山野美容専門学校の校舎外観

美容のプロを育成する「山野美容専門学校」の多彩なカリキュラムと実践的な学びとは

美容業界を目指す学生たちにとって、夢への第一歩となるのが専門学校の選択です。その中でも長い歴史と高い評価を誇る山野美容専門学校は、多くの学生から注目を集めています。

本記事では、同校の特徴的なカリキュラムや充実した就職支援、業界の変化に対応した教育方針など、学校選びの参考となる情報を詳しくお伝えします。

今回は、山野美容専門学校の広報課の海江田さんにインタビューを実施しました。独自の選択制カリキュラム、実践重視の学習環境、全国から集まる多様な学生たち、そして変化する美容業界に対応したキャリア教育など、山野美容専門学校の魅力を多角的に探っていきます。

山野美容専門学校の特徴は「多様な技術を身につけられる」選択授業

山野美容専門学校の校内の掲示

▲個性的なメイク・ファッションが目立つ学生の作品。個性と技術を磨いていける学校であることが伺える

山野美容専門学校の特徴のひとつは、美容の仕事について明確な目標が定まっている人も、そうでない人も、さまざまな授業を選択し多様なスキルを身につけることで将来の選択肢の幅を広げられることです。

ここでは、昼間部の専門課程(2年制)である美容科のカリキュラムについて詳しくお話を伺いました。

美容の技術を基礎から学び、段階的に学ぶ選択制カリキュラム

山野美容専門学校のシャンプー台が並んだ実習室

▲シャンプー台が並んだ実習室。手元を映し出すために大型モニターも設置されている

編集部

最初に、山野美容専門学校の特徴的なカリキュラムについて教えてください。

海江田さん

本校では、3段階に分かれた選択制カリキュラムを採用しています。

まず、入学してすぐの1年前期では、「基礎プロコース1」で5教科の必修授業を通して基礎を学んでいきます。この5教科はカット・カラー・メイク・ヘアアレンジ・ネイルです。ひと通り美容の各技術に触れることで、自分に何が向いているか、何をやりたいかを探る期間という位置付けです。

1年後期からは、「基礎プロコース2」で必修授業であるカットのほかにその他4つの選択授業から2つを選びます。自分が伸ばしたい技術を選んでより専門的に学びを深めていくという流れですね。

山野美容専門学校の教室

編集部

4つの選択授業では、どれを選ぶ学生が多いですか?

海江田さん

最近の傾向としては、カラーとメイクが人気ですね。

例えば、メンズサロンを目指す、カラーリストになりたい、ネイルもまつ毛もやってみたいなど学生の希望も多様化してきていますので、みんな好きな授業を選んでいるという状況です。

編集部

2年になると、どのような授業を受けられるのでしょうか?

海江田さん

卒業まであと1年なので、「テクニカルプロコース」でさらに将来のことを考えて細分化した授業を受けます。基礎プロコース2で受講した授業をベースに、「カット・サロンワークテクニカル」「メイクアップテクニカル」「ネイル・アイテクニカル」「ヘアアレンジ・ブライダルテクニカル」など4つの中から選ぶ形ですね。

そして、この2年間の授業を通して国家資格の対策も進めているため、学生全員が美容師国家試験の合格を目指すことになります。

いろいろな授業を通して自分の適性を見つけられるのが選択制のメリット

山野美容専門学校の和室の教室

▲授業では着付けを学ぶこともできる

編集部

幅広い選択コース設定がありますが、学生の皆さんは最初から「メイクを極めたい」などと目標を決めて入学されるのでしょうか?

海江田さん

そういったケースもありますが、高校生の時点では目指す職業や選択コースが決まっていなくても大丈夫です。入学してから実際に体験して、自分が何をやりたいのかを決めていけるカリキュラムなので、そのメリットを活かしています。

さまざまなコースを定めていますが、「ネイルの授業を取ったからネイリストに限定される」というわけではないんです。あくまでも選択制の授業なので、柔軟に学んでいけます。

また、ヘアアレンジのコースを選択した学生でも、「ネイルの資格は取っておこうかな」と課外授業を受講することもできます。可能性を広げながら、自分の適性を見つけていけるのが本校の強みですね。

山野美容専門学校の着付けに関する掲示

海江田さん

特に近年は美容分野の就職先や業界がすごく細分化されてきていて、要求される技術の専門性も高まってきています。例えば、「美容師だけどネイリストでもある」「メイクに加えてヘアアレンジもできる」など、そういった複合的なスキルを持つ人材も増えてきています。

それだけに、山野美容専門学校で多種多様な技術を身につけていけることは、多くの学生にとってプラスになるのではないかと考えています。

即戦力を育成。山野美容専門学校の実践重視のプログラム

外部講師からの指導を受ける、山野美容専門学校の生徒のみなさん

山野美容専門学校は、日々の授業に加えて1日も早く現場に出ることができるよう、学生たちが「実践的な学び」ができるような環境を整えています。その詳細について具体的にお聞きしていきます。

現役プロが実体験を基に教えてくれる「外部講師のLIVE授業」

編集部

山野美容専門学校では実践的な学びを重視されていると伺いましたが、どのような取り組みをされていますか?

海江田さん

特徴的なのは、2年生の「テクニカルプロコース」の各授業では外部講師の方を多くお呼びしているので、ライブ形式で直接教えを受けられることですね。現在授業全体の半分くらいは、外部講師に担当していただいているんですよ(※取材は2024年7月に実施)。

この講師は単純に技術が優れているだけでなく、最新の美容業界で活躍している現役のプロにお越しいただいています。例えば、ヘッドスパを得意とする卒業生が来てくれたり、SNSマーケティングに非常に長けている人が来てくれたりするんです。

編集部

現役のプロから学べるのは、学生にとってすごく刺激になりそうですね。

海江田さん

そうなんです。実際の現場のエピソードを交えた授業を受けられるので、学生たちはとても魅力的に感じているようです。

「現場体験」などの多彩な実践イベントで経験を積める

編集部

実践的な学びの機会としては、他にどのようなものがありますか?

海江田さん

お伝えしきれないくらいなのですが、例えば年に30回以上の「現場体験」があります。これは他の学校とは全然違うところだと思いますね。

具体的には、ミス・ユニバース・ジャパンのヘアメイクを学生が担当したり、インターナショナルスクールのイベントで着付けやヘアメイクをしたりという機会がありました。他にも、海外の団体の方のヘアメイクや着付け、ネイルをやることもあります。

編集部

国際色あふれる現場に行くことも多いんですね。学生の方々はどんな反応ですか?

海江田さん

みんなとても喜んでいますよ。実際のお客様に接することで、技術だけでなくコミュニケーション能力も磨かれます。それに、学生の立場ながら自分たちの仕事で人を喜ばせる経験ができるのは大きいですね。

また、他にも面白い取り組みがたくさんあるんです。例えば「美齢クラブ」という活動では、近隣にお住まいの高齢者やお子さんたちにネイルやハンドマッサージ、メイクやヘアアレンジを実施するんです。学生たちにとっては貴重な実践の場になっています。

体験などを通して地域の皆さんと交流を深めることも目的です。『渋谷区オレンジカフェ(※)』にも指定されています。
(※)若年性を含む認知症の本人や家族、地域の方など誰もが参加でき、懇話や交流ができる場

だいたい2ヶ月に1回くらいのペースで開催していて、高齢者の方や車椅子の方のケアなども学べる貴重な機会になっています。

編集部

様々な年齢層や背景を持つ方々と接する機会があるんですね。学生の皆さんの成長にもつながりそうです。

海江田さん

本当にそうなんです。学生たちを見ていると、美容の技術だけでなく、人としての成長も感じています。

こういった活動に参加する学生たちはすごく優しい子が多くて、地域の方からも「すごく安心できる」というお言葉をいただくこともあります。また、逆に学生たちも交流を通してパワーをもらっているようですよ。

学生たちの多様性が成長を導く、山野美容専門学校の環境とは

山野美容専門学校の廊下

全国でも知名度の高い山野美容専門学校には、さまざまな地方から多くの学生が集まっています。そんな環境でどのようにして成長していくのか、そして学校からはどんなサポートがあるのか、お聞きしました。

出身地も目標も異なる学生同士が、お互いに刺激し学び合える校風

山野美容専門学校の校内の掲示物

▲校内には個性豊かな学生たちによる作品が並んでいる

編集部

山野美容専門学校に通う学生は、どのような人が多いのでしょうか。

海江田さん

本校には、全国各地から学生が集まってきています。具体的には、約3割が遠方から来ていて、残りの7割が関東の1都3県の出身者という比率です。

地方から通う学生の中には、新幹線通学をする学生もいるほどで、片道2時間くらいかけて通っている学生も珍しくありません。

編集部

片道2時間を通学に費やしてまで学びたいというのはすごいですね。なぜそこまでして御校を選ぶのでしょうか?

海江田さん

山野美容専門学校での経験や学びが、地元の美容学校では得られないものだと考えてくれている学生が多いんです。東京での就職を希望している学生にとっては、こちらで学ぶ方が有利だという想いもあるようですね。

また、本校の規模の大きさも魅力の一つです。多くの学生が集まることで、様々な価値観に触れ、切磋琢磨できる環境があります。

山野美容専門学校の校内の展示物

海江田さん

実際に、学生同士の交流もとても活発です。例えば、選択制のカリキュラムのおかげで、美容師を目指す学生とネイリストを目指す学生が同じクラスにいたりします。そうすると、お互いの専門分野について情報交換したり、刺激し合ったりする機会が自然と生まれるんです。

この多様性が、学生たちの視野を広げ、将来のキャリアの可能性を大きくすることにもつながっています。

キャリア支援として「社会人基礎力」を測り、自己分析と成長を促す

編集部

学生同士が刺激を与え合うだけでなく、御校からもキャリア教育の面で成長を促す取り組みはあるのでしょうか。

海江田さん

もちろんです。例えば、入学してすぐの時期に「社会人基礎力」をチェックするためのテストを実施しています。これは本校のキャリアデザイン教育の一環として行っていて、早い段階で自分の現状を把握してもらうことを目的としています。

みんな高校を卒業したばかりなので、厳し目に教えてくれるアルバイトをしていたなどの経験がない限り、どうしてもビジネスの知識やマナーが足りていない傾向があります。ただ、それは単なるマイナスではなく「伸びしろ」として前向きに捉えるよう指導しています。

編集部

具体的には、どのように活用しているのでしょうか?

海江田さん

テストの結果を基に、数年後のキャリアプランを学生に意識してもらいます。自分自身をよく知り、目標を持って学校生活を送ることができるようサポートしています。

この経験を通じて、単に技術を学ぶだけでなく、社会人として必要な能力も意識的に磨いていけるのが大きな特徴です。美容の仕事は人と接する機会が多いですから、こういった基礎力を身につけることは非常に重要なんです。

業界全体がワークライフバランスを考慮した働き方を意識

編集部

美容業界全体の話になるのですが、近年は働き方も変化しているそうですね。山野美容専門学校では、どのように学生に伝えていますか?

海江田さん

以前の美容業界といえば、長時間労働が当たり前という印象がありました。ただ最近は大きく変わってきていて、終電まで残ってカットの練習をするようなことはほとんどあまりないと聞いています。

むしろ、長時間労働を強いるサロンは敬遠されがちで、福利厚生を整える、社会保険に加入するということも当たり前になってきています。子供がうまれたあとは土日どちらかは休みだったり、時短勤務が可能というケースも増えています。

つまり、業界全体が「ワークライフバランス」を意識するようになってきたんです。学生たちにも、こういった業界の変化をしっかり伝えています。

編集部

学生からはどのような声がありますか?

海江田さん

多いのは「安心した」という反応ですね。好きなことを仕事にしながら、普通の生活も送ることができるという認識が広がっています。これは業界のイメージアップにもつながっていると思います。

「山野ならでは」の充実した就職支援と業界ネットワーク

1934年に開設された「山野美容師講習所」が始まりで、日本の美容界において大きな存在だった初代校長・山野愛子さんの教えを今も貫く山野美容専門学校は、業界全体に広いネットワークを持っています。そのため、就職のサポートが充実しているのも強みです。

ここでは、そんな同校の就職状況や卒業生との繋がりについてお聞きしています。

高い就職率とキャリアパス

山野美容専門学校の校内の入賞実績の掲示

▲コンテスト類で多くの実績を残す山野美容専門学校の学生は、美容業界からの評価も高い

編集部

山野美容専門学校の就職状況について教えてください。

海江田さん

本校は非常に高い実績があり、就職希望者に関しては100%の就職率を誇っています。

その要因としては、本校の歴史が長く、多くの卒業生を輩出していることが挙げられます。業界での知名度も高く、「山野出身」とお伝えするとありがたいことに評価していただけることも多いです。

また、在学中から様々な実践的な経験を積めることも就職に有利に働いています。経験で得た知識や成長が自信につながり、目標を明確にできることが評価されているのかと思います。

編集部

美容室で働く学生が多いのは、美容師の国家資格を取得できるからでしょうか?

海江田さん

そうですね。ただ、美容師の国家資格は実はとても可能性の広い資格なんです。美容室で働くだけでなく、様々な道が開けています。

例えば大手の企業に就職すると、週3日は美容師として勤務しながら、週2日はネイリストとして他店舗で稼働するといった複合的な働き方も可能になっています。

その他にも、成人式や卒業式の時期に着付けを専門に行う人もいますし、ヘアメイクアーティストとして活躍する人もいます。また、美容師の技術を活かしてウィッグメーカーで働く卒業生もいます。

編集部

キャリア選択の方針について、学生にはどのように伝えているのでしょうか?

海江田さん

入学時から「美容師の資格があれば、何にでもなれる」ということを伝えています。ただし、まずは基本をしっかり学んでほしいので、国家試験の合格を第一の目標にするよう指導しています。

学生たちには、在学中の選択制カリキュラムや実践的な学びを通じて、自分の適性や興味を見つけていってほしいと思っています。美容業界の可能性は本当に広いので、学生たち自身が自分の将来を柔軟に考えられるよう支援しています。

卒業生の講演会で業界の情報を入手。キャリアアップに繋がることも

山野美容専門学校の山野ホール

▲校内のホールでは、講演会も多数開催される

編集部

御校は卒業生とのつながりも強いと聞きましたが、どのような交流の機会がありますか?

海江田さん

卒業生による講演会は頻繁に開催していますね。有名サロンの店長や業界で活躍しているオーナーが来てくださることも多いんです。これらの講演会は、学生たちにとって非常に貴重な機会になっています。業界の最新トレンドや、実際の仕事の様子を直接聞けるためです。

講演会を見ていても、みんなとても熱心にお話を聞いていますよ。中には講演会がきっかけで就職先を決めた学生もいます。「こんなに熱い人のもとで働きたい」といった具合に、リアルな話を聞けるのが大きな魅力になっています。

また、これらの講演会は単なる情報提供だけでなく、キャリアデザインの一環としても位置付けています。学生たちが自分の将来を具体的にイメージする助けになっているんです。

編集部

卒業後もネットワークが継続しているのは、やはり「母校の山野の学生の力になりたい」という想いがあるからでしょうか。

海江田さん

そうなんです。「山野出身」という共通点があるだけで、業界内での親近感が生まれやすいのは確かです。

我々は卒業生の数だけを考えても圧倒的に多いですし、自分のブランドを立ち上げて業界をリードしている先輩方もたくさんいらっしゃいます。この点はまさに「山野ならでは」だと自負しています。

このような強力なネットワークは、学生たちの将来の可能性を大きく広げています。美容業界は変化が速いですから、最新の情報にアクセスできる環境は非常に重要です。

山野美容専門学校が目指す美容教育の未来

山野美容専門学校の校舎外観

山野美容専門学校は、美容の道を志す学生への教育に関して、業界を先導している存在です。そんな同校の就職後の働き方、そして将来的なビジョンについてお話を伺いました。

美容業界のニーズに応える総合的な人材育成を続けていく

山野美容専門学校の広報課の海江田さん

▲取材にご対応いただいた海江田さん

編集部

働き方にとどまらず、美容業界は変化を続けていますよね。山野美容専門学校では、そんな時代の中でどんな人材を育成していきたいと考えていますか?

海江田さん

おっしゃるとおり美容業界の変化は激しくて、求める人材のニーズについても本当に多様化していると実感しています。昔は単に技術が優れていればよかったかもしれませんが、今ではそれだけでは不十分なんです。そこで、私たちは「総合的な人材育成」を目指しています。

それは本校の幅広く学んでいけるカリキュラムに表れていますし、その他にも「サロン英語コミュニケーション」の授業で国際化するマーケットに対応したり、「美容福祉」の学習を通して高齢化する社会で活躍できるようにサポートしたりしています。

編集部

最後に、山野美容専門学校が目指す美容教育の未来像を教えてください。

海江田さん

私たちが目指しているのは、変化し続ける美容業界で活躍できる、柔軟性と創造性を持った人材の育成です。単に技術を教えるだけでなく、自ら考え、選択し、挑戦できる人材を送り出したいと考えています。

学生に対しては、専門職としてのスキルはもちろん、人間性や社会性も含めた総合的な成長を支援していきたいと思います。美容を通じて、人々に喜びや自信を与えられる、そんなプロフェッショナルを育てていくことが我々の使命だと考えています。

編集部

本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

山野美容専門学校の在校生・卒業生の口コミ

山野美容専門学校の生徒が練習をする様子

山野美容専門学校に通う学生や卒業した先輩たちの声をいくつか集めたので、ここでご紹介します。

コンテストに向けて毎日練習し、結果を出すことができた。人前で技術を披露することは大変でしたが、たくさんの人に支えてもらっていることにも気づけた。(在校生)

課外活動が豊富。学友会やオープンキャンパスのリーダーなどを通して仲間が増え、成長できた。(在校生)

学校で開催された説明会を通して「この人と働きたい」と感じて、自分のキャリアが定まった。(卒業生)

現在ネイリストとして勤務していますが、美容師の国家試験を通して法律や衛生に関する知識が身についたことは、今の仕事にも活かせています。(卒業生)

■卒業生・在校生の声は、公式サイトやパンフレットから抜粋・編集しています。
https://www.yamano-bc.ac.jp/voice.html

山野美容専門学校へのお問い合わせ

運営 学校法人山野学苑 山野美容専門学校
住所 東京都渋谷区代々木1-53-1
電話番号 03-3379-0111
問い合わせ先 https://www.yamano-bc.ac.jp/toiawase.html
公式ページ https://www.yamano-bc.ac.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください