桜丘中学校・高等学校の実績豊富なクラブ・サークル活動で育つ自主性と協調性|中高一貫校

この記事では、特色ある教育に取り組む“注目の学校”として三重県伊賀市にある私立の中高一貫校「桜丘中学校・高等学校」をご紹介します。

イギリスの名門パブリックスクールである「イートン校」をモデルに教育活動を展開する同校は、欧米の全寮制教育(※)を取り入れながら“次世代のリーダー”を育てるための全人教育を行っている学校です。
(※)自宅通学も可

グローバル視点で問題解決に挑む「知的創造プログラム」や生徒たちがテーブルを囲んでテーマに沿った議論を行う「ハークネステーブル」を通じて思考力を強化し、それを生徒主体の学校行事の場で実践する「企画運営PROJECT」の活動により、リーダーに必要な素養を着実に身につけていきます。

また、クラブ・サークル活動も活発で、個性を見つけて伸ばしていける環境が整っていることも大きな特色です。

今回は桜丘中学校・高等学校の放送部顧問である村上教頭、新聞サークル顧問の中尾先生、バイオサイエンス部・化学サークル顧問の矢野先生にインタビュー取材を行い、同校の教育方針や学習カリキュラムの特徴、校風などを詳しく教えていただきました!

「個性を発揮できる場をつくる」桜丘中学校・高等学校の理念

桜丘中学校・高等学校の新聞サークルの生徒たち

編集部

まず、御校の校訓についてお聞かせいただけますでしょうか?

村上教頭

本校の校訓は「汝の全力を出し真の汝を発掘せよ」です。生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出し、各自が本当の自分を見つけられるよう、多彩な教育プログラムや課外活動を実施しております。

教育活動のモデルとしているのはイギリスのイートン校で、探究活動のような“正解のない時代を生き抜く力”を育てる教育を提供することによって次世代のリーダーを育成することが目標です。近年では、医療に関連する教育にも力を入れていて、授業の理文選択とは別に、医進メディカルスクールを開講し、中学1年から高校3年まで、医学進学へのサポートを充実させています。その結果として医学部への進学が増えてきています。

桜丘中学校・高等学校のグローバルリーダーを育てるプログラム

桜丘中学校・高等学校では生徒たちが「自主的に学び、探究し、最後までやり抜く姿勢」を育めるよう、多彩な探究活動を展開しています。ここでは、主な探究プログラムである「知的創造プログラム」と「ハークネステーブル」の内容についてお話を伺いました。

テーマに沿った探究で思考力や創造性を強化する「知的創造プログラム」

桜丘中学校・高等学校での発表の様子

▲知的創造プログラムでの発表風景

編集部

御校が力を入れていらっしゃる「知的創造プログラム」について、特徴を教えてください。

中尾先生

知的創造プログラムは、中学校では「総合的な学習の時間」、高校では「総合的な探究の時間」のなかで実施しているプログラムです。『世界へ羽ばたく人材を育てる』ことを目標として掲げ、正解のない時代を生き抜くために、自分自身で問いを立て、課題解決に向けて行動する生徒を育成しています。

本校は転入生が比較的多いこともあり、どの段階で転入してもスムーズにプログラムへ入れるように1学期、あるいは半期にひとつテーマを設定しています。そのテーマに沿った調べ学習をしながら、発表によってアウトプットを行うことも含めて指導している形です。

編集部

具体的にどのようなテーマを設定されているのでしょうか?

中尾先生

中学1年生の1学期には「生徒各自の出身地域」、2学期は「三重県伊賀」、3学期は「世界の地域」がテーマです。また、中学2年生においては前半は「権利」をテーマに人権や社会進出について探究し、後半になると「医療倫理」をテーマにクローン技術の発達などを学びます。

そして、中学3年生は「法と正義」をテーマに裁判所や市議会といった現場に出向いて基礎を学び、そのなかから各自の興味関心に合ったテーマを掲げて探究を深めます。最終的には卒業論文を作成し、発表する流れです。本当に生徒目線でテーマを決めるため、なかには「死刑制度」などかなり踏み込んだ内容を探究する生徒もいますよ。

高校になると、1年生の前期は「グローバルの視点を持つ」といったテーマで世界に目を向け、世界規模の話題に視点を定めて調べ学習を行います。後期は生徒たち自身がテーマを設定して世界視点で探究を進めたのちに、探究の成果を1枚のポスターにまとめて発表する「ポスターセッション」形式で発表会をします。

桜丘中学校・高等学校の生徒のポスターセッション風景

▲ポスターセッションの様子

中尾先生

高校2年次には全員参加型のオーストラリア語学研修旅行を実施しており、そこで得た学びを帰国後に英語で発表する形です。このように中1~高2まで一貫型の探究学習を行い、海外にも目を向けながらグローバルリーダーの育成を目指しています。

編集部

探究テーマが決まらずに悩む生徒さんもいるのではと思いますが、そういった場合に先生方はどのようにサポートされていらっしゃいますか?

中尾先生

人それぞれ興味関心のスイッチが違うので、できるだけ広い視野で検討できるようにサポートしています。また、本物に触れることも大切だと考えており、たとえば車に興味がある生徒であれば「車のディーラーに行ってみたら?」といったアドバイスもしていますよ。

ただ、理想としては生徒たち自身で模索して決断してもらいたいので、寄り添ってサポートすることもあれば、あえて距離を置いて考えさせることもあります。ちなみに発表後には「もう少しこういうところも調べて、こういうところを強調したらいいよ」など、次に繋がるアドバイスも行っています。

繰り返し評価し合う環境が社会性を育てる

編集部

ポスターセッションなどの発表会によって、生徒さんにどのような成長がみられていますか?

中尾先生

発信力やプレゼンテーションスキルがどんどん高まっているように感じます。失敗でも成功でも、アウトプットすることが成長に繋がると思いますね。

また、発表会にはその学年だけでなくほかの学年の生徒も参加する形をとっているため、下級生が上級生の発表を見て「自分も頑張ろう」と刺激を受けたり、「この人の発表はすごくよかった」「この人はもう少しこういったところを頑張ったらよかった」などと生徒同士で評価したりすることも学びに繋がっていると思います。

特に、評価し合うことは実社会に出てからもさまざまなシーンで経験するため、中高生の段階でそういった体験ができることはその後の人生において大きなアドバンテージになると考えております。

「ハークネステーブル」では自由な議論のなかで主体性・協調性を育む

桜丘中学校・高等学校でのハークネステーブルの様子

▲ハークネステーブルの実施風景

編集部

「ハークネステーブル」の内容についてもご紹介ください。

中尾先生

ハークネステーブルとは、15人ほどの生徒が円卓を囲み、正解のない問題に対して一人ひとりが自分の考えを発表する取り組みです。具体的には1学期に1回、課題図書を生徒全員が読んだうえでハークネステーブルに参加し、自由に議論します。

その際に教員はあくまでファシリテーター役として参加し、相手の意見を否定しない「ハークネスメソッド」に基づいて議論が行われるように見守ります。また、特に中学生ですと自分の意見を積極的に言えない子もいますが、少しでも議論に参加できるようサポートしております。

編集部

ハークネステーブルを通して、生徒さんにどのような変化がみられていますか?

中尾先生

生徒たちは、自分の意見を発信することが自然にできるようになっていますね。それは進路実現にも繋がっており、特に学力テストだけでなく面接や小論文なども取り入れた「総合選抜型入試」においてしっかりと発揮されていると感じています。

桜丘中学校・高等学校の魅力あふれるクラブ・サークル活動

桜丘中学校・高等学校の校内

▲自然豊かな丘陵地帯にある同校では、広いキャンパスのもとで多くのクラブ・サークルが活動している

クラブ・サークル活動が活発に行われていることも、桜丘中学校・高等学校における魅力のひとつです。ここでは、クラブ・サークル活動の具体的な特色についてお話を伺いました。

運動部や文化部に入りながらサークル活動も楽しめる環境

桜丘中学校・高等学校の新聞サークルが寮新聞を制作している様子

▲新聞サークルが寮新聞を制作している様子

編集部

御校では、クラブ活動のほかにサークル活動も行われているそうですね。

中尾先生

はい。本校の特徴として、運動部や文化部に入りながらサークル活動も楽しめることが挙げられます。

学校生活・寮生活において、生徒一人ひとりが自分の適性や趣味に合ったクラブ活動・サークル活動を見つけてたくさんの居場所をつくることができます。

ちなみに、サークルは基本的には土曜日の夜の自由時間に活動しており、生徒たちの「やりたい!」といった声をもとに設けられました。新聞サークルや化学サークル、宇宙地球科学サークル、ダンスサークル、軽音サークルなどさまざまな種類があります。

たとえば私が顧問を担当している新聞サークルは、本校にある3つの寮の寮新聞を保護者に向けて制作しているサークルです。寮新聞は転入生の紹介をしたり、国会議員の方に伺った話を掲載したりと幅広い内容で、三重県新聞コンクールにおいては2022年・2023年と2年連続で最優秀賞に輝きました。

桜丘中学校・高等学校の新聞サークルが取材している様子

▲国会議員などいろいろな人に取材しに行く

桜丘中学校・高等学校の新聞サークルの部員たち

▲新聞サークルの部員たち

化学サークル&バイオサイエンス部:個人での研究を外部の大会で発表

桜丘中学校・高等学校の化学サークルとバイオサイエンス部の研究成果物一覧

▲化学サークルとバイオサイエンス部の活動は、基本的には個人の興味関心に合ったテーマで研究を進めていく

編集部

矢野先生は化学サークルとバイオサイエンス部の顧問をされているそうですね。どのような活動を行っていらっしゃるのでしょうか?

矢野先生

どちらも研究活動がメインで、生物系や生化学系、化学の研究を中心に進めています。部活動のほうは毎日基本的に活動があるので継続的な研究というのもできますし、サークルのほうは土曜日の夜の2時間程度の活動となるため、実験研究を主体に行っている形です。

基本的に高校生は全員、大阪や京都、兵庫、名古屋、岐阜、東京などで行われる外部の大会に向けて個人で研究を行い、発表の準備を進めています。

研究のテーマは探究活動と同様に生徒主体で考えており、たとえば化学系なら色が変わる速度を求めるなど、いわゆる化学マジック等で使われるような化学反応を深く探究したり、酸性雨や塩害などの環境系の実験をベースに探究したり、SDGsに関連させる形で絹糸の強度を上げる研究を行ったりといった具合です。

桜丘中学校・高等学校の化学サークルとバイオサイエンス部の研究成果物(林さん)

▲英語で研究成果をまとめる生徒も!

矢野先生

テーマ決めに悩んでいる生徒に対しては、こちらから「このテーマをやってみたらどう?」などと声をかけるのですが、半分強ぐらいの生徒は自分で「こんなことがやりたいです」と提案してくれますよ。研究は基本的には生徒自身で進めていきますが、こちらでも論文等を調べて、「この論文をもとにこういった実験をしてみよう」とアドバイスする場合もあります。

編集部

化学サークルとバイオサイエンス部はどのような雰囲気ですか?

矢野先生

基本的に個人研究なので、横の繋がりはそこまで強くはないかもしれません。ただ、部活やサークルの仲間うちで発表会を行うこともあり、その際には「みんなで頑張ろう」といったまとまりある雰囲気が漂っています。

部員のなかには研究が好きでずっと行っている子もいれば、勉強の合間など気が向いたときに実験している子もいるなど様々です。ただ、発表が近づくにつれてギアが上がってくるところはどの生徒にも共通していますね。

放送部:NHKの全国大会で優勝した経験もある実力派クラブ

桜丘中学校・高等学校の放送部が行事の司会を行っている様子

編集部

教頭先生が顧問をされている放送部の活動も特徴的で、賞も受賞されていらっしゃると伺いました。

村上教頭

放送部は日々の校内放送や学校行事での司会、映像関係の演出といった校内での活動はもちろん、外部の大会に向けて社会問題や発達障害などをテーマに取り上げ、テレビ番組やラジオ番組を制作する取り組みを行っています。

2018年には「ヤングケアラー」に関する番組を制作し、NHK杯全国大会で優勝しました。ヤングケアラーはその当時はあまり話題になっておらず、NHKさんからも「こんなことを取材しているんだ」と注目していただき、逆にこちらが取材を受けたほどです。

桜丘中学校・高等学校の放送部がNHK杯全国大会で優勝した際の取材の様子

▲NHKから取材を受けた際の様子

村上教頭

ちなみにテーマは生徒たち自身で決めており、取材も自分たちでアポを取って行っていますよ。テーマによっては思うように取材が進まずに苦労することもありますが、最後まで諦めずに続けている姿にいつも感心しています。

編集部

部員数が非常に多い人気の部ですよね。どのような雰囲気なのでしょうか?

村上教頭

全校生徒の1割ほどが在籍しており、とてもチームワークの良い部だと感じています。中学生のうちはなかなか制作が難しいので、高校生が教えて育てている形ですね。

そういった関わり合いのなかでどの生徒もしっかりとチームワークを組めるようになっていき、自分と少し合わない人とも「この人と一緒に頑張ってみよう」などと協調性が高まっていく様子がうかがえます。そのように成長していく過程を見られることも、顧問としての醍醐味であると感じています。

桜丘中学校・高等学校がNHK杯全国大会で受賞した際の記念写真

▲放送部はNHK杯全国大会の常連となっている

桜丘中学校・高等学校のスクールライフ

桜丘中学校・高等学校の校内

編集部

桜丘中学校・高等学校における学校全体の雰囲気はいかがでしょうか?

村上教頭

本校には寮があるのですが、寮では先輩が後輩の面倒を見る「ブラザーシステム」によってアットホームな雰囲気が築かれています。先輩が後輩を育て、育てられた後輩も自分が先輩になったときに後輩に教える循環が代々受け継がれている形です。

編集部

行事の場面での生徒さんの様子についても教えてください。

村上教頭

とても意欲的に取り組んでいる生徒が多いですね。

行事においては実行委員会を組み、実行委員長を立てて生徒主体で構成を考えます。社会人として必要な企画力・運営力・行動力を強化できることはもちろん、先ほどご紹介した探究プログラムの「知的創造プログラム」や「ハークネステーブル」で培ったスキルを実践で発揮できる貴重な場です。

教員は生徒の意見を尊重しながら、生徒と一緒になって熱心にサポートしていますよ。

桜丘中学校・高等学校からのメッセージ

桜丘中学校・高等学校の村上教頭・中尾先生・矢野先生

▲インタビューに応じてくださった村上教頭(左)、中尾先生(中)、矢野先生(右)

編集部

最後に、桜丘中学校・高等学校に興味をお持ちの方に向けてメッセージをいただけますでしょうか?

村上教頭

本校の大自然に囲まれた魅力的なキャンパスを、ぜひ一度見ていただきたいです。実際に足を運んで教育活動やクラブ活動に触れ、直に生徒と接することで、本校の魅力を体感していただけると思いますよ。

編集部

実践的な教育プログラムや個性豊かなクラブ・サークル活動、ブラザーシステムによる寮生活を通じて、リーダーとしての資質をしっかりと磨いていける学校だと感じました。

村上教頭、中尾先生、矢野先生、たくさんのお話をありがとうございました!

桜丘中学校・高等学校の進学実績

三重県伊賀市にある桜丘中学校・高等学校の校門

桜丘中学校・高等学校は、難関国公立大学や有名私立大学への進学実績が豊富です。

高2から東大・京大・国公立医学部などを目指す「国公立コース」と、早慶・私大医学部・GMARCHへの進学を目標とした「難関私大コース」に分かれ、さらにそれぞれにおいて志望分野に合わせた学習カリキュラムを提供していることが高い合格率に繋がっている印象です。

公式:桜丘中学校・高等学校「大学進路実績」

桜丘中学校・高等学校の卒業生による口コミ

先生がとても優しく、学習指導もクラブ指導も熱心に行ってくれます。

クラブの雰囲気が良く、先輩が丁寧に教えてくれます。

体育祭や合唱コンクール、文化祭などすごく盛り上がって楽しいです。

桜丘中学校・高等学校の卒業生からは、先生の対応やクラブの雰囲気、行事の充実度などが高く評価されています。また、保護者からは「補習をこまめに行ってくれてありがたい」など、先生の面倒見が良さに満足している声がたくさん挙がっていました。

桜丘中学校・高等学校へのお問い合わせ

運営 桜丘中学校・高等学校
住所 三重県伊賀市下神戸2756
電話番号 0595-38-1201
資料請求 https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=dxAhgy
公式ページ https://sakura-gaoka.ed.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください