今回の記事では、栃木県塩谷町にある子ども連れでの宿泊におすすめの施設「星ふる学校 くまの木」をご紹介します。
「星ふる学校 くまの木」は、廃校になった小学校の建物を活用した宿泊施設で、バーベキューやもの作り体験、星を見るプログラムなどに参加することができます。学校という馴染みやすさや施設のちょうどよい規模感から、子ども連れのグループ単位での利用が多く、リピート率も高い施設です。
今回は、「星ふる学校 くまの木」の事業部リーダーを務める加納さんに、施設の魅力について詳しくお話をうかがいました。
この記事の目次
里の自然と満天の星空が魅力の「星ふる学校 くまの木」
「星ふる学校 くまの木」は、旧熊ノ木小学校の木造校舎を活用した施設です。周りには、日本三百名山のひとつである高原山(たかはらやま)があり、高原山水源の森から清らかな川が流れています。
その豊かな水を湛える田んぼを取り囲むように、先祖代々大切に守られてきた山林が見守っています。そうした豊かな自然の中にある「星ふる学校 くまの木」では、木造校舎の居心地の良さを感じつつ、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
地域の農産物を活かした健康的で素朴な料理を味わったり、自然や文化を体験できる様々なプログラムも提供されていますよ。
街の灯りが遠く、施設の名の通り、降るような星空も大きな魅力の一つです。ここからは、子ども連れファミリーがどのように利用できるのか、詳しく聞いていきましょう。
かつての学び舎を残して活用したいという思いが原点
「星ふる学校 くまの木」は、どのようなきっかけで誕生した宿泊施設なのでしょうか。
「星ふる学校 くまの木」の建物は、旧熊ノ木小学校として、明治7年から平成11年までの124年間で2,888人の卒業生を送り出してきました。小学校としての役割は終えても、多くの子どもたちが遊び学んだ校舎は残して活用したいという地域の方々の思いがありました。
それが原点となって誕生した施設です。昭和10年築と昭和30年築の2棟の木造校舎は、東西に長く南向きの平屋造りで、窓は校庭に面しています。
幼稚園・保育園のお泊りなど幅広く利用、農村体験もできる
「星ふる学校 くまの木」ならではの、利用の仕方がありましたら教えてください。
元小学校という「ハコ」をさまざまなアイデアで使っていただくことを歓迎しています。幼稚園・保育園のお泊り行事や、小中学校の教育旅行でもご利用いただくことが多いですね。
また、スポーツ合宿、企業研修、施設全体を使ったイベント開催や撮影など、スタッフも楽しみながら幅広い利用を受け入れています。
一方で、町内の農家などが参画する「しおやグリーンツーリズム推進協議会」と連携して、農村体験の受入れなども行っていますよ。
▲農村体験の「田植え」の様子。
さまざまな体験を通して、農林業を中心に人々が暮らしをつないできた、いわゆる里山の自然を体感していただけると思います。
室内でテント泊も!「星ふる学校 くまの木」のお部屋紹介
ここからは、宿泊施設について聞いてみましょう。
元小学校ということですが、どのような部屋に泊まれるのか教えてください。
2つのタイプの宿泊室があります。タイプAは、元の教室そのままのサイズに31畳の畳を入れたお部屋です。使用人数は7~14人で、布団敷きでの宿泊になります。
▲31畳の畳を入れた解放的な広さの宿泊室。最大17人利用可能な部屋が2部屋。
タイプBは、教室半分のサイズに2段ベッドが2台と9~10.5畳の畳が入ったお部屋になります。こちらはベッドに4人、畳に布団を敷いて2人の最大6人までの利用が可能です。
▲2段ベッドが置かれた室内。1~6人使用の部屋が6部屋。
すべてのお部屋に畳のスペースがありますので、小さなお子様と一緒でものんびり過ごせますよ。通常、1部屋1組で利用できます。
子どもの宿泊に向けて、何か工夫されていることはありますか。
室内用テントの貸出を行っています。教室サイズの広い部屋で、テントを広げてキャンプ気分を楽しんでいただくことができますよ。
▲宿泊室内に広げたテント。子どもにとってはワクワクする空間。
室内用貸出テントは、1セット2,000円(シェード、インフレータブルマット、ランタン付き)で、1日2組限定です。
公式:宿泊室について
地元食材がたっぷり味わえる食事メニュー
気になる食事メニューについてもうかがってみました。
地元食材をいただくプラン&3種類のバーベキュープラン
朝食や夕食をとる場合、どのようなメニューがあるのか教えてください。
食事を食堂でいただくプランと、バーベキューでいただくプランがあります。
夕朝食を食堂でお召し上がりいただく「しおやごはんプラン」では、手ごねハンバーグなどをメインに町内産の新鮮な野菜をたっぷり使ったお料理をお出ししています。
▲「しおやごはんプラン」のメニューの一例
一方、夕食をバーベキューでご用意する「バーベキュープラン」は、スタンダードコース、ボリュームアップコース、塩谷食材コースの3種類からお選びいただけます。
塩谷食材コースはお肉だけでなく、鮎の串ざしや、炭火で焼いておいしい郷土料理の「豆餅」などもつきますよ。
▲バーベキュープラン「塩屋食材コース」。炭火コンロでいただく鮎の串焼き。
公式:食事について
ドリンク持ち込みOK、素泊まりで自炊もできる
バーベキュープランの場合、食材やドリンクの持ち込みは可能でしょうか?
ドリンクは持ち込み自由です。食中毒が心配な生ものの持ち込みはご遠慮いただいていますが、お菓子などは自由にご用意くださって大丈夫です。
バーベキューに子ども用のメニューはありませんが、オプションでスモア(マシュマロ焼き)をお申込みいただくこともできます。子どもたちが大好きなメニューですよ。
バーベキュープランとは別に、自分達でバーベキューをすることはできますか?
素泊まりプランもあります。屋内や屋外の調理スペースで自炊したり、バーベキューをすることも可能です(要予約)。用具の持ち込みもOKですし、貸し出しもしています。
「星ふる学校 くまの木」での楽しみ方・遊び方
「星ふる学校 くまの木」施設内での遊び方についても聞いてみましょう。
校庭を走り回ったり生き物観察ができる、校舎の備品も癒やしのアイテムに
バーベキュー以外で子どもが楽しめることや、どのような遊びができるかについて教えてください。
元校庭を走り回るのはもちろん、小学校時代の遊具で遊ぶこともできます。敷地内には生き物観察池があるので、水辺の生物を見つけてみるのも面白いですよ。
またヤギが2頭いるので、ヤギに餌やりをしながらふれあうこともできます。
▲ヤギに餌をやる子どもたちの様子。
大人の見守りがあれば、木登りをしたり、ハンモックに揺られたりすることもできるでしょう。敷地内には体育館もあるので、予約をしていただければ、ご家族やお仲間でお使いいただくことも可能です。
一方、建物内には、小学校時代の備品や楽器が置かれた空間もあります。楽器を奏でてみることもできるでしょう。
▲資料室に置かれたランドセル
▲廊下に置かれた木琴。叩くと優しく心地よい音色に癒やされる。
▲楽器は自由に弾くことができる。
夜は校庭で花火をしたり、キャンプファイヤーもできます。足元が安定した旧校庭は、小さい子ども連れにも安心といえるでしょう。
▲月が出る夜に校庭で花火をする様子。
それぞれ思い思いの過ごし方で、家族の良い時間を作ってもらいたいです。
里山ならではの体験プログラムが盛りだくさん、「ほしぞらタイム」が人気
▲「星ふる学校 くまの木」空からの景色
「星ふる学校 くまの木」では、さまざまな体験プログラムを実施しているとうかがいました。いくつか、ご紹介いただけますか?
宿泊者限定の「ほしぞらタイム」は、校庭に設置している大型の望遠鏡で星を見る30分のミニプログラムです。とても人気がありますよ。
▲季節の代表的な星空を紹介し、望遠鏡や双眼鏡で星を見る「ほしぞらタイム」
もう少ししっかりと星の勉強をしたい場合は、「天文レクチャー」に参加すると良いでしょう。天文に詳しいボランティアガイドによる1時間30分のコースです。
食のプログラムでは「うどんうち」「炭酸まんじゅうづくり」「もちつき」などがあります。また、ものづくりのプログラムとして「わら細工」も行っています。
人数が集まれば、夏季限定「魚のつかみどり」もおすすめです。冬季限定の「みそづくり」は、小さなお子様もご一緒に豆をつぶしたり、材料を混ぜたりして楽しく参加していただいています。
▲ハイキングプログラムの裏山探検の様子。くまの木裏山は、小学校時代は子どもたちの通学路にもなっていた。
公式:体験プログラムについて
自然に触れて、田舎のおうち感覚で過ごすのがおすすめ
▲施設の前に広がる田んぼの様子
プログラムに参加しない場合、「星ふる学校 くまの木」の周辺では、どのような過ごし方がおすすめでしょうか。
田んぼや畑を見ながらお散歩したり川に行ったり、生きものを探したりすることで、里山の暮らしを感じてもらえると思います。
▲施設の前に広がる田んぼでは、カエルや虫にも出会える。
夜は星空を眺めたり、田舎のおうちにいるようにお過ごしいただくのがおすすめですね。
▲夜空を見上げると満天の星空が広がる塩谷町。
キャンプ場でテント泊をしなくても、安定した施設内で野外調理や焚火などを体験できるのが「星ふる学校 くまの木」の魅力です。ぜひアウトドア気分を楽しんでいただきたいですね。
ちなみに宿泊室にテレビは置いてありません。虫の声やカエルの声などをBGMとして、いつもとは違った夜のひと時をすごしていただけたらと思います。
「星ふる学校 くまの木」周辺の子ども向けお出かけスポット
「星ふる学校 くまの木」の周辺で、子ども連れファミリーにおすすめの観光スポットがあれば教えてください。
本格的な川のアクティビティを体験するなら、日光鬼怒川方面などでのラフティングやカヌー、カヤックがおすすめです。家族でお出かけいただくなら、那須町の「りんどう湖ファミリー牧場」や那須塩原市の「千本松牧場」などはいかがでしょうか。
大田原市にある「なかがわ水遊園」は、海のない栃木県ならではの川の水族館です。魚の展示や工作教室も楽しめますよ。
また、修学旅行で訪れる方も多い日光東照宮などを家族で訪れてみるのもよいと思います。
参考:鬼怒川ラフティングについて(栃木カヤックセンター)
公式:那須 千本松牧場
公式:なかがわ水遊園
公式:日光東照宮
「星ふる学校 くまの木」から子ども連れファミリーへのメッセージ
▲インタビューに答えてくれた加納麻紀子さん
宿泊を検討している子ども連れファミリーへメッセージをお願いします。
古い建物を活用した施設ですので、ドアも水道もすべて手動です。虫もカエルもたくさんいます。地域の方々が大切にしている元校舎を残し続けていくために、施設はきれいに大事に使ってくださいというお願いもしています。
そういう意味では、子どもたちがやりたい放題という場所ではありませんし、都市的な意味での便利さや快適さはないかもしれません。でも、もっと深いところでのびのびと、なにか心が解き放たれてくつろいだ時間を過ごすことができる場所です。
保育園、幼稚園、小学校などの仲の良いお友達家族、何組かでのご利用などもぜひご検討いただければと思います。里の自然と元小学校という空間が、大人も子どもも温かく包み込んでくれますので、どうぞ安心してお出かけください。
昼間は外で思いきり自然に触れる場があり、夜はみんなでほっとできる空間があるのがいいですね。キャンプデビューはまだ早いかな、という小さな子ども連れのファミリーにも、おすすめしたい宿泊施設だと思いました。
子ども連れのグループで過ごしたら、素敵な思い出を共有できそうです。
今回は、お話を聞かせていただき、ありがとうございました。
「星ふる学校 くまの木」の口コミ・感想など
ここでは、「星ふる学校 くまの木」を利用された方の口コミや感想をご紹介します。
とにかくのびのび過ごせた。景観がすばらしく、夜は星空観察がおすすめ。
きれいにリノベーションされていて、談話室も居心地が良い。
杵と臼を使った本格的な餅つき体験で、子どもたちも大満足だった。
普段はゲームばかりの子どもも、自然遊びをしているうちにゲームのことを忘れていたよう。
懐かしい家庭科室のような場所でのうどん打ち体験が楽しかった。
ほかにも、体験プログラムで良い思い出ができたという声が多く見られました。「行きつけの田舎」のようにリピーターとして利用している方も多く、田舎の親戚のような気分で迎えてくれる施設のスタッフとの交流も生まれているようですよ。
宿泊・体験プログラム料金・予約など
宿泊料金 | ■しおやごはんプラン(1泊2食付) 大人:6,800円 小中学生:6,200円 幼児:5,200円 ■バーベキュープラン(冬期はお休み) ・スタンダードコース 大人:6,800円 小中学生:6,200円 幼児:5,200円 ・ボリュームコース 大人:7,390円 小中学生:6,540円 幼児:5,540円 ・塩谷食材コース 大人:7,700円 小中学生:7,430円 幼児:6,430円 ■素泊まりプラン 大人:4,000円 小中学生:4,000円 幼児:3,500円 ※夕食、朝食付きいずれかだけでの利用も可能(要問い合わせ) |
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体験プログラム料金 | ■星のプログラム ・ほしぞらタイム(3歳以上):200円 ・天文レクチャー(小学校高学年以上・4名以上):510円 ■ハイキング ・尚仁沢湧水コース(3歳以上・4名以上):510円 ・くまの木裏山コース(3歳以上・4名以上) :310円 ■食べる ・うどんうち(3歳以上):3,060円/1玉 ・炭酸まんじゅうづくり(3歳以上):2,550円/1セット ■季節限定 ・鮎のつかみどり【7月中旬~9月中旬】(3歳以上):基本料金15,280円 +参加費310円/1人 ・みそづくりくまコース(10kg):6,320円 ■わらざいく ・わらリース(小学校高学年以上):1,220円 ・わらぞうり(小学校高学年以上):1,220円 |
浴室アメニティ | 石鹸、ボディソープ、リンスインシャンプー ※タオル類、歯ブラシ、寝間着は要持参 |
利用申込 | 予約・空室カレンダー |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
「星ふる学校 くまの木」の基本情報(アクセス・駐車場)
住所 | 〒329‐2213 栃木県塩谷郡塩谷町熊ノ木802番地 |
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アクセス | 【電車】 ・矢板駅からタクシーで約20分 【車】 ・東北道「矢板IC」から20分 |
電話番号 | 0287-45-0061(対応時間:9時~17時) |
駐車場 | あり |
公式URL | https://www.shioya-kumanoki.com/ |
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※記事中の金額はすべて税込表示です。