バカロレア認定校「加藤学園暁秀中学校・高等学校」のバイリンガルコースの特色とは|中高一貫校

この記事では、特色ある教育に取り組む注目の学校として、静岡県沼津市にある私立・共学の中高一貫校「加藤学園暁秀中学校・高等学校」をご紹介します。

同校は、国際的な大学入学資格を得られる教育プログラム「国際バカロレア」の認定校として20年以上の実績を持ち、「バイリンガルコース」では英語イマ―ジョンで国際バカロレアのプログラムに基づいたカリキュラムを実施し、グローバル教育を行っています。

今回は、そんな加藤学園暁秀中学校・高等学校の教育の魅力について、副校長の渡邉先生と、バイリンガルコース部長のウェンドフェルト先生にお話を伺いました!

豊かな人間性を持ち国際社会で活躍する人を育てる加藤学園暁秀中学校・高等学校

加藤学園暁秀中学校・高等学校の生徒が授業を受けるようす

編集部

はじめに、加藤学園暁秀中学校・高等学校の教育理念についてお聞かせください。

渡邉先生

本校では「至誠・創造・奉仕」という校訓のもと、豊かな人間性を持ち、地域社会や国際社会で活躍できる人の育成を行っています。

また、1982年の開校時から「地域のNo.1の進学を目指す」という目標を掲げており、そのための柱として「人間教育」、「大学進学教育」、「国際理解教育」を大切にしています。

編集部

加藤学園暁秀中学校・高等学校は国内でいち早く国際バカロレアの認定を受けたことでも知られていますね。

渡邉先生

本校は2000年、一条校(※)としては日本で初めて国際バカロレア認定校となりました。
(※)学校教育法第1条に規定される小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、養護学校などで、いわゆる一般的に「学校」と称される教育施設のこと。

バカロレアのプログラムを導入するバイリンガルコースでは、英語による授業や分析的思考、創造性、自己表現力を育む教育を行っています。

国際バカロレア方式を取り入れた「バイリンガルコース」の特色

加藤学園暁秀中学校・高等学校の生徒が授業を受けるようす

編集部

バイリンガルコースの特色について、詳しく教えてください。

ウェンドフェルト先生

バイリンガルコースでは、「多様な文化と言語が共存する世界を実現する担い手として、聡明で温かい心を持った行動力のある人」を育成することをミッションとしています。

本校は文部科学省の一条校なので学習指導要領に従った指導を基本としながら、バイリンガルコースではすべてのカリキュラムを国際バカロレア方式で行っています。中学1年から高校1年までは中等教育のMYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)、高校2年からは大学進学準備教育のDP (ディプロマ・プログラム)を実施しています。

また、英語を母国語とする外国人教師が英語で授業を行う「英語イマージョン教育」を取り入れており、中学校のバイリンガルコースでは45〜50%、高校では国語と体育を除く全ての授業を英語で行っています。

編集部

入学当初から英語で授業を受けることに生徒さんは抵抗がないのでしょうか?

ウェンドフェルト先生

本校では1991年から系列の小学校で英語イマージョン教育を取り入れています。そのため、彼らが中学校に上がる頃には英語での授業に抵抗なく取り組めるようになっています。

系列ではない小学校から進学する生徒も、高い英語力を持っているケースがほとんどです。

中学1年生からリサーチと分析、プレゼンに挑む

加藤学園暁秀中学校・高等学校の生徒が授業を受けるようす

編集部

バイリンガルコースの具体的な授業内容についてもご紹介いただけますか?

ウェンドフェルト先生

授業では、「知識」、「リサーチと分析」、プレゼンテーションなどの「コミュニケーション」、そして「振り返り」を意識しています。

例えば中学1年生の地理の授業では、ほかの学校と同じように世界地図を見ながら緯度や経度、国名や気候といった知識を学びますが、それだけではありません。

生徒に世界地図の白地図が渡されます。国境線がどこなのかを考えさせ、地図によって国境線がそれぞれ違う場所に引かれていることに気づかせ、「なぜ国境線が異なるのか」とか「国境は誰が決めるのか」といった疑問が出てきたところで、リサーチや分析を行います。そして、その結果をみんなの前でプレゼンします。

編集部

1年生の時からレベルの高い課題に取り組んでいるのですね。

ウェンドフェルト先生

1年生だと、リサーチと言われても具体的に何をしたら良いのか分からない生徒もいるので、「このサイトに行くとこのような情報を入手できる」といったところから丁寧に教えています。

また、課題に取り組む目的を明確にするため、例えば課題によっては、4つの規準のうちの「知識」、「リサーチと分析」、「コミュニケーション」の3つの規準で評価するといったことを生徒に伝え、「ここまでできたらこの点数になる」という目安となるルーブリックも渡します。

編集部

授業の様子について、ウェンドフェルト先生はどのような感想をお持ちですか?

ウェンドフェルト先生

生徒は、大人がハッとするような疑問や視点を提示することもありますし、領土問題や国際関係、国際平和などに対する考えを深め、視野を広げていると感じますね。

高校3年時に受けるバカロレア最終試験では、知識を問うだけでなく、サイエンスの定理などを自分の言葉で表現し直す問題や論文もあります。そのため、中学1年生の時からこのような授業を行うことは大切だと考えています。

また、評価規準を明確にして生徒に示すことは、自分に足りない点を把握し、「目標に到達するように頑張ろう」という前向きな姿勢につながっていると感じます。

情報を鵜呑みにせず、自分の考えを持つ力をつける

加藤学園暁秀中学校・高等学校の生徒らがカナダで記念撮影するようす

▲カナダやイギリス、オーストラリアなど、海外研修や留学プログラムも充実。

編集部

バイリンガルコースでは、あらゆる科目でリサーチやコミュニケーションを意識した授業を行っているのでしょうか?

ウェンドフェルト先生

はい。体育の授業であっても、バスケットボールなら「なぜボールを籠に入れるようになったのか」とか、バスケのルールはどのようにしてできたのかを調べますし、剣道ならフェンシングと比較しながら日本の武士道と西洋の騎士道の違いを調べます。

編集部

そのような教育は生徒さんの成長にどのように役立っているとお感じですか?

ウェンドフェルト先生

今は情報が溢れる時代ですが、人から聞いた話や「世の中の常識」と言われていること、ネットやテレビの報道を鵜呑みにするのではなく、情報と向き合い、信頼できるリソースとそうでないものを精査し、自分の考えをまとめる力につながっていると感じます。

また、考え方やものの見方はさまざまだということに気づき、自分と異なる考えを受け入れたり取り入れたりすることができるようになります。

モンゴルに移動図書館を設置!奉仕活動にも積極的

加藤学園暁秀中学校・高等学校の生徒がクラスメイトと一緒に課題に取り組むようす

編集部

加藤学園暁秀中学校・高等学校では奉仕活動も重視していると伺いました。

ウェンドフェルト先生

学校で学んだことを実社会で活かすことや、コミュニティとの前向きな関わり方を考えるため、奉仕活動を積極的に行っています。

バイリンガルコースの中学生は国際バカロレアのプログラムに基づいたSAやCPという奉仕活動を行っており、地域の小学生や中学生に英語を教える活動や、幼稚園を訪問して子どもたちと一緒に遊んだり読み聞かせする活動のほか、モンゴルの遊牧民の子どもたちのための移動図書館を作ろうというプロジェクトを立ち上げ募金や絵本の寄附を行ったこともあります。

高校では、IBの「クリエイティビティ・アクション・サービス(CAS:創造性・活動・奉仕)」というプログラムもあり、学校行事の実行委員長や海外校との交流イベント企画、海外の病院実習などの取り組みを行っています。

編集部

奉仕活動の内容は生徒さんが自分で考えるのでしょうか?

ウェンドフェルト先生

はい。初めは先輩の奉仕活動のサポートからスタートし、中学3年生くらいになると自分で企画するようになります。

また、近年は個人の奉仕活動のほかに中学1年から高校1年までの縦割りグループでの奉仕も行っており、みんなでアイディアを出し合いながら企画や実現に向けた企画書を作り実践しています。

地域の子どもに英語を教えるような活動の場合、会場を借りて行うこともあるのですが、自治体の補助金を利用して会場費用に充てるなど、実施費用の捻出方法まで生徒が主体的に考えています。

編集部

かかる費用なども考えながら計画を立てる経験は、社会に出てからも役に立ちそうですね。

加藤学園暁秀中学校・高等学校からのメッセージ

加藤学園暁秀中学校・高等学校の副校長の渡邉先生とウェンドフェルト先生がオンラインインタビューを受けるようす

▲取材に応じていただいた副校長の渡邉先生(右)とウェンドフェルト先生(左)

編集部

最後に、記事をご覧のお子さんや保護者の方にメッセージをお願いします。

渡邉先生

本校は小規模な学校だからこそ生徒にしっかりと寄り添った教育が可能です。さまざまなことを学んでみたい、チャレンジしてみたいという好奇心をお持ちのお子さまには本校の環境が合うと思います。

バイリンガルコースでは、英語力だけでなくグローバル感覚も養う教育を行っており、海外の大学に進学するチャンスもあります。海外で学ぶ卒業生と久しぶりに会って会話すると、「海外に出てから、日本のことを以前より考えるようになった」と言う子が多いんです。海外に出たからこそグローバルな視点で日本を客観視し、日本人としてのアイデンティティについて考えることができるようになるのだと思います。

今は動画サイトで勉強法まで教えてくれる時代です。だからこそ、今の学校には「どのような学びの場を提供できるか」という基本的な部分が問われていると思います。本校は、偏差値や大学進学実績だけでなく、「この学校だからこそ学べる」という特色ある教育を行っていますので、ご興味をお持ちいただけましたらお気軽にお問い合わせください。

編集部

本日は、ありがとうございました!

加藤学園暁秀中学校・高等学校の進学実績

加藤学園暁秀中学校・高等学校の校舎外観

加藤学園暁秀中学校・高等学校では卒業生のほぼ全員が進学しており、難関国立大や難関私立大への合格者数は静岡県内の私立校でナンバーワンの実績を誇ります。

2024年度大学入試では、早稲田大学に9名、慶應義塾大学に2名、上智大学に4名など、MARCH以上の難関私立に92名が合格したほか、東京工業大学や東北大学を含む難関国公立に6名が合格しました。また、医学部医学科へも8名が合格しています。

海外大学ではイギリスのエジンバラ大学やマンチェスター大学、メルボルン大学、オーストラリア国立大学などに合格者を出しています。

近年の大学合格実績(加藤学園暁秀中学校・高等学校の公式サイト)

http://www.katoh-net.ac.jp/GyoshuHS/HS/index.php

加藤学園暁秀中学校・高等学校の保護者や在校生の口コミ

加藤学園暁秀中学校・高等学校の吹奏楽部が生徒の前で演奏するようす

▲約7割の生徒が部活動に所属。進学を目指しながら学校生活を謳歌している。

最後に、加藤学園暁秀中学校・高等学校の保護者や在校生の声を紹介します。

(保護者)先生は学習意欲のある生徒にしっかり向き合ってくれます。分からない問題があれば、休み時間や放課後に熱心に教えてくれます。

(保護者)外国人の先生がたくさんいるほか、中国語を学ぶ部活もあり、学校ではさまざまな外国語が飛び交っています。グローバルな環境で学べると思います。

(保護者)先生方が生徒にしっかり目を向け、いつも気にしてくれるので保護者としては安心です。

(在校生)バイリンガルコースの一番の特徴は、英語で国際バカロレアの授業を進めることで、多様な視点から考える力が身に付くことです。

(在校生)些細なことでも困った時は、同級生や先生が親身に相談に乗り支えてくれます。

口コミからは、教員と生徒の距離が近く、小規模校のメリットを活かしたきめ細かな指導が行われていることがうかがえました。

※在校生の声は、加藤学園暁秀中学校・高等学校のデジタルパンフレットから一部抜粋しました。
http://www.katoh-net.ac.jp/GyoshuHS/pdf/GyoshuHS2023.pdf

加藤学園暁秀中学校・高等学校へのお問い合わせ

運営 学校法人加藤学園
住所 静岡県沼津市岡宮字中見代1361-1
電話番号 055-924-1900
公式ページ http://www.katoh-net.ac.jp/GyoshuHS/

※詳しくは公式ページでご確認ください