金光八尾中学校・高等学校の進路実現と人間的成長を叶える“体験型”探究学習|中高一貫校

中学校受験を検討中のご家庭に向けて、今注目の学校を特集するこの企画。今回は大阪府八尾市の私立中高一貫校(共学校)「金光八尾中学校・高等学校」を紹介します。

金光八尾中学校・高等学校は「確かな学力と豊かな情操」を教育方針に据え、生徒一人ひとりの希望に寄り添う進路指導により、約9割の生徒の現役大学進学を叶えています。

学力だけでなく、体験型の探究学習を中心に生徒の人間的成長を促す教育に注力しているのも特徴的。厳格な生徒指導に基づく規律ある学校生活と、学年問わず交流が生まれるアットホームな空気感の中で、個性を発揮しながらさまざまなことにチャレンジできる環境があります。

今回はそんな金光八尾中学校・高等学校の探究学習、クラブ活動の魅力、スクールライフについて、副校長の片島先生、中学教頭の松井先生に詳しくお話を伺いました。

「確かな学力」「豊かな情操」を育む金光八尾中学校・高等学校

編集部

はじめに、御校の教育方針を教えてください。

片島先生

金光八尾中学校・高等学校では「人はみな神の氏子である」という金光教祖の教えのもと、「確かな学力」と「豊かな情操」を育む人間教育を展開しています。日々向上心を持って努力すること、人を思いやり物に感謝すること、何事にも素直に感動すること、この「努力」「感謝」「感動」の教育方針の実践を通じて、生徒たちの力や個性を伸ばし、人生の基礎を培っていくのが本校の教育の目標です。

コース制によるきめ細かな進路指導と同時に、体験型の学びも重要視

金光八尾中学校の春の校外学習で行う地引網体験(左)、映画鑑賞体験(中)、1年生が実施するオリエンテーション合宿(右)

▲中学校全体で行う春の校外学習「地引網体験」や年に1回の映画鑑賞体験、高校でのオリエンテーション合宿など「体験型学習」を重視

編集部

「確かな学力」「豊かな情操」を育む御校の教育方針は、実際の教育活動の中にどのようにおとしこまれているのでしょうか。

片島先生

1つ大きな目標となるのが、生徒の希望する進路の実現です。生徒が段階的に自分の進む道を選択し、学校としてそれをきめ細かくサポートできるよう、本校では中学校と高校でそれぞれコースを設けています。中学校ではS特進コースと特進コースの2つ、高等学校ではS特進コース、特進コース、総合進学コース、そして美術コースの4つです。

S特進コースは京都大学・大阪大学・神戸大学をはじめとする難関国公立大学、特進コースは関関同立(※)をはじめとする難関私立大学の進学を目指すコースです。総合進学コースでは勉強と部活動を両立しながら主に難関私立大学への進学を目指します。
※関関同立…関西圏の難関私立大学である関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の総称

美術コースは美術大学への進学を目指すコースです。美術大学受験を見据えた専門的な指導を行うこの美術コースは、大阪府の中でもなかなか珍しいのではないかと思います。本校ではこれら4つのコースの特性に合わせて進学指導を行っており、約9割の生徒が現役で大学への進学を果たしています。

編集部

学校の指導の成果が、進学実績としてしっかりと表れているんですね。

松井先生

そうですね。しかしその一方で、本校では大学の合格のみをゴールとしているわけではありません。本校の生徒は真摯に勉強に向き合う真面目な子が多いのですが、これからの時代を生き抜いていくためには、そこから一歩進んで、自分で物事を考え、主体的に行動する力を身に付けることが大切です。

そういった力は、さまざまな体験を通じて得られるものです。そのため本校では6年間を通じてさまざまな体験学習プログラムを提供しています。

例えば1年に1回、映画鑑賞のプログラムを実施しています。昨年度には天王寺にある「あべのアポロシネマ」という映画館を貸切にして映画鑑賞を行いました。映画の内容はもちろんのこと、生徒だけで映画館を貸切にして映画を観た体験や、電車に乗って映画館に向かう道中など、すべてが生徒の心に残る体験となったようです。こうしたさまざまな体験を通じて生徒の興味・関心を引き出し、豊かな情操、人間的成長につなげていけたらと考えています。

身近なところを深掘りして新たな発見につなげる探究プログラム

編集部

御校の体験型学習の象徴として、探究学習があげられると思います。御校の進める探究学習の中で特徴的なプログラムがあれば教えてください。

松井先生

中学校では今年度から新たな探究学習プログラムをスタートさせました。それが、自分たちの学校の魅力を探る探究プロジェクトです。1学期丸々使って中学1年生から3年生までの全学年で取り組み、その成果を本校の受験を考える小学生や保護者に向けて発表しました。

編集部

学校の魅力を探る探究プロジェクトの意図はどういった点にありますか?

松井先生

探究学習の本質は、身の回りにあるさまざまな事柄から、自分自身で課題や発見を見出すところにあります。そのためには新たな体験をすることも大切なのですが、知っているつもりになっている身近な存在を改めて見つめ直す体験も非常に重要です。そのため生徒にとって最も身近な存在である学校をテーマとして探究活動を行うというプロジェクトを立ち上げました。

編集部

なるほど。生徒の皆さんからはどのような魅力があがったのでしょうか。

松井先生

面白かったのが、授業に関する意見です。授業内容に関する意見ももちろんありましたが、授業を行う教員ですら意識していないような、例えば「チョークの色使いが素晴らしい」といった細かい部分での意見があったんです。私たち教員も気づかなかったような細かいところまで、生徒たちは見ていてくれているんだなと感心しました。

ユニクロの「服のチカラプロジェクト」への参加で生徒の主体的行動が生まれる

金光八尾中学校・高等学校の「服のチカラプロジェクト」の様子

編集部

他にも、特徴的な探究プログラムがあれば教えてください。

松井先生

今現在進めているのが、ユニクロを運営するファーストリテイリング社による「服のチカラプロジェクト」への参加です。このプロジェクトは世界の難民の子どもたちに子ども服を贈るというもの。ただ生徒たちから古着を集めるのではなく、難民支援に対する学びを深め、多くの方から協力を募るためにはどう行動するべきかを考える探究学習となっています。

その一環として生徒が行ったのが、古着の回収のための告知ポスターの制作です。一人ひとりがポスターの案を考え、人の気持ちを動かす素晴らしいポスターをつくってくれました。

9月に実施した文化祭でもプロジェクトの一環として古着回収を行いました。より多くの方からの支援を集めるには目を引く回収ボックスが必要だということで、有志が放課後残って制作してくれました。プロジェクトの本質を理解し、協力してもらう人を増やすために行動するというその生徒の自主性が本当に素晴らしいなと感じています。

どれだけ古着が集まるかという結果ではなく、プロセスの中で生徒の自主性が生まれるという、とても良い探究活動になっているのではないでしょうか。

生徒の自主活動から生まれた取り組みも多数!チャレンジを支援し、新たな活動の可能性を広げる

金光八尾中学校・高等学校の将棋部の様子

▲部に昇格し、地域交流イベントも積極的に行う将棋部

編集部

探究学習以外の部分でも、生徒の皆さんの主体的な行動が生まれている例などはあるのでしょうか。

片島先生

本校では2022年度から「放課後自主活動」という、生徒の活動をスタートしました。そこでは河内木綿の栽培や、英会話担当のALTの開催するイングリッシュラウンジなど、さまざまな取り組みが生まれています。

河内木綿の栽培に取り組む金光八尾中学校・高等学校の生徒たち

▲八尾市立歴史民俗資料館からいただいた「河内木綿」を育てる取り組み。9月中旬頃になると綿が吹き始める

またクラブ活動においても生徒の主体性が発揮されている例がみられます。将棋部は2023年度に同好会という形で立ち上がったのですが、生徒と顧問のやる気で今年度部活に昇格したんです。学校の目の前にある「八尾おゆば」という日帰り銭湯で地域との交流イベントを行うなど特徴的な活動も展開しています。

勉強で成果を出したり、クラブで実績をあげたりすることも大切ですが、生徒自身の「こういうことがやりたい」という探究的好奇心を学校が尊重することは、新たな可能性を広げていくためにとても大切だと感じています。現在生まれつつある生徒の自主的な活動の芽を学校としてサポートしながら、生徒一人ひとりが輝く環境づくりを進めていけたらと思います。

時間を上手く使い勉強とクラブ活動を両立!個性が光るクラブ活動

編集部

将棋部のお話が出たところで、御校のクラブ活動について伺います。まずは学校全体のクラブ活動の方針についてお聞かせいただけますか?

片島先生

限られた時間を有効に使って文武両道を実践する、というのが本校のクラブ活動の方針です。特にS特進、特進コースでは勉強との両立が難しい部分もありますが、生徒たちは時間の使い方を工夫しながら、勉強でもクラブ活動でも最大限の成果をあげられるようそれぞれ努力しています。

編集部

先ほども少しお話が出ていましたが、やはり美術部の活動が特徴的なのでしょうか。

片島先生

そうですね。美術部は50人近い部員を要し、毎年さまざまな評価をいただく、本校の看板部活といえる存在です。美術コースと美術部あわせてさまざまなアート作品が生まれており、廊下や玄関のギャラリーがちょっとした美術館のようになっているのも特徴です。

特筆すべきは、2年前にJRの大阪城公園駅で行ったステーションギャラリーの企画です。本校の美術部員の過去の作品で駅のプラットフォームを埋め尽くしたんです。とても見応えのある空間で、多くの方から「素晴らしいプラットフォームになった」「待ち時間が楽しくなった」というお声をいただきました。生徒たちの作品が多くの人の目に触れる機会となり、とてもありがたかったですね。

金光八尾中学校・高等学校の生徒によるステーションギャラリーの企画

編集部

他にも特徴的な活動を行うクラブがあれば教えてください。

片島先生

吹奏楽部は1990年の全日本コンクールで初出場にして全国大会金賞を獲得したという実績のある部活で、現在も多くの部員が熱心に活動しています。毎年八尾市文化会館プリズムホールで定期演奏会を開催しており、地域の方々にも楽しみにしていただいています。

運動部では野球部も熱心に活動しています。今年の夏の大阪大会では強豪校と対戦する機会がありました。結果は残念でしたが、選手たちは「胸を借りる気持ちで頑張った」と話してくれましたね。

松井先生

個人競技でも素晴らしい成果を上げている生徒がいます。例えば中学の柔道部で、短い練習時間を効果的に使って鍛練を重ねている生徒がいるのですが、つい先日「黒帯を取得した」と嬉しそうに報告に来てくれました。高校の陸上競技部では円盤投げで優秀な成績を収め、近畿大会に出場した生徒もいます。そういう生徒を見ていると、勝利のために競技と真剣に向き合う姿勢が良い結果につながっているんだということを実感しますね。

金光八尾中学校・高等学校のスクールライフ

金光八尾中学校修学旅行の様子(左)、文化祭の様子(右)

▲生徒同士、生徒と先生の距離感も近くアットホームな雰囲気が魅力の金光八尾中学校・高等学校

編集部

御校の校風についてもお聞きします。真面目な生徒さんが多いというお話もありましたが、全体的にどのような雰囲気がありますか?

松井先生

金光八尾中学校・高等学校は中高あわせて生徒数800人から900人程度の比較的小規模な学校ということもあり、学校全体にアットホームな雰囲気があります。中学校は各学年2クラス、全体でも6クラスのため、1フロアに廊下を挟んで全学年が集中しているんですよ。お昼も学校内のどこで食べても良いという決まりのため、休み時間にはクラスを超えた交流が自然と生まれています。

片島先生

中高合同で実施しているクラブも多いため、先輩後輩関係の厳しさもあまりなく、和気あいあいと活動しています。中学生にとっては5つ上の先輩と一緒に活動することもあるわけですから、先輩の姿をみて学ぶとても良い経験になっているのではないでしょうか。

編集部

金光八尾中学校・高等学校は進学校としてしっかりとした生徒指導をされている印象がありますが、その点はいかがでしょうか。

片島先生

学習に集中できる環境というのは、規律ある学校生活の上に成り立っていると考えます。そのため本校は「生徒指導と進路指導は両輪である」という考え方のもと、勉強だけでなく日頃のマナー指導も徹底して行っています。「アットホームで和気あいあいとした雰囲気」と「規律ある学校生活」、その両立によって、生徒が個性を発揮しながら自身の夢を実現できる、そんな学校を目指しています。

金光八尾中学校・高等学校からのメッセージ

金光八尾中学校・高等学校副校長の片島先生(左)、教頭の松井先生(右)

▲インタビューにご対応いただいた副校長の片島先生(左)と中学教頭の松井先生(右)

編集部

最後に、金光八尾中学校・高等学校の受験を考えるお子様、保護者の方に向けてメッセージをお願いします。

松井先生

金光八尾中学校・高等学校は生徒が夢や目標を見つけ、その実現をサポートできる学校でありたいと考えています。今はまだやりたいことが明確になっていなくても、本校の6年間の中で体験するさまざまなことが、夢や目標を見つけるきっかけになるはずです。生徒一人ひとりの目標の実現に向けて、コースに分かれてきめ細かにサポートできる体制があるため、ぜひ金光八尾中学校・高等学校に来ていただけると嬉しいです。

片島先生

金光八尾中学校・高等学校には生徒の興味関心を引き出し、チャレンジする気持ちを尊重する環境があります。生徒一人ひとりが輝けるような指導を心がけているため、やりたいことがある方も、まだ見つけられていない方も、安心して飛び込んできていただければと思います。

編集部

片島先生、松井先生、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

金光八尾中学校・高等学校の進学実績

金光八尾中学校・高等学校の校舎外観

金光八尾中学校・高等学校では学年、コースに応じた丁寧な進路指導を行っており、2024年度の大学入試において、現役生の大学進学率は90%を誇っています。合格実績をみると、京都大学・大阪大学といった関西圏の最難関国立大学への合格者を輩出しています。また関関同立をはじめとする難関私立大学への合格実績も数多く生まれています。

■金光八尾中学校・高等学校の合格実績(公式サイト)
https://konkoyao.ed.jp/career/

金光八尾中学校・高等学校の生徒・保護者の口コミ

金光八尾中学校・高等学校の校門

ここでは、金光八尾中学校・高等学校に寄せられた生徒や保護者からの口コミを一部抜粋して紹介します。

(在校生)毎日の小テストなど、勉強に力を入れている学校。生徒と先生の距離感が近いため質問がしやすいのが魅力。

(在校生)皆真面目に勉強している雰囲気はあるが、休み時間は賑やかで、メリハリのある学校生活を送れる。

(保護者)勉強に力を入れているが、それだけでなく礼儀作法やマナーなどもしっかりと指導してくれるきめ細かな指導体制がある。校則は厳しいが、保護者からするとその方が安心。風紀が乱れている様子もほぼ見られない。

(保護者)学校全体にアットホームな雰囲気があり、先生も生徒の顔を良く覚えてくれている。本人も毎日楽しそうに学校に通っているため、この学校を選んで良かった。

(保護者)中学校では特にクラブ活動に参加している生徒が多く、活発に活動を行う部も多い。小テストがあるために自宅学習の習慣も身に付いており、うまくクラブ活動と両立できている。

全体的に学習指導や生活指導がしっかりしていることへの言及が多く、特に保護者からはその点に関する安心感、好感の声が多く聞かれました。一方で勉強一辺倒ではなくクラブ活動も活発であること、アットホームな雰囲気の中でメリハリをつけて学校生活を送れるという声も上がっていたのが印象的です。

金光八尾中学校・高等学校へのお問い合わせ

運営 学校法人関西金光学園
住所 大阪府八尾市柏村町1丁目63番地
電話番号 072-922-9162
公式ページ https://konkoyao.ed.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください