中学からキャリア教育に注力!立正大学付属立正中学校・高等学校の特色ある教育|中高一貫校

ぽてん読者の皆さまに、今注目の学校を紹介するこの企画。今回は、東京都大田区にある私立・共学の中高一貫校「立正中学校・高等学校」にインタビューを行いました。

日蓮聖人の教えである「行学二道」を建学の精神とする同校が目指すのは、「学びを行動で示すことができる人材」の育成です。6年間を通じて、積極的に行動するための"自信"を育む教育を行っています。

また、教育の柱としてR-PROGRAMという独自のカリキュラムを設けており、「Research(調べる)」「Read(読み取る)」「Report(表現する)」という3つのスキルを重点的に磨いていきます。

今回は、そんな立正中学校・高等学校の生徒が得られる学びや学校生活について、学校長の大場一人先生と入試広報部長の幸(みゆき)智子先生に詳しくお話を伺いました。

立正中学校・高等学校の学校長の大場先生と入試広報部長の幸先生

▲インタビューに答えてくださった学校長の大場先生(右)と入試広報部長の幸先生(左)

立正大学付属立正中学校・高等学校の教育理念

立正中学校・高等学校の建学の精神である「行学二道」の掲示

▲建学の精神「行学二道」の言葉。いつでも目に入る場所にあるため、自然と生徒の心に染み込んでいく

編集部

まずは、立正中学校・高等学校の建学の精神について教えてください。

大場先生

わが校は仏教主義の学校で、日蓮聖人の教えである「行学二道」を建学の精神として掲げています。行学二道とは「修学」と「修行」、つまりは「学び」と「行い」の二つの道のことです。

「学び」と「行い」は別々のものではなく連動しているものです。学びを行動で示すことができる生徒、学びを活かして世の中に出たときに社会に貢献できる生徒を育てることが、私たちが目指すところです。

編集部

行動で示せるような子を育てるために、日々生徒たちによく伝えていることや、生徒と接するうえで意識していることはありますか?

大場先生

生徒ひとり一人に自信を持たせることです。自分が得意なことや好きなことを大事に育てていくことで自信をつけて、苦手なことにもどんどんチャレンジして欲しいと願っていますし、生徒たちにも伝えています。

今はどの学校でもリーダーを育てるという教育が重視されていますが、組織のトップになることだけがリーダーではありません。「自信持って仲間に接することができる」「自信をつけたから仲間が集まってくる」ということもリーダーの資質だと思いますので、この学生生活の中で、しっかりとした自信をつけて欲しいですね。

日蓮聖人は、鎌倉幕府に対して自分の気持ちをぶつけた強い人物です。「自信」は、建学の精神の源流にあるものなんですよ。

編集部

立正中学校・高等学校では、習慣的に日蓮聖人の教えを伝えるような場を設けていらっしゃいますか?

大場先生

毎日合唱するなどの習慣は設けていませんね。ただ、道徳の時間を宗教の時間に置き換えて、日蓮聖人のことを学んだり、「世の中や人のために尽くす」「貧しい人や苦労している人を助ける」「親のことを想う」などの教えについて考えたりする時間はあります。

また、日蓮聖人が修行をされていた山梨県の身延に参拝旅行に行ったり、日蓮宗の大本山である池上本門寺でご講和をいただいたりするような行事も実施しています。節目節目で、教えに触れる機会を設けているというイメージです。

実は私もこの学校の卒業生なのですが、学生時代にはわからなかったことが今になってよくわかるということもよくあります。会社を経営している卒業生の中には、「立正精神」「異体同心」のような教えを社訓として飾って活躍されている方もいらっしゃるんですよ。

調べる・読み取る・表現のスキルを磨く独自カリキュラム「R-PROGRAM」

立正中学校・高等学校の教室内の様子

編集部

ここからは、立正中学校・高等学校の特色のあるカリキュラムについてお伺いしたいと思います。

御校では「R-PROGRAM」という独自のカリキュラムを用意して実践されていると伺っていますが、どのような特徴があるカリキュラムなのでしょうか?

大場先生

R-PROGRAMの"R"は、「Research(調べる)」「Read(読み取る)」「Report(表現する)」という3つのスキルを指します。

今の子ども達は、本を読まない、文字を書かないと言われていますが、大学生や社会人になると文章を読んでまとめる力がとても重要になってきます。さらには、それを人前で表現できるという力も求められるようになります。社会に出たときに求められるこの3つのスキルを磨いていくというのが、わが校が実践しているR-PROGRAMです。

また学業の面でも、問題を読み解く力はどの教科にも欠かせない力ですから、早いうちからこうした力を身につけることはとても大事なことだと考えています。

立正中学校・高等学校の幸先生

編集部

具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか?

幸先生

毎朝のホームルームの時間を活用して、「コラムリーディング」を行っています。新聞のコラムを読んで自分で文章にまとめて、それを皆の前で発表するんです。

また、図書室とタイアップして「リーディングマラソン」という取り組みも行っています。個人とクラス対抗で読書量を競うことで、読書習慣をつけることを目指しています。

編集部

毎朝継続して取り組めばかなり力が身につきそうですが、実際に成長している様子は見られますか?

幸先生

はい、みんな大きく成長していますね。中1の頃は、コラムリーディングをやっても「私もそう思います」で終わってしまうんです。それが、徐々に「なぜならば」という理由を書けるようになりますし、課題を自分に当てはめて「もし私なら」という発言ができるようになってくるんです。

学年が上がるにつれて難しいテーマを取り扱うようにもなりますし、文字数が多い文章にも挑戦するようになります。少しずつ、確実にステップアップできますよ。

人前で話すことにも慣れてきて、自信もつくようです。卒業生からは、「大学でも不安なくプレゼンができる」という声も聞こえてきますね。

大場先生

年に1回、日々の学習の集大成として、クラスの代表者が登壇する弁論大会を開催しています。そこで優秀賞を取った生徒は、仏教神学校連盟の弁論大会や、東京で開催される少年の主張弁論大会など、校外の大会にも出場します。そういった場でも堂々とした姿が見られますし、賞を受賞する生徒もいます。確実に効果は出ていると思いますよ。

近年は大学入試もより読解力が求められる内容に変わりましたし、プレゼンスキルが求められるような総合型選抜の入試も増えてきています。R-PROGRAMは大学入試の変化にも柔軟に対応しながら、年々アレンジを加えているんですよ。

中学生からのキャリア教育:社会への興味を育む体系的プログラム

立正中学校・高等学校の生徒が授業を受けている様子

編集部

R-PROGRAMでは、中学生のうちからキャリア支援の取り組みも行っていると伺っています。具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?

大場先生

将来を見据えて目的を持って進路を選んでもらうために、社会の仕組みや働き方を学ぶための取り組みを行っています。

中1では、社会を知るきっかけ作りとして「職業講和」を行っています。社会で活躍している卒業生6~7名に来ていただいて、体験談を伝えてもらいます。

中2では、職場訪問や職業調査など、世の中の仕事に対してより理解を深めるための活動を行います。調べたことのアウトプットとして、本校がある西馬込の地域活性化につながるようなアイデアをグループで考え、発表するという取り組みも行っています。

中3では、これまでの活動を一歩進めて2日間の職業体験を行います。短い期間ではありますが、実際に企業の打ち合わせに参加したりサービス業で重労働を体験したりなど、刺激的な体験になっているようですよ。体験したことはそれぞれがレポートにまとめて、文化祭で発表してもらっています。

編集部

いきなり現場に行って職業体験をするのではなく、中1・中2でよく調べて、知識を深めてから挑むというわけですね。職業体験では、具体的にどのようなところに行くのですか?

幸先生

企業や飲食店、病院、コンビニ、ホテル、学校などさまざまですよ。最近は、介護施設や出版関係が人気ですね。今年(2024年)も、7月のインターンシップに向けて約60社の事業所さんに受け入れを依頼しているところです。卒業生が働く職場にも受け入れに協力してもらっているんですよ。

編集部

幅広い職業から選択ができるのですね。とてもいい経験になりそうですが、どのような声が聞こえてきますか?

幸先生

本格的な仕事を体験させてもらえるので、「思っていたより大変だった」と言って帰ってくる子が多いですね。ご両親への感謝の気持ちが芽生える子も多くて、「毎日こんなに頑張って働いてくれているんだ」という声もよく聞こえてきます。

「行きたい大学」への進学を支援する充実した進路指導と学習サポート

立正中学校・高等学校の大場先生

編集部

高校生になってからは、どのようなキャリア支援や進路指導を行っていくのでしょうか?

大場先生

高校では、より具体的に高校卒業後の進路を考えられるよう、現役大学生との座談会イベントを実施したり、校内で大学の合同説明会を実施したりと、進路を考える機会を数多く設けています。

「行ける大学」より「行きたい大学」に送り出すというのが私たちが目指すところなので、そのためのサポートを全力で行っています。

編集部

学校のパンフレットを眺めるだけではなかなかイメージが沸きませんが、実際に話を聞けるような機会があれば、しっかりとやりたいことを見据えて進路選択ができそうですね。

大場先生

そうですね。また、補習や英検対策、受験に向けた特別講座など、学習面でのサポートもとても充実していると思います。高校3年生向けには、大学レベル別の試験対策はもちろんのこと、面接指導や自宅でオンラインで受けられる作文指導なども実施しています。

わが校には付属の立正大学がありますが、そこに進学するのは2割程度です。難関国公立大を目指す生徒、私大を目指す生徒、推薦で進学する生徒など、受験のパターンはさまざまですから、それぞれの目標達成をサポートできるような体制を整えています。

編集部

学校のパンフレットを拝見すると、補習や特別講座の一覧が見開き一面で掲載されていて、その充実度に驚きました。生徒ひとり一人の進路を学校が全力でサポートしているというのがよく伝わってきました!

立正大学付属立正中学校・高等学校のスクールライフ

立正中学校・高等学校の中庭テラス

▲解放感溢れる中庭テラス。生徒たちの交流の場となっており、お昼になるとお弁当を食べる生徒が集まってくる。

編集部

立正中学校・高等学校のキャンパスは、2010年に大崎から大田区に移転されたときに新たに誕生したんですよね。とても広々として綺麗な印象ですが、コンセプトやこだわりについて教えていただけますか?

大場先生

学校で過ごす時間はとても長くて大切なものですので、ゆとりを持たせるということにこだわって建てました。グラウンド、図書館、カフェテリアなど、それぞれの施設が広くて解放感がありますし、校内を歩いてみると廊下がとても広いことを感じていただけるかと思います。

立正中学校・高等学校の廊下

▲広くて解放感がある廊下が続いている。コンクリートと木の風合いを活かした校内にはとてもお洒落な雰囲気がある。

編集部

教室にはどのような特徴がありますか?

大場先生

廊下から授業が常に見えるような形で教室を作っているので、とてもオープンな雰囲気になっています。保護者や外来の方でも、いつでも来て、教室の様子を見ていただくことができますよ。各教室にプロジェクターも設置されていて、ICTにも対応しています。

多彩なスポーツ施設:温水プールからゴルフ場まで完備

立正中学校・高等学校のグラウンド

▲ほぼ全面が人工芝のグラウンド。陸上用のタータンレーンや跳躍競技用の砂場、投球練習用のマウンドなども完備。

編集部

体育や部活動で使うようなスポーツ施設もとても充実しているようですが、立正中学校・高等学校ならではの自慢の施設があれば教えてください。

大場先生

特色のあるスポーツ関連施設としては、温水プール、400畳の広さのある武道場、ゴルフ場、弓道場などがあります。「心技一体」の精神を大切にして、生徒たちがさまざまな活動に取り組めるような環境を用意しています。

立正中学校・高等学校の武道場

▲剣道部や柔道部などの活動にも使用される武道場はなんと畳400畳分。

立正中学校・高等学校の屋上にあるテニスコート

▲屋上の広々としたテニスコート。ナイター設備も備えているため遅くまで練習に励むことも。

編集部

どの部活も充実した環境の中で活動に取り組めそうですね。どんな部活が特に人気があるのでしょうか?

大場先生

弓道が人気ですね。100人近くの部員が活動しています。学年・男女問わずとても仲が良い部活の一つで、その楽しそうな雰囲気が人気を集めているのかなと思います。入部する生徒のほぼ100%が初心者なんですよ。

立正中学校・高等学校の弓道場

▲弓道部の部員は約100人と大所帯。取材時は見られなかったものの、綺麗な弓道場で活動しているのだとか。

素直で穏やかな生徒が集う学校風土

立正中学校・高等学校のラウンジ

▲各階にあるラウンジでは、生徒たちが談話をしたりお弁当を食べたりしている様子が見られる。勉強に関する質問や進路の相談も日常的に行われているのだそう。

編集部

立正中学校・高等学校の生徒にはどのような生徒が多いのでしょうか?

幸先生

とても素直で穏やかな子が多いです。それは男女ともですが、特に男子は一般的な同年代の子に比べても落ち着いて気が遣えるタイプが目立つと感じますね。

もちろんいろいろな性格の子がいますし、好きなことも人によって異なりますが、男女の仲も良く生徒同士が許容し合う雰囲気があるので、自分の居場所を見つけて自分らしさが出せる学校だと感じています。

コミュニケーションがあまり得意ではないというような子でも、周りの子が優しく接して手助けするような雰囲気があるので、穏やかな学生生活を送ることができると思いますよ。

また、勉強以外のことにも一生懸命取り組む文武両道の生徒が多いというのも特徴です。運動系・文化系問わず、それぞれが好きな分野の活動を頑張っていますよ。

編集部

自分らしさを発揮して、好きなことに一生懸命取り組める環境や雰囲気があるということですね。楽しく、充実した学生生活を送ることができそうです。

ちなみに、先ほど校内を歩いていたら元気よく挨拶してくれる子が多くて、とても気持ちのいい学校だなと感じました。生徒さん達の楽しそうな様子が伝わってきました。

生徒主体の学校行事:個性を活かせる文化祭と体育祭

立正中学校・高等学校の体育館で生徒がバスケットボールをしている様子

編集部

立正中学校・高等学校では年間を通してさまざまな行事が行われていると思いますが、特に盛り上がる自慢のイベントがあれば教えてください。

大場先生

わが校の2大行事は、体育祭と、立正祭(文化祭)です。もちろん教員も手伝いますが、基本的には実行委員が主導して生徒たちが主役で準備を進めています。当日は大変盛り上がっていますよ。

体育祭では、応援合戦は特に盛り上がりを見せていますね。中学生はクラス対抗で競うのでクラスの団結力が発揮されますし、高校生は全体を4つのブロックに分けて競うので先輩・後輩の和が生まれているようです。

立正祭は、出し物が多いのでかなり時間をかけて準備をしています。特に中学生は各学年が劇と展示を行うのでボリュームがありますね。高校生は、それぞれのクラスが自由に出し物を決めます。劇をやるクラスもありますし、昨年はジェットコースターやコーヒーカップを作ったクラスもありました。鉄パイプを使って組み立てて、本格的でしたよ。

立正中学校・高等学校の生徒たちの様子

▲多目的ホールである「行学ホール」。椅子が電動で収納できる仕組みで、体育館としても利用可。

編集部

本格的ですね。長い時間かけて準備をされるとのことですが、生徒たちはどのような様子で取り組んでいますか?

幸先生

本当に生き生きとした様子が見られますよ。それぞれが自分の得意なことを活かして準備に取り組んでいます。

特に、劇は「得意なものや好きなものを伸ばす」というわが校の教育方針が集約されているように感じます。演者だけで成り立つものではありませんからね。パソコンが得意な子が場面ごとの音を作成したり、話すのが上手な子がナレーターを担当したり、写真や動画をずっと撮っている子がいたり。自分の好きなことに全力で取り組んでいる様子が見られますよ。

編集部

指名された役割をなんとなくやるのではなく、自分が進んで好きな役割を選択して積極的に取り組んでいるのですね。

学校からのメッセージ

立正中学校・高等学校の大場先生と幸先生

編集部

最後に、立正中学校・高等学校に興味を持たれた読者の方に向けて、メッセージをお願いします。

大場先生

私は「立正ファミリー」という言葉をよく使っているのですが、わが校にはとてもアットホームな雰囲気があると思っています。

そんな環境の中で、保護者の皆さんと協力しながら、ひとり一人の生徒を本当に大切に育てていますし、卒業後に子ども達が夢を叶えられるよう全力でサポートしています。

保護者の皆さんの期待に全力で応えていける学校だと自負しておりますので、興味を持っていただけたら嬉しいです。

編集部

ありがとうございます。インタビューを通じて、「生徒ひとり一人の個性を大切にし、やりたいことをサポートする」という御校の姿勢がとてもよく伝わってきました。

本日は、たくさんの貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

立正大学付属立正中学校・高等学校の進学実績

立正中学校・高等学校の入り口

立正中学校・高等学校ではほとんどの生徒が4年制大学や短期大学・専門学校に進学しています。付属の立正大学に進む生徒は全体の2割程度(2023年度実績)で、その他の生徒は外部の学校を選択して進学しています。

2023年度の合格実績では、4名の生徒が国公立大学に合格。早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学やGMARCHなどの難関私立大学への合格者も多数輩出しています。

■卒業後の進路(立正中学校・高等学校公式サイト)
https://www.rissho-hs.ac.jp/career/

保護者の声:充実した設備とサポート体制への高評価

立正中学校・高等学校のランチルーム

ここでは、立正中学校・高等学校に通うお子様を持つ保護者の皆様の口コミをご紹介します。

「行学ニ道」の教えを大切にしており、社会に出てから役に立つ礼儀などもしっかりと教えてくれます。

施設が充実していて、清掃も行き渡っている。カフェテリア、図書館、体育館、お手洗い、すべて綺麗!

設備が整っていて、他校ではできない部活動もできる。みんなが好きなことを見つけられるように工夫されている。

先生方の面倒見がよくて、学校での子どもの様子を頻繁に伝えてくれる。

日々の確認テスト、試験前の質問部屋、夏休みの補習、英検・漢検対策など、学習サポートが驚くほど充実している。

充実した設備や先生のサポートに対する満足の声が多く見られました。素晴らしい環境の中で生徒たちは楽しく学校生活を送っているようです。

立正大学付属立正中学校・高等学校の問い合わせ先

運営 立正大学付属立正中学校・高等学校
住所 東京都大田区西馬込1-5-1
電話番号 03-6303-7683
問い合わせ先 info@rissho-hs.ac.jp
公式ページ https://www.rissho-hs.ac.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください