全国レベルで活躍する部活多数!龍谷大学付属平安高等学校・中学校の強さの秘密とは|中高一貫校

この記事では、特色ある教育を行う注目の学校として、京都市にある私立・共学の中高一貫校「龍谷大学付属平安高等学校・中学校」を紹介します。

浄土真宗本願寺派の宗門校である同校は、「浄土真宗の精神」に基づく教育を通じて国際社会で活躍するリーダーの育成を行っています。

また、文武両道を実践しているのが特徴で、甲子園の常連である野球部やインターハイの優勝経験を持つフェンシング部など、全国レベルの実力を誇る部活動が多いことでも知られています。

今回は、教頭の五十嵐先生とフェンシング部の顧問を務める石代先生に、教育の特色やクラブ活動についてお話ししていただきました!

龍谷大学付属平安高等学校・中学校が掲げる「3つの大切」とは

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の生徒4名が並んで立つ様子

編集部

はじめに、龍谷大学付属平安高等学校・中学校の教育理念をお聞かせください。

五十嵐先生

本校を運営する学校法人龍谷大学は、浄土真宗本願寺派を母体としています。

「浄土真宗の精神」が本校の建学の精神であり、阿弥陀仏の願いに生かされ、真実の道を歩まれた親鸞聖人の生き方に学び、「真実を求め、真実に生き、真実を顕かにする」ことのできる人へと育てることを目標としています。

編集部

そのような人を育成するために、日頃から生徒さんに伝えていることはありますか?

五十嵐先生

入学当初から、生徒には「ことばを大切に」「じかんを大切に」「いのちを大切に」という「3つの大切」を意識して生活するように伝えています。

「ことばを大切に」というのは、正解な言葉、やさしい言葉、丁寧な言葉を使おうという意味で、「じかんを大切に」は今という時間、青春という時間、そして人生という時間を大切にしようということです。

「いのちを大切に」には、私たちはいのちをいただき、いのちに支えられているのだという自覚を持って生きてほしいという思いが込められています。

編集部

「3つの大切」を浸透させるために、教員の皆さんはどのような指導を行っているのでしょうか?

五十嵐先生

「ことばを大切に」を例にお話ししましょう。SNSが普及した今、対面のコミュニケーションがあまり得意でない子どもが増えています。社会に出てから困ることがないよう、「主語をしっかり使う」といった基本的なことを含めて普段から指導し、伝えたいことを正しく伝える力をつけています。

また、「いのちを大切に」という考えを浸透させるため、お昼ごはんの際は食前の言葉を述べてから食事を始め、食べ終わった後も合掌して食後の言葉を述べます。私たちは多くの命をいただいて生かしていただいていることを忘れないためです。

こころの知性を豊かにするための「宗育」

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の生徒が講堂で仏参する様子

▲龍谷大学付属平安高等学校・中学校の1日は仏参から始まる。

編集部

龍谷大学付属平安高等学校・中学校では宗教の授業もあると伺いました。

五十嵐先生

6年間にわたり、週に1時間、宗教の授業を実施しています。授業の目的は、宗教に関する正しい知識や仏教の教えを学ぶだけでなく、「宗育」を通じて生徒が自らの在り方や生き方を深く見つめ、「こころの知性」を豊かにすることです。

編集部

宗教行事に参加する機会も多いのでしょうか?

五十嵐先生

お釈迦さまの誕生を祝う「花まつり」や、親鸞聖人の誕生を祝う「宗祖降誕会」、お釈迦さまがさとりを開かれたことを記念する「成道会」など、1年を通してさまざまな宗教行事があります。

また、教室から講堂のご本尊に向かってお参りする「ホームルーム仏参」が毎日あり、週1回ある講堂での仏参の後は教員が生徒の前で15分程度の講話を行います。

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の生徒がご本尊に向かって手を合わせる様子

編集部

講話として、先生方はどのようなお話をするのでしょうか?

五十嵐先生

親鸞聖人の教えに限らず、さまざまなことについて話します。「先生はこんなことを経験したのだけれど、みんなはどう思う?」といった問いかけをする人もいれば、SDGsをテーマに話す人もいて、教員がそれぞれの思いを生徒に伝える場になっています。

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の部活が全国レベルの実力を誇る理由

文武両道を大切にする龍谷大学付属平安高等学校・中学校には、甲子園出場の経験を持つ野球部や、インターハイ常連のフェンシング部など、全国レベルで活躍している部活がたくさんあり、生徒の8割近くがクラブに加入しています。

フェンシング部のOBには北京五輪のフルーレ個人、ロンドン五輪のフルーレ団体で銀メダルを獲得した太田雄貴さんや、慶應義塾大学に進学して2024年パリ五輪の日本代表選手に選出された飯村一輝さんがいます。

ここからは、同校のクラブ活動について、フェンシング部の顧問を務める石代先生に詳しく伺っていきます。

部活のOBが積極的に指導に参加する

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の石代先生

▲石代先生は社会科を担当しながらフェンシング部の顧問を務める。

編集部

石代先生が顧問を務めるフェンシング部は、インターハイ出場の常連校として知られています。まずは、指導の特色をお聞かせいただけますか?

石代先生

多くの学校では教員が指導者を務めるケースが一般的だと思いますが、本校の場合は私を含め顧問にフェンシング経験者がいません。代わりに、フェンシング部の卒業生が生徒を指導する伝統があります。

OBのなかには、企業で働きながらシニア選手として大会に出場し、ベスト8に入る実力を持つ人もいますよ。

編集部

フェンシング以外にもOBが指導に関わる部活は多いのでしょうか?

石代先生

はい。卒業後も生涯スポーツとして競技を続けるOBが多いので、フェンシングに限らずさまざまなクラブでOBが練習や合宿に参加して指導してくれます。

OBの指導は生徒の大きな励みになっていますし、OBにとっても後輩と一緒に自分の練習もできる良い機会になっているようです。

メンバーの数が多いからこそ切磋琢磨し強くなれる

編集部

フェンシング部では、未経験から競技を始める生徒も多いのでしょうか?

石代先生

パリ五輪に出場する飯村選手のように小学生の頃から競技をしていた生徒もいますが、中学や高校に入学してからフェンシングを始める生徒もたくさんいます。

編集部

未経験からのスタートでも活躍できる理由はなんだとお考えですか?

石代先生

フェンシングは野球やサッカーほどメジャーな競技ではありません。狭い世界だからこそフェンシング競技者としての仲間意識のようなものがあり、違う学校の指導者や選手であっても教えを請うたら応じてくれることが多いんです。このような環境は初心者が伸びるのに適していると思います。

また、本校のフェンシング部は高校だけで男女合わせて40人近くの部員がおり、中学を合わせると60人ほどになります。大人数だからこそ、切磋琢磨できる環境を作り出せると言えます。

強い選手はその立場を守り続けるために「もっと強くなりたい」という思いを持ちますし、経験が浅い選手は「強い相手を倒すために強くなろう」という意識を持ちます。このような環境が選手を強くするのだと思います。

勉強を頑張るほど、部活動でも貪欲に学ぶ姿勢が生まれる

編集部

龍谷大学付属平安高等学校・中学校は文武両道を大切にしていますが、そのメリットをどのようにお感じですか?

石代先生

私は「勉強が最優先であり、フェンシングだけしていれば良いというわけではない」と常に生徒に伝えています。

競技成績を見ても、全国で上位に行ける生徒ほど勉強もしっかり頑張っています。勉強を頑張れば必然的にフェンシングの結果がついてくると言っても過言ではありません。

編集部

勉強に打ち込む姿勢が、部活動での成長にも役立っているのですね。

石代先生

OBに自ら教えを請い貪欲に学ぶ姿勢を持つ生徒ほど、一つひとつの教えや基本をとても大切にするので、大きく伸びますね。

また、フェンシングには人それぞれの動き方に癖があります。学ぶ姿勢があるからこそ対戦相手の情報を収集して研究し「相手はこういうフェンシングをするから、自分はこうしよう」と戦略を立てることができるのだと思います。

そして、負けたときは「何が駄目だったのか」を振り返り、その課題をどう克服するかを考え、次に生かします。このようなサイクルが確立されることで、どんどん力がついていきます。

龍谷大学付属平安高等学校・中学校は大学と連携して理数教育を行う

龍谷大学付属平安高等学校・中学校のSTEAM棟の外観

▲創立150周年に向けて施設のリニューアル事業が進む。2023年9月には北校舎(STEAM棟)が完成した。

ここからは、教頭で理科を担当する五十嵐先生に、龍谷大学付属平安高等学校・中学校の理数教育について伺います。

大学研究室を訪問する合宿や、1年かけて研究・発表する取り組みも

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の理科室の棚に剥製などが展示される様子

▲理科室の入り口近くの廊下にはさまざまな展示がある。

編集部

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の理数系の教育の特色はどのような点にありますか?

五十嵐先生

中学校の理科では、物事に対する「なぜ」を大切にしてもらうことや、五感をフルに使って理科に興味関心を持ってもらうことを意識しています。

例えば、中学1、2年生は夏休みに2泊3日の理系探究合宿があり、龍谷大学の先端理工学部や農学部を訪問して大学の先生の講義を受けたり、研究施設を借りて実験に挑戦したりします。

2023年の合宿ではドローンの操縦体験やコオロギの解剖など、普段の授業ではできないような体験をたくさんしました。

編集部

高校ではどのような授業を行っていますか?

五十嵐先生

理数専修クラスでは、主体的な学びを通じて理系学部への進学の意識を高めてもらうために、大学と連携した理数研究を行っています。

例えば、高校3年生は龍谷大学の先生方に提示されたテーマのなかから取り組みたいものを選び、1年かけて研究を行います。プログラミングに関することから、光合成や酵素に関する研究など、研究室によってテーマはさまざまで、大学の研究室を訪問したり、大学生と一緒にフィールドワークに行ったりしながら調べたことをプレゼンにまとめ、発表します。

中間発表はライブ配信して、大学の先生や大学院生のほか、本校の卒業生にも参加してもらいます。生徒にとっては先輩からアドバイスをもらったり議論を深める良い機会になっています。

編集部

クラブ活動でOBが指導に来てくれるというお話がありましたが、学びの場においても卒業生が積極的に関わっているのですね。

五十嵐先生

大学の先生に対しては「こんなこと聞いて大丈夫かな?」と躊躇するようなこともありますが、卒業生だと年齢が近かったり、同じ学校出身という安心感があるので率直に質問したり自分の考えを話したりできるようです。

卒業生もそのような気持ちを理解しているので、積極的にサポートしてくれます。

理科の実験室などを備えたSTEAM棟が完成

龍谷大学付属平安高等学校・中学校のSTEAM棟の理科室

▲理科室の天井はあえて配管が見えるつくりにしている。

編集部

龍谷大学付属平安高等学校・中学校では、新校舎のプロジェクトを進めているそうですね。

五十嵐先生

2026年に創立150周年を迎えるのに合わせて学校施設のリニューアルを進めています。

2025年春に竣工予定の「黎明館」は龍谷大学と中高でシェアする校舎で、大学の教室や研究室、中高の図書室や自習スペース、食堂を含むコミュニケーションスペースなどが設置されます。大学生と中高生がともに学ぶ場を設けることで、「中高大連携」の新たな可能性を追求したいと考えています。

また、2023年9月にはひと足さきに北校舎(STEAM棟)が完成しました。理科室の天井の一部を取り払って電気やガスの配管が見えるようにしたり、洗い場の排水管を剥き出しにするなど、校舎全体を「教材化」するためのさまざまな工夫がなされています。

龍谷大学付属平安高等学校・中学校のSTEAM棟の理科室

▲洗い場は、排水管が見えるつくりになっている。

オープンスペースの職員室!生徒と教員の距離が近いのが魅力

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の生徒4名が並んで立つ様子

▲2024年度より、制服がリニューアルした。

編集部

校内の雰囲気について、五十嵐先生はどのようにお感じですか?

五十嵐先生

本校は、生徒と教員の距離が近い学校だと言えます。「オープンスペース職員室」といって、職員室の中央が誰でも通れる通路になっており、生徒は「失礼します」と言って扉を開ける必要がなく、自由に出入りすることができます。

わからない問題があった時などは気軽に来て質問することができるので、休み時間になると生徒で満員状態になりますよ。

編集部

相談事などもしやすい雰囲気がありそうですね。

五十嵐先生

そうですね。特に中学校では「面倒見の良い学校」を目指しているので、教員は休み時間などに生徒と話す機会を持つことが多いです。5分くらいの短い時間であっても、「ちょっと話そうか」と声をかけて雑談レベルで最近の様子などを聞くようにしています。

初めのうちは教員から話しかけることが多いですが、上級生になってくると生徒の方から「先生、こんなことがありましたよ」とか「こんなところに遊びに行ってきました」といった話をしに来てくれますよ。

関係性は卒業後も続き、生まれた赤ちゃんを連れて来てくれたり、彼氏や彼女を連れて来てくれる人もいます。

人の話をしっかり聞き、課題に真面目に取り組む生徒が多い

編集部

石代先生は、龍谷大学付属平安高等学校・中学校の生徒さんにどのような印象をお持ちですか?

石代先生

人の話をちゃんと聞く子が多いと感じます。また、小テストやレポートの提出など、課題に真面目に取り組もうとする子も多いです。

適当にやって提出するのではなく、「ここまでやってください」と言ったら、しっかりそのレベルに仕上げようとする姿勢を感じます。

編集部

そのような姿勢はなぜ生まれるとお考えですか?

石代先生

本校に入学する生徒は、オープンキャンパスや学校説明会に足を運んで自分の目で見て、自ら志望して入ってくる人が多いんです。「自分で選んだ学校だから、しっかりとその責任を全うしよう」という意識があるのだと思います。

龍谷大学付属平安高等学校・中学校からのメッセージ

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の五十嵐教頭

▲今回インタビューをお受けいただいた五十嵐教頭。

編集部

最後に、記事をご覧の保護者やお子様たちにメッセージをお願いします。

五十嵐先生

本校では、これからの社会を創造したり開拓できるようなリーダーを育てる教育を行っています。

2024年からは中学1年生を対象に「学び合いの授業」を始めました。教員が黒板に何かを書いて進める授業ではなく、グループになって課題に取り組むことを通じてコミュニケーション能力や主体性を伸ばす授業です。

そして、その成果は早くも「発言力」において出ていると感じます。これまでは、先生が「これわかるかな?」と聞いても「うーん」と言って発言を尻込みする子が多かったのですが、学び合いの授業では自分の考えや意見を言うことが重視されるので、積極的に発言できる子が増えてきたと感じます。

編集部

まさに、これからの社会を引っ張るリーダーに求められる力をつけているのですね。

五十嵐先生

その通りです。先ほどご紹介したように、150周年に向けて平安エリア設備整備事業も行っており、さらに学びやすい環境になると思いますので、ご興味をお持ちいただけましたらお気軽にお問い合わせください。

編集部

本日は、ありがとうございました!

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の進学実績

龍谷大学付属平安高等学校・中学校では、卒業生のほとんどが四年生大学に進学しています。

国公立大学や難関私立大学を目指す人が学ぶ「特進コース」では、月水金の7、8時限目に大学受験対策講座「ドラゴンゼミ」を開催。英・数・国の先取り授業や有名予備校の講師を登用した指導などを行っています。

2024年度の大学入試では、東京大学や神戸大学を含む国公立大学に26名が合格したほか、私立大学には関関同立57名、慶應義塾大学2名、早稲田大学1名、東京理科大学1名など、合わせて318名が合格しました。

これに加えて、341名が龍谷大学への指定校推薦で合格しました。

■龍谷大学付属平安高等学校・中学校の進学実績(公式サイト)
https://www.heian.ed.jp/about/sinro.php

龍谷大学付属平安高等学校・中学校の保護者・在校生・卒業生の口コミ

最後に、龍谷大学付属平安高等学校・中学校の保護者や在校生、卒業生の声を紹介します。

保護者)優秀なOBをたくさん輩出しており、学習面でも生活面でもしっかりと指導してくれます。

在校生)勉強を熱心に教えてくれる先生が多く、成績がグッと伸びました。

卒業生)龍谷大学付属平安高等学校・中学校の魅力は、生徒と先生の距離感が近いことです。オープンな職員室には気軽に入れ、授業内容や学校生活について、なんでも相談できます。

口コミからは、熱心な先生方に囲まれ、生徒たちが充実した学校生活を送っている様子がうかがえました。

※卒業生の声は、龍谷大学付属平安高等学校のデジタルパンフレットから一部を抜粋しました。

https://www.heian.ed.jp/dbook/high2025

龍谷大学付属平安高等学校・中学校へのお問い合わせ

運営 学校法人龍谷大学
住所 京都府京都市下京区御器屋町30
電話番号 075-361-4231
公式ページ https://www.heian.ed.jp/index.php

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