ぽてん読者の皆さまに、今注目の学校を紹介するこの企画。今回は岐阜県内初の私立中高一貫校「岐阜東中学高等学校」を紹介します。
岐阜東中学高等学校は学校法人富田学園が運営する、岐阜県岐阜市にある中高一貫の共学校です。1学年定員60名という小規模校ながら、これまで東京大学や京都大学、名古屋大学、国公立大学の医学部医学科などへの進学実績をあげている進学校です。グローバル教育にも力を入れており、中学3年間で培った実践的な英語力を活かし、高校1年次にはカナダへの語学研修を行うなど、特徴的なプログラムを実施しています。
今回は入試広報担当の林先生に、同校の建学の精神やグローバル教育の特徴、また中高一貫校だからこそできる多彩な課外活動プログラムの魅力についてお話を伺いました。
この記事の目次
グローバルに羽ばたく生徒を育てる「岐阜東中学高等学校」の教育
▲インタビューにご対応いただいた林先生
まずは御校の建学精神や教育理念を教えてください。
本校では「やりぬく精神」という建学の精神のもと、1992年(平成4年)の設立当初からグローバル教育を実施し、国内外問わず活躍できる人材の育成を行っています。
それを表現しているのが、英知(Wisdom)・自立(Independence)・品位(Nobility)・情熱(Guts)の頭文字を取った「WING(飛翔)」のスローガンです。英知を磨き、自立する心を養い、品位を高め、情熱をみなぎらせ、翼を広げてグローバルに羽ばたき活躍する人になってほしい、という思いを込めています。
高1全員がカナダへ語学研修に!岐阜東中学高等学校のグローバル教育
続いてグローバル教育について伺います。御校ならではのグローバル教育の取り組みがあれば教えてください。
本校のグローバル教育の最大の特徴は、高校1年生全員が参加するカナダへの修学旅行です。バンクーバーの大学のサマースクールに参加するさまざまな国の人たちと一緒に約2週間を過ごす、短期語学研修を兼ねた修学旅行です。
午前中は英語の勉強、午後はアクティビティを楽しみながら、夜までずっと英語漬けの生活で語学力を高めつつ、英語圏だけでなくヨーロッパやアジア圏の国の同世代の子たちと触れ合う中で異文化理解の心も育む機会となっています。
▲修学旅行中の生徒の皆さん。楽しそうな様子が伝わります。
修学旅行は高校2年生に行う学校が多いと思いますが、高校1年生というタイミングで行っているのにはどのような意図があるのでしょうか。
本校では高校2年生から文系・理系クラスに分かれて本格的に大学受験の準備に入っていきます。その前段階の比較的ゆとりのある高校1年生の時期に海外を経験することで、視野を広げて進路や将来について考えてもらいたい、というのが狙いです。
実際カナダでの経験を経て、英語力をもっと高めたいと進路の目標を定める生徒も少なくありません。また、海外文化に触れ、他国の生徒と触れ合うことで、語学面以外の部分でも新たな気づきや刺激を受けています。
例えばカナダではお湯をタンクに溜めて家族みんなでシェアしているため、シャワーの使用時間に制限があるんです。そういう日本との生活様式の違いに触れ、環境問題を勉強できる大学に進学した生徒もいます。高校1年生という多感な時期に経験するからこそ、さまざまな刺激を受け、進路選択にも良い影響を与えているのだと考えています。
ネイティブによるオンライン英会話も。中学3年間で実践的な英語力を身につける
御校の生徒さんは高校1年生のカナダへの修学旅行までに、どのように英語力を高めていくのでしょうか。
高校1年生までに実践的な英語力を培っていくため、中学校の3年間で段階的な英語教育を行っています。中学1年生ではそれまでの英語教育の進み具合にバラつきがありますので、基本的な英会話から学んでいきます。中学2年生からはそれを踏まえオンライン英会話の授業を行います。そして中学3年生で東京グローバルゲートウェイという体験型英語学習施設で宿泊研修を行う、というのが一連の流れです。
オンライン英会話は希望者だけでなく全員が実施するのですか?
はい。高校からは希望制となりますが、中学2年生と中学3年生では授業時間内に全員がオンライン英会話を行います。年間で6回くらい、インターネットを使ってネイティブの先生とマンツーマンの英会話を1回約60分程度行うというプログラムです。
オンラインであってもネイティブの先生と対面でコミュニケーションを取れるので、自分の英語が通じる体験が生徒の自信につながっています。ネイティブの英語のヒアリング力が高まっていくのもポイントです。プログラムの最後の方では、英語力を身につけた生徒がフリートークで先生と話している光景も見られますよ。
英語力を発揮する英語レシテーションコンテスト。全国大会出場も果たす
御校では学内で英語力の成果を発揮する「英語レシテーションコンテスト」も実施されているとのことですが、こちらはどのような大会なのでしょうか。
英語レシテーションコンテストは中学校3年間実施している学内の大会です。課題の英文を暗唱し、発音や内容に沿った抑揚などを競っています。
英語レシテーションコンテストはまずクラス代表を選出し、さらに校内での発表会で順位を決めます。そこで上位となった生徒は英語弁論大会の地区大会や県大会に出場し、さらにそこでも上位になると「高円宮杯全日本中学校英語弁論大会」という全国大会への出場権を得られます。2023年度には本校の生徒が地区大会、県大会で上位に入賞し、全国大会にも出場しました。
▲全国大会の岐阜予選では2人の生徒さんが最優秀賞に!
全国にも通用する英語力は、先ほどご説明いただいたオンライン英会話などから培われているのでしょうか。
もちろんそれもあります。なおかつ、1学年60名という小規模校ならではの本校の特徴も大きく影響していると思います。本校は人数が少ないからこそこういった行事に一丸となって取り組む空気があり、この英語レシテーションコンテストも休み時間に皆がブツブツと暗唱するなど、本気度高く頑張っています。
皆が全力で取り組む空気があるからこそ、自然とレベルが上がっていくのではないでしょうか。人目を気にして消極的になる生徒も少ないため、人前で堂々と話すことに慣れているという点もレシテーションコンテストでプラスに働いているポイントだと思います。
なるほど。英語力に加えて、少人数制だからこその強みが活きているのですね。学外のコンテストに向けて学校側でサポートしていることはありますか?
外部の大会は暗唱ではなくテーマに基づいて自由に話す形となるため、原稿づくりから生徒が行っています。原稿は基本的に生徒主体で作成し、学校側ではあまり手を加えていません。
ただし発音や身振り手振りも含めた伝え方の部分は、iPadで撮った生徒の動画をもとにネイティブの方にもアドバイスをいただいています。日頃の英語の授業に加え、コンテストに向けてネイティブの方にもご協力いただきながら表現力を高めていくことで良い結果に結びついているのだと思います。
人間力を高める、岐阜東中学高等学校の多彩な課外活動
岐阜東中学高等学校では中高一貫校の強みを活かし、6年間の中で人間力を磨きキャリアを考えるきっかけとなるような多彩な課外活動プログラムを展開しています。
その中でも医療系人材の育成に特化した「メディカルプロジェクト」や、地域に貢献する活動を行う「地域活性化プロジェクト」について伺いました。
大学の雰囲気を感じ、進学のモチベーションを高める「メディカルプロジェクト」
▲藤田医科大学でのメディカルプロジェクトの様子
御校の「メディカルプロジェクト」の内容を詳しく教えていただけますか?
「メディカルプロジェクト」では医療人材を育成する取り組みとして、地元の医療系大学や予備校から講師をお招きし、医療関係者の体験談や医療系大学の受験に役立つ知識などをお話いただく講演会を行っています。
また医療系大学へのバスツアーも実施しており、実際に大学の学びを体験できるのもポイントです。2023年度には藤田医科大学を訪れ、医学部や看護学部などそれぞれの分野に分かれて、本校用にカスタマイズしていただいた大学の講義を行っていただきました。
大学見学に参加された生徒の皆さんからはどのような反応がありますか?
「学食が美味しい!」など、大学ならではの環境に魅力を感じている生徒も多いですね(笑)。やはり大学の雰囲気を肌で感じることは学びの刺激になっているようです。実物の医療機器を見て触れる体験をすることで、医療系大学への進学のモチベーションがより高まっていると感じます。
メディカルプロジェクトは明確に医療系進路を目指していない生徒でも参加可能なので、進路に迷っていた生徒がこのプロジェクトをきっかけに進路を決めるなど、非常に良い影響を与える取り組みとなっています。
「地域活性化プロジェクト」では地元のお店を生徒がSNS等で発信。主体性も身に付く
その他にも特徴的な課外活動はありますか?
有志の高校生で実施している「地域活性化プロジェクト」は、地域貢献に寄与する取り組みです。地域の魅力発信をテーマに、学校周辺の飲食店を中心に取材を行い、InstagramなどのSNSで発信したり、学校見学会に来た方などにもお配りできるような周辺マップを作成したりしています。
お店への取材の申し込みも生徒が行うのですか?
はい。お店に連絡してアポイントメントを取って、事前にインタビュー内容を考えて、実際にインタビューで聞いた内容をSNS用の記事にまとめるという一連の流れを生徒自身が行っています。
学校の外に出てお店にインタビューすることで緊張することもあるようですが、すべてを自分たちで行うことで主体的に行動する力が育っているなと感じます。取り組みを進めるにつれて商工会議所からイベントの運用のお手伝いで声がかかるなど、活動の広がりも見せています。
岐阜東中学高等学校からのメッセージ
最後に、記事を読んで岐阜東中学高等学校に興味を持った読者の方に向けてメッセージをお願いします。
岐阜東中学高等学校は1学年の定員が60名の非常に少人数の学校です。だからこそ生徒と教員の距離が近いアットホームな雰囲気に包まれた中でともに成長していける環境があります。そういう環境に魅力を感じる方は、ぜひ本校で一緒に学んでいきたいと思います。
林先生、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!
6年一貫教育だからこそ叶う岐阜東中学高等学校の進学実績
岐阜東中学高等学校では中高一貫校の強みを活かした先取り学習により、高校2年生までに高校の学習内容を終え、残り1年間を受験に必要な科目を中心とした選択演習を実施しています。少人数校だからこそ、生徒一人ひとりの希望や特徴を把握した上で進学をサポートできる体制があるのも魅力です。
そんな岐阜東中学高等学校ではこれまで東京大学や京都大学、名古屋大学といった名門校に複数の進学者を輩出しています。また2023年度には名古屋市立大学の薬学部、岐阜薬科大学といった国公立の難関大学の医療系学部への合格実績があり、医療系大学への進学が実現していることがうかがえます。岐阜大学や愛知教育大学などの難関国公立大学や、東京理科大学、南山大学などの難関私立大学にも合格者を輩出しています。
■岐阜東中学高等学校の進学実績(公式サイト)
https://www.gito.ed.jp/junior/course/
岐阜東中学高等学校の卒業生・在校生からの声
ここでは、岐阜東中学高等学校の学校案内に掲載されている生徒からのメッセージを一部抜粋して紹介します。
ここに掲載したメッセージ以外にも、カナダの語学研修やキャリア教育、地域活性化プロジェクトなど、岐阜東中学高等学校ならではの多彩なプログラムによって力が身についたという声が多く聞かれました。その力が、希望する進路の実現という形で結実していることもうかがえます。
岐阜東中学高等学校へのお問い合わせ
運営 | 学校法人富田学園 |
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住所 | 岐阜市野一色4丁目17番1号 |
電話番号 | 058-248-2556 |
問い合わせ・資料請求 | https://www.gito.ed.jp/junior/contact/ |
公式ページ | https://www.gito.ed.jp/junior/ |
※詳しくは公式ページでご確認ください