中部大学春日丘中学校・高等学校の校舎外観

海外研修多彩!中部大学春日丘中学校・高等学校はグローバルリーダーを育む|中高一貫校

独自の教育を実践する注目の学校を紹介する本企画。今回は、愛知県春日井市にある中高一貫の共学校「中部大学春日丘中学校・高等学校」を紹介します。

中部大学春日丘高等学校は1965年に創立され、1990年には中学校が開校。中高一貫教育「啓明コース」がスタートしました。啓明コースでは、文化交流を通じて英語力を磨く海外語学研修やグローバルリーダーとして必要な資質を養うための探究学習を取り入れながら、生徒一人ひとりに合わせた学びを提供しています。

今回は、そんな中部大学春日丘中学校・高等学校の建学の精神や特徴的な取り組みについて、英語科の堀田先生と理科の池辺先生にお話を伺いました。

不言実行の人材を育てる中部大学春日丘中学校・高等学校

中部大学春日丘高等学校のシンガポール研修

▲高校のシンガポール研修旅行

編集部

最初に、御校の建学の精神や教育目標についてお聞かせください。

池辺先生

本校の建学の精神は「不言実行、あてになる人間」です。創立者の三浦幸平先生は、人間は実行がともなわなければ意味はない、実行してはじめて物事は成就するとの考えのもと、本校を創立しました。

本校では、自ら問題意識を持ち、目標を定め、その実現に向かって主体的に行動できる人材を「あてになる人間」と考え、その実現に向けて日々教育活動を行っています。

教育目標・目指す生徒像としては、「主体性、意欲」「高い志向、自己肯定感」「国際性、社会性」の3つを掲げています。

「主体性、意欲」は、自分の得意・不得意に向き合って、失敗をおそれず何事にも意欲的に取り組んでいこうということです。「高い志向、自己肯定感」は、キャリア教育やさまざまな研修プログラムを通して、自分が進みたい道や叶えたい夢について考えながら、高い志を持つことを指します。

そして、「国際性、社会性」は自分の意見を持ち、英語で堂々と渡り合えるグローバルリーダーを目指すことを意味しています。

春日丘中学校・高等学校のグローバル教育

中部大学春日丘中学校のカナダ語学研修

ここからは、中部大学春日丘中学校・高等学校の英語教育・グローバル教育での取り組みについて伺いました。

中学3年全員参加のカナダ語学研修では、日本文化を伝えて「小さな外交官」に

編集部

御校の特徴的なグローバル教育についてお聞かせください。

堀田先生

中学生活の集大成として、中学3年生で全員がカナダの語学研修に参加します。カナダのケローナという都市に本校の姉妹校があり、その学校の同じ中学3年生の生徒さんのご自宅に、5泊6日のホームステイをします。

このカナダ研修の趣旨としては、国際力の習得や英語力の向上はもちろんありますが、それだけではありません。

本校創設時にいらっしゃった先生がよく言われていたのは「君たちは小さな外交官」であるということです。「日本の文化や自分たちが暮らしている国や地域がどのようなところか伝えてきてほしい。そしてカナダがどんな国なのかを、自分たちの目で見て耳で聞いて学んできてほしい」という教えを今に引き継ぎ、実践しています。

実際にカナダでは文化的な交流もします。生徒たちは手作りで日本らしいお土産を作って持って行き、折り紙を折ったり、着物の着付けをしたり、習字を書いたりと、日本的な文化を紹介します。

本校の和太鼓部の部員が中心になり、小さい太鼓を持参して演奏したり、ソーラン節を踊ったりします。

その他、生徒たちが自分のことや自分が住んでいる街、日本らしい写真を集めてアルバムを作って持参し、ホストファミリーや姉妹校の友だちに写真を見せながら紹介します。それは学校の授業を通して準備します。

また、ここ数年はカナダの姉妹校の4~6人の生徒が先生と一緒に来て、本校生徒の自宅にホームステイする、ということにも取り組んでいます。

中部大学春日丘中学校のカナダ語学研修

▲カナダ語学研修での集合写真

編集部

カナダ語学研修に行かれた生徒さんの感想はどういったものが多いのでしょうか?

堀田先生

行く前は不安がっている生徒もいるのですが、帰ってくるとみんな一様に楽しかったと言います。

コミュニケーションは言語だけではなく、表情や身振り手振りでも取れますが、その上でもっと自分の気持ちを伝えたい、相手の気持ちをわかるようになりたいと思うようで、英語の学習意欲を高めて帰国する生徒は多いです。

また、海外は積極的に自分の意見を発信していかなければならない文化があり、待っているだけでは何も得られないということを体験するため、自立心が養われた印象を受けます。

環境やエネルギー問題などSDGsを中心に学ぶシンガポール研修

中部大学春日丘高等学校のシンガポール研修

▲高校のシンガポール研修旅行

編集部

高校でも中学校のような海外研修があるのでしょうか?

堀田先生

高校ではシンガポールへの研修旅行がありますが、中学とは目的が異なります。語学研修よりも、SDGsの学習の要素が多くなっています。

内容としては、科学技術の振興機関や水の問題について学べる施設を訪問します。そのほかサステナビリティ対策を積極的に進めているチャンギ空港で、エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの利用について学びます。

2023年は、シンガポールの社会保険や診療のシステムについて、現地医療関係者から話を聞きました。日本の医療システムとは異なる部分も多く、驚いている生徒もいましたね。

そうして学んだことを、帰国後に代表の生徒が発表する機会も設けています。

中部大学春日丘高等学校のシンガポール研修

▲高校のシンガポール研修旅行

編集部

印象的だった発表はありますか?

堀田先生

医療をテーマにした生徒たちは、現地の医療システムを日本でも取り入れた方がいいのではないか、といった発表をしていました。現地で聞いたり、調べたりしたことに加えて自分たちの気づきをまとめていて、上手にプレゼンしていたので印象的でした。

ちなみに、生徒たちは「グローバルミーティング」という、本校の全校生徒に加え、関連の学校や姉妹校、数カ国の留学生が参加する場で、英語での発表もするんですよ。

編集部

グローバルリーダーに成長していくための第一歩ですね。

週1回の英会話の授業や各種イングリッシュプログラムもあり

中部大学春日丘中学校・高等学校のイングリッシュサマーキャンプの様子

▲「イングリッシュサマーキャンプ」の様子

編集部

海外研修以外にも、グローバル教育に関連した特徴的な取り組みがございましたら、お聞かせください。

池辺先生

例えば中学では、カナダ語学研修に向けて、段階を踏んでさまざまな英語教育に対する取り組みを行っています。

1週間に1回はネイティブスピーカーとの英会話の授業があり、生徒たちは英語劇やゲームなどを通して、英語でアウトプットしています。

長期休みには、各学年でネイティブの英語講師といろいろなアクティビティを行う「イングリッシュプログラム」や「イングリッシュサマーキャンプ」があります。日本人教員はつかず、生徒と英語講師だけで行います。

中部大学春日丘中学校の探究学習「セレクト」

中部大学春日丘中学校の探究学習(サイエンス)

編集部

御校の探究学習についてお聞かせください。

池辺先生

中学では探究学習を「セレクト」と呼び、サイエンス、ソーシャル、アドバンスト、ベーシックの4つに分かれています。サイエンスとソーシャルは、その名の通り、それぞれ理数系と文化系に特化しています。

サイエンスは理科と数学に分かれ、さらに理科は物理、化学、生物に細分化されます。各科目は大体20人前後の生徒に対して1人の教員が担当し、普段の授業では人数が多すぎてできない実験や時間が足りなくてできなかった実験を行います。

例えば、私は生物の担当で、顕微鏡の使い方を教えているのですが、他の生徒よりも綺麗な写真を撮れるようピントの合わせ方を指導し、他の生徒よりも顕微鏡を上手に扱えるようにすることを目指しています。

ほかにもサイエンスでは、インスタントカメラを解体したり、ピタゴラスイッチのような装置を作ったりといった授業もあります。教科書に載っている内容だけでなく、自分たちの興味を深める授業になっています。

最終的な目標は、生徒たちが他の生徒たちに教えられるようになることです。

中部大学春日丘中学校の探究学習(ソーシャル)

▲探究学習の「ソーシャル」グループ

文化祭で探究の成果を子どもや保護者たちにお披露目し、プレゼン力を培う

編集部

発表の機会は設けているのでしょうか?

池辺先生

セレクトは年に2回、発表の機会を設けています。

うち1回が、9月に開かれる文化祭です。保護者や本校の受験を検討している小学生も来場する中、サイエンスなどそれぞれの専用ブースが用意され、来場者に実験を教えたり、体験してもらったりします。

中部大学春日丘中学校の探究発表会

▲探究学習の発表会

ソーシャルを選択した生徒も、自分の探究を分かりやすいポスターを作ってまとめています。

例えば、戦争について関心が高い生徒は、広島に投下された原爆「リトルボーイ」の実物大の模型を作っていました。世界各国の地理的な魅力や、憲法について突き詰めて調べている生徒もいます。

中部大学春日丘中学校の探究学習(ソーシャル)

▲探究学習の「ソーシャル」グループ

編集部

こうした探究活動を通した生徒の学びや成長はどういったところにあるのでしょうか?

池辺先生

扱った分野の知識はもちろんですが、物怖じせず発表ができる度胸、自分の意見や学んだことを人にわかりやすく伝えるプレゼン力が高まります。また、発表はチームで進め、異学年との交流機会もあるので、協働性も身につくと思っています。

中部大学春日丘中学校の中大連携(中部大学特別講演会)

▲中部大学特別講演会

編集部

サイエンス、ソーシャル以外のアドバンストとベーシックについてはどういったことをされるのでしょうか?

池辺先生

アドバンストは、英語と数学の発展的な問題をみんなで解いたりしています。ベーシックは、授業についての理解が十分でない生徒へのフォローアップの時間となっています。

応急処置や俳句、ロボット工学などについて中部大の教授から学べる

編集部

徒歩圏内にあるという中部大学との連携はどのように取っているのでしょうか?

池辺先生

アドバンストとベーシックの生徒が対象の取り組みなのですが、夏休みなどに中部大学で特別な授業を受講します。中部大学の先生が本校に直接教えに来てくださることもあります。

例えば、マネキンを使った心肺蘇生の応急処置(ファーストエイド)、俳句を複数人で作る連句、ロボットアームの製作などについて、大学の先生から教えてもらいます。

中部大学春日丘中学校の中大連携プログラム(応急処置を指導する様子)

▲探究学習の一環として中大連携プログラム。中部大学で応急処置を学ぶ

編集部

大学の先生から学ぶことについては、どういった狙いがあるのでしょうか?

池辺先生

単純に文系理系ではなく、いろいろな分野に触れることができます。例えば、医療の中にもいろいろな分野があることや、名前を聞いただけではわかりにくい学部について知ることができます。大学生や大学院生も参加してくれるので、将来の進路選びにも繋がっているのではないかと思っています。

編集部

御校の教育目標である「主体性、意欲」「高い志向、自己肯定感」を育む機会となっているのですね。

中部大学春日丘中学校・高等学校からのメッセージ

編集部

最後に御校に興味を持ったお子さんや保護者の方に向けてメッセージをお願いします。

堀田先生

実は私も池辺も本校の卒業生です。私が学んでいた当時とはいろいろと変わったこともありますが、変わらないのは教員の粘り強い指導だと思います。基本的に、誰一人として生徒を放っておきません。

本校には学校行事もたくさんあり、部活や勉強に忙しくなるとは思いますが、本校の教員は、最後まで伴走します。そんな先生方の姿勢を反映し、生徒たちは粘り強く、諦めない人間に成長しています。

池辺先生

本校は、教員が生徒一人ひとりに親身に対応しています。先生と生徒の距離が近く、保護者にも真摯に対応し、安心して通わせることができる学校です。

6年間を通じて、先生たちは家族のような感覚でサポートしているので、卒業後も学校に顔を出す生徒が多く、愛着を持ってもらっています。生徒や保護者にとって信頼できる学校だと思われます。

もし本校に興味をもっていただけたのであれば、ぜひ一度足を運び、学校の雰囲気を感じてみてください。

編集部

生徒からとても愛されている学校なのですね。グローバルリーダーや実行力のある人材を育てるための取り組みもよくわかりました。本日はありがとうございました!

中部大学春日丘中学校・高等学校の進学実績

中部大学春日丘中学校・高等学校の中高一貫の啓明コースでは、ほとんどすべての生徒が進学しており、国公立大学や難関私立大学の合格者も多数輩出しています。

過去6年間の国公立大学合格者273名のうち約86%が現役で合格しています。近年では医学部(医学科)・歯学部・薬学部・獣医学部への合格者も増えています。

2019年〜2024年の合格実績としては、東京大学、京都大学、東京工業大学、大阪大学、筑波大学、名古屋大学など国公立大学合格者は273名、京都大学、名古屋大学、岐阜大学、金沢大学、宮崎大学、富山大学、弘前大学など医・歯・薬・獣医学部合格者は206名です。

■進学実績(中部大学春日丘中学校・高等学校の公式サイト)
https://www.haruhigaoka.ed.jp/junior/results/

中部大学春日丘中学校・高等学校の卒業生・保護者の声

ここからは、中部大学春日丘中学校・高等学校の口コミを紹介します。実際に通学していた卒業生や保護者の声をまとめました。

(卒業生)大学受験を受け持ってきた先生の授業を中1の時から受けられるのは、中高一貫ならでは。春日丘では様々な勉強スタイルを指導してもらえ、いろいろチャレンジしながら自分に合った方法を選べます。私は全部を理解してからでないと次の問題に進めないタイプ。そこに気付けたことで、さらに学習がはかどり底力がつきました。6年間通して先生が親身になって向き合ってくれて、何でも相談できるのも心強かったです。
引用元:中部大学春日丘中学校・高等学校の公式サイト

(卒業生)春日丘は国際的な研修の機会が多く、人生で初めて海外で英語を使って発表を行うなど、受験勉強だけではない貴重な経験ができました。勉強は自分の興味があることに偏りがちですが、先生が軌道修正してくださったおかげで、各科目をバランスよく学べました。今の自分があるのは、ここで基礎を作ってもらえたからだと感謝しています。
引用元:中部大学春日丘中学校・高等学校の公式サイト

(卒業生)中高一貫校だからこそ、早めに大学受験を見据えた勉強ができることが魅力です。先生は生徒一人ひとりに真摯に向き合ってくれる方ばかりで、受験期には大きな支えになってくれました。そしてなにより、多くの行事を通して友人たちとは深い絆でつながることができ、思い入れの深い充実した6年間を過ごすことができた、と思います。
引用元:中部大学春日丘中学校・高等学校の公式サイト

(保護者)少人数でとても面倒見のよい学校だと思います。先生方はとても熱心で、親身になって相談に乗ってくださる先生ばかりです。フォローアップの時間もあり、塾に行かずに希望の大学へ進学することができました。勉強ばかりしているのではなく、学校行事も充実しています。自由参加で保護者の保護者もあり、保護者同士が仲良しです。

中部大学春日丘中学校・高等学校へのお問い合わせ

運営 学校法人中部大学 中部大学春日丘中学校・高等学校
住所 愛知県春日井市松本町1105番地
電話番号 0568-51-1115
公式ページ https://www.haruhigaoka.ed.jp/junior/

※詳しくは公式ページでご確認ください