自他の価値を知り平和と向き合う捜真女学校中学部・高等学部の体験学習|中高一貫校

ぽてん読者の皆さまに、特色ある教育プログラムで注目を集める学校を紹介するこの企画。今回紹介するのは、神奈川県横浜市にある私立中高一貫女子校「捜真(そうしん)女学校中学部・高等学部」です。

捜真女学校は、1886(明治19)年に開校したミッションスクールです。自他の価値を大切にするキリスト教の教えをベースに、社会や平和のための活動に取り組む探究学習を実施しています。

同校では、生徒たちの心を動かす「本物体験」を重視するほか、自分のことばで思考して表現することばの力の育成にも注力しています。

今回は、捜真女学校の教育理念や、自己理解から卒業後の進路にまで着目する特徴的な探究学習、多彩なクラブ活動や学校行事などについて、広報委員長の新井先生にお話を伺いました。

「平和」のための学習を重視する捜真女学校中学部・高等学部の教育方針

捜真女学校の生徒たちの通学風景

▲横浜市営バス「捜真学院前」目の前。小高い丘の上にある捜真女学校中学部・高等学部

編集部

まずは、捜真女学校中学部・高等学部の建学の精神や教育方針について教えてください。

新井先生

本校は、「他者や社会への思いを持ち、自分らしく世界に貢献できる人を育てる」ことを大切にするミッションスクール(キリスト教系の学校)です。学校は生徒たちの学びの場ですが、学習の目的は「他者のため」であり、「平和のため」であるという想いを持ってほしいと願っています。

編集部

社会の平和を実現するための学習に力を入れていらっしゃるのですね。

新井先生

はい。「平和」というと、世界の貧困問題や戦争など、スケールの大きな社会課題を解決するイメージが強いかもしれません。本校ではそのような大きな「平和」はもちろんのこと、身近な社会問題に取り組むこと、日常の小さな親切なども含めて「平和」の実現であると捉えています。

本校の生徒たちの中には、電車の優先席について考える生徒、地域の訪問介護をテーマに「平和」と向き合う生徒などもいます。これらは、私たちの日常生活で見られるテーマですよね。そのような、身近な他者や社会、そして世界のために貢献できる人材であってほしいという想いが、捜真女学校の一貫した教育方針です。

編集部

自分の成長のためだけではなく、他者のため、地域や社会の「平和」のために自ら働きかける人材を育てたいという御校の想いが感じられました。

「愛」や「受容」を育む捜真女学校の「生徒礼拝」

捜真女学校の生徒が話し合う様子

▲「生徒礼拝」など、お互いの体験や想いを共有する機会も多い

編集部

捜真女学校中学部・高等学部はキリスト教教育を実践するミッションスクールですが、どのようにキリスト教の教えを学ぶのでしょうか。

新井先生

キリスト教の教えの中でも、6年間を通じて生徒たちに伝えているのは「あなたは大切な存在である」ということ、その第一歩として自分を受け入れること、つまり「自己受容」です。捜真女学校では、クラスメートに自分の想いを語る場でもある「生徒礼拝」を大切にしています。

本校の生徒は大半がキリスト教徒ではなく、入学前にはキリスト教に触れたことがない生徒がほとんどですが、自分の体験を語り、そこで感じ、学んだことを礼拝で話す生徒が多いです。中学1年生に多いのは、「電車で席を譲ろうと思ったのに行動できなかった」というような身近な悩みです。自分の体験や苦しみを人に受け入れてもらうことで、自分を受け入れ、自分の価値を信じられるようになると考えています。

編集部

自分の悩みを他者に打ち明けるのは、勇気のいることですよね。

新井先生

そう思います。ですから最初は些細な話題から始まるのですが、中学3年生や高校生になる頃には、ご家庭での悩み、人間関係の悩みなど、とても近しい間柄でないと話せないような悩みを、涙ながらに共有してくれる生徒もいます。近しい一部の人だけなく、みんなで深い思いを受容することができるようになったのだと感じます。

編集部

受容し合うことで、お互いの信頼関係も深まっているように感じます。そのほかにも、生徒礼拝を通じた生徒たちの変化はありますか。

新井先生

日々の生活を通じて、6年間伝えてきた「あなたは大切な存在である」という想いを生徒たちがしっかりと受け取ってくれていると感じます。

例えば捜真女学校を受験する小学生のみなさんに向けて文化祭で本校を象徴することばを展示したことがあるのですが、「愛」や「受容」ということばを書いてくれる生徒がたくさんいました。普段の生活で生徒たちから当たり前に「愛」ということばが出てくることに、学外の方から驚かれることもありますね。

もともとキリスト教の教えに馴染みのなかった生徒たちがこのようなことばを話してくれるのは、それぞれに自分が受け入れられていること、大切な存在であることを感じてくれているからだと思います。

編集部

捜真女学校中学部・高等学部での生活を通じて、生徒たちが自然とキリスト教の大切な教えを身につけていることがわかりました。

社会課題や平和と向き合う捜真女学校の「捜真Vプロジェクト」

編集部

捜真女学校中学部・高等学部では、探究学習に力を入れていらっしゃると伺いました。6年間の流れを教えてください。

新井先生

私たちは、6年間を通して「捜真Vプロジェクト」と名付けた探究学習を行っています。「V」は「Value(価値)」の頭文字です。かけがえのない自分の価値を知るところからスタートし、社会に貢献できる価値ある活動を実現するため、「10年後の自分」をイメージする体験を重ねます。

編集部

実際にどのような流れで探究学習を進めていくのでしょうか。

新井先生

「捜真Vプロジェクト」は、6年間を通じて4つの段階で学習を進めます。1段階目が「自分の価値を知る」、「他者の価値を知る」。2段階目が「様々な仕事を知り、自分の興味に気づく」。3段階目に、自分の価値ややりたいことがマッチした先にある「社会課題の発見と解決」。そして最後に、「社会課題の解決を実現するために必要な大学の進路選択を考える」という設計になっています。

編集部

「捜真Vプロジェクト」は、自分と他者の価値を知ったうえで仕事や社会に目を向け、自己実現するための道のりを見つけていく流れになっているのですね。

中学3年間で自分と他者の価値を知り、仕事の価値を知る

捜真女学校の炊き出し活動の様子

編集部

中学校3年間では、「捜真Vプロジェクト」でどのような取り組みをされていますか。

新井先生

まず中学1年生でキリスト教について触れ、学びます。キリスト教の教えで一番大切なのは、「あなたは愛されている」「かけがえのない存在である」と知ること。まずは「自分の価値」について学びます。中学2年生のテーマは、「他者の価値」です。自分が大切な存在であるように、他者もまたかけがえのない存在であることに目を向けます。

編集部

中学の2年間で、まずは自他の価値を知ることからスタートするのですね。特に「他者の価値」を知るために、力を入れている活動はありますか。

新井先生

中学2年時に、横浜市寿町で実施されているホームレスの方々のための炊き出し活動に学年全員で参加しています。ボランティア活動を実施されている学校は多いと思いますが、学年全員が参加するのは珍しいのではないでしょうか。この活動によって、生徒たちが他者の価値を考え、社会に目を向けるきっかけになっていると感じます。

編集部

1年時にキリスト教の教えをしっかり学ばれているので、炊き出し活動を通じて感じるものも多そうですね。

新井先生

そう思います。そして3年時には、「様々な仕事の価値」を学び、自分が関心のある職業を知る活動を実施します。まず生徒たちに100マスのプリントを配布し、100種類の仕事を記入してもらいます。最初から100種類も記入するのは難しいのですが、このワークを通じて今までに知らなかった仕事に出会うことができます。

編集部

まずは多くの仕事を知り、その後に自分の関心のある仕事を見つけていくのですね。

新井先生

はい。たくさんの仕事を知る中で自分自身の興味・関心と向き合い、実際にその仕事で働いている人へのインタビューを実施してより知見を深めます。生徒自身が企業様に電話してアポイントメントを取り、インタビューを実施しているんですよ。

編集部

中学生が企業にアポイントメントを取って実際に話を伺うというのは、貴重な体験ですね。

新井先生

そう思います。企業様へのインタビューなどを実施した後、最終的には一人ひとりが手書きの「職業レポート」を作成します。作成した職業レポートは、全校生徒が閲覧できるよう展示します。分厚いレポートを見るたびに、生徒たちの本気度をいつも感じますね。

編集部

中学校3年間の探究学習を通じて自分と他者の価値を知り、そのうえで自分の関心のある職業を深く知る機会にまでつながるのですね。

社会課題や自分の進路と向き合う高校3年間の実践的な学習

捜真女学校の探究学習でプレゼンテーションを行う生徒

▲探究テーマの学習成果を発表する生徒の様子

編集部

次に、高校3年間の探究活動の内容について教えてください。

新井先生

高校1、2年生では、「社会の課題を発見し、解決策を提案する」フェーズに入ります。中学3年生で自分の関心のある仕事について学びましたが、「あなたが仕事を通じて実現したいことは、きっと社会や世界のためになる」というストーリーをもって、より社会に目を向けていく段階です。

編集部

高校生の最初の2年間で、じっくり社会課題と向き合うのですね。具体的にどのような活動をされていますか。

新井先生

高校1年時に、「課題発見動画」という動画制作を行います。4、5名のグループを作って、社会問題に関する動画を生徒自身が制作するんです。

高校2年生では、それぞれが関心のある社会問題を模造紙にまとめ、生徒たちが外部の方などにプレゼンテーションを行う「社会問題ポスターセッション」という活動を行っています。捜真女学校では社会人や大学教授の方にお越しいただいて授業をしていただく機会が多いのですが、探究学習でもセッションを通じてご意見をいただく場を設けています。

編集部

社会人や大学教授の方に自分の考えをプレゼンテーションするのは、大人でも難しそうですよね。

新井先生

そうですね。発表を聞いていただき、いただいた質問に回答するためには、たくさんの情報を集めて自分の考えを整理する必要があります。ですから、単にレポートにまとめるよりも深いところまでしっかり思考してくれていると感じます。

編集部

セッションでは、具体的にどのようなテーマを発表する生徒がいるのでしょうか。

新井先生

例えば身近な社会問題として、訪問看護の現状や課題について発表する生徒がいました。他にも「ファッション」をテーマにした学生もいたのですが、内容は「ファストファッションの功罪」についてがメインでした。自分自身がファストファッションに興味がある、という内容にとどまらず、身近なファストファッションの悪い面にも着目し、どのように社会に啓蒙していくか、というセッションをしてくれました。

編集部

自分の関心だけにとどまらず、選んだテーマが社会的にもたらす影響などについても考察されているのですね。

新井先生

はい。私たち教員は、「あなたが興味のあることは、きっと他の人も興味がある」と伝えることがあります。そうすることで、選んだテーマが自分だけの関心ではなく、他者や社会にも目を向けるきっかけになりますよね。だから、コーヒーショップが好きでテーマに選んだ学生も、単にどの店舗のコーヒーが美味しいかといった内容にとどまらず、各店舗が社会の中で果たす役割について広い視野で学びを発表してくれたこともあります。

編集部

捜真女学校中学部・高等学部の教育方針である身近な社会課題や平和について、生徒たちがしっかり目を向けて学んでいるのですね。

新井先生

そう思います。生徒の中には海外留学を経験し、グローバルな平和課題について考える生徒もいます。このような大きな課題について関心を持ち、発表するのはとても素晴らしいことです。同時に、「自分のすぐそばにある平和」について取り組むことも、とても意義があると考えています。

最後に高校3年生では、これまで自分たちが向き合った社会課題を解決したり、関心のある仕事に就いたりするために必要な進路について考えます。6年間での学びと10年後の自分のイメージを照らし合わせて、適切な大学を選び、次のステージに進む支援をしています

編集部

御校の探究学習が在学中だけにとどまらず、その後の生徒たちの人生にも大きな影響を与える学びになっていることがよくわかりました。

捜真女学校が実践する「ことばを育み、本物にふれる教育」

捜真女学校のクリスマス装飾

▲捜真女学校の美しいクリスマス装飾や美術品

捜真女学校中学部・高等学部では、「ことばを育む」こと、「本物にふれる」教育を重要視し、さまざまな取り組みを行っています。

ここからは、同校が取り組むことばや本物志向に関する特徴的な教育内容について伺いました。

自らの「ことば」で思考し表現する力を育む

編集部

捜真女学校中学部・高等学部では、「ことばを育むこと」を大切にされていると伺いました。日々の教育の中で、どのような点を意識されているのでしょうか。

新井先生

本校では、生徒自身のことばを使う機会を意識的に増やしています。校名である「捜真」とは、「真理を探し求める」という意味です。自分とは何か、人生とは何かをことばで思考し、表現することで、自分自身と向き合ってほしいと思っています。

「ことば」というと、国語や英語の科目だけが対象だとイメージされがちです。しかし我々は、すべての科目で「ことば」を大切に扱っています。例えば理科の授業ではレポートを作成する機会がたくさんあります。ただレポートの数が多いだけではなく、理系大学に行っても通用するレベルのレポートになるよう、中学1年生から指導しています。

編集部

少し前まで小学生だった中学1年生が、大学レベルのレポート作成を手掛けるのは大変そうですね。

新井先生

はい、やはり最初はとても苦労して何度も再提出になりますが、生徒たちも一生懸命取り組んでくれています。私は国語科を指導しているのですが、伝統的に制作している生徒たちの作文集は、いつも中学生とは思えないレベルに仕上がっていると思いますね。

編集部

レポートや作文などの「書く」ことば以外に、「話す」ことばの指導にも注力されているのでしょうか。

新井先生

はい。例えば英語の授業では、「ラウンドメソッド」というたくさん話すことに重点を置いた英語教育を行っています。社会科の授業でも、学習内容を発表する機会を多く設けるなど、話して伝えることばの教育にも力を入れています。

編集部

ことばを育む活動を通じて、生徒たちの成長を感じるシーンはありますか。

新井先生

捜真女学校中学部の受験を検討されている小学生やその保護者の方に向けた説明会では、生徒たちから学校を紹介する機会も多いのですが、自分のことばでしっかりと話している姿を見たときに成長を感じますね。

本校がことばを大切にした教育を行っていることについて、受験生の保護者の方から「うちの子は話すのが苦手だから心配です」といった声をいただくことがあります。そんなとき私がお答えしているのは、「人前で話すことが得意な小学生の方が少ないので安心してください」ということです。説明会で「私も話すのが苦手だった」と説明する生徒の堂々とした話しぶりを見て、納得される保護者の方が多いですね。

編集部

ことばの力を身につけた生徒たちにとっても、人前で話す機会が自分の成長を実感できる場になっているのではないかと感じました。

「本物にふれる」体験で心を動かし、実社会で生きる力を身につける

捜真女学校の校内に展示されている絵画とステンドグラス

▲校内のいたるところにアート作品が展示されている

編集部

捜真女学校は「本物にふれる」教育にも注力されています。「本物にふれる」とは、どのような活動を意味するのでしょうか。

新井先生

私たちは本物にふれる活動・体験を「本物体験」と呼んでいます。すべての科目を通じて、学習を机上で終わらせることなく「本物の体験」を取り入れることを重視しています。

捜真女学校中学部・高等学部では、生徒が自分自身や他者の価値を知り、社会のために活動してほしいと願っていますが、そういった想いはことばだけでは実感しにくいものです。実際の現場を訪れる体験を重ねることで心が動き、想いが生じると考えています。

編集部

本物にふれることで、頭で理解するだけでなく心が動かされる体験を提供できるのですね。具体的にどのような「本物体験」があるのでしょうか。

新井先生

一番身近な存在が、捜真女学校中学部・高等学部の礼拝堂にあるパイプオルガンです。本校のパイプオルガンは、神奈川県内でもトップクラスの大きさです。オーダーメイドの質の高いパイプオルガンの音色は、生徒たちの心を動かす体験の1つになっていると思います。

また、校内のあちこちに美術品が百数十点ほど展示されています。日常生活の中で本物の美術に触れる機会がたくさんあることは、生徒たちの感性に大きな影響を与えると考えています。

編集部

捜真女学校中学部・高等学部には、生徒たちが日常的に本物の美術作品に触れられる環境があるのですね。

新井先生

そうですね。なお、本物にふれる活動は美術や音楽などのアート分野にとどまりません。体育に関していえば、オリンピックで使用される高さの平均台を使ったり、プールの授業で200メートルの個人メドレーにチャレンジしたりするんですよ。200メートルの個人メドレーといえば、体育大学で実施するレベルです。

全科目で本物にふれてもらうことを意識し、実社会でそのまま生きる力を身につけてほしいと考えています。

編集部

一般的に学校教育と実社会の差に戸惑う学生が多いと思いますが、捜真女学校中学部・高等学部の「本物にふれる」教育がそのギャップを埋めてくれると感じました。

行事やクラブを通じて強固な人間関係を築く捜真女学校中学部・高等学部での学校生活

捜真女学校の体育祭の様子

▲学年縦割りチームで体育祭を楽しむ捜真女学校の生徒たち

捜真女学校中学部・高等学部には約30のクラブ活動があり、年間を通じた学校行事にも力を入れています。(2024年6月取材時点)また、学校の評判等では生徒同士、生徒と教員の絆の深さを評価する声が多数見られ、充実した学校生活の様子がうかがえます。

ここからは、同校のクラブ活動や学校行事、生徒たちの普段の様子について伺いました。

中高一貫校の特徴を生かし、学年を超えて取り組むクラブ活動や学校行事

捜真女学校のソフトボール部とブラスバンド部の活動風景

▲文化部門・体育部門を合わせて約30のクラブ活動が活躍

編集部

捜真女学校には、2023年度のNHK杯全国高校放送コンテスト県大会で受賞された放送部や、県私立中学大会で優勝されたソフトボール部など、活躍されているクラブ活動がたくさんあると伺いました。学校としてクラブ活動に注力されているのでしょうか。

新井先生

はい、近年ではクラブ活動を縮小されている学校も増えましたが、捜真女学校中学部・高等学部ではクラブ活動も大切な「体験」の1つと考え、重視しています。中高一貫校である特徴を生かして、どのクラブ活動でも中学生と高校生が一緒になって活動しているんですよ。

本校は全校生徒で1,000名未満ですが、約30ものクラブがあるのは活動が盛んな証拠だと思っています。

編集部

クラブ活動を通じて、授業とは異なる体験を得られるのですね。学校行事にはどのようなものがありますか。

新井先生

捜真女学校中学部・高等学部には「三大行事」と呼ばれる、特に重要な行事があります。三大行事は合唱コンクール、文化祭、体育祭の3つで、それぞれ目的をもって実施しています。例えば体育祭では学年を縦割りにしたチームを作り、先輩と後輩が繋がることを意識しています。

捜真女学校の体育祭の様子

▲体育祭も大盛り上がり。色ごとに分かれた4チームは学年を越えて編成される

捜真女学校の合唱コンクールの様子

▲合唱コンクールのようす。多彩な学校行事が生徒たちの貴重な体験につながる

新井先生

各行事は実行委員や生徒会が中心に運営しているため、活動を通じて生徒間の繋がりが強まっていると感じます。

編集部

生徒たち自身が協力して行事を企画し、運営されているのですね。御校の生徒たちが学年を超えて主体的に活躍されている様子がわかりました。

卒業後も続く学校・教員との良好な人間関係

捜真女学校のカフェテリア「コルビー・メモリアルホール」

▲ランチ時や放課後に生徒たちの明るい声があふれるカフェテリア「コルビー・メモリアルホール」

編集部

捜真女学校に通われている生徒の特長や、教師や生徒のみなさんの人間関係についてどのように捉えていらっしゃいますか。

新井先生

捜真女学校の生徒は、のんびりしていて、かつ生き生きとしている印象を受けます。学校を「安心できる場所」と感じてくれているようで、卒業生が頻繁に学校に遊びに来てくれるのも特徴です。

編集部

卒業後も学校を訪れたいと思うほど、生徒たちが安心できる場所になっているのですね。

新井先生

そう思います。卒業生たちはよく「学校に帰ってきた」という表現をしてくれます。生徒同士の関係、教師と生徒の関係がとても強い証拠だと感じますね。

本校は、教師と生徒の関係に上下がなくフラットです。教師は生徒を一方的に指導するものではないと考えていますし、むしろ生徒たちが教師を支えてくれるシーンもあります。教師も生徒たちに悩みを共有するんですよ。

編集部

在校生に対して先生が自分の悩みを話すのは、とても珍しいですよね。

新井先生

そう思います。特に毎年実施している「自然教室」という宿泊行事では、教師自身も人生の課題や過去に患った大病の経験、今も解決できずに抱えている悩みなどを正直に話す場面に出会います。教師も生徒も関係なく自分の体験や想いを共有し合うからこそ、卒業後もつながる強い絆でつながっているのだと思います。成人した卒業生と教師が食事に行く、なんてことも珍しくありません。

編集部

教師や生徒といった立場に捕らわれず、互いに心を開き合っているからこそ生まれる信頼関係があるのですね。在校生と卒業生の間にも、年齢を超えた交流があるのでしょうか。

新井先生

そうですね。捜真女学校では、卒業生たちが教員室前に集まっているのが日常の風景になっています。在校生にとって、卒業生との関わりは珍しいものではないと思います。実際に卒業生に授業に参加してもらったり、卒業生が自分の行っている社会活動をレクチャーしてくれたりします。卒業生は、自分たちの社会活動を在校生に紹介して、仲間を増やそうとしているんですね。

編集部

中高一貫校であるだけなく、卒業して社会で活躍されている先輩方ともつながれるのは、在校生にとって大きな刺激になると感じました。

捜真女学校中学部・高等学部からのメッセージ

捜真女学校敷地内のイチョウの木

▲秋には学校敷地内のイチョウが美しく色づく

編集部

最後に、捜真女学校に関心のある小学生や保護者の方に向けて、メッセージをお願いします。

新井先生

小学生や保護者の皆さまにとって、受験校選びはとても重要で大変なことだと思います。捜真女学校に限らず、私立学校はそれぞれの目的や教育理念をもって特色ある活動を行っていますので、ぜひ直接足をお運びいただき、それぞれの学校の良さを感じていただきたいです。

私も学校説明会などで保護者の皆さまにお会いする際、学校選びに大変苦労されているお話を伺います。労力のかかる活動ですが、必ずお嬢様に合った学校があります。学校選びはお嬢様の幸せや人生を作っていく上でとても大切な選択になると思いますので、それぞれの学校の目的や想いをじっくり知っていただけたらと思います。

編集部

今回の取材を通じて、捜真女学校が大切にされている自分や他者を大切にする心、平和に対する想いや、特徴的な学校生活などを知ることができました。ありがとうございました!

捜真女学校の進学実績

捜真女学校は、受験生一人ひとりをよく理解し、志望大学の受験傾向などを熟知した教員がチームで進路指導を実施しています。

148の大学で合計約700名の推薦枠があり、2023年度には複数の生徒が制度を活用して青山学院大学や上智大学、立教大学などに合格。全体の約42%の生徒が指定校入試を活用しました。

近年注目されている総合型入試では、探究学習「捜真Vプロジェクト」を通じた学びが生かされています。

公式:捜真女学校中学部・高等学部「進路指導」

捜真女学校中学部・高等学部の卒業生・保護者・在校生の口コミ 

最後に、捜真女学校の卒業生や保護者、在校生の口コミをご紹介します。

(卒業生)先生方はよく相談に乗ってくれる方が多かった。進路のことや人間関係では、担任の先生がすごく親身になって聞いてくれた。また帰りたいと思ってしまう学校です。

(保護者)学習面も心の面も安心して子どもをお任せできる信頼できる学校。明治初期創立の長い伝統とキリスト教教育に基づきひとりひとりの成長を見守り、長い目でみてより良い人生を歩めるようにサポートしてくれる。

(在校生)他者との関わりや自主性を重んじて、テストの結果だけでは評価しないところに満足しています。生徒同士仲良く過ごしており、お互い他者を認め合う良い関係を築けています。

捜真女学校中学部・高等学部の生徒同士の仲の良さや、教師と生徒の良好な人間関係、丁寧な指導、教育方針に対する肯定的な口コミが多数見られました。

捜真女学校中学部・高等学部へのお問い合わせ

運営 捜真学院
住所 神奈川県横浜市神奈川区中丸8番地
電話番号 捜真女学校:045-491-3686
捜真学院(総務):045-491-3686
問い合わせ先 https://soshin.ac.jp/contact/
公式ページ https://soshin.ac.jp/jogakko/

※詳しくは公式ページでご確認ください