自分も周りも社会も幸せに。活水中学校・高等学校の教育理念と探究学習|中高一貫校

ぽてん読者の皆さまに、特色ある教育プログラムで注目を集める学校を紹介するこの企画。今回紹介するのは、長崎県長崎市にある私立中高一貫女子校「活水(かっすい)中学校・高等学校」です。

活水中学校・高等学校は、1879年に開校したキリスト教プロテスタントの教えを教育理念とするミッションスクールです。キリストの教えを自ら受け取り、周囲や社会に還元していける愛と品性、知性、個性にあふれる女性を育成します。

同校では、活水女子大学の学生や県・市の職員などの力を借りながら、自己理解や地域課題、自己実現を見据えた進路選択と向き合う探究学習に力を入れています。また、全国レベルで活躍する吹奏楽部や新体操部などの部活動でも有名です。

今回は、活水中学校・高等学校の建学の精神を体現する探究活動や、中高生が一緒になって活躍する部活動などについて、中高校長の石村先生にお話を伺いました。

活水中学校・高等学校の校名に込められた想いと、建学の精神

活水中学校・高等学校の石村直義校長と創設者エリザベス・ラッセル先生の肖像

▲お話を伺った活水中学校・高等学校の石村校長と、学校の創設者エリザベス・ラッセル先生の写真

編集部

初めに、活水中学校・高等学校の建学の精神や教育理念を教えてください。

石村校長

活水中学校・高等学校は、1879年にアメリカから渡ってきた教会派遣の女性宣教師エリザベス・ラッセル先生により創設された学校です。2024年の今年、創立145周年を迎えます。本校はプロテスタントの信仰に基づく女子教育を行っています。

当校が大切にしている建学の精神は、「知恵と生命との泉-主イエス・キリスト-に掬(むす)べよ」です。この言葉には、「人が生きるために必要な知恵や生命を、決して尽きることのないイエス・キリストという泉から汲みなさい」という意味が込められています。

編集部

キリスト教の教えが、御校の建学の精神になっているのですね。

石村校長

はい、校名である「活水」も、新約聖書ヨハネによる福音書4章10節にある「活ける水」という言葉に由来しています。

手で水をすくって飲むように、イエス・キリストからの恵みをまずは自分が豊かにいただくこと、そしていただいたものを自分の中で湧き立たせ、周囲の人々に注ぎ、社会に貢献できる人になってほしいと願っています。

また、「活水」のそれぞれアルファベットの頭文字には、以下の想いが込められています。

K(Kindness):親切であること
W(Willingness):進んで行うこと
A(Alertness):注意深くあること
S(Service):神と人とに仕えること
S(Self-sacrifice):自分より隣人を優先すること
U(Undauntedness):勇敢であること
I(Inspiration):人を勇気づけること
(三代目ホワイト校長による)

活水中学校・高等学校のクリスマスページェントの様子

▲イエス・キリストの生誕物語を語りと讃美歌でつづる生徒たちによる「クリスマスページェント」の様子

編集部

「活水」という校名にも、御校の教育方針や生徒たちに対する願いが込められているのですね。

石村校長

はい。そのうえで、以下6つの教育方針を大切にしています。

  1. 神を畏れる敬虔な心を養う
  2. 学問の尊重
  3. 愛と奉仕の精神
  4. 精神と身体の清らかさ
  5. 常識ある判断力
  6. 国際的感覚を養う

これらの教育方針や建学の精神を日々の学校教育で実践すべく、当校では「わたし、輝く。ともに、輝く。」というスクール・モットーを掲げ、生徒たちによく話をしています。自分自身が輝いて幸せになると同時に、自分と関わりのある人と共に輝き、幸せを築くこと、そのために自分ができることをどんどん実践していこう、と伝えています。

活水中学校・高等学校の卒業式で実施される「魂ゆずり」の様子と使用する手桶

▲創設以来の伝統である卒業式の「魂(たま)ゆずり」では、2023年度は「純潔」を表す白と「優しく寄り添う心」を表すラベンダー色のリボンを結んだ手桶を、卒業生から在校生に想いを込めて託しました。

編集部

活水中学校・高等学校では、泉のように尽きることのないキリスト教の愛と恵みの精神をベースとして、他者と一緒に輝き続ける人であってほしいという教育理念が貫かれていることがよくわかりました。

自らを輝かせ、周囲や社会も輝かせる活水高等学校の探究学習

活水高等学校の探究学習に取り組む生徒たち

▲グループに分かれて探究テーマについて議論する生徒たち。

編集部

活水高等学校では、探究学習に力を入れていると伺いました。どのようなプログラムで実施されていますか。

石村校長

活水高等学校では、「『活ける水』キャリアデザインプログラム」と題した探究学習を実践しています。まずは自らが幸せになるための学習から始まり、得られた学びを周囲の幸せや社会貢献につなげられるようなデザインになっています。

活水高等学校の「『活ける水』キャリアデザインプログラム」の全体構成

▲自己理解・他己理解から地域や世界の課題、自らの進路までを考え抜く3年間の探究プログラム

石村校長

高校1年生のテーマは、自分を知り、仲間を知り、身近な地域を知ることです。2年生で地域の課題や世界にまで視野を広げ、3年生ではより良い社会の実現に向けた貢献について考えます。

編集部

3年間を通じて、探究のテーマが自分自身から地域や社会に向けて広がっていく構成なのですね。

石村校長

はい。3年間の探究活動を通じ、最終的には社会に貢献するための将来的な進路選択にまで目を向けます。探究担当の教員だけでなく、キャリア支援部という進路支援の教員も一緒になって、単なる1つの授業に終わらない横断的な学び、キャリアプランにつながる学びになることを重視しています。

編集部

活水高等学校の探究学習が、建学の精神に込められた「まずは自分が輝き、周囲の人も一緒に輝いていく」という姿を体現するプログラムになっていることがわかりました。

地域の伝統や課題、女性、福祉・医療などの広域な課題テーマを設定

編集部

探究学習ではグループで課題に取り組まれていますが、実際にどのような課題を扱っているのですか。

石村校長

活水高等学校で扱う探究課題は、建学の精神にあるようなキリスト教の教え、女子学校の特色を生かした女性に関するテーマ、地元長崎の地域や社会、健康・福祉など多岐にわたります。国際的な感覚を養うグローバルな課題も取り扱っています。

編集部

活水高等学校の探究学習では、多様な探究課題に触れることができるのですね。生徒たちが実際に探究した具体的なテーマには、どのような内容がありますか。

石村校長

例えば「地域」の探究課題に対して、「若者が地域の伝統芸能に触れ、次世代に継承するにはどうすればいいか」をテーマに探究したグループがありました。また、生徒たちが普段から慣れ親しんでいるSNSを通じて、同世代の若者に長崎の知られざる魅力を知ってもらう方法を探究したグループもあります。「健康・福祉」の課題では、少子高齢化社会が進む中で地域の人口を増やすプランを考え、発表してくれた生徒もいました。

編集部

生徒それぞれが探究課題を身近なテーマに落とし込み、探究を深めているのですね。1つ目にお話しくださった地域の伝統文化については、どのような内容を発表されたのでしょうか。

石村校長

地元の伝統行事である「長崎くんち」というお祭りを取り上げていました。長崎には、諏訪神社という海の神様を奉った大きな神社があります。かつて長崎ではキリシタン弾圧が行われた歴史があるのですが、地元の方々がキリスト教信者でないことを証明するために諏訪神社の祭礼に加わったことが知られています。

地元の生徒たちは、地域の方が時間と労力、お金をかけて「長崎くんち」を開催している姿を幼いころから目にしています。そんな一大イベントの背景にどんな歴史があるのか、当時の人々の苦労などを調べてくれました。

また、観光県長崎として国内外の観光客をどのように呼び入れるかなど、現代的な意味合いも強まっています。そのような背景も加味して、この祭りがいかに社会全体の活性に繋がっていくか、どのように継承していくべきか探究してくれました。

編集部

「長崎くんち」を題材にした探究の結果、生徒たちは実際にどのような発表をしたのでしょうか。

石村校長

他県の方にお祭りの紹介をするだけでなく、観光客を呼び寄せる方法、一度訪問してくれた方が再度訪れたくなる仕掛けなど、伝統芸能と地域活性化を結び付けた発表をしてくれましたね。生徒たちの視点で若い観光客の動きを考え、食べ物や土産品の紹介など、豊富なアイディアを盛り込んでくれました。

編集部

生徒たちならでは視点で、地域の芸能や活性化に向き合った発表を行ったのですね。そのほかにも、石村校長の印象に残った探究テーマはありますか。

石村校長

どのテーマも興味深いものばかりですが、特に印象に残ったのは長崎の地形と救急搬送の問題について取り組んだテーマです。

長崎は坂が多く狭い道も多いため、救急車が住宅まで入り込めないエリアがあります。実際に自分の自宅まで救急車が入ってこられないという生徒もいます。緊急搬送が遅れるとその分命の危険性は高まりますから、この問題を何とか解消できないかと探究してくれました。

解決策を模索する中で、生徒自らが他地域で軽自動車の救急車があることを調べ上げ、発表してくれたんです。軽自動車でも入れない小道はありますが、それでも近くまで救急車が来てくれる状況になれば、日常生活の安心感が増しますよね。

編集部

地域の課題に対する具体的な解決案を、生徒自身が先行事例から探し出したのはすばらしいですね。

石村校長

はい。探究テーマに対して、生徒たちの視点で同世代に発信してくれた例もあります。観光地に足を運んで、フォトジェニックな写真を撮ってInstagramにアップするなど、自由な発想で取り組んでいますね。

発信をご覧になった方も、現地の学生がこのような取り組みを行っていることに対し、関心を持ってくださるのではないかと思います。社会的に大きく取り上げられた問題だけでなく、生徒が身近な課題に目を向け、自分たちの視点で発信している姿にはいつも驚かされます

編集部

活水高等学校では生徒たちが探究テーマを自らの課題として捉えているからこそ、等身大の発信や活動につながっているのだと感じました。

活水女子大学の大学生など、校外の繋がりを生かして学びを深める

活水高等学校の探究学習の授業風景

編集部

活水高等学校の探究学習で、特徴的なサポートや意識していることはありますか。

石村校長

活水高等学校の探究活動では、活水女子大学との連携を意識したサポート体制に注力しています。大学で教員免許を取得する大学生たちに探究活動に加わってもらい、アドバイスや問題提起などをしていただく機会を頻繁に作っているんです。

編集部

御校の生徒に大学生が加わるのではなく、大学生の視点からアドバイスなどをしてくれる形なのですね。

石村校長

はい、そうです。生徒が自分たちで調べたり、新しい視点や解決方法を見つけたりするための糸口を与えてもらっています。教職課程で学ばれている大学生ですから、学生たちの学びを促す声掛けを心得ている方ばかりです。クラス担任一人ではなく大学生も一緒に見守ってくれることで、よりきめ細やかなサポートにつながっていると感じますね。

編集部

大学で専門的な研究をされている先輩たちのアドバイスからは、多くの学びを得られそうですね。

石村校長

そうですね。普段大学の研究レベルで活動されている大学生から、本校の生徒が自分たちだけでは見つけられなかった視点、注意すべき観点、探究を深めるヒントなどを学ばせていただいていると思います。

編集部

活水女子大学の学生以外にも、御校の探究学習で校外の方との関わりはあるのでしょうか。

石村校長

探究学習の学年発表会の場で、審査員として長崎県の地域振興局のご担当者がお越しくださっています。活水中学校・高等学校の探究学習では、グループでクラス発表をした後、各クラスから2グループほどを選抜して学年全体で発表する場を設けています。県や市のご担当者が、校長や教頭などといっしょになって審査員を務めてくださっているんです。

編集部

長崎県や市の担当者の方が、御校の探究学習にも関わっていらっしゃるのですね。

石村校長

はい。審査員としてお越しくださるだけでなく、探究課題の1つである「女性」についての学習の中で、県内でご活躍される女性実業家の方を本校にご紹介してくださっています。女性実業家のみなさんはパネラーとしてご参加くださり、学生時代の活動から現在のお仕事まで幅広くお話しくださいます。

生徒たちにとっては、将来のキャリアイメージを築く良い機会になっています。社会で活躍している本校の卒業生が、生徒たちに話をしてくれることもありますね。

編集部

活水高等学校の探究学習が、活水女子大学の学生や県・市役所のみなさま、県内の女性実業家のみなさまなど、校外のさまざまな関係者と繋がりながら実施されている様子がよくわかりました。

スポーツも音楽も文化活動も。活水中学校・高等学校の多彩なクラブ活動

活水中学校・高等学校のサッカー部の活動風景

活水中学校・高等学校には、中高サッカー部や新体操部などの「スポーツクラブ」、吹奏楽部やコーラス部などの「音楽クラブ」、茶道部や華道部などの「文化部」があります。部活動によって、中・高が分かれて実施しているもの、合同で楽しむものもあります。

ここからは、活水中学校・高等学校で特に注目のクラブ活動についてお話を伺いました。

中高生が一緒になって活躍する「吹奏楽部」と「新体操部」

活水中学校・高等学校の吹奏楽部が屋外で演奏している様子

編集部

活水中学校・高等学校には数多くの部活動がありますが、特に近年活躍されている部活動を教えてください。

石村校長

どの部活動もそれぞれに活躍しているのですが、今回は中学生と高校生が一緒になって活動している「吹奏楽部」と「新体操部」の2つをご紹介します。

まず吹奏楽部ですが、現在中学生6名、高校生48名の計54名で活動しています(2024年6月取材時点)。座って演奏する「座奏」と楽器を持ってフォーメーションを組む「マーチング」の2種類に取り組んでいますが、それぞれ県大会、九州大会を経て全国大会に出場する実力を持っています。2023年度は、全日本吹奏楽コンクールで銀賞、全日本マーチングコンテストでも銀賞を受賞しました。

編集部

活水中学校・高等学校の吹奏楽部は、全国大会に出場するほどの強豪クラブになっているのですね。

石村校長

はい。吹奏楽部はコンクールに出場するだけでなく、地域イベントでの演奏にも力を入れています。長崎で新幹線が開通することを記念したイベントや、長崎港でのフェスティバル、県下一斉駅伝や経済界のイベントにおけるオープニングセレモニーなど、さまざまな機会でお招きいただき、演奏させていただいているんです。吹奏楽部の活動が、地域貢献につながっていると実感します。

全日本マーチングコンテストで演奏中の活水中学校・高等学校吹奏楽部

編集部

コンクール以外にもたくさんの演奏機会があることで、部員たちのモチベーションも上がりそうですね。

石村校長

そうですね。人前で演奏する「本番」の経験をたくさん積むことは、当校の吹奏楽部の強さの秘訣にもなっていると思います。

編集部

活水中学校・高等学校の吹奏楽部は、楽器演奏の経験者が多いのでしょうか。

石村校長

中学校で吹奏楽部だった生徒が、高校入学後も継続するパターンが多いですね。活水高等学校には「吹奏楽部実技認定試験」という制度があります。活水高等学校吹奏楽部で活躍したい中学生に対して、個人の技能を認定して特待生として迎え入れる制度です。

スポーツの場合は活躍する選手個人をスカウトできますが、吹奏楽の場合はチーム全体で1つの演奏を作り上げるため、個人の力量を測りにくいものです。そこで吹奏楽の実技認定試験を設け、応募者個人の実力を測り、入学につなげています。一定の実力があり、場数も踏んでいる中学生たちですから、高校入学後に吹奏楽部をリードしてくれることを期待しています。

活水中学校・高等学校の吹奏楽部の集合写真

編集部

「吹奏楽部実技認定試験」は、すでに実力のある中学生を呼び込む1つの仕掛けになっているのですね。小学生が中学校に入学する際も、同様の入試制度があるのでしょうか。

石村校長

中学校入試では今まで同様の制度がなかったのですが、2024年度から小学生に活水中学校で楽器に親しんでもらう機会を定期的に作り、中学入学につなげる活動を始めています。初めての募集に対して、約30名の小学生が申し込んでくれていますね。長く楽器演奏に親しみ、ステージを経験した生徒たちは、その後も部活動だけでなくクラスでもリーダーとして活躍するケースがあります。早い段階から意欲のある学生に本校への関心を持ってもらう機会は、とても大切だと考えています。

編集部

御校では、中学・高校入試の段階から吹奏楽に真剣に取り組み学生を迎え入れる環境を作っているのですね。活躍されているもう1つの部活動、新体操部についても教えてください。

石村校長

新体操部も中高生が一緒に活躍しており、部員数は中学生7名、高校生9名の総勢16名です(2024年取材時点)。高校生は2024年度のインターハイ出場が決定しており、中学生も2023年度の全国中学校新体操選手権大会で18位、個人でも長崎市中総体優勝、個人1~4位を当校の生徒が独占する結果を納めています。

編集部

御校の新体操部は、団体、個人ともに優秀な成績を残されているのですね。

石村校長

はい。団体戦は5人でチームを組みますが、中学校で鍛えられたチームがそのまま高校で活躍したり、高校から新しく入学した生徒がチームメンバーになったりと、入れ替わりながら全体の実力を高めています。本校新体操部のOGである体育科教員の指導も、部の実力強化につながっていると感じています。

活水中学校・高等学校の新体操部が演技する様子

編集部

吹奏楽部も新体操部も、中学生・高校生が一緒になって実力を高め、全国の場で活躍されていることがわかりました。今後も活水中学校・高等学校の部活動のご活躍が楽しみです。

被爆地長崎から平和の想いを伝える「平和学習部」

平和学習部の発表風景

編集部

活水中学校・高等学校には、「平和学習部」という特徴的な部活動があると伺いました。どのような活動をされているのですか。

石村校長

平和学習部は、1988年に創部した歴史ある部活動です。被爆地長崎で平和を考えるというテーマのもと、生徒主体の活動や県内外に向けた発信を行っています。

編集部

被爆地長崎の平和への想いが込められた部活動なのですね。具体的に、どのような活動をされていますか。

石村校長

核廃絶の署名を集め国連欧州本部に届ける「高校生一万人署名活動」や、被爆者の方が残した絵本「ふりそでの少女」を外国語に翻訳して読み聞かせをする「ふりそでプロジェクト」、被爆関連の写真や体験談を継承する「ナガサキ・アーカイブ」など、多彩な活動を行っています。

活水中学校・高等学校の平和学習部にて署名活動をしている様子

いずれも長崎の被爆の記憶や平和への想いを、自分たちがメッセンジャーとして伝える活動です。

編集部

平和学習部では、長崎の原爆被害を語り継ぐさまざまな活動に取り組まれているのですね。平和学習部は、どれくらいの頻度で活動されていますか。

石村校長

毎週1回のミーティングに加えて、土曜・日曜日の休みを使って街頭署名活動を行っています。署名活動は活水中学校・高等学校が単独で行っているのではなく、長崎県内の高校生と一緒にグループで取り組んでいます。

編集部

平和学習部の生徒たちは、どのような想いで活動に参加されているのでしょうか。

石村校長

生徒たちの祖父母には、被爆を経験している方もいらっしゃいます。苦しい経験をされた皆様が体験を広める活動を切り開かれていることを知り、今度は平和への想いを自分たち若い世代が世界に広めていかなくてはならない、風化させてはいけないという想いを持ってくれているようです。

過去の戦争を経験された方の話を聞き、今世界で起こっている戦争や紛争のニュースを目にする中で、やはり自分たちの手で平和のために動いていかなくてはならないという自覚に繋がっているようです。

編集部

平和学習部の方の活動に触れられた県外の方などからは、どのような声が聞かれていますか。

石村校長

修学旅行で長崎を訪れている学校の生徒たちからは、自分たちと同世代の生徒がこれだけ高い平和意識をもって活動していることに驚く声が聞かれますね。

例えば関東の学校の生徒も、東京大空襲など何らかの戦争体験をお住まいの地域で耳にしています。しかし、それらの体験を自分事と捉えて取り組んでいる本校の生徒の姿を見て、自分たちが何をすべきかと考えさせられるようです。

編集部

被爆地長崎の体験を語り継ぐ平和学習部の活動が、多くの人に平和への想いを届けるだけでなく、若い世代に自分事として平和意識を持ってもらうことにもつながっているのですね。

活水中学校・高等学校からのメッセージ

活水中学校・高等学校の校舎

▲浦上川のすぐ近く、小高い丘の上にそびえる美しい活水中学校・高等学校の校舎

編集部

最後に、活水中学校・高等学校に関心のある小学生や保護者の皆さまに向けて、メッセージをお願いいたします。

石村校長

活水中学校・高等学校は、キリスト教教育を実践する女子校です。本校の教育理念や方針をよくご理解いただき、進路選択していただけると嬉しく思います。

また、活水高等学校の生徒は、約9割が第1志望で自分の夢を実現して卒業しています。探究学習などを通じて学びを深め、進路の選択肢を広げたうえで、希望の進路を実現できています。本校の探究学習での取り組みが国立大学の選抜試験で生かされていますし、生徒数を超える指定校推薦があることも生徒たちの進路実現を後押しする要因の1つです。

中高一貫校ですから高校まで内部進学することが可能ですし、中高でしっかり学びに取り組んでいれば活水女子大学への進学もスムーズです。もちろん他大学へ進学する生徒もいますが、全力で応援できる体制を整えています。

ぜひご自身の進路イメージや学びの視点と向き合い、最適な学校選びをしていただけたらと思います。

編集部

今回の取材を通じて、活水中学校・高等学校の自分と周囲を輝かせるための一貫した教育姿勢、特徴的な探究活動や部活動など、多くの魅力を実感しました。ありがとうございました!

活水中学校・高等学校の進学実績

活水中学校・高等学校の図書館

▲約5万冊の蔵書を備える活水中学校・高等学校の図書館

活水高等学校の卒業生は、4人に3人が大学・短大に進学しています。2021~2023年度の3年間では、東京藝術大学や長崎大学などの国公立大学に合計25名、早稲田大学や国際基督教大学、上智大学などの私立大学に合計240名が進学しました。2023年度には、韓国の誠信女子大学校に進学した卒業生もいます。

2021~2023年度の卒業生アンケートでは、98%の卒業生が自分の進路先に「満足・やや満足」と回答。進路決定に際しての学校のサポート体制についても、95%が「満足・やや満足」と回答しました。

活水高等学校の手厚い進路サポートを受け、納得した進路選択を実現している生徒が多いことがわかります。

公式:活水高等学校「進路状況・サポート体制」

活水中学校・高等学校の卒業生・保護者・在校生の口コミ

活水中学校・高等学校の美しい桜並木

▲春には敷地内の美しい桜並木を楽しめる

最後に、活水中学校・高等学校の卒業生、保護者、在校生の口コミをご紹介します。

(卒業生)この高校は、一人の立派な女性を育てて社会に通用する人材を育てる学校です。

(保護者)新体操部は全国レベルであり活気もある。安心して学校に預けることができた。とてもよかった。

(在校生)ミッションスクールである活水は、毎朝の礼拝で清々しく良い1日を始めることができ、設備の整った校舎だから満足して過ごせます。また、吹奏楽が有名ですし、毎日必ず賛美歌を歌うので、音楽の溢れる学校だと思います。

学習面のサポートだけではなく、生徒の人格面の育成を評価する声が複数見られました。また、強豪の部活動である吹奏楽部や新体操部を目的に入学した生徒の声もあり、知名度の高さが伺えました。

活水中学校・高等学校へのお問い合わせ

活水中学校・高等学校の校門

運営 活水中学校・高等学校
住所 長崎県長崎市宝栄町15-11
電話番号 095-861-5176
問い合わせ先 お問い合わせフォーム
公式ページ https://www.kwassui.ac.jp/chuko/

※詳しくは公式ページでご確認ください