この記事では、特色ある教育に取り組む“注目の学校”として、宮城県仙台市にある共学の私立小学校「ホライゾン学園仙台小学校」をご紹介します。
2016年4月に開校した同校は、教育課程の約50%を英語で学べる「イマージョン教育」が大きな特徴です。授業以外のシーンにおいても英語が飛び交うインターナショナルな環境で、グローバルスキルを育む教育活動を展開しています。
さらに、同校は「IB World School(※)」に認定されており、国際バカロレア機構のプライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)の一環として探究型のプロジェクト学習を多く取り入れていることも魅力です。
(※)国際的な教育プログラムである「国際バカロレア機構(IBO)」の厳しい基準をクリアした認定校
今回、ぽてんではホライゾン学園仙台小学校のサム校長にインタビュー取材を行い、同校の教育方針や学習カリキュラムの特徴などを詳しく教えていただきました!
この記事の目次
「輝の追求」を軸にグローバルな人材の育成を目指すホライゾン学園仙台小学校
▲インタビュー取材に応じてくださったサム校長
まず、ホライゾン学園仙台小学校の教育理念について教えてください。
本校の教育理念は「グローバルな人材の育成」です。英語スキルや国際理解力の向上につながる教育活動を展開することで、“平和の国”で暮らす日本人として世界平和にしっかりと貢献できる人材を育成することを目指しています。
具体的には、文部科学省の指導要領をベースとしつつ、さまざまな授業等を英語で行って英語力の強化を図っています。また、世界中の多彩な国で取り入れられており、かつ世界平和への貢献を目指している「国際バカロレア」の初等教育である「プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)」を取り入れている点も本校の特色です。
さらに、本校では「輝(かがやき)の追求」をコンセプトに、児童一人ひとりの個性を伸ばす教育にも力を入れています。本校の児童が日本のみならず世界を舞台に輝き、自分自身で選んだ道をスムーズに歩んでいけるよう、基礎学力だけでなく多彩なスキルの習得に向けて指導を行っている学校です。
たとえばリサーチスキルやソーシャルスキル、シンキングスキル、コミュニケーションスキルなどがあり、国際バカロレア教育のもとでもそういったスキルは非常に重要視されています。そういった多種多様なスキルを小学生の段階で身につけておくことで、これから先の人生において何事にも物怖じすることなくチャレンジできる人材へと導けると考えています。
ホライゾン学園仙台小学校が力を注ぐ「グローバル教育」
ホライゾン学園仙台小学校では、国際社会を生き抜くために必要な基礎と素養を身につけさせることを目的として「イマージョン教育」を実施するなど、グローバル教育に力を注いでいます。ここでは、同校におけるグローバル教育の特色について詳しくお話を伺いました。
教科を英語で学ぶ「イマージョン教育」を導入
御校の展開するイマージョン教育について、どのような内容なのか教えてください。
イマージョン(immersion)には「浸すこと」といった意味があり、イマージョン教育はまさに修得させたい言語の環境に「浸す」ことによってその言語を身につけさせる教育方法です。本校では日本人と外国人による二人担任制を導入しており、基本的には算数や理科、図工を英語で学びます。
それらの教科では英語『を』教えるのではなく、各教科の内容を英語『で』教えています。もちろん言語としての『英語』を学ぶ授業もあり、そちらも英語のみで授業を行っています。
一方、国語や社会、体育、音楽、家庭科の授業は日本語で教えています。また、算数と理科に関しても、日本語での理解を図ることを目的として週に1回は日本語での学習も行っています。そして、道徳と探究型学習については英語と日本語の両言語での学習が基本で、学習内容に合わせて英語のみ、あるいは日本語のみで授業を展開しています。
ほかの小学校と同じ学習カリキュラムを、イマージョン教育によって実施されているイメージでしょうか?
はい。本校は義務教育の小学校ですので、文部科学省の指導要項に沿った指導方法や教科書を導入・使用しています。そのうえで「+α」として国際バカロレア機構のプライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)に基づくコンセプト・スタディ等も取り入れており、日本ならではの視点と国際的な視点の両方から教育を展開している点が大きな特色です。
たとえば道徳の授業においては、教員は国際バカロレアの学習者像のひとつである「Caring(思いやりのある人)」に基づいた考え方を教えながら、日本の道徳的観点からも児童に話をしていきます。
卒業までにネイティブレベルの英語力習得を目指す
御校における英語の授業の特徴についてもご紹介ください。
英語を学ぶ授業に関しては、英語教材として世界的に高い評価を得ているオックスフォードの教材を導入しています。国際バカロレアのカリキュラム用リソースとしても推奨されている教材で、児童の英語力を小学校卒業までの間にネイティブレベルへと近づけることが私たちの目標です。
入学前の「小学校準備コース」で基礎的な英語力を身につけられる
ちなみに、御校の児童のみなさんは、入学後に英語力を身につけていらっしゃるのでしょうか?
本校への入学にあたっては入学条件を設けており一定の英語力が必要であるため、入学時点で一定の英語力を身につけているお子さんが多いです。
本校としてはなるべく多くの子どもたちに本校での教育を経験してもらいたいと考えているため、『小学校入学準備プログラム』や入学後も英語力を身につけるためのサポート体制を整えています。
『小学校入学準備プログラム』では、15回程度のレッスンを通して、小学校入学までに必要な英語力の習得をめざしていただきます。小学校入学前に日常的に英語に触れられる機会が無いご家庭であっても、積極的にこのプログラムを活用していただき、本校への入学のチャンスを掴んでほしいと思います。
本校には幼稚部、保育部があるのですが、そこではスクール内の活動を英語で行っているため、両校の卒業生は基本的な英語力が身についています。
御校の幼稚部や保育部の卒業生であれば受験することなく入学できるのでしょうか?
本校の幼稚部や保育部の卒業生であっても、入学検定を受ける必要があり、入学条件をクリアした児童のみが小学校へ入学できます。また、『小学校入学準備プログラム』に参加いただいたお子さんには、プログラム最終日にテストがあります。
ちなみに入学可否の決定には、英語力だけではなく他の要素も見ています。『小学校入学準備プログラム』では、プログラム最終日時点でのレベルだけで判断せず、プログラム参加中の習得状況も考えて決定しています。また、入学受験も同様で、英語力が本校の基準に達していない場合でも、日本語によるほかの試験で合格できていれば、入学のチャンスはあります。
なお、『小学校入学準備プログラム』に参加したとしても、結果的にどうしても本校が求める基準の英語力が身につかずに入学許可がおりない可能性もあります。この場合は、入学手続きの際に納入いただいた入学金の約75%(※)を返金します。
※入学金に割引き制度を適用している場合、返金額は割引率により変動します。
ホライゾン学園仙台小学校の「探究型学習」とは
続いては、ホライゾン学園仙台小学校が国際バカロレア教育の一環として力を入れている「探究学習」に焦点を当て、カリキュラムの特徴について詳しく教えていただきました。
「横断型学習」をベースとした実践的な探究活動が特徴
御校が実践している探究学習について、どのような指導を行っていらっしゃるのか教えてください。
本校の探究学習は「横断型学習」をベースに展開しています。算数や理科、社会、家庭科といったさまざまな教科で身につけてきた知識やスキルをひとつのポットの中に入れ、そのポットの中で国際バカロレアのPYPに基づいた6つのテーマに沿った探究活動を行っていくイメージです。
たとえば6つのテーマのひとつである「Sharing the Planet(この地球を共有するということ)」というテーマのなかでゴミ問題について学んだ際は、仙台市のゴミ処理場の見学等を行うなどしてゴミ処理場が社会においてどのように貢献できているのか、ゴミ問題がどのような影響を及ぼしているのかを探究しました。
そして、探究活動から学んだことを、ほかの教科で得た知識と組み合わせながら、世界全体でどのようなアクションを起こせばゴミ問題の解決につながるのかを考えたり、地域や小学校といった小さな集団でできることを実践したりしました。
具体的には、校内でゴミの分別がしっかりとされてなかったら、みんながゴミの分別を自主的に行えるようなアイデアを出したり、ペットボトルのキャップを集める活動を行ったりしました。こうした一連の探究活動を本校では英語で行うため、活動の中で英語の知識を使えることも魅力のひとつです。
アクションのアイデアとして、印象に残っている事例はありますか?
6年生では自分でプロジェクトを考えてアクションを起こし、最後にエキシビションと呼ばれる発表会を開くのですが、2023年度においては、世界の食糧問題について学び、その探究活動の一環として仙台市で行われているフードバンクに参加したグループがありました。我々に近いコミュニティにおいてフードバンクを必要としている方がいるという現実と向き合い、児童たちは全校生徒に声をかけて缶詰や消費期限の長い食べ物を収集し、寄付をしました。
また、能登半島地震の際には、自然災害について研究していた6年生のグループが缶詰などの食べ物や子どもが喜ぶようなお菓子、トイレットペーパー・ティッシュペーパーなどの物品を収集したり、募金活動を行ったりしました。収集した物品は私と他の学校職員で石川県に運びました。
寄付する食料や物品に関しては、何が必要なのかを事前に現地へ確認し、現地の声を参考に児童や保護者に声をかけて集めた形です。
▲募金活動を行う際は生徒が中心となってプロジェクトを進めます
児童のみなさんは、そういった探究活動にどう向き合っていらっしゃいますか?
自分たちが出したアイデアや行動が誰かの役に立てることを喜び、誇りを持って活動している児童が多いですね。保護者の方からも「相手のことを思いやる力が高まった」「自分が大学生だった頃と同等の英語力やプレゼン能力が身についていて驚いた」などと評価していただいています。
「Voice, Choice, Ownership」の指導が児童の自主性を高める
探究活動を通じて多彩なスキルを強化できるよう、工夫されていることがあればご紹介ください。
一方的に知識を植え付けるのではなく、児童自身が自主的に探究できる環境を設けることを大切にしています。
また、学年が上がるにつれて自然とスキルアップできるようにカリキュラムを整備していることも特徴です。1年生では花を植えて成長を見守ったり、水をあげたとき・あげなかったときにどうなるのかを仮説を立てたうえで確認したりします。こうしたことを各学年において少しずつビルドアップしていくんです。さらにICTの授業においてはタブレット端末等の正しい使い方を学び、そのスキルを高学年での探究型学習で活かします。
そのなかで、教員は児童に「Voice, Choice, Ownership」、つまりは子どもに自分の思いを語れる機会や自分の選択ができる機会を与えることと、それについて「自分がやった」という気持ちを持たせることを心がけています。そうすることで、児童は1年次から自分の探究型学習に関して責任を持って考え、リサーチを行い、プレゼンをし、最終的にアクションに移すことが自然とできるようになるんです。
そうして培ったスキルが、本校で学んだ子どもたちが世界のさまざまな場所・シーンで貢献できることにつながると確信しています。
ホライゾン学園仙台小学校からのメッセージ
最後に、ホライゾン学園仙台小学校に興味をお持ちの方へメッセージをお願いします。
常に変化し続けるこの世界において、基礎学力だけでなく「+α」の能力がますます大切になってきます。本校の卒業生が素晴らしい学校に進学できているのはそういったスキルのおかげでもあり、まさに我々がゴールとして設けている「輝の追求」、つまり一人ひとりが輝く道に歩んでいくことが実現できているのではないかと感じています。
ぜひ一度学校見学等でお越しになり、本校ならではの魅力に触れていただけたら嬉しいです。
魅力あふれるグローバル教育や探究型学習を通じて「+α」の能力をたくさん習得できる御校なら、きっと世界平和に貢献できるような人間性や行動力を身につけられそうだと感じました。
サム校長、たくさんのお話をありがとうございました!
ホライゾン学園仙台小学校の卒業生による口コミ
ホライゾン学園仙台小学校の卒業生からは、校風や教育カリキュラム、設備環境、行事などに関して高評価の口コミが集まっています。特に英語教育に関する評判が高く、英語に力を入れている小学校を探しているご家庭にぴったりな学校だと感じました。
ホライゾン学園仙台小学校へのお問い合わせ
運営 | 学校法人 ホライゾン学園 |
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