特色ある教育を実施し、未来を担う人材を育成する注目の学校を紹介するこの企画。今回は埼玉県北葛飾郡杉戸町にある私立中高一貫校「昌平中学校・高等学校」を紹介します。
1979年(昭和54年)に創立された昌平中学校・高等学校は、数多くのプロ選手を輩出してきた部活動の強豪校として知られています。また埼玉県初の国際バカロレア(IB)中等教育プログラム(MYP)認定校となるなど、独自性ある教育プログラムと手厚い学習サポートで、生徒の多様な進路も実現させています。
今回はそんな昌平中学校・高等学校の教育の魅力について、同校中学教頭の前田先生にお話を伺いました。
この記事の目次
グローバルに活躍できる人材育成を目指す「昌平中学校・高等学校」
▲インタビューにご対応いただいた中学教頭の前田先生
昌平中学校・高等学校ではどのような方針で教育を実施されているのでしょうか。
本校の教育方針は大きく2つあります。1つは本校の教職員モットーとして掲げる「手をかけ鍛えて送り出す」というもの。教職員が一丸となって生徒それぞれのニーズに寄り添った指導を行い、希望の進路実現を目標に教育を実施しています。
もう1つが、「グローバルに活躍できる人材の育成」を目標に、中学校と高校で発達段階に応じた学びを実践していることです。中学校の3年間は国際バカロレア(IB)教育を中心とした学びの土台をつくることを重要視し、高校ではその土台の上に、大学進学に向けた学力をさらに培っていけるような教育を行っています。
昌平中学校の3年間、全教科にIB教育を導入
国際バカロレア(IB)のプログラムは、全生徒が対象なのでしょうか。
中学校では全校生徒に対してIB教育を行っています。高校にもIB教育はありますがコース選択制で、IBコースを選択した生徒はディプロマプログラム(DP)を受けます。
IBは1968年に創設された50年以上の歴史を有する教育プログラムです。さらに世界中のインターナショナルスクールで実践される中で、最新の教育理論を取り入れながらアップデートされてきました。そんなノウハウが詰まった探究を基盤とした指導・教育を、中学校3年間の全教科に取り入れています。
昌平中学校のIB教育により身につく「探究」の力
IB教育を通じて、生徒の皆さんにはどのような力がつくのでしょうか。
本校のIB教育は、双方向型の授業や調べ学習、発表の授業形式を取っています。生徒が主体的に学習することで、探究力やコミュニケーション力を養っています。
また一人で学ぶのではなく、他の生徒と一緒に話し合ったりものを作ったりしながら進めていくことで、自分にはない考えを吸収できるのもメリットです。お互いに刺激し合いながら、学びに対するモチベーションを高めるきっかけも提供できているのではないでしょうか。
全校生徒の英語力を高める「パワー・イングリッシュ・プロジェクト」
▲英語学習に関する掲示がモチベーションをアップ!
グローバル基準の人材育成には英語力も重要になると思いますが、昌平中学校・高等学校ではどのような英語教育を実施されているのでしょうか。
大学入試の上でも、将来グローバルに活躍していく上でも、英語力はとても大切です。そのため昌平中学校・高等学校では「全校生徒が英語を得意教科に」を合言葉にパワー・イングリッシュ・プロジェクトを実施しており、ネイティブ教員や英語科の教員だけでなく他の教科の教員も含めて学校全体で、生徒の英語力を高めるための働きかけを行っています。
その中でも特徴的なのが英検への取り組みで、全校生徒が年に1回は必ず英検を受験しています。その結果、中学3年生の時点で約3割が2級(※1)以上、約8割が準2級(※2)以上を取得しています。中学校に入ってから本格的に英語を学びはじめた生徒ばかりと考えると、パワー・イングリッシュ・プロジェクトの成果を実感いただけるのではないでしょうか。
(※1)高校卒業程度のレベル (※2)高校中級程度のレベル
本当にすごい成果ですね!英検対策として学校ではどのようなサポートをしていますか?
年に3回の1次試験に向けた講習、ライティング添削、1次試験合格者全員に対する2次試験に向けた面接対策等を実施しています。面接対策に関しては、1次合格者の人数が多いため、ネイティブ教員だけでなく英語が話せる日本の教員も総動員でサポートしている状況です。
こうした英検受験に対するサポートにも、「手をかけ鍛えて送り出す」という御校の教職員モットーが感じられますね。
6年間で3回の語学研修あり。ハーバード大学生との交流の機会も
学校外で英語を学べる機会もあるのでしょうか?
中学校では、1・2年生を対象とした福島県・羽鳥湖高原のブリティッシュヒルズでの語学宿泊研修、3年生の海外修学旅行があります。高校では2年生全員の海外への修学旅行語学研修に加え、希望者のみを対象とした海外での語学研修もあります。
また、一定以上の英語力を持つ生徒を対象に「ハーバードサマースクール」という希望者対象の3日間のプログラムを実施しているのも特徴です。ハーバード大学の学生が本校に来て交流を行うもので、英語でのディスカッションやクリティカルシンキングの力を高める機会になっています。教員よりも年齢が近い優秀なハーバードの学生と交流することで、英語を学ぶだけでなく大学での研究の話なども聞くことができる、とても刺激的な3日間となっています。
授業だけでなく、海外への語学研修を含めたさまざまなプログラムが充実しているのは、どのような理由からでしょうか。
本校の英語教育に魅力を感じて入学する生徒も多いのですが、実際にそのモチベーションを6年間キープするのはなかなか大変です。だからこそ授業で学んだ英語を実践で話す機会を提供し、さらなる学びのモチベーションを高めてほしいという意図があります。
実際に英語を使ってみると上手くいかないことも多いと思いますが、その経験が「もっと勉強したい」という思いにつながっていくのではないかと考えています。
ほぼ毎日の単語テストや「日本語禁止部屋」で、日常生活から英語に親しむ
生徒の皆さんが日常的に英語に触れられるような取り組みはありますか?
英語の力を高めていくために単語の習得は欠かせません。単語を定着させていくためには反復が大切なので、昌平中学校・高等学校では週に2、3回単語テストを実施しています。さらに年3回、学期の終わりに総復習として全校一斉の「ボキャブラリーコンテスト」を行い、平均点や上位者の発表を行うことで生徒の学習モチベーションを高めています。
▲ボキャブラリーコンテストに関する掲示板
あとはネイティブ教員が常駐するインターナショナル・アリーナという日本語禁止部屋があるのもポイントです。生徒たちの英会話の練習に活用されており、生きた英語を学ぶ良い機会になっていますよ。
パワー・イングリッシュ・プロジェクトは、これからも新しい取り組みを増やしていく予定です。英語を学びたいという生徒にとっては非常に良い環境があると思っています。
学校外の人とのつながりが、生徒の視野を広げる
▲中学校では田植え体験も恒例行事
その他にも、昌平中学校・高等学校で実施している特徴的な教育プログラムがあれば教えてください。
昌平中学校・高等学校では生徒の視野を広げていくために、学校と社会をつなぐ教育活動に力を入れています。その一環として行っているのがキャリア教育で、中学3年生を対象に社会の第一線で働く人の話を聞く機会を設けています。
中学生だとまだ将来のことも具体的に考えていない時期ですし、そもそもどのような職業があるのかも知らないことも多いです。いろいろな職種の方の話を聞くことで、将来を考える上での選択肢を広げていってもらえたらと考えています。
現在は外部の方を呼んでいますが、今後は生徒の保護者に講師となっていただくことを予定しています。
生徒にとって身近な存在である保護者の方のお仕事の話を聞くことで、より具体的に将来をイメージできるきっかけになりそうですね!
興味のある分野で社会貢献をする「コミュニティプロジェクト」
▲コミュニティプロジェクトの発表の様子
生徒さんが学校の外の社会とつながれるような、学校外での活動も行っているのでしょうか。
中学3年次に、生徒が自分の興味ある分野で奉仕活動を行う「コミュニティプロジェクト」を実施しています。調べて発表するだけでなく実際の活動につなげているのがポイントで、生徒によって本当にさまざまな奉仕活動を行っています。
印象に残った奉仕活動にはどのようなものがありますか?
千葉県野田市に住む生徒が、自分の住むまちを盛り上げるためにPR動画を制作したことがありました。ダンスが好きな生徒だったため、野田市のいろいろな場所で踊りながらPRするという内容です。本人が企画して撮影・編集まで行っているんですよ!
充実した内容だったので野田市の公式YouTubeでも発信され、野田市長の定例会見にも出席させてもらいました。
■生徒が制作したPR動画はこちら(野田市公式動画チャンネル)
プロ多数輩出!昌平中学校・高等学校の部活動の魅力
▲人工芝のグラウンドなどの設備も充実
昌平中学校・高等学校では部活動も盛んに行われているのでしょうか?
はい。特に高校では文武両道を謳い、レベルの高い部活動も少なくありません。サッカー部やラグビー部など多くの部活が全国で活躍するような実績を残しています。本校出身のJリーガーやプロ野球選手が複数いるほどです。
運動部だけでなく、「全国高校生歴史フォーラム」や「科学の甲子園ジュニア」で優勝する実績を残している生徒もいて、いろいろな部活動が精力的に活動しています。
中学校では勉強とのバランスを考えて無理のない範囲で実施していますが、その中でも充実感を持って活動している生徒が多いですね。高校サッカー選手権大会の埼玉予選の決勝で埼玉スタジアムに応援に行ったり、プロ入りする生徒を間近に見たりする中で刺激を感じる生徒も多いようです。
昌平中学校・高等学校からのメッセージ
最後に、この記事をご覧になって昌平中学校・高等学校に興味を持った読者の方に向けてメッセージをお願いします。
昌平中学校・高等学校では、先が見通せない大変な世の中を、子どもたちが自分で生き抜いていける力を身につけさせることが大切だと思っています。そのために中高の6年間でさまざまな挑戦ができる機会を提供しています。
挑戦をすれば失敗することもありますが、「それを乗り越えた先に面白いことがあるんだ」というマインドセットを身につけてほしいですね。いろいろなことに挑戦したいお子様や、いろいろな挑戦を通じて子どもに生きる力を身につけさせたい保護者の方は、ぜひ昌平中学校・高等学校を選んでいただけると嬉しいです。
本日お話を伺ったなかで、その随所に教職員の方々の生徒に対する熱い思いを感じました。先生方が一丸となって生徒全員が希望通りの進路を実現するためにサポートされているからこそ、グローバルに活躍できる人材の育成にも繋がっているのだと思います。
前田先生、本日はありがとうございました。
昌平中学校・高等学校の生徒・保護者からの口コミ
ここでは昌平中学校・高等学校の卒業生や在校生、保護者の方の口コミを抜粋してご紹介します。
先生が熱心でサポートが充実しているので、入学したときよりも成績が上がり、目的の大学に行ける生徒が増えている。
英語教育にとても力を入れているので、英語を学びたい人にはおすすめ。小テストなどもあるので、モチベーションも保てる。
全国大会に出場する部活が多く、プロになる生徒もいることで刺激が得られる。自分が所属していなくても、応援しているだけで楽しい!
熱心で面倒見の良い先生が多く、手厚い学習サポートが受けられるとの声が多くあがっていました。特に英語に関しては、モチベーション高く勉強を続けられる環境があることが生徒の声からも伝わってきました。また強豪の多い部活動に対しても魅力を感じる声が多くあがっています。
昌平中学校・高等学校の進学実績
昌平中学校・高等学校では進学の目標達成に向けた手厚いサポートのもと学習を進められる環境があります。中学校のときからキャリア教育など将来の目標を考える機会があり、高校1年次にさらに職業への認識を深めることで、自分の興味や関心に応じた進路目標を立てることができるのもポイントです。
近年の昌平中学校・高等学校の進学実績を見ると、国内最難関の東京大学をはじめ、東京工業大学や一橋大学、慶應義塾大学や早稲田大学といった有名私立大学など、全国の名だたる大学への合格者を輩出しています。
■進学実績の詳細(令和6年)はこちら
昌平中学校・高等学校の基本情報
お問い合わせ | 【昌平中学校】 https://www.shohei.sugito.saitama.jp/contents/jhs/request/ 【昌平高等学校】 https://www.shohei.sugito.saitama.jp/contents/hs/request/ |
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住所 | 埼玉県北葛飾郡杉戸町下野851 |
電話番号 | 0480-34-3381 |
公式URL | https://www.shohei.sugito.saitama.jp/contents/ |