本記事では、広島県福山市にある私立学校「銀河学院中・高等学校」を紹介します。
1980年に創立した銀河学院中・高等学校は、6年間でカリキュラムが組まれた共学の中高一貫校。校名の「銀河」にちなみ、作家・宮沢賢治さんのルーツで『銀河鉄道の夜』の舞台として知られる東北との縁を深め、中学校の研修旅行では東北地方を訪れるそうです。
また、タブレットを活用した授業を展開する一方、社会人に欠かせない礼儀・マナーなども指導してもらえます。
今回は入試広報部・部長の谷本先生にインタビュー取材を実施し、銀河学院中・高等学校の教育理念や特徴的なカリキュラムなどを詳しく教えていただきました。
この記事の目次
銀河学院中・高等学校の建学精神と「5つの実践」による人間教育
▲インタビューに対応してくださった谷本浩二先生
御校は、どのような建学精神のもとで生徒さんと向き合っていらっしゃるのでしょうか?
本校の建学精神は、「心豊かな人間性を育成し、調和のとれた人間を目ざす」です。創立当初に掲げた「5つの実践」を通して、当たり前のことができる人間に育てています。「5つの実践」は具体的に、「あいさつをします」「大きな声で返事をします」「時間を守ります」「履物をそろえます」「心を込めて掃除をします」を指します。
いずれも社会生活を円滑にする要素で、心がけ次第でできることですよね。入学して最初に授業を受ける「学級開き」でも、担任が「5つの実践」について話をするんです。この「5つの実践」を全員が笑顔で実践できれば、本当にステキなことだと思います。
先生も率先して、生徒とすれ違う際に「おはようございます」「さようなら」と声をかけます。掃除も例外ではなく、生徒たちと一緒に先生も掃除します。
このように日常に組み込んでいくと、あいさつや返事をする習慣が当たり前のことになって、自然と「5つの実践」が身についていきます。少し声が小さくなる時期があっても、土台がしっかりしているので大きく崩れることはありません。
「5つの実践」の内容はいずれも、社会人に求められる要素ですよね。特にコミュニケーションが薄くなってきている風潮があるので、しっかりとあいさつや返事ができる人は信頼されそうです。
卒業生からは、「あいさつの習慣を身につけていてよかった」「上司から褒められた」という声をよく聞きます。「当たり前」が難しくなってきている時代だからこそ、当たり前の礼儀・マナーなどを身につけた社会人に育ってもらいたいです。
伝統行事を通じた人間力育成:坐禅朝会・寒稽古・針供養の意義
▲坐禅朝会
御校では1980年の開校以来、「坐禅朝会」を実施されているそうですね。こちらは「調和の取れた人間を育てる」という教育理念を意識されてのものなのでしょうか?
そうです。2023年度は中学校・高等学校ともに月1回ほどのペースで実施しました。15分〜20分の間、全校生徒が静かに目を閉じて、坐禅を組みながら自身の生活を振り返ります。全校朝会の一環なので、坐禅を終えた後には校長講話(校長先生の話)を聞き、これからの自分の生活のあり様や、生き方を見つめ、心穏やかに日々を過ごしていくようにしています。
情報にあふれた現代は静かに心を落ち着けることも難しいので、坐禅朝会は心のリフレッシュにもなりますね。ほかに、教育理念を体現するような取り組みはありますか?
高校2年生を中心にした「寒稽古」は、ひとつのことをやり遂げる達成感や、仲間意識を育むための行事です。1月下旬ごろの5日間を寒稽古の期間とし、授業前の7:30ごろから男子は剣道の素振りや声出し、女子はグラウンドのランニングに取り組みます。
寒い朝、いつもより1時間ほど早く登校して寒稽古に励むのは、生徒にとってつらいことです。最初は「寒い」「嫌だ」という声が挙がりますが、5日間を終えると達成感や仲間意識が芽生える生徒が多いです。
寒稽古をしたから大きく変わるわけではないものの、「寒かったけれど、最後までやり遂げました」「友達がいたから乗り越えられた」という前向きな感想も寄せられます。一方で運動部に所属している生徒たちは、高校2年生以外も積極的に寒稽古に参加しています。
▲寒稽古
御校が開校以来続けていらっしゃる「針供養」は、どのような行事ですか?
針供養は感謝の気持ちを育てるための行事です。地域の神社を運営する宮司(ぐうじ)さんから、生徒たちへ講話をしていただきます。
中学生・高校生の思春期は、素直に感謝の気持ちを表現することが難しいですよね。だからこそ、針供養の日を設けて「ものを大切にする」「生まれたことへの感謝」などに目を向けられるようにしています。そうすることで、日頃の生活に感謝する心を忘れることはありません。
針供養は本校が女子校だったころから続く行事でもあります。当時、縫い物をする際に「豆腐に針を刺す」針供養で感謝の気持ちを表していたそうです。女子校の針供養が形を変え、現在も受け継がれています。
▲針供養では、代表の生徒が感謝の言葉を述べる
小学生との交流「鞆学」によりリーダーシップを育成
▲付属の小学校と連携した「鞆学」。お弁当を食べながら、先輩・後輩の親睦を深める
御校と同じ敷地内に付属の小学校がありますが、小学校と連携した行事は実施されているのでしょうか?
はい。中学1年生を対象に、付属の小学校の5年生とまち散策をする「鞆学(ともがく)」という行事を実施しています。本校は、映画のロケ地等でも有名な鞆の浦に研修センターを備えており、地元鞆の浦の歴史を学ぶことから、この名前がつきました。
小学生にまちを案内するために、中学1年生は事前に下調べをして、できる限り負担の少ないコースを設定します。あくまでもまち案内なので、沼名前(ぬなくま)神社や、仙酔島(せんすいじま)といった名所をおさえる必要もあります。
本校の生徒は、小学生にルートを説明するために「このようなコースを通るので、安心してください」とプレゼンをするんです。プレゼンの資料も全て中学生が用意します。鞆学でリーダーシップを体験し、中学1年生たちは後輩を育てる意識を高めていくようです。
探究学習重視の教育:銀河学院中・高等学校の特色ある取り組み
銀河学院中・高等学校が力を入れているのは、物事の本質に迫る探究的な学習です。具体的にはどのような内容なのか、詳しく伺ってみましょう。
宮沢賢治作品の劇づくりで培う問題解決能力と文化理解
「銀河学院」の銀河は、宮沢賢治さんの『銀河鉄道の夜』にも関係しているそうですね。授業でも宮沢賢治さんの演劇をすると伺ったのですが、どのような意図があるのでしょうか?
主なねらいは、宮沢賢治さんの作品に対する理解を深めることです。物語を演じる上で、登場人物の心情や時代背景への理解は欠かせません。劇にする中で自然と、舞台となる東北地方の文化を知ったり、宮沢賢治さんの生き方に触れたりできるんです。
同じ日本でも、本校のある中国地方と、宮沢賢治のルーツである東北地方の文化は違います。そのため本校では中学3年生を対象にした「研修旅行」でも東北地方に出向き、現地の空気感を味わってもらっているところです。研修旅行で東北地方の中学校と交流した際に、「注文の多い料理店」「銀河鉄道の夜」などの劇を披露したこともあります。
▲宮沢賢治の劇を演じ、登場人物の心情や時代背景の理解を促す
劇の台本は、先生たちが用意するのでしょうか?
もちろんサポートはしますが、台本作成から音響、照明、衣装、監督までを生徒たちが担います。登場人物の気持ちを理解しやすくするために、生徒たちがオリジナルのセリフを足すケースもありますよ。
文字を映像にしていくためには、さまざまな力が必要です。「この場面ではどんな音がふさわしいのか」「この時代の服装はどういうものなのか」「どんな表情がよいのか」など、たくさんのことを想像し、それを実際の形にしていきます。それが本当に楽しいのです。
劇づくりを通して身につけた問題解決能力は、数学の文章題や理科の理論分析といった分野にも活かせると思います。国語に限らず、「なぜそうなるのか」というプロセスに目を向けた授業を展開しているのは、本校の大きな特徴です。
ICT活用教育:プレゼンテーションスキルと情報活用能力の育成
御校は、タブレットをはじめとするICTの活用にも力を入れているそうですね。
理科・社会などの調べ学習を中心に、生徒がタブレットでプレゼン資料を作成する機会を設けています。写真と文章を組み合わせてスライドを作成し、発表するイメージです。
例えば、お菓子のパッケージを作成した時には、“そのお菓子を手に取る人がどんな人なのか”までイメージし、それに合わせて色なども工夫している様子が見られました。
▲リアルにイメージしたからできる工夫が随所に見られる。
そのほか、国際交流で外国の方々と触れ合う際にも、日本の文化・歴史などをプレゼン資料にまとめて紹介しています。
▲風景写真に吹き出しをプラス!呼びかける文言で親しみやすさを演出
銀河学院中・高等学校からのメッセージ
▲こちらから、銀河学院中・高等学校の校舎風景をご覧いただけます
中学受験を検討しているお子さま・親御さまに向けたメッセージをお願いします。
私たちは今、「笑顔推し」の姿勢をベースにしているんです(笑)。中高という多感な時期ではいろいろな出来事が起きると思いますが、その中でも笑顔を大事にして、自信を持って成長してほしいという想いを持ち、日々生徒たちに接しています。
私立受験は選択肢が多いので、「銀河学院が第一志望ではなかった」というケースもあるかもしれません。ただ、本校に通うからこそ出会える仲間や、先生たちがいるんです。人との出会いを大切に、「銀河学院中・高等学校の生徒になる」誇りを持って学校生活を送ってほしいと思っています。
また、本校はお子さまが描く将来を尊重しながら、先生・親御さまとの3人4脚で実現を目指せる学校です。習熟度別学習・少人数授業・選択型の講習も取り入れているので、お子さまのペースで学力の向上を目指せます。「今よりもワンランク上の自分に成長したい」と考えているお子さま・親御さまは、ぜひ本校をお選びください。
「5つの実践」を通して礼儀・マナーに触れられる御校であれば、将来社会で活躍する力を身につけられそうですね。本日は、学校選びの参考になるお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
銀河学院中・高等学校の進学実績:国公立大学から難関私大まで
銀河学院高等学校で学ぶ生徒たちは、その多くが第一志望の大学に合格しているということです。卒業生の進路は幅広く、国公立大学・私立大学への進学をする一方、就職の道を選ぶ生徒もいます。
2023年度は京都大学・山口大学・岡山大学といった国立大学や、関西地方で難関といわれる関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学にも合格者を輩出しました。卒業生がしっかりと進路を勝ち取っていることからも、大学受験に対応したカリキュラムや、先生たちのサポート力がうかがえますね。
保護者の声:銀河学院中・高等学校の評価
最後に、銀河学院中・高等学校に寄せられた、保護者からの口コミをまとめて紹介します。
保護者の口コミからも、生徒さんの将来を見据えてサポートをする先生たちの姿勢がうかがえます。学習面はもちろん、社会人として必要なスキルを指導してもらえる点に満足している保護者も多いようです。
銀河学院中・高等学校のお問い合わせ先
運営 | 学校法人「銀河学院」 |
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住所 | 広島県福山市大門町119-8 |
電話番号 | 084-941-9292 |
問い合わせ先 | お問い合わせフォーム:http://www.ginga.ac.jp/contact/ |
公式サイト | http://www.ginga.ac.jp/ |
※詳しくは公式ページでご確認ください