレーザーカッター、3Dプリンターなどもあります。生徒たちがイメージしたものを、自分たちの手で実際に形にしていくことができます。

玉川学園中学部・高等部のArt Labで木材の加工をする生徒たち

玉川学園中学部・高等部のArt Labで木材の加工をする生徒たち

玉川学園中学部・高等部のArt Labで木材の加工をする生徒たち

玉川学園中学部・高等部のArt Labで木材の加工をする生徒たち

玉川学園中学部・高等部のArt Labで木材の加工をする生徒たち

▲「Art Lab」の機材などを駆使して思い思いの木工作品を作る

編集部

中学生・高校生がこれだけ豊富な設備を利用して制作活動ができる学校は、全国でも珍しいのではないかと思います。「Art Lab」を作られた背景や狙いは何だったのでしょうか。

中西先生

「Art Lab」を作った狙いは、生徒たちの「労作の場」とすることです。「Art Lab」開設の碑には、このように書かれています。

「労作とは児童生徒が、見時から身の回りの事柄に着目し、より良い学習環境を獲得するために創意工夫を重ねることである。自ら考え、実際に手を動かし、結果を得ることは、机上のいかなる学びにも勝る豊かな経験となり、児童生徒の真の成長に豊かに貢献すると信ずる。

編集部

「Art Lab」は、御校の教育信条にある「自学自律」「労作教育」などを体現する場なのですね。玉川学園中学部・高等部の豊かな自然を生かした創作活動が、生徒たちの豊かな人格形成につながっていると感じました。

国土交通省主催「日本水大賞」で大賞受賞!玉川学園中学部・高等部の「サンゴ養殖プロジェクト」

玉川学園中学部・高等部の施設内でサンゴの養殖に取り組む生徒たち

▲校内のの施設内でサンゴの養殖に取り組む生徒たち

編集部

2024年3月、玉川学園中学部・高等部のサンゴ研究が国土交通省主催の「日本水大賞」にて大賞を受賞しました。御校のサンゴ研究とは、どのような取り組みですか。

川﨑先生

玉川学園中学部・高等部のサンゴ研究は生徒たちの自由研究中から発生し、10年以上続けている活動です。今世界の海からサンゴが死滅する現象が続いていますが、なんとかサンゴを養殖して増やしていけないか、という想いからスタートしました。

沖縄県の伊江島からサンゴの株をいただき、校内のサンゴ専用水槽の中で増やしていく活動をしています。成長したサンゴは伊江島に運び、毎年生徒たちが海に潜って移植しているんですよ。

編集部

サンゴの研究だけでなく、実際にサンゴを育てて増やす活動まで行っていらっしゃるのですね。

川﨑先生

はい。長年の活動が評価され、2024年の国土交通省主催「日本水大賞」大賞受賞のほか、2023年度卒業生で上智大学理工学部に進学した生徒が、オーストラリアのクイーンズランドで開催された世界国際コンペティションにて、サンゴ研究で銅メダルを受賞しています。

編集部

玉川学園中学部・高等部のサンゴ研究は、学外の方にも高く評価されているのですね。卒業生がまとめた論文はどのようなテーマだったのですか。

川﨑先生

サンゴ礁が絶滅の危機に瀕しているのは、沖縄の海だけではありません。現在サンゴ礁のないエリアにもサンゴ礁を作ることができないか、と考え、海のデータを集め、環境DNAの観点からサンゴ移植に最適なエリアを探すという活動をテーマに発表していました。同時に、サンゴを保全する活動を多くの人に知ってもらうための啓蒙活動にも注力しているそうです。

編集部

玉川学園中学部・高等部でサンゴ保全に取り組んだ経験が、生徒のその後のキャリアにも影響しているのですね。

川﨑先生

はい。その卒業生はOBとして本校によく訪問し、施設を生かして活動を続けています。自分でNPO法人立ち上げ、啓蒙活動や環境DNAを続けているんですよ。サンゴ研究のチームでは、啓蒙活動の一環として白化したサンゴでコーヒーを焙煎し文化祭で販売するなどの活動も行っています。

サンゴ研究の活動は、本校の自由研究が目指す知行合一、つまり知識と行動が一致した本当の学びを実践してくれた例だと思いますね。

玉川学園中学部・高等部の施設内でサンゴの養殖に取り組む生徒たち

玉川学園中学部・高等部の施設内でサンゴの養殖に取り組む生徒たち

玉川学園中学部・高等部の施設内でサンゴの養殖に取り組む生徒たち

玉川学園中学部・高等部の施設内でサンゴの養殖に取り組む生徒たち

玉川学園中学部・高等部の施設内でサンゴの養殖に取り組む生徒たち

▲サンゴの養殖・研究に励む生徒たちの表情は真剣そのもの

編集部

玉川学園中学部・高等部の自由研究を通じて、生徒それぞれが探究心を発揮した深い学びに取り組まれていることがわかります。生徒たちはどのようにして、自分の研究テーマを決めていくのでしょうか。

川﨑先生

中学校では毎週木曜日の6、7時限、高校生は金曜日の7、8時限に自由研究の取り組み、自分の関心に合わせた分野で学びます(2024年7月取材時点)。

中学校では国語・理科等の各教科別に教員が分かれ、生徒たちが好きな分野で学ぶことができるんです。サンゴ研究をしたい生徒は理科の研究テーマに参加するようなイメージですね。高校生は大学での研究につなげられるよう、人文科学や社会科学、自然科学などの名称で分野を作り、教師と一緒に3年間取り組むテーマを決めます。

同じサンゴ研究の中でも3名程度のグループに分かれ、サンゴ作りや海の水質の研究など、それぞれの関心に沿ったテーマを見つけて取り組んでいますね。

編集部

まずは自分の興味のある分野に分かれて、その後実際に取り組むテーマを決めていくのですね。先生方が生徒たちをサポートするうえで、意識されていることはありますか。

川﨑先生

近年では探究学習の重要性が注目されていますが、私たちは基礎知識・基礎学力あってこその応用学習だと考えています。生徒に好きなことをいきなりスピーチさせるのではなく、発表までの素地を整えることが大切です。教科学習で養う基礎学力と自由研究で発揮する探究力は連動しているとを常に意識し、活動を進めるようにしていますね。

編集部

玉川学園中学部・高等部のサンゴ研究に代表される自由研究は、普段の授業で身につける基礎学力をベースに、知識と行動を一致させる取り組みとして生徒たちの段階的な成長につながっていることがわかりました。

豊かな施設を生かして活躍する玉川学園中学部・高等部のクラブ活動

玉川学園中学部・高等部サッカー部の練習風景

▲美しい人工芝のグラウンドで練習に励むサッカー部の生徒たち

玉川学園中学部・高等部には、一貫校の特色を生かした多学年によるクラブ活動が盛んです。剣道や野球などの運動系クラブのほか、将棋や美術などの文科系クラブも充実しています。中には、デンマーク体操やロボット、サンゴ研究など、特徴的なクラブ活動もあります。

ここからは、同校の豊富な施設や学習機会を生かして活躍する注目のクラブ活動について、お話を伺いました。

全国コンクールの常連クラブ。海外での演奏経験もある吹奏楽部

玉川学園中学部・高等部吹奏楽部の演奏風景

▲中高ともに全国区で活躍する吹奏楽部

編集部

玉川学園中学部・高等部はクラブ活動にも注力されていますが、特に活発なクラブ活動を教えてください。

川﨑先生

玉川学園中学部・高等部は吹奏楽部が有名で、これまでに中学部も高等部もコンクールでは何度も全国大会で金賞をいただいています。昨年度も、共に東京代表に選ばれていますね。コンクールが終わると中高が一緒に活動し、毎年演奏会を開いています。

編集部

玉川学園中学部・高等部の吹奏楽部は、全国レベルで活躍されているのですね。

川﨑先生

はい。同時に「世界に羽ばたこう」という創立以来の夢に基づき、過去9回の海外公演も実現しています。ヨーロッパや台湾、オーストラリアなどを訪れ、現地コンクールに出場したり、演奏会を行ったりしています。

玉川学園中学部・高等部吹奏楽部の演奏風景

▲コンクール以外にも演奏の機会を多く設けている

編集部

日本国内で高い評価を得ているだけでなく、世界を舞台に活躍されているのですね。玉川学園中学部・高等部吹奏楽部の強さの秘訣は何でしょうか。

川﨑先生

本校は「本物にふれる教育」として、現役の演奏家をお招きしてご指導いただいていることが演奏技術の向上につながっていると思います。演奏家として活躍している卒業生が指導に来てくれることもあるんですよ。

同時に、表現力の育成にも力を入れています。「100点を取るための演奏では聴衆に何も届かない」と指導し、それぞれのシーンで何を伝えたいのか、プロの先生方と一緒に日々考えながら演奏するようにしていますね。

編集部

演奏技術と表現力の両方が揃って、玉川学園中学部・高等部吹奏楽部の音楽が作られているのですね。吹奏楽部に入部する生徒たちは、入学前から音楽に親しんでいる生徒ばかりなのでしょうか。

川﨑先生

中学入学の場合、入部しているのは音楽経験のない生徒ばかりです。活動の中でだんだんと実力をつけていますね。高校入学の場合は音楽経験者が多いのですが、中学生では違うクラブ活動だったという生徒もいます。

編集部

玉川学園中学部・高等部吹奏楽部は、最初から音楽レベルの高い生徒ばかりで構成されているのではなく、活動を通じて演奏技術と表現力を培い、全国レベルで活躍する強豪クラブに成長していることがわかりました。

広大な人工芝のグラウンドでのびのびと活動するラグビー部とサッカー部

玉川学園中学部・高等部の人工芝のグラウンド

▲ラグビー部、サッカー部のコートが同時に取れる広大な人工芝のグラウンド

編集部

玉川学園中学部・高等部の運動系クラブで、注目のクラブ活動がありますか。

川﨑先生

今回ご紹介したいのは、ラグビー部とサッカー部です。玉川学園中学部・高等部には、人工芝のグラウンドがあります。ラグビーコートとサッカーコートが同時に取れる、国立競技場と同じ大きさのグラウンドなんですよ。

ラグビー部は中学生・高校生・大学で長い歴史があり、定期的には一緒に練習しています。一般社団法人ラグビーパークジャパン代表理事を務める川合レオさんは、本校ラグビー部の卒業生です。

編集部

玉川学園中学部・高等部ラグビー部は長い歴史の中で、実力のある選手も輩出されているのですね。

川﨑先生

そうですね。女子マネージャーだった生徒で、国際レフリーの資格を取得した生徒もいましたね。

実は創立者の小原國芳先生が、ラグビー好きだったそうです。ラグビーの、試合が終われば敵も味方もなくお互いの健闘を称え合おうという「ノーサイド」の精神が、教育的にも意味があると考えられたようです。

玉川学園中学部・高等部ラグビー部の練習風景

▲「ノーサイド」の精神を大切に、練習や試合に励むラグビー部の生徒たち

編集部

御校のラグビー部には、もともとラグビーをしていたお子さんが多いのでしょうか。

中西先生

小学校のクラブチームで活動していた生徒もいますね。ただ、ラグビーで日本一になる道ではなく、ラグビーを続けながら教師を目指したいという目標を持った生徒の方が多いと思います。玉川大学に教育学部があるため、中学・高校・大学と、ずっとラグビーに関わりながら教員の道を目指せるのが1つの魅力なのだと思います。

編集部

玉川学園中学部・高等部の充実した設備環境でラグビーを続けられるのは、生徒にとって大きな魅力だと感じます。続いて、サッカー部についても教えてください。

川﨑先生

玉川学園中学部・高等部のサッカー部は、地元町田のプロサッカークラブ「FC町田ゼルビア」と提携を結び、指導していただく機会を設けています。ゼルビアの練習場に行って黒田監督の指導を受けたり、オフシーズンには選手が本校を訪問して練習を見てくださったりしています。

ゼルビアのでホームグラウンドで試合が行われる際には、本校サッカー部の生徒がボールボーイを務めさせていただくこともあるんですよ。

玉川学園中学部・高等部サッカー部の生徒たち

▲町田のプロサッカークラブ「FC町田ゼルビア」の指導を受けながら成長するサッカー部

編集部

現役プロサッカークラブの皆さまからご指導いただいたり、プロのプレイを身近で感じられたりするのは、生徒たちのモチベーションアップにもつながりそうですね。

中西先生

そうですね。生徒それぞれの夢をかなえるために、学校が環境や機会の整備に注力しています。勉強でもクラブ活動でも自由研究でも、生徒にはチャンスはたくさんあると感じ、とことん夢を突き詰めてほしいと思っています。

編集部

広大な人工芝のグラウンドなどの設備面、プロから学べる機会など、玉川学園中学部・高等部の「本物にふれる教育」が、部活動でも実践されていることがわかりました。

玉川学園中学部・高等部からのメッセージ

玉川学園中学部・高等部Secondary Division(6-12年)担当部長の中西先生とSecondary Division(6-12年)教育部長の川﨑先生

▲お話を伺ったecondary Division(6-8年)担当部長の中西先生(左)、Secondary Division(6-12年)教育部長の川﨑先生(右)

編集部

最後に、玉川学園中学部・高等部に関心のあるお子さまや保護者に向けて、メッセージをお願いします。

中西先生

これからの未来は、私たちがイメージできないような世界に変わり続けていきます。今ある仕事も、将来なくなっているかもしれません。だからこそ、人生において最も大切なのは、学び続けようとする姿勢です。新しいことに楽しみながらチャレンジし、辛いことでも逃げずに頑張ることが大切です。

これまでの自分の枠を超え、自分の好きなものをどんどん見つけられる生徒を育てていきたいと思っています。授業でもクラブ活動でも委員会活動でも、生徒たちがわくわくしながら探究できる機会を提供し続けたいと思っています。

川﨑先生

中学校で前向きな精神を身につけた生徒たちが高校に進級してくれているため、高校生活では自分の好きをとことん極めてく、好きなことに没頭して極める生徒を育てたいと思っています。以前本校の高校生が「ここで僕は好きを極められました」話してくれました。本校の学びは、この言葉に尽きると思っています。

また、本校は1つのキャンパスに大学施設があり、研究施設などで大学の先生にどんどん教わることができます。大学の先生方からは、「玉川学園高等部から進学してきた生徒たちは、非常に伸びやかだ」と言っていただくことがありますね。

伸びやかな中にも自信を持っていて、堂々と人前で話もするし、同時にいろんな意見を受け入れる柔軟さも持っている、と。伸びやかに好きを極めていきたい方は、いつでもウェルカムです。

編集部

今回の取材を通じて、玉川学園中学部・高等部の本物にふれる本格的な自由研究やクラブ活動などの多彩な活動が、生徒たちの全人教育につながっていることがわかりました。ありがとうございました!

玉川学園中学部・高等部の進学実績

玉川学園中学部・高等部の東山校舎

▲6-8年生が過ごす東山校舎

玉川学園中学部・高等部は大学進学を前提とした教育を実施しており、中学からキャリア教育をスタートし、高校から具体的な進路指導を行っています。

2024年度入試では、玉川大学教育学部に18名、芸術学部・農学部に各9名など多くの生徒が進学。北海道大学、横浜市立大学などの国公立大学や、上智大学、早稲田大学、立教大学などの有名私立大学にも合格者を輩出しています。

その他にも、延べ約30名の生徒が海外の大学に合格するなど、玉川学園中学部・高等部の生徒たちの進路は世界にも広がっています。

公式:進路・進学

玉川学園中学部・高等部の卒業生・保護者・在校生の口コミ

玉川学園中学部・高等部の中高校舎

▲9-12年生が過ごす中央校舎

最後に、玉川学園中学部・高等部の卒業生、保護者、在校生の口コミをご紹介します。

(卒業生)授業のレベルは高い。私立ならではの授業(キャリア教育、ICT教育)など充実しています。授業中に検定や資格が取れたことも、大学以降で活きました。

(保護者)学生のやりたいことを素直に伸ばしてくれる校風です。非常に国際的で先生方も外国人が多数在籍されており、異文化交流の中で育っていくイメージです。

(在校生)とても素晴らしい学校です!自分は公立中学出身の高校から入学した外部生なのですが、入学した初日から声を掛けててくれ、すぐに遊びに誘って仲を深めようとしてくれるなど、内部生との隔たりは一切なく、毎日楽しい充実した学校生活を送っています!

多彩な教育プログラムや充実した施設環境、教師や生徒の距離の近さなどを評価する口コミが複数見つかりました。

玉川学園中学部・高等部へのお問い合わせ

運営 玉川学園中学部・高等部
住所 東京都町田市玉川学園6-1-1
電話番号 042-739-8111
問い合わせ先 https://www.tamagawa.jp/contact/
公式ページ https://www.tamagawa.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください