「グローバル×キャリア教育」で進める駒沢学園女子中学・高等学校の探究学習とは|中高一貫校

ぽてん読者の皆さまに、特色ある教育プログラムで注目を集める学校を紹介するこの企画。今回紹介するのは、東京都稲城市にある私立中高一貫校「駒沢学園女子中学・高等学校」です。

駒沢学園女子中学・高等学校は、1927年に開校した歴史ある女子学校です。自己の確立や、日常生活と学びを一致させることを教育の軸とし、坐禅を中心とした仏教教育に取り組んでいます。同校では、10年後、20年後を見据えた力を身につける探究学習にも力を入れており、毎年時代に応じた新しい取り組みにもチャレンジしています。

今回は、駒沢学園女子中学・高等学校の教育理念や仏教教育、自己や他者と向き合う探究学習などについて、校長の土屋先生、進路担当部長でライフデザインチーフの新村先生、仏教科の中村先生にお話を伺いました。

自己を確立し日々の行いと学びを一致させる。駒沢学園女子中学・高等学校の建学の精神

駒沢学園女子中学・高等学校の坐禅の様子

編集部

はじめに、駒沢学園女子中学・高等学校の建学の精神や教育理念について教えてください。

土屋校長

駒沢学園女子中学・高等学校の建学の精神は、仏教の教えに由来する「正念(しょうねん)・行学一如(ぎょうがくいちにょ)」です。

「正念」は、私たちが本来持っている自分の素晴らしい価値、正しい心をしっかりと確立し、揺るぎない自分をもって生きようという意味が込められています。私達人間は、誰もが仏性(ぶっしょう)という正しい価値のある心を持って生まれます。しかし、ときにはつい仏性を忘れてしまい、横道に逸れてしまうことがあるものです。本校の生徒には、自分の正しい心を整えて、自己を確立してほしいと願っています。

また、本来「正念」は坐禅を意味する言葉です。坐禅に取り組むことで、「右に反れても左に反れてもいけない、ふんぞり返ってもいけないよ、下を向いてもいけないよ、ただひたすらまっすぐに正しく自分の心を整えましょう」と教えています。坐禅は人の生き方に通じます。坐禅の精神が、そのまま建学の精神になっているんです。

中村先生

私は駒沢学園の卒業生でもあるのですが、本校の教育の核は「正念」にあると学生時代から感じています。当校では毎朝目を閉じて椅子坐禅に取り組むのですが、坐禅を通じて本来の自己を見出し、日々の成長につながっていると感じますね。

編集部

坐禅を通じて、自己と向き合うことを大切にされているのですね。もう1つの「行学一如」はどういう意味ですか。

土屋校長

「行学一如」は、毎日の行いと学びが一致することを意味します。「行い」とは、お食事をいただくこと、挨拶をすること、お掃除をすることなど、生きることすべてを指します。日常の一つ一つの行いを大切にし、生きる意味や感謝の気持ちを学びながら思いやりの心を育てていくことが、「行学一如」の教えです。

中村先生

英語や国語などの教科活動や、日常生活なども全て一つで繋がっています。私も学生時代に「行学一如」の精神を学んだことで、一時的な好き・嫌いの感情ではなく、本来の自分自身を見つめて今やるべきことに集中するという姿勢を得られたと感じています。教師となった今、同じように生徒たちに伝えていきたいと取り組んでいます。

編集部

授業での学びだけでなく、生活におけるすべての行為を学びと一致させることが、駒沢学園女子中学・高等学校の教育方針なのですね。

土屋校長

はい。「正念」と「行学一如」という建学の精神を根幹に、自己の確立、グローバル教育や探究学習、その後の進路指導といった当校教育へとつなげています。

編集部

駒沢学園女子中学・高等学校の学習や学校生活全般を通じて、建学の精神を貫かれていることがわかりました。

駒沢学園女子中学・高等学校の華道部

▲日本の華道家元「池坊」の先生をお呼びして稽古を行う華道部。勉強だけでなく作法も身につけていく

より良い社会を築く力を身につける「駒沢学園女子中学・高等学校」の探究学習

駒沢学園女子中学・高等学校の探究学習の発表風景

▲関心のあるテーマについて探究してプレゼンテーションを行う

編集部

駒沢学園女子中学・高等学校では、時代の変化に応じた教育の実践に注力されています。その中でも特徴的な探究学習について、教えてください。

土屋校長

駒沢学園女子中学・高等学校では、大学進学を有利にするためではなく、21世紀の中心を生きる生徒たちが10年後、20年後により良い社会を築くために必要な学びの場として、探究学習をスタートさせています。

まず中学校では、21WS(21世紀ワールドスタディーズ)と名付けたグローバル教育と、個人の課題意識に合わせた探究学習に取り組みます。そして高校では、女性の生き方を考える「ライフデザイン」、これからを生き抜く上で必要な思考力、判断力、表現力を身につける「Komajo Quest」の2本柱で授業を組み立てています。

中3のシンガポール修学旅行に向けて探究学習を重ねる

駒沢学園女子中学・高等学校のネイティブ教師と生徒たち

▲ネイティブ教師と楽しく会話をしながら英語や異文化に親しむ

編集部

まずは駒沢学園女子中学校の探究学習について、具体的な内容を教えてください。

土屋校長

駒沢学園中学校では、中学3年生で実施するシンガポールへの修学旅行を集大成とし、1学年を前期と後期に分けて探究学習に取り組みます。前期でグローバル教育、後期で高校の探究学習の前段階となるような個人の課題意識に根差した学習を行っています。

前期のグローバル教育は他学年と一緒に学び、後期では学年ごとに探究を進めています。

編集部

1学年の中で前期・後期とテーマを分けて探究学習に取り組むのは面白い仕組みですね。まずは前期のグローバル教育について、教えてください。

土屋校長

前期のグローバル教育は、語学や他国、自国の文化に触れる学習を行います。第二外国語として中国語、韓国語、フランス語のいずれかを選択必修とし、生徒が自分の興味に合わせて学習を進めます。例えば、自分の好きな韓国語の歌について調べたり、歌ったりしながら、曲の背景にある文化について学びます。

編集部

一般的な文法や単語を覚えるような外国語学習ではなく、個人の興味・関心に合わせて第二外国語を学ぶスタイルは生徒のモチベーションアップにつながりそうです。

土屋校長

そうですね。後期では、シンガポールへの修学旅行に向けて、環境問題や多様性、人種問題、多民族国家などのテーマについて探究します。中学生から関心に沿った探究に取り組むことで、高校での本格的な探究学習の下地を整えることにつながっています。

編集部

中学校の集大成であるシンガポール修学旅行では、どのような活動をされるのでしょうか。

土屋校長

シンガポール修学旅行は2024年3月に初めて実施したのですが、シンガポールと隣国のマレーシアを訪問しました。2つの国を訪問することで、文化の違いや宗教の多様性に触れることができます。訪問前に両国の文化などを調べているのですが、実際に現地の人と学校に行ってお話しをする中で、リアルに体感できたと思いますね。

また、シンガポールに進出している日本の企業を訪問し、海外進出の理由や仕組みなどを教わる機会も設けています。

編集部

異文化を体感した生徒たちからは、どのような感想が聞かれていますか。

土屋校長

海外を訪れることで、改めて日本の良さを感じたという声はよく聞きますね。同時に、先進国といわれる日本が今や中国や韓国から後れを取っている、と活動の端々で感じ取る生徒もいます。これから日本を背負っていく世代ですから、今日本が抱えている問題をリアルに体感できるのは大事な学びだと思いますね。

編集部

シンガポール修学旅行に向けた3年間の学びが、グローバル社会への理解だけでなく、自国や生徒自身の今後を考えるきっかけになっているのですね。

女性のキャリアや生き方と向き合う「ライフデザイン」

駒沢学園女子中学・高等学校の教室内の授業風景

編集部

ここからは、駒沢学園女子高等学校での3年間の探究学習について伺います。まずは2本柱の1つ、女性の生き方やキャリアを考える「ライフデザイン」について教えてください。

新村先生

女子学校である駒沢学園女子高等学校では、正解のない女性の生き方やキャリアについて自ら考え、複数の選択肢から自分で選び取れる生徒になってほしいという思いでライフデザインの授業を行っています。

ライフデザインでは、「キャリアプラン」「ウィメンズライフ」「コミュニケーションスキル」「マネープラン」「ジェンダー」の5つの分野を取り扱っています

編集部

女性が生きていくうえで重要な要素を満遍なく学ぶことができるのですね。それぞれの分野では、具体的にどのようなことを学べるのですか。

新村先生

1つ目の「キャリアプラン」は、自分の将来を考える活動です。いろいろな職業人の方にインタビューをし、「働くとはどういうことか」をそれぞれがまとめて発表します。2つ目の「ウィメンズライフ」では、女性が自分の体とうまく付き合っていく方法を学びます。

編集部

女性のキャリアや体について、高校生のうちにしっかり学べるのはその後の人生でとても役に立ちそうです。

新村先生

そうですね。3つ目の「コミュニケーションスキル」では、特にアンガーマネジメントについて取り扱います。本校では自分のことだけではなく、相手の希望をよく考えて意見を聞ける姿勢を身につけてほしいと思い、この授業を行っています。

アンガーマネジメントを学ぶことで、自分の思考の癖を見つけることもできます。例えば、自分は物事を白か黒かで判別しないと気が済まない「白黒思考」だ、などと気が付くことができるんです。そうすると、生徒たちが何かに悩んだりときに「私は白黒思考があるから」といった言葉が自然に出てきます。生徒が自分の状態を認識し、相談する際の共通言語が生まれるのは解決に向けた良い傾向ですね。

編集部

アンガーマネジメントが、自分の思考や感情と客観的に向き合うきっかけになっているのですね。4つ目の「マネープラン」についても教えてください。

新村先生

通常学校ではお金に関する実践的な授業はあまり行われていないと思います。しかし、やはり生きていくうえでお金の知識は必要です。そこで例えばマネープラン用の人生ゲームを通じてライフイベントを知り、どのタイミングでどれくらいのお金がかかるのか試算するような活動をしています。

最後に5つの目の「ジェンダー」は、まずは自分の中の性役割の意識に気づく取り組みを行っています。初めに「サイエンティストテスト」という簡単なテストを行うのですが、生徒に「科学者の絵を書いてください」と投げかけると、約8割が男性の科学者の絵を書くんです。「どうして男性を書いたの?」と聞くと、「理由はないけどなんとなく男性のイメージだった」と。そんな簡単な取り組みから、まずは自分の中にあるジェンダーの意識に気づいていきます。

編集部

自分でも気が付かないうちに、性役割の意識を持っていたことがわかるのですね。

新村先生

そうです。ジェンダーの話をしていくうちに、「家で私ばかり家事のお手伝いをするように言われる、弟は言われない。おかしいと思っていたけど、ジェンダーの問題だったんだ」と発言してくれた生徒もいましたね。

また、ジェンダーの分野ではLGBTQの問題も扱います。実際に女性の体で生まれて男性として生活されていらっしゃる方からお話を伺った際には、生徒たちがとても真剣にたくさん質問をしていました。「友達から女性として生きていくか悩んでいると相談されたら、どう答えたら良いですか?」など、自分事として考えていたんです。生徒たちにとって今日的な問題なのだなと実感しましたね。

駒沢学園女子中学・高等学校の図書館で学ぶ生徒の様子

▲女性の体やライフステージなどについて赤裸々に学び合えるのは女子学校ならでは

編集部

ジェンダーに対する生徒たちの関心の高さが伺えますね。

新村先生

そうですね。高校3年生くらいになると、選択的夫婦別姓や男性の育児休暇などのテーマに対して、生徒みんなが積極的に意見を出し合っています。自分の意見をもって発言できるのは、後ほどご紹介する探究学習のもう1つの柱「Komajo Quest(コマジョクエスト)」で養われた、思考力や判断力、表現力の賜物だと感じています。

生きる力を総合的に養う駒沢学園女子高等学校の「Komajo Quest」

駒沢学園女子中学・高等学校のグループ学習の様子

▲探究学習ではクラスメイトとディスカッションをしたり、ディベートする機会も多い

編集部

駒沢学園女子高等学校の探究学習の2本目の柱である、「Komajo Quest」について教えてください。

新村先生

「Komajo Quest」、通称「コマクエ」は、さまざまなプロジェクトを通じて生きるうえで大切な思考力や判断力、表現力、他者と協業して学ぶ態度などを身につける学習です。

私は高校1年生の担任をしていますが、今取り組んでいるのがビブリオバトル*ならぬ「コマリオバトル」です。約3分間で自分の好きな本をみんなの前で発表しているんです。2年生になると、1つのテーマに対して異なる立場で議論するディベートも行います。3年生では、学校の紹介動画を作って発表する活動に取り組んでいます。
*ビブリオバトル:参加者が自分の推薦する本などについてプレゼンテーションをし、討論する輪読会・読書会

編集部

人前で発表したり、議論したり、多くの人に向けてアピールする作品を制作したりする中で、段階的に思考力や表現力が養われていくのですね。

土屋校長

そうですね。多くの生徒が、3年生になる頃には自分の意見をしっかりと伝えられるようになっています。

コマクエのそのほかの活動として、「My Favorite Project」という取り組みも行っています。大学のゼミのように、自分の好きなことや誰にも負けないことを学術的、論理的に調べ上げ、論文のようなプレゼンテーションにまとめます。

近年では、「My Favorite Project」での取り組みを大学の総合選抜の入試に生かしていくケースも増えました。取り組みを通じて自分の進むべき進路を見つける生徒もいますね。

編集部

実際に生徒が取り組んだ「My Favorite Project」のテーマには、どのような内容がありますか。

土屋校長

ディズニーが好きな生徒が、ディズニープリンセスについて調べ上げたことがありました。歴代のプリンセスについて調べるうちに、「近年のプリンセスは昔のプリンセスと異なり、王子様が幸せにしてくれるのを待っているスタイルではない。自分で自分の道を切り開くプリンセスが増えている」と発表してくれた生徒がいるんです。

コマクエのMy Favorite Projectと、ジェンダーなどについて学ぶ「ライフデザイン」での女性教育が融合した学びを得てくれていると実感しましたね。

編集部

自分の好きなことと学びをつなげる姿勢は、御校の建学の精神である「行学一如」に通じますね。

土屋校長

そうですね。その他にも駒沢学園女子高等学校では2024年4月より英語クラスを新設しました。このクラスで新しく行われる「Komajo Quest English」は探究に国際をかけ合わせたもので、世界の課題に目を向け、英語で発信していくプログラムです。中学校のシンガポール修学旅行で得た学びや気づきをそのまま生かし、さらに広い国際課題に取り組める人材の育成につなげたいと考えています。

編集部

日本語のみならず、英語でも課題を追及したり発信したりする力は、これからますます求められる力となりそうですね。駒沢学園女子中学・高等学校の「Komajo Quest」では、将来につながる思考力や表現力を段階的に身につけ、関心や課題意識に沿った探究を深める総合的な学びの場になっていることがわかりました。

坐禅で自己と向き合う「駒沢学園女子中学・高等学校」の感性を育む教育

駒沢学園女子中学・高等学校の坐禅の様子

編集部

続いて、駒沢学園女子中学・高等学校で取り組まれている仏教教育について教えてください。

中村先生

建学の精神である「正念」が坐禅を意味している通り、駒沢学園女子中学・高等学校では朝と下校前の椅子坐禅「正念」を大切にしています。姿勢を正して目を閉じ、内観することで、自分自身を見つめることができます。また、週に1回仏教の授業があるのですが、1学期に数回は実際に座って坐禅を組んだり、全体坐禅に取り組むこともあります。

坐禅は、決して自己の内に引きこもることではありません。自分自身を見つめるからこそ、最終的に世界へと視野が広がっていきます

編集部

仏教の授業では、どのようなことを学ぶのでしょうか。

中村先生

仏教の授業では、絵本や詩を通して「自分とは何か」を学び、唯一無二の自己と向き合います。同時に、自分の生活は他者のおかげで成り立っていることも学んでいきます。

人間は、わがままや自分勝手が暴走してしまう心を持った生き物です。自身の身勝手な心を認識して手放すことで、自然や家族、友達など、ありとあらゆる繋がりによって自分が支えられていることを知ります。同時に、自分も他者の支えになっていることに気づきます。

仏教の教えが他者への感謝や自己の確立につながり、生徒たちの感性を育んでいると感じていますね。

編集部

繰り返し坐禅に取り組むことで、自他に対する認識や想いを深めていくのですね。その他、日常的に行っている仏教教育はありますか。

中村先生

毎週1回、お弁当を持参して担任とクラスのみんなでただ黙って食事をする「会食」の時間を設けています。普段の食事ではほとんど無意識に「いただきます」と手を合わせますが、何に対して「いただきます」なのか毎週の会食で向き合います。

命を頂いているという事実に対し、中学生では「かわいそうだから命を頂かない」と考える生徒もいます。しかし、それでは自分自身が生きていけませんよね。だからこそ命を頂くことへ感謝して生かしていくことが大事だと伝えています。知識として勉強するだけではなく、会食の機会を通じて気づきを血肉としていくことが大切です。

私は駒沢学園の卒業生ですが、会食の機会がなければ命を頂くことに対するここまでの深い考えを得ることはなかったと思いますね。

編集部

会食を通じて、毎日当たり前に行っている食事のありがたさに気づくことができますね。

中村先生

はい。その他にも、高校1年生での永平寺参拝研修で福井県を訪れます。現在はスマートフォンが手放せない、利便性ばかりを追求してしまう時代ですが、携帯もない環境で体を動かしていきます。雲水さん(禅寺の修行僧)の生活を間近で見ながら、食事や掃除などの作務(さむ)にも取り組みます。

永平寺参拝研修も、自分とは何かと向き合い、自分は1人ではないと感じる1つのきっかけになっていると感じますね。

編集部

日常から離れた環境だからこそ、改めて自分自身を見つめ直すことができそうです。仏教教育を通じて、生徒たちにはどのような変化が見られますか。

中村先生

例えば会食後に生徒に感想を聞くと、食べ物だけでなく自然や親、友人、先生に対する感謝の言葉を口にしてくれることがあります。また、仏教の学びを通じて「今まで他人と自分を比べてばかりだったけど、今は過去の自分と今の自分を比べるようになった。自信が持てた」と話してくれる生徒もいますね。

また、仏教教育で生と死に向き合うことで、駒沢女子大学の看護学科に進む生徒も多数います。仏教を通じた学びが、生徒たちの進路選択にも繋がっていますね。

編集部

駒沢学園女子中学・高等学校の仏教教育が、自己の確立や他者への思いやりだけでなく、グローバルな視点や身の回りのあらゆるものへの感謝、将来の進路などにもつながる根幹になっていることがわかりました。

駒沢学園女子中学・高等学校の弓道部の練習風景

▲厳かな雰囲気の中、凛とした表情で的を狙う弓道部

東京ドーム4つ分の敷地面積!自然豊かで穏やかな駒沢学園女子中学・高等学校

駒沢学園女子中学・高等学校の体育祭の様子

▲生徒たちが自主的に企画し、鳥瞰的な視点で美しく構成された応援団の演技は圧巻

編集部

中村先生は駒沢学園の卒業生でいらっしゃいますが、先生が在学中の頃から今も変わらない駒沢学園女子中学・高等学校の良さは何だと思われますか。

中村先生

駒沢学園女子中学・高等学校は、東京都内にありながら東京ドーム4つ分の広大な敷地面積を誇ります。本当に緑が豊かで、季節の美しい花々を楽しめます。今はちょうどアジサイが綺麗に咲いているんですよ(2024年6月取材時点)。秋には金木犀の香りが漂って、四季の移り変わりを日常的に感じることができます。

編集部

美しい緑や花々からも、自然への感謝の気持ちが育まれそうですね。

中村先生

そうですね。それから白を基調にした教室の床は天然木でできており、木のぬくもりを感じます。廊下は全面ガラス張りなので、日差しがたくさん入り込んで温かい光に囲まれた毎日を過ごせます。やはり環境が人に与える影響は大きいので、感性を育む教育に適した環境だと思いますね。

編集部

実際に駒沢学園女子中学・高等学校にはどのような生徒が多いのでしょうか。

中村先生

実際に本校の生徒たちは、穏やかで他の人の気持ちを察したり、他者のために動くことのできる生徒ばかりです。本校の恵まれた環境が、生徒たちの穏やかさに起因するのではないかと思っています。

また、私が学生の頃も今も変わらない本校の良さとして、先生たちの穏やかさも挙げられます。土屋校長は実は私が学生の頃の担任の先生だったのですが、今も昔も校長先生のように本当ににこやかな先生ばかりです。穏やかな雰囲気は、駒沢学園女子中学・高等学校の魅力ですね。

編集部

自然豊かな環境の中で、生徒たちがのびのびと成長されている様子が伝わります。学校行事での生徒の様子はいかがでしょうか。

中村先生

先日体育祭が行われたのですが、各競技や応援団などで生徒が自主性を発揮してくれたと感じています。応援団の演技は、鳥瞰的な視点から構成された素晴らしいものでした。ソーラン節を取り入れたり、テーマに合った歌を選曲したりと、普段の生活で身につけた思考力や行動力が生かされていると感心しましたね。

土屋校長

体育祭を見ると、年々生徒の力がついてきていると実感します。以前は教員が考えて指導することが多かったのですが、近年では生徒自ら考えて取り組んでくれています。その結果、2024年度のアンケートでは体育祭の満足度が96%に上りました。体育の苦手な生徒もいる中で96%の生徒が体育祭に満足したのは、やはり自分たちで考えて取り組んだという達成感があるからだと感じます。

編集部

穏やかな学校生活と自主性が発揮される学校行事で、生徒たちが生きいきと活躍されている様子が伝わりました。

駒沢学園女子中学・高等学校からのメッセージ

駒沢学園女子中学・高等学校の先生方

▲お話を伺った校長の土屋先生(中)、新村先生(左)、中村先生(右)

編集部

最後に、駒沢学園女子中学・高等学校に関心のある小学生や保護者のみなさまへメッセージをお願いします。

土屋校長

駒沢学園女子中学・高等学校は、建学の精神に掲げる「正念・行学一如」を根幹に、心の教育を大切にしています。同時に近年ではグローバル教育や探究学習など、時代に合わせた教育改革にも注力しています。新しい取り組みもたくさんスタートし、これからますます伸びしろのある学校だと思っています。ぜひ、当校の3年後、5年後に期待していただきたいですね。

新村先生

学校選びを検討されている方の中には、女子学校であることに苦手意識を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、女子だけだからこそできること、考えられることも実はたくさんあります。女性の生き方を赤裸々に考えて意見を言い合えたり、体育祭では力仕事もしっかり取り組んだりするのは、女子学校ならではです。女性としての生き方としっかり向き合える環境です。

中村先生

私からは、保護者とお子様に「主人公」という言葉を贈りたいと思います。「主人公」はもともと禅語で、「本当の自己」を意味します。

例えば受験勉強は点数で決まる厳しい側面があるため、うまくいかないこともあるかもしれません。いろいろな出来事に一喜一憂すると思うのですが、どんなときでも自分自身が「主人公」です。目先では良くなかったと感じることも、振り返れば「この学校に行って良かった」などと思えることもあります。ぜひ、今できることにベストを尽くしてほしいと思います。

編集部

今回の取材を通じて、駒沢学園女子中学・高等学校の一貫した「正念・行学一如」の理念が、生徒たちの自己の確立や他者への感謝、個人の探究やグローバル課題への意識など、あらゆる面で生徒たちの心を育んでいることがわかりました。ありがとうございました!

駒沢学園女子中学・高等学校の進学実績

駒沢学園女子中学・高等学校の校長先生と生徒たちが談笑する様子

駒沢学園女子中学・高等学校は、駒沢女子大学を中心に75.3%の学生が大学に進学しています(2023年度卒業生)。進学先の学部は看護・医療系、社会科学系、人文学科系、建築・理工・情報系などさまざまで、生徒一人ひとりが自分の描く進路に向けた学部選択をしていることがわかります。

また、2025年スタート予定の駒沢女子大学共創文化学部の合格を確保したまま他大学へチャレンジできる制度があり、生徒が積極的に進路選択できる環境にあるのも特徴です。

公式:駒沢学園女子中学・高等学校「進路実績」

駒沢学園女子中学・高等学校の卒業生・保護者・在校生の口コミ

駒沢学園女子中学・高等学校の入り口の様子

最後に、駒沢学園女子中学・高等学校の卒業生・保護者・在学生の口コミをご紹介します。

(卒業生)山の上にある学校なのでのんびりした空気が流れていて平和に3年間を過ごせました。自分のペースで部活も勉強もできる環境だったと思います。

(保護者)学校の雰囲気は、穏やかでほんわかした感じです。先生たちが、いつも生徒たちが楽しく充実した学校生活を送れるように尽力してくださっていることを日々感じます。仏教校で坐禅をして自分と向き合います。宗教的な抵抗はあまりないと思います。

(在校生)「こまじょ」の魅力は何と言っても優しくて、面白くて、私たち生徒のことをいつも一番に考えてくださっている先生方です。勉強で分からないところがあって、職員室に聞きに行くと「待ってました!」というような明るい笑顔で、分かるまで教えてくださるんですよ!クラスメイトは男子がいない分いい意味で自由奔放で、あっけらかんとしています。趣味もこれが好き!と堂々と言える雰囲気です。

駒沢学園女子中学・高等学校の穏やかな生活環境や、教師・友人との良好な人間関係に対する満足の声が多く聞かれました。

駒沢学園女子中学・高等学校へのお問い合わせ

運営 駒沢学園女子中学・高等学校
住所 東京都稲城市坂浜238番地
電話番号 042-350-7123
公式ページ https://www.komajo.ac.jp/jsh/

※詳しくは公式ページでご確認ください。