学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の校舎外観

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の“なりたい自分”を叶える教育とは?

ぽてん読者の皆さまに、今注目の学校を紹介するこの企画。今回は神奈川県横須賀市の私立高等学校「学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校」を紹介します。

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校は1947年に創立された、80年近くの歴史を持つ学校です。生徒一人ひとりに寄り添った教育を行っており、生徒の「なりたい自分」をサポートする手厚い進路指導体制があるのが特徴です。また生徒会活動を中心に生徒主体の活動が活発で、自分のやりたいことを積極的に実現できる環境のある学校です。

今回は、生徒会主顧問・総合・進学コース責任者の石井先生に、同校の教育方針や、生徒会などの生徒主体の課外活動の魅力を詳しく伺いました。

「『なりたい自分』全力サポート」をスローガンに、生徒に寄り添った指導を行う

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の文化祭準備風景

▲文化祭の準備風景

編集部

まずは、御校の建学の精神や、それに基づく教育方針を教えてください。

石井先生

緑ヶ丘女子高等学校は、建学の精神として「至誠一貫」「温雅礼節」の2つを掲げています。

1947年という戦後の混乱の時代背景の中で創立された学校ということもあり、創立者である吉永寛一先生の「厳しい社会状況の中でも自覚ある自立心豊かな女性を育成したい」という思いが「至誠一貫」という言葉に表されています。

そして2014年に「温雅礼節」を新たに建学の精神に加えました。これからの時代を見据え、確かな知性と豊かな人間性を持って新しい社会に貢献できる女性を育成していきたいと考えています。

また、この建学の精神のもと、本校では「『なりたい自分』全力サポート」をスローガンに掲げています。ここで言う「なりたい自分」というのは、必ずしも進路や将来の夢だけを指すわけではありません。

人前で緊張せず話せるようになりたい、初対面でも楽しく人とコミュニケーションを取れるようになりたいといった身近な目標も含めて、高校3年間を通じて生徒の思う「なりたい自分」の実現をサポートしていく。それが学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の教育方針です。

なりたい自分の実現に向けた“コース制”と、手厚いサポート体制

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の学校生活の様子

編集部

御校では「なりたい自分」を実現する取り組みの1つとしてコース制を設けられているとのことですが、それぞれのコースの特徴を教えていただけますか?

石井先生

緑ヶ丘女子高等学校では、生徒の個性や希望に応じて最適な学びが得られるよう「特進・看護医療コース」「幼児教育コース」「総合進学コース」の3つのコースを設けています。

「特進・看護医療コース」は大学の現役合格を目指し、ワンランク上のハイレベルな授業を展開しているのが特徴です。もともとは「特進コース」だったのですが、2022年から看護医療コースも加わりました。

看護・医療系のクラスでは、看護師を招いた授業や病院での実習などを通じて、看護医療系の4年制大学への進学に向けた指導を行っています。また神奈川歯科大学との間に教育連携協定を締結し、歯科医師を目指す生徒のサポートも強化しています。

「幼児教育コース」は保育士や幼稚園教諭を目指す生徒に向けた、神奈川県の高校で唯一のコースです。本校の隣にある横須賀幼稚園をはじめ、さまざまな提携園で最大30日間実習をしながら、実践的な経験を積めるコースとなっています。

「総合進学コース」は幅広い進路実現に向けてマルチな学びを提供するコースです。学力だけでなく、社会人基礎力を培うことも意識した学びの環境があり、2年次からの選択科目では大学受験に必要な科目の他、国際系や看護系、芸術系など多彩な科目から自分に合ったものを選ぶことができます。

編集部

高校1年生からそれぞれのコースに在籍して学んでいくことになるわけですが、その時点で将来の夢や進路を明確に決めていない生徒さんも多いのではないでしょうか。

石井先生

もちろん、高校に入学するまでに「なりたい自分」が見つかっている生徒ばかりではありません。また決まっていたとしても、高校3年間で変わっていくこともあるでしょう。

そのため本校では、保護者面談も含めて年間8回の生徒との面談を行っています。面談を通じて生徒が何に興味・関心があるのか、好きだからといって本当に仕事にしたいのかということも含めて確認しながら、本当に生徒の希望に合った「なりたい自分」を実現できるよう手厚いサポートを行っています。

編集部

年間8回の面談というのは本当に手厚いですね!生徒一人ひとりに真摯に向き合ってサポートを行っている御校の姿勢が伝わってきました。

自由に発想し、実現につなげる。緑ヶ丘女子高等学校の生徒会活動の魅力

編集部

御校では生徒会活動が活発と伺ったのですが、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。

石井先生

一般的に生徒会というのは、「先生のお手伝い」が前提となった活動が多いものだと思います。本校ではその状況を変えて、生徒会が生徒主体の自治活動の場となるよう改革を進めています。ここ数年で主体的に考えて動く生徒会活動が少しずつ増えてきているなと感じますね。

編集部

生徒会活動において生徒さんの主体性を引き出すために、どのよう工夫をされていますか?

石井先生

もともと生徒会に対して、中学校の生徒会でよくあるような厳格なイメージを持っている生徒が多いんですね。その意識を改革していくために、普段の活動中の話し合いからラフな雰囲気づくりを心がけ、「自由に発想して、何でも意見を言っていいんだ」と生徒に思ってもらえるようにしています。

それに加えて、自分たちの意見が実現につながるという実例をつくっているのもポイントです。例えば本校では普段携帯電話の校内使用を禁止していますが、生徒会から出た「文化祭の一般公開日のみ携帯電話の使用を許可する」というアイディアが去年実現しました。生徒会で事前に問題点や解決策を検討して職員会議に提出し実現に至ったという、新たな取り組みとなっています。

生徒からするとこれまで絶対だと思っていた校内ルールも、自分たちのアイディアと行動次第で変えていけるんだというとても良い経験になったと思います。

編集部

他にも、生徒会主体で生まれた取り組みや活動で特に印象的なものはありますか?

石井先生

昨年度に、本校も含めた市内5校の生徒会と横須賀市役所の若手職員の方との共同で「Yokosuka Daily Peace Project」という平和を祈るイベントをゼロから立ち上げました。もちろんその活動自体もすごいことですが、イベントに向けて全校生徒を巻き込むよう生徒会の子たちが積極的に動いている姿に感心しました。

その中の1つのプロジェクトに、各校100人の高校生に「自分が思う平和」を和紙に書いてもらい、それを灯ろうにして飾るというものがあったんですね。100人の生徒に協力してもらうというのはかなり大変なことなのですが、本校の生徒会は放送室を借りて全校放送で呼びかけたり、昼休みの教室をまわって説明したりと、プロジェクトの成功に向けて自分たちで考えて行動していました。私からの指示を待つことなく動く生徒の姿にとても成長を感じましたね。

「Mgノートサポートセンター」「TikTok活用委員会」…続々と生まれる生徒の自主活動

編集部

生徒会での主体的な活動が広がっていることで、他の生徒さんにも「自分たちにもできるかもしれない」という前向きな雰囲気が波及しそうですよね。

石井先生

本当にその通りです。最近では生徒会に限らず、生徒の自主活動がどんどん広がってきていますよ。例えば最近では、本校で使用している「Mgノート」という手帳の効果的な使用方法を広める「Mgノートサポートセンター」が立ち上がりました。

編集部

Mgノートとはどのような手帳なのですか?

編集部

Mgノートはスケジュール管理や自分の行動などの振り返りなどに活用してもらうことを想定し、本校で毎年全員に配布しているものです。このMgノートを本気で使っている生徒は、朝起きた時間から細かく自身の行動を書き込み、生活習慣を見直すことに活用しています。またデザインに凝ってかわいい手帳となるように追求している生徒もいます。

生徒によって使い方は自由なのですが、使用を強制しているわけではないため、なかなか有効活用しきれていない生徒も多いんですね。せっかく配布しているのにそれではもったいないということで、手帳を使いこなしている3人の生徒を集めて立ち上げたのがこの「Mgノートサポートセンター」です。自身がどう使っているのかという体験談を交えて効果的な使い方をレクチャーする、というのがMgノートサポートセンターの主な活動内容となっています。

先日は新入生が入学したタイミングで、MgノートサポートセンターによるMgノートの意義やおすすめの使い方についての説明会を行いました。当日の司会進行もすべて、Mgノートサポートセンターの生徒が行ったんですよ。今後は、同じタイプの手帳を使う全国の中高生を集めた「手帳甲子園」に出場することを予定しています。

編集部

自分の得意分野を活かして学校での活動に主体的に関われる環境があるんですね。

石井先生

はい。もう1つ、本格的な活動前ではありますが、TikTok活用委員会という組織も立ちあがっています。学校公式Instagramは教員によって運営されていますが、今後は生徒が撮影と編集を行うTikTokでの発信にも力を入れていきたいと考えています。

こういった活動は、枠組み自体は教員の方でつくることが多いのが現状です。しかし生徒の方から「こんなことをやってみたい」と持ち掛けられることも増えてきています。もちろん実現が難しいこともありますが、生徒が自主性をのびのびと発揮できるよう、できるだけいろいろな形で実現させていきたいと考えています。

学力だけでなく感性・心を育む緑ヶ丘女子高等学校の教育

編集部

他にも、御校ならではの特徴的な教育プログラムがあれば教えてください。

石井先生

緑ヶ丘女子高等学校では3つのコースでそれぞれの学びを提供していますが、その中で知識を身につけるだけでなく、感性や人間力を高めることを意識した教育を行っているのが特徴です。

例えば特進・看護医療コースは大学進学に特化したコースですが、クラブ活動や生徒会、ボランティア活動も推奨しており、単に学力をつけるだけでなく、高い人間力を備えたサーバントリーダー(※)の育成を目指しています。
※上から指示をするのではなく、奉仕の心を持って仲間を導くリーダー像

特に幼児教育コースでは「感性豊かな生徒を育てる」という目標のもと、子どもの感性と教育者としての素養の両方を持ち合わせた人材の育成を進めています。先ほども言ったように幼稚園での実習の経験を重ね、子どもたちが何を楽しいと感じるのかという感性を肌で感じられるようにしています。

実習ではとても楽しそうに子どもと触れあいつつ、同時に高校生ながらに教育者としての行動を取る姿を見られます。そういう姿を見ると、感性豊かに子どもたちを導くという理想の姿が実現されているなと感じますね。

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の「幼児教育コース」の実習の様子

▲幼児教育コースでは実習での子どもとの触れあいを通じて豊かな感性と教育者としての素養を育む

石井先生

総合進学コースで特徴的なのは、「成長を愉しむことのできる生徒を育てる」という目標のもとで、担任教員による「語りの時間」を設けていることです。

「語りの時間」は、週に1回下校前のホームルームの時間に実施しており、「心を広げる」というテーマで担任がさまざまな話をします。年金について話すこともあればコミュニケーションスキルについて話すこともあり、話す内容は教員によってさまざまです。

学校での生徒指導というと、何か問題が起こったことに対して注意することで学んでもらう方法を取ることが多いですよね。しかしこの語りの時間では、さまざまな角度から生徒の人生の教訓になるような話をしてもらうことで、生徒の共感を生みながら心の成長につなげていけるのが魅力です。

生徒自らが行うボランティア活動も盛ん

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の学校生活の様子

編集部

先ほど「サーバントリーダー」という言葉も出ていましたが、御校の生徒さんはボランティア活動なども盛んに行われているのでしょうか。

石井先生

本校では伝統的にボランティア活動を推奨している歴史があり、生徒は地域で実施しているボランティア活動などに積極的に参加しています。

生徒が個々で行うボランティア活動に加えて、「おもてなしカレッジ」という団体があるのも特徴です。おもてなしカレッジでは地域貢献活動の一環として毎年横須賀市の街をきれいにする「10,000メートルプロムナードクリーン作戦」というイベントに参加しています。

また校内のエンジェルガーデンという庭の手入れを校内ボランティアのような形で担ってくれています。

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校からのメッセージ

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の生徒会主顧問・総合・進学コース責任者の石井先生

▲インタビューにご対応いただいた石井先生。生徒会の主顧問も務める

編集部

最後に、学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校での学校生活に興味を持ったお子様、保護者の方に向けてメッセージをお願いします。

石井先生

本校は女子校という環境の中で、ありのままの自分で過ごし、自分のやりたいことに挑戦できる学校です。教員と生徒の距離も近く、校長室に遊びに行く生徒もいるほどです。先生や友達と一緒に楽しく高校生活を送りたい方、夢を追いかけたいと思っている方にはぴったりの学校だと思いますので、ぜひ本校に来ていただけると嬉しいです。

編集部

石井先生、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の進学実績

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校では3年間を通じてキャリア教育やセミナー、面談など、さまざまな面から進路を実現する手厚いサポートを行っています。進学希望者の合格者は100%、幼児・教育コースも15年連続合格率100%となっているのが特徴です。

過去5年の大学合格実績では、個々の希望に応じた非常に多様な分野での合格実績がみられます。神奈川県立保健福祉大学をはじめ、4年制看護・医療系大学や、上智大学、明治大学や立教大学といった私立難関校にも合格者を輩出しています。

■学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の進学実績(公式サイト)
https://midorigaoka.ed.jp/index.php#sinro

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の卒業生・在校生の口コミ

ここでは、学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校の在校生・卒業生から寄せられた口コミの一部を紹介します。

(在校生)1年生のときから進路相談があるため、自分の将来を意識しながら学校生活を送ることができる。

(在校生)女子校ならではのびのびとした空気感がある。気の合う友達もできて、先生とも近い距離間の中で楽しい学校生活を送れる。

(在校生)名前の通り、丘の上にある学校なので夏は通学が大変。でも自然豊かで雰囲気がとても良いのが魅力!

(卒業生)コース制で自分に合った学びが得られるからこそ、希望の進路に進むことができた。

(卒業生)クラスによって雰囲気が異なるが、少人数だからこそ仲が深まる。

(卒業生)校則は厳しかったと思う。でもだからこそ、自律の心を身に付けることができた。

コース制や、手厚い進学サポートがあるからこそ「なりたい自分」を常に意識し、その実現に向けてサポートを受けながら頑張れる環境があることが口コミからも伝わってきました。

丘の上にあることでの通学の大変さ、校則の厳しさは特に口コミが多く寄せられていたポイントですが、在校生・卒業生双方で、それが逆に環境の良さや自律など、プラスの効果を与えているという意見が見られました。

学校法人緑ヶ丘学院緑ヶ丘女子高等学校へのお問い合わせ

運営 学校法人緑ヶ丘学院
住所 神奈川県横須賀市緑が丘39
電話番号 046-822-1651
問い合わせ先 https://midorigaoka.ed.jp/inq/form.php
公式ページ https://midorigaoka.ed.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください