全員が海外留学を経験!「梅光学院中学校・高等学校」の国際教育の魅力|中高一貫校

グローバルに活躍できる人材育成で注目を集める学校を紹介するこの企画。今回は、山口県下関市にある私立の中高一貫共学校「梅光学院中学校・高等学校」をご紹介します。

梅光学院中学校・高等学校は、1872年に創設された150年超の歴史を持つミッションスクールです。幼稚園や大学・大学院も擁する学校法人梅光学院によって運営され、全員海外留学を経験できる国際教育やドラマ教育など、生徒の主体的な学びに重点を置いた特色ある教育プログラムを展開しています。

今回は同校の校長で、梅光学院大学学長・梅光学院理事長も務める樋口先生、そして教頭の重村先生に、梅光学院中学校・高等学校の教育理念や独自の教育活動について詳しくお話を伺いました。

梅光学院中学校・高等学校の目指す“Beyond the Borders”

梅光学院中学校・高等学校校長の樋口先生

▲取材にご対応いただいた校長の樋口先生

編集部

はじめに、御校ではどのような教育理念を掲げているのかを教えていただけますか?

樋口校長

梅光学院中学校・高等学校のスクールモットーは、聖書の一節からとった「光の子として歩みなさい」というものです。それをより具体的にしたものとして「強くしなやかな精神と、新しい世界を切り拓く能力を、他者のために用いることのできる人間を育てる。」という建学の精神を掲げています。

梅光で得られる学びや経験はすべて、神様が与えてくださるものです。だからこそ、その学びや経験を他者のために生かしていこう、というのが本校の方針です。

編集部

樋口先生は梅光学院中学校・高等学校の校長就任前から梅光学院大学の学長も務めていらっしゃるとのことですが、簡単にご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。

樋口校長

私は梅光女学院大学文学部英米文学科を卒業し、さまざまな海外経験を経た後、帰国して梅光学院大学の宗教主任を約10年務めました。その後大学学長になり、現在は学院の理事長と中学校・高等学校の校長を兼任しています。

編集部

梅光学院中学校・高等学校の校長であり、理事長として学院全体の教育を考えるお立場でもあるわけですね。

樋口校長

その通りです。そのため学院全体で同じ方向を向いて教育を進めていくことも大切にしています。例えば先ほどお伝えした建学の精神はもともと大学で設定されたものだったのですが、私の中学校・高等学校の校長就任を機に、学院全体のものとして統一しました。また私が中学校・高等学校の教育目標として新たに設定した「Beyond the Borders」も、今は大学の教育目標として共有しています。

編集部

「Beyond the Borders」というのは、どのような教育目標なのでしょうか。

樋口校長

「Beyond the Borders」は「自分を超える、国境を越える」ことを意味します。そのために重視しているのが、生徒の主体的・積極的な学びの姿勢です。若い内は自信がなくてなかなか一歩踏み出せないことも多いと思いますが、本校の海外留学プログラムをはじめとするさまざまな経験を通じて生徒の主体的な学びを育み、「自分を超える」きっかけになればと考えています。同時に、実際に国境を越え、視野を広げてほしいとも思っています。

「Wake-Up全員留学」で全校生徒が海外経験を積む

梅光学院中学校の「Wake-Up全員留学」の様子

▲「Wake-Up全員留学」での生徒の様子

編集部

梅光学院中学校・高等学校の国際教育について伺います。まずは生徒全員が留学できる「Wake-Up全員留学」の概要を教えていただけますでしょうか。

樋口校長

「Wake-Up全員留学」は中学1年生と高校1年生全員を対象とした留学プログラムです。グローバル化が進む中で、これからの時代は海外の方と協働する力が不可欠になってきます。全員が海外を経験できるこのプログラムを通じて、その土台をつくっていくことができたらと思っています。

私自身の経験から、中高生の留学に適切な国を行き先として選定しています。中学校の留学先はさまざまで、これまでカナダ、オーストラリア、シンガポールなどでの留学を行いました。期間は1~2週間で、ホームステイです。

高校はフィリピンで3週間、大学の姉妹校の寮で生活しながら英語の習熟度に合わせたマンツーマン授業に加え、週末は各種アクティビティ、スラム街でのボランティア活動も実施します。生徒にとって楽しいだけの留学プログラムではなく、貴重な経験もできるのです。

梅光学院高等学校の「Wake-Up全員留学」の様子

梅光学院高等学校の「Wake-Up全員留学」の様子

▲梅光学院高等学校の「Wake-Up全員留学」の様子

編集部

「Wake-Up全員留学」を経験した生徒さんに感じる変化などはありますか?

樋口校長

中学生は留学期間中、少しずつホームステイ先のお母さんの言葉が理解できるようになったり、現地の学校に友達ができたりと楽しいこともおきます。もちろん、2週間ですから、完璧に日常会話を覚えることは難しいです。多くの生徒が「英語で言いたいことが伝わらなかったことが悔しい」という経験をしますが、それが帰国後の主体的な学びのモチベーションになっています

高校生も留学経験中に同じような経験をします。それに加え、留学中の貴重な体験によってさらに深い学びを得ることもできます。

ある生徒はスラム街でのボランティア活動で、家庭訪問をした際にスラム街の住民に「大変なことは何ですか?」と質問をしました。住民の方からは「大変なことはありません。子どもも元気に育っていて、ありがたいです。」という、生徒にとっては予想もしなかった答えが返って来たそうです。

そして、日本で恵まれた生活をしている自分たちの方が不平不満ばかりを言っていることに気づき、「幸せって何だろう」という感想を述べました。生徒にとって、とても良い気づきで、これからずっと問い続ける課題になったと思います。

梅光学院中学校の「Wake-Up全員留学」の様子

希望者を対象にした長期留学では、中学1年生で半年間の留学をする生徒も

編集部

「Wake-Up全員留学」の他に、希望制の留学制度もあるのでしょうか。

樋口校長

希望者を対象とした、ニュージーランドへの、中・長期留学制度があります。最短で3か月、最長で1年間の留学が可能です。中学生・高校生どちらも対象としているため、中学1年生で半年間の留学を経験している生徒もいます。

編集部

長期留学の場合も、Wake-Up全員留学と同様に滞在先はホームステイなのでしょうか。

樋口校長

はいそうです。ただしホームステイ先は全員バラバラ、現地で通う学校も全員バラバラになるようにしています。周囲に仲間がいないからこそ、自分でアクションを起こし、現状を打開していく力を身につけてもらいたいというのが狙いです。

オールイングリッシュの環境で培った英語力を披露する「マッケンジー杯」

梅光学院中学校・高等学校の授業の様子

編集部

梅光学院中学校・高等学校の英語教育としては、どのような内容を実施していますか?

樋口校長

英語の授業はネイティブ教員、日本人教員ともにオールイングリッシュで実施しています。海外の先生とのオンラインでの会話レッスンやディスカッション、プレゼンテーションなどさまざまな機会を通じて、実践的な英語力を育んでいます。

培った英語力を披露する場として、毎年3月に「マッケンジー杯」という英語プレゼンテーションコンテストがあります。これは、中学1年生から高校2年生までの予選で選ばれた生徒が、「SDGs」をテーマにiPadを用いて調べ学習を行い、その内容を皆の前で披露するというものです。

梅光学院中学校・高等学校のマッケンジー杯の様子

▲大学の礼拝堂で実施するマッケンジー杯の発表の様子

樋口校長

マッケンジー杯は約800人ほど収容できる大学の礼拝堂で、1日がかりで実施しています。大学教授や大学のネイティブ教員が審査員となり、英語力はもちろん、発表内容や、大スクリーンを用いて行う発表の仕方などさまざまな面から評価し、中学・高校それぞれで上位3位を決めていきます。

もちろん高校生は中学生と比べるとよりブラッシュアップされた内容の発表を行っているのですが、中学生でもびっくりするくらいのレベルの高い発表をしています。毎年実施することで、非常に底上げされてレベルが上がっているなと感じますね。多くの人の前で自分の考えを披露するというのも大きな経験になります。

自分でテーマを決める「探究学習」で主体性を育む

編集部

海外留学の他にも、生徒の主体的な学びにつながる教育活動があれば教えてください。

重村先生

高校2年生のときに行う探究学習では将来やりたいことや進学目標を明確化するため、生徒自身が興味のある分野でテーマ設定を行い、研究論文を作成するという内容を実施しています。

その際には大学と連携し、教授やゼミ生からアドバイスを受けながら探究を深めていくのですが、その大学もこちらで指定し、特定の大学に一括してお願いするのではなく、生徒自身の学ぶ意欲が最大限高まるように、第1志望の大学に協力してもらえるよう依頼しているのがポイントです。

自分の興味のある分野で、志望の大学からアドバイスを受けながら学習を進めることは、学ぶ楽しさにつながりますよね。だからこそ積極的、主体的な学びの姿勢が生まれる場となっていますし、大学に進学してからのミスマッチがなくなり、学部トップの成績を取る生徒も出てくるようになりました。

樋口校長

進路を決めかねていた生徒が、探究学習を通じてやりたいことを見出し、志望大学を決断したという例もあります。英語学習に興味がある生徒は英語で指導してもらえる先生に依頼するなど、生徒の興味に応じて本当に多様な学びが実現しています。

生徒自身で校則もアップデート!生徒主体の学校運営

梅光学院中学校・高等学校の生徒会の話し合い

▲生徒会で話し合いながら、学校の規則などを検討

編集部

梅光学院中学校・高等学校では、生徒の皆さんの主体性を学校運営にも活かしているとのことですが、具体的にどのような取り組みがありますか?

樋口校長

毎朝の礼拝から文化祭などの行事まで、あらゆる学校活動を生徒主体で運営しています。その中でも特徴的なのが生徒会を中心とした生徒主導による学校規則のアップデートです。

元々本校では制服の着方など厳しい校則があったのですが、今の時代に合わせたものに変えていきたいという意見が出たことをきっかけに、全校生徒の意見を吸い上げながら「ホワイト校則」をつくり上げていきました。その一例としては、制服の着こなしの緩和や一部の日の私服登校の許可などが挙げられます。

また生徒一人ひとりが主体性を発揮していけるよう、生徒自身の発信機会を意識してつくっています。普段の授業での発表はもちろん、礼拝の場や保護者会の場でも生徒の発表の場を設け、生徒が感じたこと、体験したことを自分の言葉で発表してもらっています。

表現力だけでなく、コミュニケーション・社会性も育む「ドラマ教育」

梅光学院中学校・高等学校のドラマ教育の様子

編集部

御校で行っている「ドラマ教育」について、どのような内容なのか教えていただけますか?

樋口校長

ドラマ教育はドラマをパフォーマンスするのではなく、何らかのシチュエーションを設定し、それを解決するために役割分担をして演じていくというプログラムです。全身を使って表現するため、自己表現力を磨くことができます。また皆で演じる中で、コミュニケーション力や人の立場になって考えてみる等、社会性など人間関係も学べる点もポイントです。

このプログラムはヨーロッパやアメリカでは主流ですが、日本では取り入れている学校が少なく、比較的珍しいと思います。自身で劇団を持ち、脚本を書いたり演じたりしている先生がいるため、その先生の指導のもと実施しています。

「演じる」ことにフォーカスした取り組みとしては、クリスマス礼拝で行うドラマの発表会があります。幼稚園、大学と合同で行うクリスマス礼拝の中で、本校の生徒が聖書の内容を基本にしたドラマを演じています。これにはいつも感動します。

編集部

ドラマ教育は生徒さんの成長においてどのような効果があると思われますか?

樋口校長

普段はおとなしい生徒がセリフをもらって違う人を演じることで、大きな声ではっきりと話せるようになっている姿を見ると、演劇的アプローチによる表現力の向上を実感します。教員から見ても生徒の新たな一面を発見する機会になっていますし、生徒自身にとっても堂々と演じている自分を客観的にみることで新たな自信につながっているのではないでしょうか。

梅光学院中学校・高等学校からのメッセージ

梅光学院中学校・高等学校の校門

編集部

最後に、梅光学院中学校・高等学校の教育に興味を持った読者の方に向けてメッセージをお願いします。

重村先生

本校では、未来を生きる生徒たちが、答えのない課題に対して向き合う力をつけられるような教育を推進しています。「全員留学」や「ドラマ教育」など聞きなれない内容も多いかもしれませんが、将来に必ず生きてくる力を身につけられると思っているため、本校を信じてぜひ入学してくれると嬉しいです。

樋口校長

“本当の学び”というのは、大学を卒業した後も続いていくものです。本校の教育を通じて、将来にわたり本当の学びを深めることができる人を育てることができればと思います。

梅光学院中学校・高等学校では主体的に学び、幅広い力を身につけられる環境があります。固定観念にとらわれない学びで「Beyond the Borders」を実現したい方は、ぜひ本校にお越しいただければと思います。

編集部

樋口先生、重村先生、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

梅光学院中学校・高等学校の進学実績

梅光学院中学校・高等学校の過去5年間の進学実績をみると、旧帝国大学の九州大学をはじめとする国公立大学や、早稲田大学、国際基督教大学(ICU)、上智大学、東京理科大学といった難関私立大学への合格者を輩出しています。

また一般の大学指定校に加え「キリスト教同盟推薦枠」があることも大きな魅力です。多くの生徒が国際基督教大学や関西学院大学といった有名難関私立大学に推薦で進学しています。

■梅光学院中学校・高等学校の進学実績(公式サイト)
https://www.baiko.ac.jp/highschool/education/agreement/

梅光学院中学校・高等学校の卒業生、保護者の口コミ

ここでは、公式サイトに掲載されている卒業生・保護者の声を一部抜粋して紹介します。

(卒業生)留学やICT教育を通じて、実践的に様々なことを学べます。iPadを使って授業の中でプレゼンテーションをしたり、課題を提出したりと、大学や就職後など、社会に出ても活かせる力を身につけていけます。

(卒業生)留学は6年間で3度経験させていただき、当初の目標だった英語力向上だけでなく、自分の中の「普通」は海外では通用しないことを感じ、物事を多角的に捉えられるようになりました。梅光では生徒主体で行う行事も多く、他の学校では経験できないことも体験できます。

(保護者)「子どもの可能性を広げ、成長できる機会」は実際に多くあり、子どもも学ぶ時にはしっかり学び、イベント行事には全力で楽しんでいるようです。何事にも挑戦する、チャレンジ精神と探究心が強くなったと感じます。

(保護者)多様なカリキュラムや留学、多くの経験ができる行事などを通して自分の立場や役割を認識し、今何をすべきかを自分で考え行動できる子に成長しました。(略)本人も学校が大好きで、入学できたことを「本当にありがとう」と伝えてくれることが何より良かったと思います。

卒業生からも保護者からも、留学やICT教育、生徒主体の行事など、梅光学院中学校・高等学校ならではの教育に魅力を感じる声が多く挙がっていました。さまざまな経験を通じて視野を広げ、多角的な力を身につけられることを実感しているようです。

■梅光学院中学校・高等学校の卒業生、保護者の声(公式サイト)
https://www.baiko.ac.jp/highschool/education/voice_graduate/

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運営 学校法人梅光学院
住所 山口県下関市丸山町2-9-1
電話番号 083-227-1200
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https://www.baiko.ac.jp/highschool/inquiry/
公式ページ https://www.baiko.ac.jp/highschool/

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