羽衣学園中学校・高等学校の校舎

国際交流の案内役を務めて成長!羽衣学園中学校・高等学校のグローバル教育|中高一貫校

ぽてんをご覧の皆様に、注目の学校をご紹介する本企画。今回ご紹介するのは、大阪府高石市にある私立の中高一貫校「羽衣学園中学校・高等学校」です。

羽衣学園中学校・高等学校を擁する羽衣学園は2023年、創立100周年を迎えました。「自由・自主・自律」と「個性の尊重」を教育の柱に掲げ、グローバル社会で活躍できるリーダーの育成に力を入れています。関西国際空港に近い立地を活かし、年間を通じて海外からの学生との交流を積極的に行っているほか、ICTを活用した先進的な英語学習にも取り組んでいます。

また、演劇コンクールや合唱コンクールといった特色ある学校行事を通じて、生徒の協調性や自己表現力を磨いています。これらの取り組みを通じて、「気づき、考え、行動できる力」を育む教育を実践しています。

今回、羽衣学園中学校・高等学校の教育理念やカリキュラムの特徴について、中学校教頭の小山先生にお話を伺いました。

世界に貢献できる人を育てる。羽衣学園中学校・高等学校の建学の精神

羽衣学園中学校・高等学校の生徒と、インドネシアの生徒の交流の様子

▲羽衣学園中学校・高等学校の生徒と、同校を訪れたインドネシアの生徒の交流の様子

編集部

最初に、羽衣学園中学校・高等学校の沿革と建学の精神について教えてください。

小山先生

本校と羽衣国際大学を擁する羽衣学園は2023年、創立100周年を迎えました。その原点となるのが、1923年(大正12年)に創設された、羽衣高等女学校です。

創立90年である2013年を機に共学化しましたが、学園創立者である島村育人が掲げた建学の精神は変わっていません。それは「人間尊重」および「自由・自主・自律の人間教育」を通し、世界的視野で社会に貢献できる人材を育成するというものです。

そして現在、スクールミッションとして掲げているのが「自由・自主・自律」、そして「個性の尊重」という四つの柱です。これらの理念を基に日々人間教育に取り組んでいます。

編集部

羽衣学園といえば、国際的なイメージを持つ方も多いと思います。

小山先生

おっしゃるとおり、地域の皆様にもそのイメージを持っていただいていると思いますね。中でも国際教育や英語教育を重視している点については、創立者が「これから女性の英語教育が絶対必要になる」と強く主張していたことに端を発しています。

共学化した今でもその教えを引き継ぎながら、現代に合わせてICT(情報通信技術)なども積極的に取り入れて、国際社会で活躍できるリーダーの育成を目指しています。

羽衣学園中学校・高等学校が実践するグローバル教育

創立当初からグローバル教育を重視している羽衣学園中学校・高等学校。ここでは、中学校における国際交流の取り組みについてお話をうかがいました。

海外の生徒との国際交流を多数実施

羽衣学園中学校・高等学校に訪れたメキシコの生徒との国際交流の様子

▲羽衣学園中学校・高等学校では、毎年海外から多くの生徒が訪れ、国際交流が行われている。

編集部

創立当初から掲げられているグローバル教育については、どのような取り組みによって実践されているのでしょうか?

小山先生

私たちはグローバル教育で世界に親しむ、語学に親しむことを実践するうえで、国際交流の機会が大変重要だと考えています。そのため、本校生徒と海外の学生が交流できる機会を非常に多く設けているんです。

海外の姉妹校はもちろん、大阪国際観光協会からの依頼もあり、日本に研修に訪れた様々な海外の学校にお越しいただいています。ここで幸いしているのが、本校から電車で30分の距離に関西国際空港が位置している点です。関空が大変近いため、来日・帰国の際に立ち寄ってもらいやすいことも影響していると思います。

編集部

国際交流の場面で印象に残っているものがあれば教えてください。

小山先生

一例として、2023年のインドネシアの学校との交流をご紹介します。ホスト役は中学1年生が担当したのですが、相手はイスラムの文化を持つ学校ですので、事前に生徒たちにその国のことを勉強してもらいました。

交流では、お互いに英語で学校のことを紹介したり、現地校の生徒が伝統的な音楽や踊りを披露してくれたりもしました。本校側は、英語での校内ツアーを開いたほか、最後には日本の文化紹介として折り紙やけん玉のデモンストレーションをして、向こうの生徒さんにも参加してもらうなど、非常に楽しい3時間を過ごすことができました。

お招きした海外の皆さんが本校を出られるときは、正門で生徒たちがアーチを作って見送ることを恒例にしています。先方もとても喜ばれますし、生徒のなかには「また来てね」と言いながら涙をみせるなど、感動的なシーンもあります。短い時間ですが、国際交流の取り組みが生徒の成長につながっていると実感できる場面ですね。

羽衣学園中学校・高等学校の生徒と、インドネシアの生徒の交流の様子

▲羽衣学園中学校・高等学校の生徒と、同校を訪れたインドネシアの生徒の交流の様子

編集部

生徒の皆さんにとって、英語によるコミュニケーションを体験するいい機会になっているようですね。

小山先生

はい。国際交流の機会が多いだけに、交流を経験するごとに「今度はこうしよう」と考えるようになりますし、中学3年生になると非常に慣れた様子でコミュニケーションをとっています。

中学は学年で2クラス又は3クラスという小規模な学校ですが、中1から中3までホストを務める機会があるのが特徴です。ホストは学校施設を紹介したり、案内したり、食事をともにしたりします。もちろん英語での会話が必須ですので、その分モチベーションの向上につながります。

最初はコミュニケーションに緊張していても、同世代だからか、少しの英単語でもやりとりして通じ合い、さらに会話しようとする生徒たちをよく目にします。英会話の楽しみを知った子どもたちはこぞって「次はいつ来るの?」と言うほどです。

ICTを活用した先進的な英語学習とは

編集部

次に、英語学習についてうかがいます。ICT(情報通信技術)を活用しているそうですが、具体的にどんな取り組みをされているのでしょうか。

小山先生

近年、多くの学校ではネイティブの教員を常駐させていますが、本校はその流れに逆行していて、全くいないんです。でもその分をICTに振り向けて、むしろ利便性を高めながら生徒が英語学習に励める環境を作っています。

その一つが、オンライン英会話です。生徒はタブレットにもなる2in1の最新式モバイルPCを使用し、毎週、フィリピンの先生とのオンラインレッスンを受けます。50分の授業のうち、30分はネイティブの先生と1対1で会話していますね。

編集部

生徒の反応や成果はいかがでしょうか。

小山先生

以前の授業では、ネイティブ教員と生徒が英会話できる時間は、極めて短かったです。その点、オンライン英会話の方が密度の濃い英会話レッスンが実現できています。一方で50分のうちの残りの20分は、英語教材のアプリを使って、いわゆる英語の4技能といわれる、「聞く(リスニング)」「話す(スピーキング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」の力を高める学習をしています。

この成果は英検の結果にも表れています。全員が受検しますが、中学生で英検2級に合格する生徒も複数いますし、中学生では半数が3級以上を取得しているほどです。総合的に英語の力を磨けるようなカリキュラムのため、英語に興味を持つ生徒が増えているのも、教員としてうれしいですね。

イングリッシュキャンプで培う実践的英語力

羽衣学園中学校・高等学校のイングリッシュキャンプの様子

編集部

このほかに、英語学習の取り組みがあれば、教えてください。

小山先生

中学1年生向けに1学期に1日校内で行う「イングリッシュセミナー」では、朝から6時間の授業を外から招いたネイティブの先生と過ごし、英語漬けとなります。入学から間もなく英会話に直面しますので、初日の朝は緊張している生徒も多いですが、修了式では見違えるようにすがすがしく、自信に満ちた表情になっています。

また、中学1年生の3学期には2日連続の英語プログラムがあります。こうして中学入学早々から段階的に英語に慣れていくようなカリキュラムを設定しています。

その延長線上にあるのが、中学2年生対象の、2泊3日のイングリッシュキャンプです。外部研修施設に行き、3日間、びっしりと英語漬けの生活を送ります。

これは英単語を使ったゲームや、公園を歩いて目に入った自然等について表現するレッスン、様々な国や地域からの外国人講師の母国でのエピソードを聞くなど、生きた英語を学ぶ3日間です。最終日には3日間の成果を生かして、英語によるプレゼンテーションにも挑戦します。

羽衣学園中学校・高等学校のイングリッシュキャンプの様子

▲中学2年生の時に開かれるイングリッシュキャンプでは、英語漬けの時間を過ごす。

編集部

学年ごとに英語にしっかりと触れる機会を設けているのですね。

小山先生

はい。そして英語に徐々に慣れ、語学力に自信をつけてもらった先には、中学3年生で海外修学旅行ができればと構想しています。中学1年、2年と国際交流の経験を積んで、最終的に自分たちが外に出ていく。そういう流れができれば理想的だと思っています。

このほか、希望制になりますが、夏休みなどの長期休暇を使った語学研修プログラムもあります。カナダやイギリスではホームステイしながら地域の学校に通ったり、フィリピン・セブ島でマンツーマンかつレベル別の英語レッスンをみっちりと受け、集中的に語学力を養うプログラムもあります。また、国内の英語学習施設でグローバル体験や語学研修も行っています。

人間力を育てる羽衣学園中学校・高等学校の行事

羽衣学園中学校・高等学校のかるた大会

▲かるた大会で、真剣な表情で札を見つめる生徒たち

羽衣学園中学校・高等学校では、心を磨く教育として、行事を通じて人間力を育てていくことにも注力しています。どんな行事に力を入れているのか、うかがいました。

入学まもなく行われる演劇コンクール。クラスが団結して作り上げる劇作品とは

羽衣学園中学校・高等学校の演劇コンクールの様子

編集部

中学校では、どのような行事に取り組んでいるのでしょうか。

小山先生

本校には、「3大イベント」と呼んでいるものがあります。それは、演劇コンクール、合唱コンクール、そしてかるた大会です。特に演劇コンクールと合唱コンクールは外部の方にも見ていただける大きなイベントになっています。

編集部

まず演劇コンクールについて、詳しく教えていただけますか?

小山先生

演劇コンクールは1学期の6月に開催します。入学してまだ数ヶ月の1年生にとっては、ようやく環境に慣れ始め、友達も増えてきて、という段階での大きなチャレンジになります。

入学して2か月ほどというのは、生徒一人ひとりの「我(が)」が出てくる時期で、いいことも悪いことも、様々なことが起こります。役者をやりたい子もいれば、裏方をやりたい子もいる。様々な生徒がいるなかで、クラス委員長・副委員長とは別に、演劇でリーダーとサブリーダーを作るなどして、クラスでまとまり、一つの作品を作り上げるという目標に向かって、皆一生懸命になります。

道具、小道具、照明、音響なども含め、すべて生徒たちに任せます。場合によってはシナリオも考えてもらいます。1年生の最初の時期にそういった過程を踏むことで、絆が深まっていきます。

羽衣学園中学校・高等学校の演劇コンクールの様子

▲毎年開かれる演劇コンクールで、生徒はチームの団結力や問題解決力などを身につけていく。

編集部

クラスで団結する機会を、中学入学早々に体験できるのは貴重ですね。

小山先生

もちろん教員もうまく事が運ぶように解決の糸口を探るなど、関与することはありますが、生徒が主体となって演劇を完成させていきます。本番の日に向けて、一生懸命取り組み、それが舞台で無事披露されたときは本当に感動的ですね。

チームワークの大切さというものを1年生で経験するのですが、2年生や3年生の劇の完成度と比較して、自分たちの至らなさを知ります。そうすると「次はこうしよう」と改善しようとします。3年間、各学年が取り組むという形にすることで、クラスを強くし、生徒一人ひとりが強くなっていきます。

編集部

演劇コンクールで印象に残っている演目はありますか?

小山先生

中学3年生は、平和学習の一環で石垣島、西表島に修学旅行で行きます。そういった影響もあって以前は、戦争と平和をテーマにした演劇が比較的多かったです。

ある年では、映画にもなった「火垂(ほた)るの墓」を題材にした劇がありました。戦争を知らない若者の目線で当時を捉えて発表してくれており、生徒も教員も戦争について考えさせられる機会になったと思います。

最近目立っているのが現代劇のアレンジです。少し前にあったテレビドラマ「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」を演劇に仕立てたものが大変興味深かったです。SNSが物語のカギとなるメッセージ性の強い学園ドラマで、当初は仕上げるのが難しいのではないかと思っていたのですが、皆で協力し合って完成させていて、観劇中は鳥肌が立ちました。

シナリオはもちろんですが音響や照明など細部にいたるまで、やはり中学3年生だなと思わせるようなクオリティで、作品はもちろんそのプロセスも含めて、後輩の手本になるようなものだったと思います。

一体感と達成感を味わう合唱コンクール

羽衣学園中学校・高等学校の合唱コンクールの様子

▲合唱コンクールで指揮をする生徒。一人ひとりが精いっぱいやり切ったという経験が目覚ましい成長につながっていく。

編集部

続いて、合唱コンクールの特色について教えてください。

小山先生

毎年11月に行われる合唱コンクールは、演劇と違う点として、一人ひとりが違う役割を持つというよりは指揮者と伴奏者を含めて全員でひとつになって歌うことがありますね。音楽の授業でのフォローももちろんあるのですが、中心になっているのは、何よりも生徒たちの頑張りです。

編集部

練習はどのように進めているのですか。

小山先生

リーダー、サブリーダー、指揮者、伴奏者を中心に練習を進めていきます。最近はタブレット端末で動画を撮って、自分たちの演奏を客観的に見て改善することにも取り組んでいます。これは演劇でも同様ですが、身の回りにある機器などを駆使して、非常に工夫して練習に励んでいますね。

羽衣学園中学校・高等学校の合唱コンクールの様子

編集部

練習の成果が実を結んだ瞬間というのはありますか?

小山先生

素晴らしい演奏のときは、まだ伴奏が続いていて曲が終わっていないのに、会場から盛大な拍手が起こります。教員としては、本当によく頑張ってくれた、よくやったと胸が熱くなる瞬間ですね。

編集部

合唱、演劇に取り組んで、生徒からはどんな反応が寄せられるのでしょうか。

小山先生

当然、練習中はつらいこともたくさんありますが、無事発表を終えると皆、すがすがしい表情を浮かべています。コンクールでは最優秀賞、優秀賞という結果が出るため、終わってみると「もっとできた」「悔しい」といった感想もあります。もちろん悔しい思い出もあるとは思いますが、精一杯やり切ったという経験は、大きく生徒を成長させると考えています。

編集部

改めて、2つのコンクールは生徒にどんな成長をもたらすのでしょうか。

小山先生

2つのコンクールにおいては、課題を見つけ、解決策を考え、実行に移す。この繰り返しを経て、生徒の自主性や行動力が育まれていきます。いずれもチームワークが大切であり、中学生という多感な時期から、協力することの大切さや、努力して何かをやり遂げる意義を学ぶ場になっています。

羽衣学園中学校・高等学校からのメッセージ

編集部

最後に、受験を考えている生徒や保護者の方へメッセージをお願いします。

小山先生

生徒たちには、本校で過ごすことで「気づき、考え、行動できる力」をしっかりと身につけてほしいと考えています。自分たちで考えていける力、そして行動につなげていく力が、将来、どんな道に進んでも必ず役立つはずです。

もちろん、すぐに成長するわけではありませんが、本校では自分の糧になるようなさまざまな行事や国際交流の機会があります。多様な経験を重ねて、将来幸せになれる力を育んでもらいたいと考えています。ぜひ、オープンスクールなどに参加して、本校の雰囲気を感じてもらえたらと思います。

編集部

本日は貴重なお話をありがとうございました。

羽衣学園中学校・高等学校の進学実績

羽衣学園中学校・高等学校の校舎

羽衣学園中学校・高等学校では例年、国公立大学を中心に難関大への進学を果たしています。2024年度入試では、大阪大学、神戸大学、大阪公立大学などの国公立大学の合格者数は過去最高の26人となりました。

国公立大学の合格者数は6年連続2桁を達成。大阪大学、神戸大学(2人)、筑波大学、大阪公立大学(2人)などで、和歌山大学は11人と昨年よりも5人増となりました。また、関西の難関私学である、「関関同立」(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)も毎年増加を続け、今年は前年度比34%増の計110人が現役合格を果たしました。

■羽衣学園中学校・高等学校の進学実績(公式サイト)
https://hagoromogakuen.ed.jp/career/

羽衣学園中学校・高等学校の卒業生・保護者・在校生の口コミ 

羽衣学園中学校・高等学校のお香体験

▲堺の伝統産業である「お香体験」をする生徒たち。さまざまな行事やイベントも活発に実施している

ここでは、羽衣学園中学校・高等学校の卒業生、保護者、在校生から寄せられた口コミを一部抜粋してご紹介します。

(卒業生)演劇コンクールや合唱コンクールなどの行事を通じて、協調性や自主性が育まれました。最初は苦手だった人前での発表も、卒業時には自信を持ってできるようになりました。

(卒業生)中高一貫教育のメリットを活かし、6年間を通じてじっくりと成長できる環境が整っています。高校受験の心配がないため、部活動や行事にも積極的に取り組めました。

(保護者)先生方が生徒一人ひとりに寄り添ってくれるので、子どもの個性や長所を伸ばす教育をしてくれています。進路指導も丁寧で、子どもの希望に合わせたサポートが受けられます。

(在校生)英語教育が充実していて、中学生のうちから実践的な英語力が身につきます。海外からの留学生との交流も頻繁にあり、英語を使う機会が多いのが魅力です。

(在校生)ICTを活用した授業が多く、パソコンやタブレットを使った学習が日常的に行われています。特にオンライン英会話は、英語力向上に大きな効果がありました。

寄せられた口コミからは、人間力を育む演劇、合唱両コンクールを評価する声のほか、充実した英語教育、ICTを活用した最先端の教育などについて評価する意見が目立ちました。先生方が寄り添って指導してくれる校風についても信頼を寄せる保護者の声が多く、きめ細やかな教育体制がうかがえました。

羽衣学園中学校・高等学校へのお問い合わせ

羽衣学園中学校・高等学校の正門

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電話番号 072-265-7561 
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