千葉大学教育学部附属中学校が実施する探究学習「附中探Q記」の社会につながる学び

ぽてん読者の皆さまに、特色ある教育プログラムで注目を集める学校を紹介するこの企画。今回紹介するのは、千葉県千葉市にある国立共学校「千葉大学教育学部附属中学校」です。

千葉大学教育学部附属中学校は、千葉大学西千葉キャンパス内にある国立の中学校です。大学のゼミの形式を模した探究学習や、個人の関心を深める自主探究などが特徴の「附中探Q記(たんきゅうき)」に力を入れています。

また、グローバル教育の専門部署を設け、継続的な国際交流を続けるなど、世界で活躍できる人材の育成も強化しています。

今回は、千葉大学教育学部附属中学校の教育目標や、個人の探究を社会につなげる独自の探究学習、特徴的なグローバル教育について、副校長の安藤先生、探究主任の河西先生、グローバル教育主任の川名先生にお話を伺いました。

「自己理解」「自己決定」「自己実現」を重んじる千葉大学教育学部附属中学校の教育目標

千葉大学教育学部附属中学校を訪問したラオス、台湾の学生との交流の様子

編集部

はじめに、千葉大学教育学部附属中学校の教育目標について教えてください。

安藤副校長

国立中学校である千葉大学教育学部附属中学校では、教育基本法および学校教育法に掲げられているものを目ざしつつ、とりわけ、「自己理解の上に、自らの行動を自己決定し、自己実現しうる主体的人間を形成する」という、「自己理解」「自己決定」「自己実現」をそのまま学校教育目標としています。

「自己実現」はとても抽象的な言葉であり、中学校の3年間で成し遂げられるものではありません。ただ、「なりたい自分になる」ことを目標とし、卒業後も生涯に渡って自分の理想を追い求める人間を育成したいと考えています。

千葉大学教育学部附属中学校の教育目標を掲げた額

▲教育目標である「自己理解」「自己決定」「自己実現」の言葉が校内に掲げられている

編集部

自ら考えて行動し、自分のありたい姿を追求する生徒を育成されているのですね。

安藤副校長

はい。生徒たちに教育目標を尋ねると全員が回答できるくらい、「自己理解」「自己決定」「自己実現」の言葉が定着し、本校の風土になっています。我々教員がトップダウンで生徒たちに教え込んだり、朝の会等で唱えたりするのではなく、学校のさまざまなシーンでこれら3つの言葉を引き合いに出すことにより、生徒たちに教育目標が浸透していると感じます。

編集部

教育目標が自然と浸透するように、先生たちへの指導などで注意されていることはありますか。

安藤副校長

生徒が自分で判断できるように、教員は「待つ」姿勢を大切にしています。生徒が自分で何かを決定しようとすると、時間がかかったり、手間がかかったりする場合があります。そんなとき教員側が意思決定を急がせることなく、我慢して待つことが大事だと考えています。

また、生徒が自分で判断して決定したことに対し、できるだけ成功体験につなげてほしいと願っています。環境を整えることで生徒たちが自然と行動できるよう、教員がファシリテーターの役割を務めることを心がけていますね。

編集部

教員側が指導して生徒に成功体験を積むのではなく、生徒自身が行動して満足できる結果を得られるようなサポートをされているのですね。学校行事などでも、生徒が主体的に動くことを大切にされているのでしょうか。

安藤副校長

はい。千葉大学教育学部附属中学校では、運動会、文化祭、3年生を送る会の3つを生徒会行事に位置付けています。あくまでも生徒会が主催であり、教員が前に出て指導することはありません。生徒会の執行部を中心に、運動会は体育委員会、文化祭や3年生を送る会は学芸委員会がメイン担当となり、全校の前に出て行事を進めています。

編集部

千葉大学教育学部附属中学校では、生徒が自分で考えて行動し、自分のなりたい姿を実現するために、教員の皆さまが縁の下の力持ちとしてサポートする姿勢を大切にされていることがわかりました。

大学のゼミ形式と個人の自主探究で深まる探究学習「附中探Q記」

千葉大学教育学部附属中学校探究主任の河西先生

▲お話を伺った探究主任の河西先生

編集部

ここからは、千葉大学教育学部附属中学校が注力されている探究学習についてお伺いします。御校ならではの特徴的な取り組みはありますか。

河西先生

千葉大学教育学部附属中学校では、総合的な学習の一環として「附中探Q記(ふちゅうたんきゅうき)」という探究的な学習を実施しています。

「附中探Q記」には2つの形式があります。1つは教員の専門分野や関心に合わせ、大学のゼミのように探究テーマを提供して学ぶスタイルです。2つ目は、生徒が自分の関心に合わせてテーマを設定し、自分の力で追究していく自主探究です。

探究の形式は2つありますが目指すものは共通しています。「附中探Q記」の目標は、「自分たちの外にある世界に関わる探究をしよう」です。ただ自分の好きなことを調べるのではなく、自分の探究内容を生かして世界とどう関わっていくのかを考え、世界の中から問いを見つけようと話しています。世界との関わりや課題解決などを意識している点が、普通の調べ学習とは異なるポイントだと思いますね。

編集部

自分の関心と、世界との接点を意識した探究学習を行っていらっしゃるのですね。1つ目のゼミ形式では、具体的にどのようなテーマが扱われているのでしょうか。

河西先生

ゼミの種類は多種多様で、今年は法律関係やアウトドア関係、睡眠やエネルギー、本校の歴史など幅広いテーマを取り扱っています(2024年7月取材時点)。生徒は自分の興味に合わせて、自分が参加するゼミを選択します。

私が開講したゼミでは、スーパー戦隊をテーマにしたことがあります。時代の変遷とともにヒーローにどんな変化があるか、敵キャラの設定などを扱い、生徒たちもとても興味を持ってくれました。それから、テレビゲームによって伸びる能力について扱ったこともあるのですが、生徒たちが授業参観に来た保護者に対し、「ゲームにはこのようなメリットがあるからやらせてほしい」と提案したこともありましたね。

編集部

アカデミックな内容から自分たちの生活に身近なテーマなど、いろいろなゼミがあるのですね。

河西先生

はい。その他にも、数学に特化した生徒が自分なりの数学理論を作ろうと取り組んだり、徳島出身の生徒がゆるキャラ「すだちくん」を広めるために全国のゆるキャラを比較したりしたこともあります。

編集部

ゼミのテーマをベースに、生徒がさらに自分の関心に合わせて学びを深めていることがわかります。

「附中探Q記」の自主探究では、段階を踏んだ学びで生徒が成長していく

編集部

もう1つの形式である自主探究では、どのようなテーマを扱う生徒がいますか。

河西先生

生徒の関心に合わせてテーマを決めるので、本当にいろんな内容があります。近年で特に面白いなと思ったのは、音楽が人に与える影響を論文から調べ、与えたいイメージと適した楽曲の特徴を調べた自主探究です。

その他にもミュージカルの筋書きを調べ上げ、日常生活でミュージカルに派生できるシーンを考えた生徒もいました。「普段の生活の中で、このタイミングでこんなミュージカルに発展させられます」といった内容を考えて、実演してくれたんです。

編集部

自分の興味を生かしつつ、ただ楽しむだけではなくて、他者や生活への影響を踏まえた探究内容になっているのですね。

河西先生

はい。自主学習に取り組む3年生に、探究と調べ学習の違いは何か尋ねてみたのですが、その生徒は2つのポイントを挙げてくれました。

1つは、自分で問いを立て、自分で探究課題を立てること。教員から与えられた内容を調べる学習とは大きく異なると答えてくれました。2つ目のポイントが、最終的なゴールとして提案性や社会に向けた発信、働きかけができる内容であることでした。当校の教育目標や、「自分たちの外にある世界に関わる探究をしよう」という想いをしっかり汲み取ってくれていると感じましたね。

編集部

具体的に、探究学習の結果として社会への提案などを実施したテーマもありますか。

河西先生

はい。例えば、起立性調節障害の子どもへの支援を文部科学省に提言した少人数のゼミがありました。プランを作って文部科学省の調査官の方に提案に行き、新聞でも取り上げていただきました。その他にも、学校近隣にある西千葉公園の効果的な使い方を考え、千葉市に直接提案した事例もあります。

編集部

生徒が自身のテーマを見つけ、探究して提言に至るまでには、どのようなステップがあるのでしょうか。

河西先生

すべてのゼミで、1年間の探究活動を「観る」「知る」「探る」「作る」の4ステップで構成しています。

1つ目の「観る」は、課題の設定です。所属するゼミの大きなテーマから何を課題として設定するかを考えます。そのうえで幅広く情報を収集する「知る」の段階があり、手に入れた情報を取捨選択し、整理・分解して整える「探る」の段階に入ります。最後が、学びを表現して社会参画する、自己実現する「作る」のステップです。

編集部

4つのステップを経て、生徒の関心から始まる探究学習が提案性のある発表にまでつながっていくのですね。4つのステップで1年を構成する以外にも、御校の探究学習で気を付けていらっしゃることはありますか。

河西先生

探究学習の際には、各自が振り返りノートを書くようにしています。最近はスプレッドシートで入力することが多いのですが、その日に考えたことや次回取り組みたいことなどを記録していくんです。

振り返りノートを参考に、教員とやり取りしながら生徒一人ひとりにとって必要なサポートを考えます。例えば、全体の見通しを立てるのが苦手な生徒には今後の道筋について一緒に話したり、少し自己中心的な解釈になっている生徒には別の視点を提示したりと、それぞれに合わせたサポートにつながっています。

編集部

生徒自身の気づきになるだけでなく、先生が必要なサポートを探る手掛かりにもなっているのですね。

河西先生

はい。その他の取り組みとして、同じゼミの中で中間報告会をし、仲間の意見やアドバイスを聞く機会を設けています。

探究学習を通じて何か1個の特徴的な能力が伸びるというより、課題を見出す力や情報収集の方法、見通しを持って調べる力、活動を進めていく力、わかりやすくまとめて表現する力など、さまざまな力が身についていると感じますね。

企業や公的施設を訪問。生きた経験を得る「校外学習」

民音文化センターで校外学習に取り組む千葉大学教育学部附属中学校の生徒たち

▲東京都新宿区の民音文化センターにて校外学習に取り組む生徒たち

編集部

千葉大学教育学部附属中学校の探究学習は社会との関わりを重視されていますが、学外に出て活動する機会もあるのでしょうか。

河西先生

はい、毎年9月に「校外学習」を行っています。ゼミごとにテーマに合った訪問先を設定するのですが、例年約20か所ほど訪れています。地域の公園や動物園、美術館、一般企業など、訪問先はさまざまです。文部科学省など普段訪れる機会の少ない公的機関を訪問するゼミもあり、生徒たちにとって貴重な学習の機会になっています。

編集部

安藤副校長、河西先生が担当されたゼミでは、どのような場所を訪問されましたか。

安藤副校長

私は数学科教員ですが体を鍛えるのが好きで、トレーニングをテーマにしたゼミを2年間ほど担当しました。その際はトレーナーを養成する専門学校である首都医校様を訪問し、講師の方のレクチャーを受けさせていただきました。学外訪問とは別に、フィットネスクラブのゴールドジム様のインストラクターの方をお招きして、指導していただいたこともあります。

河西先生

私が戦隊ヒーローやゲームを扱ったゼミでは、ゲームソフトウェアメーカーの株式会社カプコン様を訪問させていただきました。また家電のゼミでは株式会社東芝様のショールームを訪れたこともあります。最新技術や家電製品の歴史にふれ、生徒たちは積極的にスタッフの方に質問をしていましたね。

編集部

ゼミのテーマに合わせて様々な施設を訪問されているのですね。校外学習に参加した生徒たちの様子はいかがでしょうか。

河西先生

自分が興味のあるテーマに合わせた訪問先ですから、生徒たちは本当に楽しそうです。普段企業の方などと交流する機会は多くないと思いますが、校外学習の際にはみんなとても積極的に質問をしています。

今の子どもたちはインターネットを使って簡単に調べものができますが、やはり現場の人の話を聞く、実物に触れる機会はとても重要です。インターネット検索だけでは得られない「生きた経験」は、子どもたちが説得力を持ってテーマを語るきっかけになりますし、更に調べ学習するうえでの動機づけにもなっていると感じます。

編集部

簡単に情報にアクセスできる時代だからこそ、校外学習での経験が生徒のより深い理解や興味を促す機会になっているのですね。

1年の成果を披露する集大成。保護者も参加する「探究発表会」

千葉大学教育学部附属中学校の探究発表会の様子

▲探究発表会で全校生徒の前で学習成果をプレゼンテーションする生徒

編集部

千葉大学教育学部附属中学校では精力的に「附中探Q記」に取り組まれていますが、最終的に探究内容を発表する機会もあるのでしょうか。

河西先生

はい、毎年11月末の土曜日に1日かけて「探究発表会」を実施しています。1年間の「附中探Q記」での集大成を、スライドやポスターなどにまとめて発表します。校内の約20か所で同時並行して生徒の発表が行われ、他の生徒や保護者などが自由に興味のある発表を聞くことができます

編集部

校内のあちこちで生徒たちの探究学習に触れられる、一大イベントですね。

河西先生

はい。生徒たちは1人7〜8分かけてしっかり発表します。発表方法もさまざまで、プレゼンテーション形式やパネルディスカッション形式、文章など、生徒の特性やテーマに合わせて効果的な方法を考えてもらっています。「伝える力」が養われていると感じますね。

編集部

探究発表会に参加される生徒の様子はいかがですか。

河西先生

発表会当日は、とてもやる気に満ちていますね。ステージの上で全校生徒に向けて発表を行う生徒もおり、この発表に学校生活を懸けるくらいの意気込みで臨んでいる生徒もいます。

各発表を聞いた他の生徒や保護者は、感想を書いて発表者にフィードバックする仕組みになっています。発表後に集まったフィードバックを読むことで、自分の活動を振り返り、聴衆にどのように受け止められたのかを知る機会になっていますね。

編集部

探究発表会に参加された保護者の方からの反応はいかがですか。

河西先生

複数の発表を聞いてくださる保護者も多く、発表後に生徒に直接話しかけてくださる方もいます。フィードバックには「具体例があるとなお良い」「もっと提案性がほしい」など、率直なコメントをくだっています。生徒たちにとって大人から意見やアドバイスをもらえるのはとても嬉しいようで、客観的な学びを得られる機会になっていますね。

編集部

探究発表会は生徒たちの1年間の探究学習をまとめる集大成の場であり、今後さらに学びを深めるためのきっかけになっているのですね。「附中探Q記」で自分の関心を突き詰める過程で、生徒たちが探究心や調べる力、発表する力など、多様な力を身につけていることがわかりました。

グローバル教育の専門部署を設け、継続的な国際教育を実践する千葉大学教育学部附属中学校

千葉大学教育学部附属中学校を訪問したラオスの学校関係者との交流の様子

▲学校を訪問したラオスと台湾の学生たちとの交流の様子。けん玉などを使って遊びながら交流を深めた

編集部

千葉大学教育学部附属中学校が注力されているグローバル教育の特徴について、教えてください。

川名先生

千葉大学教育学部の附属中学校である本校は、千葉大学のグローバル教育戦略の推進を受けて近年特に国際的な学習に力を入れています。千葉大学では留学を卒業条件の1つにするなど、世界で戦える人材の育成に力を入れているんです。

本校では、英語科の教員などが単発の国際交流イベントを行うのでなく、グローバル教育の専門部署を設けて継続的に取り組んでいるのが特徴です。

編集部

千葉大学教育学部附属中学校では学校を挙げてグローバル教育に注力されているのですね。具体的にどのような取り組みを実践されていますか。

川名先生

特徴的な取り組みの1つに、オーストラリアの学校とのオンライン交流があります。単発の交流会ではなく、選択の授業という枠組みの中で2年生が継続して毎週交流できる仕組みになっています。

編集部

一度きりではなく毎週交流することで、生徒同士の関係性を深められそうですね。実際にオーストラリアの生徒とはどのような交流をされているのですか。

川名先生

オーストラリアの生徒と本校の生徒が相談して、テーマや話す内容を決めています。同世代の生徒同士ですから、近い興味に関するテーマで盛り上がっています。オーストラリアの生徒が日本語で発表してくれることもありますが、お互い英語で交流することが多いですね。

編集部

同世代の生徒同士だからこそ、楽しく交流できそうです。参加されている生徒の様子はいかがですか。

川名先生

毎週継続して交流することで、1段上の挑戦ができていると感じます。1度きりの交流であれば、その日に向けて入念に準備し、発表できますよね。でも毎週続けてお話しするとなると、特別なイベントではなくなります。最初は表面的なやり取りで終えられても、継続して交流する中で1段深い関係性を築いたり、コミュニケーションを図ったりする必要があります

そのため毎週の交流に苦労するシーンもありますが、試行錯誤しながら挑戦していますね。

編集部

一度きりの交流ではないからこそ、英語で人間関係を築く深い交流になっているのですね。

川名先生

はい。単発のイベントであっても、自分の英語が伝わってうれしい、うまく伝わらなくてもどかしいという実感をもつことはできます。ただ、本当にお互いを理解し合う関係性を築くには、継続的な交流が必要です。実際のグローバル社会で必要なコミュニケーション力につながる機会だと感じますね。

生徒たちは毎週苦労していますが、教員がすべてお膳立てをしては意味がありません。生徒たちの頑張る様子を微笑ましく見守りながら、サポートするようにしています。

編集部

イベントでは実現できない深い国際交流が実現しているのですね。その他にも、特徴的なグローバル教育の取り組みはありますか。

川名先生

グローバル教育の一環として、各国の学校からの視察などを積極的に受け入れています。先日はラオスと台湾の方が来てくださり、生徒たちと日本の伝統的なおもちゃを使って一緒に遊びながら交流しました。

編集部

オンラインだけでなく、直接お会いするからこそできる交流のスタイルですね。千葉大学教育学部附属中学校では、多彩なオンライン・対面での国際交流を通じ、生徒たちのグローバルな視点やコミュニケーション力などを培っていることがわかりました。

各分野で活躍する先人たちから学ぶ「グローバル教育講演会」

千葉大学教育学部附属中学校グローバル教育主任の川名先生

▲お話を伺ったグローバル教育主任の川名先生

編集部

千葉大学教育学部附属中学校では、「グローバル教育講演会」という取り組みを行っていると伺いました。どのような会ですか。

川名先生

「グローバル教育講演会」は、年度末に各分野に造詣の深いさまざまなゲストをお招きし、ご講演いただくイベントです。グローバルな視点から専門分野について語っていただくことで、生徒が新しい気づきを得られる機会になっています。

編集部

これまでにどのようなゲストの方がいらっしゃいましたか。

川名先生

2024年3月には、美術刀剣研師の方にお越しいただきました。日本刀を研ぐお仕事をされている方です。グローバル交流は、結果として自分たちのアイデンティティに立ち返る側面が強くあると感じています。ですから、日本人である自分たち、または日本で生活している自分たちの存在を再認識するために、敢えて日本文化に精通されているゲストをお招きしたんです。

編集部

グローバルで活躍する土台として、自国の文化を知る機会を設けたのですね。

川名先生

はい。美術刀剣研師の先生からは、日本刀の文化に触れることの意味、価値をお話しいただきました。海外には、日本刀に興味を持ってくださっている方がたくさんいます。日本が誇るべき文化に親しむことは、コミュニケーションを深めるうえでとても大切だと教えていただきました。

編集部

ゲスト講師の専門分野から見たグローバルな視点を知ることで、国際化とは何か、グローバルで活躍するうえで大切な心構えは何かなど、多くの学びを得られると感じました。

千葉大学教育学部附属中学校からのメッセージ

千葉大学教育学部附属中学校の安藤副校長

▲お話を伺った千葉大学教育学部附属中学校の安藤副校長

編集部

最後に、千葉大学教育学部附属中学校に関心のある児童や保護者に向けてメッセージをお願いします。

安藤副校長

千葉大学教育学部附属中学校では近年入学適性検査の改革に取り組み、二次選考で実施する自己アピールや集団討論の他にも、一次選考では国語・算数・理科・社会だけでなく、音楽や体育、図工なども含めた総合問題を実施しています。4教科の基礎学力だけでなく、技能教科も含めた全教科を頑張っている児童の方に、是非入学していただきたいと考えています。

国立大学の附属中学校である特色を生かした学校運営や、時代に合わせた多様な取組を行っていますので、本校ならではの経験を重ねていただけたらと思います。生徒の自主性を尊重し、一人ひとりがそれぞれ次のステップに進んでいけるよう精一杯サポートしますので、ぜひ本校を受検していただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします。

編集部

今回の取材を通じて、自己理解、自己決定、自己実現の教育目標を体現する自主性を重んじた探究学習や、実社会で生きる力を養うグローバル教育について知ることができました。ありがとうございました!

千葉大学教育学部附属中学校の卒業生・保護者・在校生の口コミ 

千葉大学教育学部附属中学校の校舎とグラウンド

▲千葉大学西千葉キャンパス内にある広々とした校舎とグラウンド

最後に、千葉大学教育学部附属中学校の卒業生、保護者、在校生の口コミをご紹介します。

(卒業生)みんな「ちばふ」が好き、クラスが好きと思えるような素敵な学校です。自由を尊重しているため、どんな場面でも生徒の意志を優先してくれます。そのため、自由を大切にするからこその大変さ、辛さがあります。とても難しいですが、その壁を乗り超えることで、大きく成長することができたと思います。

(保護者)自主性を尊重しておりますので、自分たちで考え行動する。それを教師がサポートするという形です。文化祭があり唯一学外の方も入ることができます。

(在校生)とにかく自由で、楽しい学校。生徒の民度はとても高く、困った時は先生達が親身に支えてくれるため、誰でも楽しい学校生活を送ることができます。

自己理解、自己決定、自己実現を重視している学校としての評価が高く、自由であるからこそ自立できる、困ったときは教員が支えてくれるといった声も複数見つかりました。

千葉大学教育学部附属中学校へのお問い合わせ

運営 千葉大学教育学部附属中学校
住所 千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33
電話番号 043-290-2493
問い合わせ先 https://www.jr.chiba-u.jp/forme.html
公式ページ https://www.jr.chiba-u.jp/index.html

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