LCA国際小学校の校名看板

児童の8割が卒業時に英検2級合格!LCA国際小学校のイマージョン教育とは

独自の教育を実践する注目の学校を紹介する本企画。今回は、神奈川県相模原市にある「LCA国際小学校」を紹介します。

世界で活躍する国際人を育てることを目標に、英語のイマージョン教育(※)を実践している同校は、文科省の認可を受けた私立小学校です。担任の先生が全て外国人という環境のもと、児童たちはみるみる英語力を伸ばし、8割の児童が小学校卒業時に、高校卒業レベルに当たる英検2級に合格しています。
(※)外国語を使って通常の教科を学ぶ教育

今回は、そんなLCA国際小学校の教育理念や特徴的な取り組みについて、同校の創立者であり、校長を務める山口先生にお話を伺いました。

「やりたいことを実現できる」児童を育むLCA国際小学校

編集部

最初に、御校の教育理念や教育において大切にしていることについてお聞かせいただけますか?

山口先生

私たちは子どもたちに、やりたいことを見つけ、自分の言葉で表現、実現できるようになってほしいと考えています。

校歌にも「夢を持って実現しよう」といった言葉を入れ、学校の合言葉としても「Dreams begin here」、つまり「夢はここから始まる」を掲げています。子どもたちには、学校を夢の出発点としてほしいと思っているんです。

実は、私はもともと公立小学校で教鞭をとっていました。その頃、子どもたちに将来の夢を尋ねても、答えられないことが多くありました。子どもたちがいつも「やるべきこと」を強いられていて、自分の意志を表現する機会がほとんどなかったからだと思います。それは私にとってとても残念なことで、退職と本校設立のきっかけになりました。

また、本校には「良い」「悪い」といった二元論的な考え方をしないという方針があります。児童に「言いたいけど言えない」や「間違っていたらどうしよう」といった不安を持つことなく、のびのびと成長してもらいたいという思いからです。

編集部

単純に「良い」「悪い」で考えないという方針は、児童の行動にどのような影響を与えていますか?

山口先生

見学にいらっしゃった方が驚くほど、本校では授業中にたくさんの子どもたちが手を挙げます。どんな意見でも受けられる環境があるので、みんな積極的なんです。

また、本校の特徴的なイベントとして、全校児童の前で特技などを披露する「タレントショー」という行事があります。ここでもたくさんの児童が、自ら「やりたい!」と手を挙げ、さまざまな自己表現をします。

LCA国際小学校のタレントショー

▲特技等を披露する学校行事「タレントショー」

編集部

子どもたちはどんな特技を披露しているのですか?

山口先生

ピアノ演奏でショパンのような難しい曲を弾く子、「ねこふんじゃった」といった親しみやすい曲を弾く子、手品やクイズを披露する子とさまざまです。観客の子どもたちは一様に温かい声援を送り、もし途中で披露する内容を忘れて止まってしまうような子がいても、じっと待ちます。

だから、ステージに立つ子は恥ずかしがりません。このような互いを思いやる文化は、本校児童の自慢できる長所です。

外国人教師が担任を務めるLCA国際小学校のイマージョン教育

LCA国際小学校の授業風景

編集部

御校の英語教育の特徴的な取り組みについて教えてください。

山口先生

本校は英語のイマージョン教育を実践しています。その中でも特徴的なのが、担任がネイティブスピーカーの外国人教師であることです。このことで、子どもたちは教科学習だけでなく日常生活の中で自然に英語を使い、実践的な語学力を身につけることができます。

さらに、外国人教師が子どもたちをファーストネームで呼ぶ習慣は、教師と児童の距離を縮め、親しい関係性を築くことにつながっていると感じます。

一方で、「日本の学校システムを熟知した日本人教師の方がより細やかな指導ができるのではないか」という意見もあると思います。そのため本校では、外国人教師の採用・育成に時間やコストを惜しまないようにしています。

具体的には、外国人の方に日本語能力試験の2級を取得してもらい、その後、8〜9年かけて日本の教員免許をとってもらっています。このプロセスはたしかに大変ですが、本校の子どもたちの8割が卒業時に英検2級を取得するなど着実に英語力を身につけていっている姿を見ると、取り組んで良かったと感じます。

ちなみに、中には準1級、1級を取得する子もいます。

編集部

小学校卒業時に大学生レベルの英語力を身につけているなんて驚きです!英語を日常的に使っているからこそ、そのような実績に結びついているのでしょうね。

全学年が参加する英語スピーチコンテストを毎年開催

LCA国際小学校の英語スピーチコンテスト

▲英語スピーチコンテスト

編集部

英語を使った発表の機会などはありますか?

山口先生

本校では、1年生から6年生まで全学年が参加するスピーチコンテストを毎年実施しており、予選を含めて児童たちに年間複数回の発表の機会を提供しています。

この行事は非常に人気があり、子どもたちは一つのコンテストが終わるとすぐに次の年のことを考え始めるほどです。卒業生からは、この経験が中学・高校でも役立っているという声も聞きます。

先ほどお伝えした通り、本校ではどんな発表をしても馬鹿にされたり、笑われたりすることはなく、安心して自分の意見を伝えられる環境があります。そのため、子どもたちはみな自信を持って発表に臨んでいます。中には、スティーブ・ジョブズのYouTube動画を参考に、歩き方まで真似てスピーチをする児童もいるんですよ。

こういった取り組みを通じて、本校の児童たちは英語力だけでなく、表現力や伝達力も磨いていっています。

LCA国際小学校の心を磨く教育

ここからは、LCA国際小学校が取り組む、児童の心を育む教育についてお話を伺っていきます。

1年生から年2回宿泊行事を実施。トラブルは子ども同士の解決を促し成長の機会に

LCA国際小学校の宿泊行事・夏のキャンプに参加する子どもたちの様子

▲LCA国際小学校の宿泊行事「夏のキャンプ」での一枚

編集部

学校行事はどんなことをされているのですか?

山口先生

本校では、1年生から夏のキャンプと冬のスキーの年2回、宿泊行事を実施し、子どもたち同士の絆を深めてもらっています。

行事中にはたびたび、子ども同士の揉めごとが起こるのですが、その際、教師は子どもたちを一人ずつ呼んで、その子の気持ちを受けとめたうえで、「どんな気持ちなの」と気持ちを聴きます。

「その気持ちを相手に伝えてみようか。言えるかな?」「一緒にいてあげるから言ってごらん」と寄り添うことも忘れません。そして、最終的には当事者同士で仲直りできるように促すんです。

このような機会を6年間重ねていくことで、子どもたちは問題と向き合い、自ら解決する力を身につけていきます。そして、とても良い関係を築いて卒業していきます。

編集部

普段の学校生活より友達と長い時間を過ごす宿泊行事だからこそ、得られる経験もたくさんあるのでしょうね。

LCA国際小学校が開発した「見たこと作文」で感性・国語力も養う

LCA国際小学校のイキイキとした児童の様子

編集部

御校の独自のカリキュラムとして「見たこと作文」があります。こちらについては、山口先生が著書も出されていますが、どんな作文なのか教えていただけますか?

山口先生

「見たこと作文」は、自分が見たものを文字でくわしく表現するというメソッドです。例えば子どもたちに、動物園に行った時のゾウを見た場面を作文に表してもらう場合、見たことを自分らしい言葉で表現していきます。

このメソッドの特徴は、人によって視点が違ってくることです。ある人は象の背中に鳥がとまっていたことに注目し、別の人はゾウの糞を見ていたり、尻尾の先に生えている毛に気づいたりします。中にはゾウの向こう側にいるアルパカを見ている子もいます。

「ゾウを見ました」という「したこと」を題材にすると全員が同じようなことを書いてしまう可能性がありますが、「見たこと」に焦点を当てることで、一人ひとりの視点の違いが浮き彫りになるんです。

さらに、指導者が「ゾウさん、大きかったね。どれくらい大きかったのかな」などとコミュニケーションをとることで、作文内容をさらに深掘りすることができます。結果として、読んでいて面白いものができますし、一人ひとりの感性が伝わる作文になります。

編集部

「見たこと作文」を考案し、カリキュラムに取り入れた理由は何でしょうか?

山口先生

英語教育をメインにした学校では、日本語で活動する場面が他の学校に比べて少なくなります。しかし、日本で学ぶ以上、国語力もしっかり身につける必要があります。

そこで、何をすれば良いのだろうかと考えたときに、国語の総合力とも言える「作文」に力を入れることに思い至りました。作文を楽しく書けるようになれば、しっかりとした国語力も養えるという考えからです。

編集部

「見たこと作文」を御校では、どのように活用しているのですか?

山口先生

作文指導の理想は1対1ですが、学校だと少人数制の本校でも先生1人に児童20人の指導になってしまいます。ですので、「見たこと作文」の指導方法を保護者の方に伝授しています。

自宅で、1対1で質問を交わしながら書いてもらうようにしているのです。それが、家庭での良いコミュニケーションの機会にもなっています。

LCA国際学園学園長・LCA国際小学校校長の山口先生の著書表紙

▲山口先生が執筆された『親子でつくる見たこと作文』(エデューレコミュニケーションズ)

LCA国際小学校からのメッセージ

LCA国際小学校の山口校長先生

▲取材に対応いただいたLCA国際学園学園長・LCA国際小学校校長の山口先生

編集部

最後に御校に興味を持った読者の方、保護者の方に向けてメッセージをお願いします。

山口先生

年齢が低ければ低いほど、教育は効果的に作用すると考えています。特に語学は、日本語か英語か区別がつかないうちに学んだ方が早く身につきます。また、「生きることは楽しい」という価値観を早い時期に身につけておかなければ、能動的に行動できる子が育ちます。

現代では「Well-being」という言葉が浸透してきましたが、本校の目標も、学力アップや進学ではなく、子どもたちが幸せになることです。幸せになれば自己肯定感が高くなり、自分で勉強するようになります。そこに気づいてほしいと思っています。

編集部

本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

LCA国際小学校の卒業生・保護者の口コミ

ここからは、LCA国際小学校の公式サイトの口コミから抜粋したものをまとめて紹介します。

(卒業生)先生は生徒が理解できるまで一緒に考えて下さったり、学校内で会えばいつも必ず挨拶してくれました。そういった安心感のおかげで、困った時はすぐに先生に相談できたし、とても信頼していました。それに加え生徒同士の仲も良く、クラス全員で目標を達成する時にはみんなで協力し合っていました。
引用元:LCA国際小学校の公式サイト

(卒業生)LCAで学んだことは、自分を表現することです。発表する授業やディベートの授業が多く、大勢の人の前でも緊張せずに話せるようになりました。また少人数制でクラスメイトが少ない分、よくコミュニケーションをとることができ、お互い仲良く過ごすことができました。
引用元:LCA国際小学校の公式サイト

(保護者)ICT教育がとても進んでおり、生徒一人ひとりがiPadを使っています。ネットの道徳の授業もあり、安心です。4年生以上は習熟度別の授業になり、テストでクラスが上がっていく仕組みなので、子どものモチベーションアップにも繋がっています。
引用元:LCA国際小学校の公式サイト

(保護者)英語教育の質が高く、英語の経験がないまま入学しましたが、小学5年の6月には英検2級に合格。英語の実力がつきました。この小学校を選んで良かったです。我が子にこの小学校に通わせてあげられたことが誇りです。
引用元:LCA国際小学校の公式サイト

(保護者)生まれも育ちも日本ですが、入学してから英語が話せるようになり、初めて会った外国人の子どもと普通に英語で会話して遊びます。 先生方のサポート体制はとても手厚く、安心して通わせられる学校です。
引用元:LCA国際小学校の公式サイト

少人数制でクラスメイトとの仲が良く、先生と児童との距離の近さがうかがえる口コミが多くありました。LCA国際小学校は、のびのびイキイキと学校生活を過ごしながら、確実に英語力を身につけられる環境が整っているようです。

LCA国際小学校へのお問い合わせ

運営 LCA国際小学校
住所 神奈川県相模原市緑区橋本台3-7-1
電話番号 042-771-6131[電話受付時間:月曜~金曜/10:30~17:30]
問い合わせ先 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfzdhG3-xYpcFzR-vFD8arRw-qTB0gTy4ilT1BUgtBr8gc67Q/viewform
公式ページ https://elementary.lca.ed.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください