三大イベントやSTEAM教育に全力投球!才教学園小学校・中学校の感動体験を生む教育

オリジナリティ溢れる教育や校風で注目の学校を紹介する本企画。今回は長野県松本市にある共学の私立校「学校法人才教学園 才教学園小学校・中学校」を紹介します。

同校は、1年生から9年生が在学する小中一貫校で、“人格形成”と“学力伸長”に重きを置いた「志教育」に加えて、VUCA(※)の時代に備えて他者と協働しながら社会で活躍できる人材の育成を目指した「STEAM教育」を取り入れているのが特徴です。
(※)Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとったもので、予測できない不確定な状態を指す

今回は、学校長の小松先生にインタビューし、感性や心を磨く教育プログラムや力を入れている学校行事、小中一貫校ならではの魅力を詳しく伺いました。

才教学園小学校・中学校が掲げる3つの教育理念

才教学園小学校・中学校のさいきょう祭合唱のひとコマ

編集部

まずは才教学園小学校・中学校の教育理念や、教育目標をお聞かせください。

小松校長

本校は、教育理念に「学ぶ喜びを知る人に」「気高い志を抱く人に」「未来を共創する人に」の3つを掲げています。

「学ぶ喜びを知る人に」へは、何事に対しても貪欲に好奇心を持ち、学び続けることができる人間を育んでいきたい、という想いが込められています。人生100年時代と言われていますが、学びには終わりはありません。本校では子ども達が学びに喜びを見いだせるよう、基礎を作っていきます。

「気高い志を抱く人」は、才教学園の誕生時から根底にあり続ける建学の精神です。自分の幸福のためだけでなく、世のため人のために尽くそうとする志をしっかりと持ち、社会へ羽ばたいてもらいたい…。そんな願いが込められています。

「未来を共創する人」は、近年新たに加えられた教育理念です。コロナ禍を経て、未来社会においてテクノロジーを活用し、他者と協働しながら0から1を創り上げる力が必要と実感したことから、教育理念の新たな柱としました。2021年度からSTEAM教育を導入し、“21世紀型スキル”の習得に注力しています。

才教学園小学校・中学校のSTEAM教育の様子

▲STEAM教育の授業で笑顔を見せる2年生

編集部

教育理念を体現するうえで、大切にされていることや実践されていることはありますか?

小松校長

「学ぶ喜びを知る人に」に通ずる面として、本校では開学以来、徹底した少人数教育を実践しています。1、2年生は1クラス15名前後、3年生から9年生(中学3年生)までは20名前後でクラスを編成し、教員が一人ひとりの学習状況をきちんと把握できる体制を整えているのがポイントです。

授業のなかでそれぞれが発言の機会を得られる、体験型学習で一人一台の備品を確保できるといったメリットがあります。たとえば顕微鏡を使った授業では、全員に顕微鏡が行き渡る、といったイメージです。

「気高い志を抱く人」という面では、9年間の教育を4年・4年・1年に分け、段階ごとに“源人格を築く”、“志を育てる”、“志を立てる”といったようにステップアップしていけるよう取り組んでおります。

その際に道しるべとしているのが、“才教7つの基本方針”です。倫理観と愛、勇気に満ちた校風のなかで人格を育むために、子ども・教員・保護者の方々に常に意識してもらうよう働きかけております。

また、志を形成していくために本校では“感動体験”を大切にしています。とにかく子ども達には教育活動において心を揺さぶられるような感動を体験してもらいたい。そこで、感動を得るための必要条件として重視しているのが、ひとつの目標に向かい一心不乱に、前向きに取り組む姿勢です。

行事等は一生懸命取り組まねば、「ああ、終わっちゃった」と、なんとなく過ぎ去ってしまうもの。高い理想を持ち、高いハードルを越えるために努力する姿勢がカギとなります。

才教学園小学校・中学校の感動体験を生む三大イベント

才教学園小学校・中学校には、感動体験を象徴する行事として「体育祭」「さいきょう祭」「プレゼンテーションコンテスト」があります。それぞれどのような内容で、どういった感動があるかをご紹介していきます。

徹底的に“勝ち”にこだわる「体育祭」

才教学園小学校・中学校の体育祭でのひとコマ

▲才教学園小学校・中学校の体育祭は一人ひとりが勝負にこだわり全力投球

編集部

才教学園小学校・中学校の体育祭ではどのような行事に力を入れておられるのでしょうか。御校ならではの特徴を教えてください。

小松校長

本校では感動を生む教育プログラムとして、「体育祭」「さいきょう祭」「プレゼンテーションコンテスト」の三大イベントに力を入れています。体育祭は1年生から9年生まで合同で開催し、赤組・白組に分けて徹底的に勝負にこだわっているのが特徴です。もちろん応援も競いますよ。

才教学園小学校・中学校の体育祭

▲1年生から9年生までが紅組・白組に分かれて協力して優勝を目指し、感動体験を味わいます

小松校長

たとえば1、2年生は玉入れをしますが、本番前からどうしたら勝てるか、子ども達がそれぞれ一生懸命作戦を立て、真剣に練習します。そして本番はガチンコ勝負。勝った組は大喜びで、負けた組は悔しくて号泣です。体育祭ではこうした光景がいくつもの競技で見られ、魂を揺さぶられるような感動があります。

真剣に取り組むことで、諦めずに頑張り続けることが勝ちに繋がると学んだり、お互いに全力だからこそ相手チームに敬意を抱いたり、体育祭だからこそ得られる経験・学びがしっかりと根付いているように感じます。

才教学園小学校・中学校の体育祭

編集部

勝ち負けにこだわる姿勢は昨今では珍しく感じますが、先生方のなかで工夫されている指導方法や声かけなどはありますか?保護者の方々からの反響もあればお聞かせください。

小松校長

体育祭では教員も赤組・白組に分けます。教員も共に勝負にこだわる形になり、競技に勝つために作戦を伝えたり、応援の演舞を一緒に覚えたりします。全校競技で子ども達全員がフィールドに出ているときは、教員たちが応援席に立ちエールを送っています。

教員は指示を出すだけにとどまらず、参加することも重要だと思っております。教員も含めて一丸となり、勝負にこだわる姿勢を全面に出すことが指導の秘訣ですね。校長、教頭は、「先生方も一緒にやりましょう!」という声掛けを大事にしています。

頑張った生徒たちを競技後に迎える際は、教員側も自然と涙が溢れます。筋書きのないドラマを観ているようで…我々も感動してしまうんです。近くでご覧になっている保護者の方々も同じように感じ、毎年の体育祭を楽しみにしてくださっているのではないでしょうか。

殻を破り高いハードルに挑戦する「さいきょう祭」

才教学園小学校・中学校のさいきょう祭ミュージカルの様子

▲才教学園小学校・中学校のさいきょう祭では学年ごとにさまざまな演目がお披露目されます

編集部

才教学園小学校・中学校の「さいきょう祭」はどのような行事でしょうか。実施するねらいや、参加した子ども達の様子を教えてください。

小松校長

さいきょう祭は、1年生から9年生までが合唱や合奏、劇などを披露する場で、総合芸術祭とも呼ばれるイベントです。さいきょう祭のキーワードは“殻を破る”で、どの学年も演目を決める際に、少し背伸びしたレベルに挑戦します。

あえてハードルが高い演目を選び、子ども達を鼓舞しながら、高い目標を達成できるよう努めているのが特徴ですね。特に8年生によるミュージカルは毎年注目の演目で、STEAM教育の総仕上げとして台本や衣装、舞台装置、楽団など細かな部分に至るまで子ども達が1から創り上げています。

才教学園小学校・中学校のさいきょう祭高学年ミュージカル(右上、下)、低学年ステージ(左上)

▲さいきょう祭はプロも使うステージで開催され、見応えもバッチリ

小松校長

会場は松本市にあるキッセイ文化ホールを貸し切り、プロの音響と照明にご協力いただきながら、リハーサルも3回行います。我々は、「とにかく子ども達に本物を味わってもらいたい」という想いです。

舞台に立った子ども達は、演目後に万雷の拍手を受け、心震えるような感動を味わいます。成功に終わる学年もあれば、思い残しを反省する学年もあり、仲間と涙を流しながら完成した作品に万感の思いを募らせる光景には胸を打たれます。

編集部

校長先生からご覧になって、こうした本格的な体験は、子ども達の成長にどのように繋がっていると思われますか?

小松校長

さいきょう祭を通じて子ども達は、相手に物事を伝える際にはさまざまな表現の選択肢があることを学んでいます。演目には合奏や合唱、演劇に加えて身体表現もあり、人間が相手にメッセージを伝える方法は言葉だけじゃない、と肌で感じてくれているように思います。

全力を出し切る「プレゼンテーションコンテスト」

才教学園小学校・中学校のプレゼンテーションコンテスト

▲各学年・クラスの代表者がスキルを競うプレゼンテーションコンテスト

編集部

プレゼンテーションコンテストはどのような行事でしょうか。

小松校長

プレゼンテーションコンテストは毎年2月に開催されるイベントで、2021年度から導入されたSTEAM教育に伴い、5~8年生の発表の場として設けています。子ども達に真剣に取り組んでもらうための仕掛けは、保護者の方々にも協力していただく審査制度にあります。

プレゼンテーションコンテストでは、選考会のような位置付けで授業参観を設けているのがポイント。対象学年すべての生徒が3学期の授業参観時にクラス内でプレゼンテーションを行い、保護者の方々には審査にご協力いただき、クラスから1名の代表を決めているんです。

こうして、5~8年生各クラスの代表とワイルドカード枠の生徒12名が2月に行われる本戦に選出されます。本戦に出ることは、子ども達にとって大きなモチベーションとなっています。こうして競い合うことに対して、子ども達は前向きで、みんな全力で取り組んでくれていますよ。

プレゼンテーションコンテストでは各学年から1名ずつ優秀賞を選び、さらに優秀賞のなかから1名最優秀賞を選び表彰します。

編集部

指導の際はどのようなポイントに力を入れていますか?

小松校長

子ども達には、「プレゼンテーション能力は上手い人から学ぼう」と伝えています。プレゼンテーションのスキルや内容の質は、学年が上がるにつれて上がっていくもの。上級生や上手な例を参考に、自分が取り入れられるスキルにどんどんチャレンジして、ものにしていくことが重要です。

本番は3年生から8年生まで同じ会場にいますが、子ども達それぞれが「何かを学ぼう」「自分のプレゼンテーションに取り入れよう」といった姿勢で発表を見ているように感じます。

編集部

校長先生のなかで特に印象に残っているプレゼンテーションテーマや発表があれば教えてください。

小松校長

2023年2月に行われたプレゼンテーションコンテストで、7年生が曾祖父からの手紙をもとに平和について考察した発表が印象に残っています。満蒙開拓団の一員であった曾祖父から、平和を祈り長い満州生活についての手紙を受け取り、それをキッカケにさまざまなことを調べ、追体験し、発表してくれました。

教学園小学校・中学校のプレゼンテーションコンテスト

▲2023年2月に最優秀賞を受賞した戦争と平和をテーマとしたプレゼンテーション

小松校長

世界情勢に目を向けると、ウクライナやガザ地区など今まさに困難に直面している地域があります。我々が直接的にできることは限られているかもしれませんが、一人ひとりが平和に想いを寄せ、気持ちを込めて伝えていくことが大切であると発表を通して再認識できました。

日本は戦後から80年近くの時間が流れ、過去に対する思いが少しずつ薄れてきているように感じます。しかし、日本人として平和への想いや先人への感謝は忘れてはなりません。それをしっかりと伝えてくれるようなプレゼンテーションでした。

才教学園小学校・中学校の探究学習はSTEAM教育の集大成

才教学園小学校・中学校のSTEAM教育をベースとした探究学習の様子

編集部

御校の探究学習についても教えてください。

小松校長

本校では、探究学習の一環として2021年度からSTEAM教育を導入しています。STEAM教育にはテクノロジーの活用が不可欠ですので、1人1台iPadを使っております。

才教学園小学校・中学校のSTEAM教育

▲才教学園小学校・中学校では1人1台ずつiPadを持ち授業で活用している

小松校長

探究型の教育活動とSTEAM教育の組み合わせを通じて、問題発見能力や問題解決能力といった非認知能力を含む21世紀型スキルを獲得する目的があり、これまでの教育プログラムをさらにブラッシュアップしています。

才教学園ならではの特徴は、実体験からの学びに加えて、地域社会や企業との協働を重視している点です。学内にとどまらず学外の方々とコラボし、ノウハウやテクノロジー面で協力を得ながら学習を進めています。

才教学園小学校・中学校のSTEAM教育をベースとした探究学習の様子

▲探究学習で外部講師とともに災害とボランティアについて学ぶ5年生

小松校長

また、我々が教育プログラムを実践していく中でこだわっているのが表現活動です。先ほどご紹介したプレゼンテーションコンテストをはじめとし、実際に活動でモノづくりをしたり、実際に行動に起こしてみたり、さまざまな方法を取り入れています。

編集部

地域社会や企業様との協働として、どのような取り組みをされているか具体的な例があればぜひお聞かせください。

小松校長

特に4年生から8年生までが外部とコラボした活動が多いですね。長野県フェスティバルに関わる活動もしていて、信濃毎日新聞社様のご協力のもと新聞づくりの方法を学び、長野県新聞を作り、長野県フェスティバルとあわせて長野県の魅力を発信しています。

学年が上がるごとに内容が高度になっていき、5年生では地元のJSL日本システム技研様とコラボして、高いレベルのプログラミング教育を実施していますよ。6年生では防災をテーマに、全国規模の学生ボランティア組織であるIVUSA様とコラボして、体育館で実際に避難所を作りました。

7年生は、松本市にある教育文化センターの「星空プログラミング」講座に参加し、プラネタリウム装置をお借りして、実際に子ども達でプラネタリウムの番組を作ることにも挑戦しています。

才教学園小学校・中学校の探究学習 教育文化センターでの「星空プログラミング」

▲「星空プログラミング」講座に参加してプラネタリウム番組を制作する7年生

編集部

実際にそういった取り組みを通して、生徒さんのご様子はいかがですか。

小松校長

テクノロジーを駆使して勉強していくことで、興味関心が大変深まっていると感じます。子ども達は新しい技術の飲み込みが早いですね。これまでは総合学習として似たような取り組みをしていましたが、STEAM教育となってからはどの子どもも温度差なく学習に一生懸命です。

集団を引っ張る力や、集団を温める能力といった学力とはまた違う能力や子ども達の得意な分野を引き出すキッカケとなり、学ぶ喜びにもつながっていると思います。子どもの色々な面に光が当たる機会となっていることが嬉しいですね。

10代、20代の学生さんや多くの大人との協働を通して、人との関わり方も自然と身に付けています。探究学習は、教員が楽しまないと子ども達も楽しめません。先生方には、「とにかく子ども達と一緒に楽しんでください」「先生方自身も探究を深めてください」と伝え、同じ目線で学習に臨むことを大切にしています。

才教学園小学校・中学校からのメッセージ

才教学園小学校・中学校の小松校長先生

▲本日インタビューに応じてくださった小松校長先生

編集部

結びに、才教学園小学校・中学校への入学を検討中の学生やその保護者の方々へメッセージをお願いします。

小松校長

本校は小中一貫校で、全国的にも珍しく小学生と中学生がひとつの学び舎で勉強しています。小学生が中学生の活躍を見て憧れる、中学生が弟や妹のように小学生を慈しみ、自身の経験をもとに優しく接するなど、家庭的な雰囲気に溢れているのが魅力です。

これからの時代は、AIとの共生とともに人口減少に伴う労働力低下を賄うため、海外から日本へやってくる他国の方々の多様な価値観との共生が必要です。私どもは、教育理念に沿い、こうした力をしっかりと育てていきますので、賛同いただけるようであれば、ぜひ未来をともに作っていきましょう。

信州松本は非常に自然豊かな場所で、毎年全国から興味を持ち入学を希望してくださるご家庭があります。立地条件も含めて、興味を持っていただけたら嬉しく思います。お問い合わせをお待ちしております。

編集部

本日はありがとうございました!

才教学園小学校・中学校の進学実績

才教学園小学校・中学校の校舎

才教学園小学校・中学校の卒業生の進路は、長野県内の県立高校や私立高校の進学がメインです。9年間で高い水準の学力を身に付け、首都圏・都市部の全国難関国公私立高校にチャレンジし、進学を果たした卒業生もいます。

進学実績の詳細は、才教学園小学校・中学校の公式ホームページをご覧ください。
https://www.saikyo-gakuen.ac.jp/achievement/

才教学園小学校・中学校の保護者の口コミ

ここからは、才教学園小学校・中学校に通う生徒さんの保護者による口コミを紹介します。

学校の理念がしっかりとしていて安心感があります。先生も教え方や熱意が素晴らしく、生徒たちも意欲的で、切磋琢磨しながら成長できる環境です。どの行事も力が入っていて、団結力がありますよ。

子ども達一人ひとりのやる気を引き出して才能を伸ばし、可能性を広げてくれる学校です。子ども達みんなが生き生きとしています。行事はみんなで頑張り、勝っても涙。負けても涙。子ども達の活躍に感動し、成長を感じられるイベントが多くあります。勉強だけじゃないのが良いところです。

学校の指導方針が明確で、保護者も生徒も基本からブレることなくすべきことが分かり安心できます。全ての保護者、生徒、先生の間で一体感があり、「皆んなで向上しよう」「皆んなでより良くなろう」といった連帯感で気持ち良く通学できています。

口コミからは、学力を伸ばすだけでなく、子どものやる気を引き出して可能性を広げる取り組みや行事への満足度が高いことが伺えました。一体感、団結力を感じながら学園生活を送れるようです。

才教学園小学校・中学校へのお問い合わせ

運営 学校法人才教学園
住所 長野県松本市村井町北2丁目14番47号
電話番号 0263-58-0311
問い合わせ先 https://www.saikyo-gakuen.ac.jp/contact1/
公式ページ https://www.saikyo-gakuen.ac.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください