独自の教育を実践する注目の学校を紹介する本企画。今回は、埼玉県入間市にある中高一貫の共学校「狭山ヶ丘高等学校・付属中学校」を紹介します。
1960年に開校した同校は、創立64周年を迎えた進学校です。塾に通わずとも+αの学習ができるよう、授業以外にゼミや講習を多く開催しています。そんな同校では、生徒が自分を見つめ、自学自習ができるようになる環境もあり、毎年多くの生徒が国公立大学や難関私立大学に合格しています。
今回は、そんな狭山ヶ丘高等学校・付属中学校の建学の精神や独自の取り組みについて、中学校の大江教頭と中学保健体育の高橋先生にお話を伺いました。
この記事の目次
狭山ヶ丘高等学校・付属中学校の自己観察教育
▲取材に対応いただいた、中学校の大江教頭と中学保健体育の高橋先生
まずは、狭山ヶ丘高等学校・付属中学校の建学の精神・教育理念についてお聞かせください。
本校の建学の精神は「事にあたって意義を感ぜよ」です。これは本校の校訓としても普段から生徒に伝えていることですが、「何事を行うにしても、その意味を考えなさい」ということです。
そして、1960年開校以来の教育理念として「自己観察教育」を掲げています。自分自身を観察する、自分のことを振り返るという意味であり、その方法として「黙想」「対話教育」「茶道教育」を実践しています。
黙想は授業だけでなく、式典を含むすべての学校活動の始めに行っており、みんなで一斉に姿勢を正し、息を整えます。黙想の前には教員から「今学期はどうだったか」などのテーマを出し、そのテーマについて自分を振り返ります。
▲授業ほか学校行事は黙想で始まる
「対話教育」と「茶道教育」についてはいかがでしょうか?
対話教育では、挨拶や日常的なコミュニケーションをもちろん大切にしていますが、本校ではさらに毎学期始めに面談週間を設けています。先生と生徒、生徒同士でもそうですが、対話することで良好な人間関係を築きながら、学校生活や進路がより良いものになればと考えています。
茶道は、高校3年の授業で週に1回ほど取り入れています。師範の資格を持っている茶道部の顧問の先生が指導し、高校卒業時には全員が「茶道裏千家初級許状」を取得します。
茶道は日本の伝統的な文化であり、茶道を通して、日本人独特の美意識や礼儀作法を学びながら、日本の歴史や文化、価値観に対する理解を深めることができます。また、精神統一の面でも役立っており、豊かな人間性の育成につながっていると考えています。
手厚いサポートが評判。狭山ヶ丘高等学校・付属中学校の学習環境
ここからは狭山ヶ丘高等学校・同付属中学校が特に力を入れている、生徒の学習をサポートするための取り組みや、高校進学後のコースについてご紹介します。
朝・放課後のゼミ、長期休暇中の講習など。塾に通わず+αの学習ができる環境
狭山ヶ丘高等学校・同付属中学校では生徒の学習サポートに力を入れていると伺いました。どのようにサポートされているのか、お聞かせください。
朝ゼミ・放課後ゼミ、長期休業中の講習など本校では数々のゼミ・講習を行っています。これらは強制参加ではありませんが、特に中学生については積極的に受けるように指導しており、ほぼ全員が受講しています。
ゼミの内容としては、授業で学んだことの演習がほとんどです。英語については、通常のゼミもありますが、本校では英検を受験することを奨励しており、たくさんの生徒がチャレンジしますので、英検の前には英語科の教員が分担して英検対策の特別講座を開きます。
中高を通してゼミの参加率が高く、能動的に学習に向き合う、という姿勢が生徒に備わってきていると感じますね。
自由に使える自習スペースが豊富。集中して勉強できる空間を校内に確保
▲静かな環境で集中して学習に励むことができる自習室
狭山ヶ丘高等学校・同付属中学校では自学自習を重視されているとのことですが、その取り組みについてお聞かせください。
本校では、自由に使える自習スペースを設け、生徒が自学自習できる環境を整えています。中学生専用の図書館には自習室スペースを、高校にはさらに大きい自習室を設けています。またこれらとは別に「生徒ホール」と呼ばれる施設があり、放課後は生徒の自学自習や憩いの場として利用されています。
学力を定着させるためには授業以外の時間に復習することが大切ですが、生徒にただ「復習しなさい、自主学習しなさい」と言ってもなかなか行動に結びつけるのは難しいです。そのため、校内に自習スペースを設け、いつでも自由に使えるようにしています。
テスト前にはほぼ満席になっているので、自分で机に向かうことの大切さは伝わっているようです。ちなみに高校の自習室は、日曜・祝日も利用でき、年末は12月31日まで、年始は1月2日から開けています。
▲放課後は自習室として開放されている図書館
狭山ヶ丘高等学校は、生徒の目標や希望に対応する4つのコースあり
高校では4つのコースがあるとお聞きしましたが、それぞれのコースについて伺えますか?
高校の4つのコースは、目指す進学先や目標によって分け、4コースとも大学現役合格を実現するためのカリキュラムを組んでいます。
大学進学に向け、学業をメインに進めたい生徒に向けては、『難関国立進学コース』『特別進学コース』があります。『難関国立進学コース』は東大をはじめとする難関国立大学を、『特別進学コース』は難関私立大学を含む国立大学を目指して日々学習に取り組みます。
また、部活と学業を両立したい生徒に向けては、『総合進学コース』『スポーツ・文化進学コース』があります。『総合進学コース』は部活に励みながら難関大学合格を、『スポーツ・文化進学コース』は本校の強化クラブに所属する生徒が在籍するコースで、部活に専念しながら文系の私立大学合格を目指すコースです。
部活動も楽しみつつ学校生活を送りたい場合、部活動はどのくらいの種類があるのでしょうか?
高校では、強化部の他にもスポーツ系・文化系が計25クラブあり、囲碁・将棋や写真、英語などの同好会も8つあります。
狭山ヶ丘高等学校・付属中学校からのメッセージ
最後に、狭山ヶ丘高等学校・付属中学校に興味を持ったお子さまや保護者の方に向けてメッセージをお願いします。
『百聞は一見に如かず』と言いますので、一度お越しいただいて、本校を見ていただければと思います。夏以降には何度も学校見学説明会を行っていますし、受験を考えておられるのであれば、実際にどんな生徒がいるのかを知るのが一番です。毎年9月に開催される文化祭は一般公開しておりますのでぜひお越しください。
もちろん、それ以外でも良いので、一度ご来校いただき、どんな生徒がいて、どんな施設があって、最寄り駅からどのくらいの距離なのかなどの確認も含めて、ぜひ一度足を運び、本校について知っていただければと思います。
生徒自らが勉強に向き合うために、自習を促す環境を整えていること、さらにはさまざまなゼミで手厚いサポートを行っていることがわかりました。また、クラブ活動や文化祭を通して学校生活を楽しんでいる様子もうかがえました。本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
▲校舎よりスクールバスで15分の位置にある狭山ヶ丘学園総合グラウンド
狭山ヶ丘高等学校・付属中学校の進学実績
▲放課後は進路指導部の教員が在室しており、生徒は進路の悩みを気軽に相談することができる
狭山ヶ丘高等学校・付属中学校では、ほぼ全員が四年制大学に進学しており、毎年多くの生徒が国公立大学や難関私立大学に合格しています。
令和6年度の実績としては、国公立大学に45名、早慶上理ICUに43名、GMARCHに121名が合格しました。特に、東京大学に“2年連続2名の現役合格者”を輩出しており、これは狭山ヶ丘高等学校の長い歴史の中でも初めての快挙です。
そのほか東洋大学42名、日本大学28名、武蔵大学26名、東京農業大学23名、駒澤大学20名、津田塾大学19名、芝浦工業大学18名ほか有名私立大学への合格者も多数います。
※令和6年度の卒業生総数は363名。上記合格実績には既卒生も含んでいます。
■進路実績(狭山ヶ丘高等学校・付属中学校公式サイト)
https://www.sayamagaoka-h.ed.jp/highschool/univ-passrecord/
狭山ヶ丘高等学校・付属中学校の卒業生の声
ここからは、狭山ヶ丘高等学校・付属中学校の卒業生の声を紹介します。
狭山ヶ丘高等学校・付属中学校へのお問い合わせ
運営 | 狭山ヶ丘学園 狭山ヶ丘高等学校・付属中学校 |
---|---|
住所 | 埼玉県入間市下藤沢981 |
電話番号 | 04-2962-3844 |
問い合わせ先 | https://www.sayamagaoka-h.ed.jp/contact/ |
公式ページ | https://www.sayamagaoka-h.ed.jp/ |
※詳しくは公式ページでご確認ください