今回ご紹介するのは、鳥取県鳥取市にあるカニが主役の水族館「かにっこ館」です。かにっこ館では、25種類400匹ものカニ、その他タコや魚、ヒトデなど、全部で160種類1,700匹もの海の生き物を見ることができます。
生き物にさわれる「生き物タッチングコーナー」やエサやり体験もあり、3歳頃からのお子さまが楽しめる、子どもに大人気の施設です。入館料は無料ですが子どもが楽しめる取り組みがたくさんあるので、ぜひ一度訪れてみてください。
この記事の目次
小さな水族館に見どころがギュッと詰まった「かにっこ館」
かにっこ館は、カニをメインに鳥取の海で暮らす生き物を展示している小さな水族館です。“小さな水族館”とはいえ、展示している生き物の種類はとても多く、見応えがあると評判です。
小さい子どもが楽しめるような工夫が満載で、施設の外には芝生広場が広がり、子どもを伸び伸び遊ばせることができます。近くには海水浴場もあり、海を満喫できる施設ですよ。
今回は、かにっこ館でマネージャーを務める西村雅子さんにインタビューし、かにっこ館の見どころや子ども向けの楽しみ方について教えていただきました。
25種類のカニを含めトータル160種類もの生き物を展示
かにっこ館にはどんな生き物がいますか?
かにっこ館は、名前の通りカニが主役のミニ水族館です。
ズワイガニ(山陰でとれたズワイガニのオスは「松葉がに」と呼ばれています)をはじめとして、小さなカニから巨大なカニ、毒を持っているカニなど色々なカニを見ることができます。
▲鳥取県特産の「松葉がに」。カニが大集合しています。
▲世界最大のカニとして知られるタカアシガニ。とっても大きいですが、これでも小さいサイズだそう!
純粋にカニだけで25種類400匹、エビやヤドカリなどカニの仲間も入れると40種類800匹を展示しています。
ほかにも魚やタコ、ヒトデなど、全部入れると160種類1,700匹の生物が見られます。
また、バックヤードでは展示している生物と同じくらいの数の生物がストック水槽にいるので、両方合わせると270種類3,000匹を飼育しています。
▲バックヤードにも色々な生き物がズラリ!
深海のカニの暮らしを再現した「松葉がに牧場」は必見
西村さんのおすすめコーナーがあれば教えてください。
鳥取県を代表する水産資源であり、当館の主役の松葉ガニをじっくり見られる「松葉がに牧場」がおすすめです。
特産のカニを増やすために鳥取県が海底に作った「松葉がに牧場」を再現したコーナーで、カニが暮らす“暗くて冷たい深海の世界”をちょっぴり体験することができます。
オスがメスを抱いてガードする、交尾前行動が見られることもありますよ。
▲松葉がに牧場。深海を再現しているため暗いのがリアルですね。
深海の世界を眺めるような体験ができるのはすごくユニークですね!日常では見られない光景なので、すごくワクワクするのではないかと思います。
交尾前行動の瞬間を見つけることができたら、生命の神秘を直に体感できそうですね。
わかりやすくて驚きもあり!飼育員の趣向が詰まった解説にも注目
「ここに注目すると面白い!」というおすすめの楽しみ方や見どころがあれば教えてください。
展示の前に書かれている、手作り感満載の解説に注目していただきたいです。
かにっこ館が心がけているのは、身近な生き物の表情や特徴に触れられる展示にすることです。
そのため解説にはとても力を入れており、ホッとなごめるディスプレーとキャプションを飼育員が自ら作り、子どもに分かりやすく、大人にも「へぇ~!」と思ってもらえる工夫をしています。
きっと、ほっこりした気分で笑顔になっていただけると思いますので、ぜひ解説も読んでみてください。
小さなお子さんに合わせて水槽の位置を低めに設定していますので、じっくりご覧いただけますよ。
▲小さい子どもでも無理なく届くように配慮された展示室
解説を読んでから生物を改めて見ると、新たな見方ができてさらにワクワクしそうです。
わかりやすくする工夫が散りばめられているので、大人が子どもに説明しやすいという点でも嬉しいですね。
かにっこ館イチオシの生き物は「コブフウセンウオ」
かにっこ館に珍しい生き物はいますか?
特別展示コーナーの「コブフウセンウオ」は、おなかの「吸盤」でモノにくっつく「ダンゴウオ」の仲間で、図鑑にもあまり載っていない珍しい魚です。
丸っこい体にまん丸の目、小さいお口で、一度見たら忘れられない、なんとも愛嬌のあるお顔をしています。
▲こちらがコブフウセンウオ。なんとも愛らしい姿で見ているだけで癒されます。
お母さんが巻貝の貝殻のなかに卵を産み、お父さんが貝殻の出入り口で卵を守る魚で、運がよければその姿が見られるかもしれません。
実は、魚類学者でタレントのさかなクンがかにっこ館に来館されたときに、「感動した」と大絶賛されたお魚で、当館イチオシの人気者です。
「さかなクンのお墨付きの魚なんだって!」と伝えれば子どものテンションも上がりそうですね。
見た目もとても愛らしいので、子どもにも人気がありそうです。
3歳の子どもも参加できる!かにっこ館のイベント&体験
ここからは、かにっこ館のイベントや体験できる内容について紹介します。かにっこ館は小さい子どもが楽しめるようにしているため、小さなお子様でも参加できるものがたくさんあります。
年齢制限はありませんが、生き物にさわれちゃうタッチングやエサやり体験、工作イベントは3歳くらいから体験できるような内容だそうですよ。
サメやヤドカリにさわれちゃう、ドキドキの生き物タッチング
かにっこ館では生き物にさわれるそう「生き物タッチング」という体験メニューがあるそうですね。どのような生き物にさわれるのでしょうか?
タッチングできる生き物はその時によって変わりますが、今だとサメやヤドカリ、ウニ、ヒトデに触れられますよ(2023年5月末時点)。
生き物なので、体調によっては開催できない日があります。そのため「この日のこの時間ならさわれるよ」とお伝えできないのですが、ご来館時にはぜひチェックしてみてください。
生き物タッチングは有料ですが、とても貴重な体験ができると思いますよ。
サメへのタッチング、ちょっとドキドキしますね!
生き物によって触り心地が違ったりするのも良い体験になりそうだなと思いました。
ちなみに、子どもがタッチングする様子を写真におさめたい親御さんは多いと思いますが、写真撮影はできるのでしょうか?
撮影は可能ですが、フラッシュは生き物への負担になるのでご遠慮ください。
迫力満点!休日はサメのエサやり体験ができるかも!
他にも体験できるものはありますか?
エサやり体験があります。
季節や生き物の状況により種類を変えて開催しているのですが、現在はヒラメの子ども、メジナにエサをやることができます。(2023年5月末時点)
生き物によって、またその生き物の成育段階によってエサの種類が異なるので、そこに注目してみるのも面白いと思いますよ。例えばヒラメには配合飼料、メジナにはオキアミ(エビの種類)をあげています。
また、土日祝日には、タイやサメなどの魚が泳ぐ大型水槽「鳥取の魚水槽」で、迫力あるエサやりを体験できることもあります。
▲タイやサメが泳ぐ「鳥取の魚水槽」。
▲鳥取の魚水槽へのエサやりの様子。はたしてタイやサメがどんな迫力でエサを食べるのか!?
こちらも、生き物の体調によってはお休みしている場合があります。エサは1日にあげられる量が決まっているので、エサがなくなり次第終了しています。
絶対に体験したい場合は事前にお問い合わせいただき、早めにご来館いただくのがおすすめです。
午前の部:10:30〜11:50
午後の部:13:00〜餌がなくなり次第終了
生き物によって食べ方も違うでしょうし、子どもと一緒に観察すると楽しそうです。
大型水槽にはサメもいるそうで、すぐ近くでサメが見られるのもドキドキを味わえそうですね。小さな魚とは異なった感動を得られそうだなと思いました。
親子で一緒に楽しめる、休日限定の工作イベントも必見!
かにっこ館では、イベントは開催されていますか?
休日限定ですが、体験実習室で工作イベントを開催してます。
貝殻アクセサリーやボトルシェルなど、その時によって内容は異なりますが、親子で参加される方が多く、3〜4歳くらいのお子さんから楽しめるような簡単な内容にしています。
事前予約は不要ですので、ぜひご参加いただきたいです。
▲お気に入りの貝殻をアクセサリーに変身できちゃう、アクセサリー作り
▲サンゴ砂や小さな貝殻を入れて作るボトルシェル
▼スケジュールはは公式ホームページのカレンダーでチェック
公式:かにっこ館(イベントカレンダー)
かにっこ館に訪れた記念になるので、良いですね。後から見るたびに、かにっこ館で体験したことを思い出せそうです。
お土産を買おう!かにっこ館のミュージアムショップ
水族館の生き物のぬいぐるみやグッズ、お土産を購入できるミュージアムショップはありますか?
小さなスペースですがミニミュージアムショップがあり、水族館の生き物のぬいぐるみや雑貨、フィギュアのつかみ取り、オリジナルグッズなどを販売しています。
他には、カニの形のパンやビスケットを販売していますので、おやつにぜひどうぞ。
ハズレなしの「かにっこくじ」が大人気!
かにっこ館で人気のお土産やグッズを教えてください。
最近新たにはじめた「かにっこくじ」が人気です。ミュージアムショップの横に設置しているぬいぐるみくじなんですが、ハズレなしで、必ず可愛らしいカニのぬいぐるみがもらえます。
1回1,000円で、小さなぬいぐるみから、特賞の大きなぬいぐるみまで当たります。
連日たくさんのお子さんに挑戦いただき、とても人気のくじです。
▲ハズレなしが嬉しい、かにくじ。ドームの中に手を入れて飛び回るクジを掴むのも楽しい。
▲思わず抱きしめたくなる、可愛い表情のかにのぬいぐるみ。
子どもと一緒に楽しむためのプチお役立ち情報
かにっこ館に子どもと一緒に行く場合の持ち物など、気になる情報について教えていただきました。事前準備の参考にしてくださいね。
持ち物・服装:体験するならハンドタオルは必須
子ども連れで訪れる場合、あった方が良い持ち物や、避けた方が良い服装があれば教えてください。
持ち物は特に必要ありませんが、生き物タッチングやエサやり体験をする場合は手を洗うのでハンドタオルがあると良いと思います。
また、周辺も散策できるので、歩きやすい靴と動きやすい服装がおすすめです。海を見れば足を浸けたくなるかもしれませんので、大きめのタオルもあるといいですね。
かにっこ館周辺の子どもが遊べるスポット
水族館を訪れたあとで立ち寄れる、子どもにおすすめのスポットや施設があれば教えてください。
かにっこ館は、鳥取港と海鮮市場、ボートパーク、海水浴場などのある海浜エリアに位置しています。
館内からも海が目に入りますが、5分も歩くと目の前に日本海が広がります。暑い日には足だけ海に入るのも気持ち良いでしょうね。
また、夕日が海に沈んでいく夕景を楽しめるスポットでもあるので、お子さんと一緒に素敵な写真を残せますよ。
周辺には旅館や飲食店があるので、夕飯を食べてから帰宅、または1泊されるのもおすすめです。このあたりの飲食店では新鮮な海の幸を存分に楽しめるようなメニューが豊富なので、ぜひ訪れてみてください。
かにっこ館を訪れた方の感想・よくある声
訪れた人からよく聞く感想、嬉しかった声などあれば教えてください。
小さな無料施設なので、近くに来たついでにたまたま立ち寄られるお客様も多く、「ふらっと寄ってみたらすごく充実していて楽しかった」といったお声をよくいただきます。
いただく声で多いのが、「餌やり体験を楽しめた」「解説が小さい子どもでも理解できるような内容でとてもよく理解できた」などです。
また、旅行中にご家族で訪れてくださったお客様から次のような感想をいただいたこともあります。
「全ての説明文を読みたいと思ったのは初めてです。今回の旅行で一番印象に残り全員で楽しめました。」
ご家族の様子と気持ちが伝わってきて感動し、励みになりました。
また当館はお子さんのために来館される方が多いので、「子どもの教育に役立っています」という感想をよくいただきます。
一方で大人の方からも「学ぶことが多かった」「魚に対する愛情が芽生えました!」などと言っていただくこともあり、水生生物の魅力が伝わっていると感じられて嬉しいです。
ほかにも、「本当に無料でいいんですか!?」「館の維持に協力したいので募金箱を置いてください」などのお声をいただくこともあり、とても有難く思っています。
無料とは思えぬほどに充実されていて、すごく満足感を得られる水族館だということが伝わりますね。
展示されている生き物たちがたくさんいるというのもその理由のひとつですが、飼育員の方が丁寧に書かれている解説があるからこそ、なお感動します。
かにっこ館から子ども連れファミリーへのメッセージ
最後に、お子さん連れのファミリーに向けてメッセージをお願いします。
かにっこ館はとても小さな施設で、大がかりな設備やショーなどはありませんが、いろいろな体験ができるようにしています。ぜひ、体験メニューも楽しんでいただきたいです。
小さな生き物たちの表情をじっくり見たり、エサをあげてみてください。
小さな感動をお子さんと一緒に共有し、まったり、たっぷり楽しんでお過ごしいただけると嬉しいです。
小さい水族館だからこそのアットホームな雰囲気が、ほっとした気持ちにさせてくれる水族館だなと思いました。
実に愛らしいコブフウセンウオなど珍しい生き物も待っていますし、カニ以外にもたくさんの魅力がありますね。それぞれに設置されている解説を読みながらまわると、より生き物への愛着がわき、また会いたくなるような気がします。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
かにっこ館の料金・予約・混雑しづらい時間帯
入館料 | 無料 |
---|---|
体験料金 | ・生き物タッチング:300円 ・エサやり体験:200円 ・工作体験:材料費100円〜300円ほど(体験内容による) |
予約 | 不要 |
混雑しづらい時間帯 | ・平日 ・土日祝は9:00~10:30と15:30~17:00 |
かにっこ館の基本情報(アクセス・営業時間)
住所 | 〒680-0908 鳥取県鳥取市賀露町西3-27-2 |
---|---|
アクセス | ■車 ・JR鳥取駅から約20分 ・鳥取砂丘コナン空港から約4分 ・鳥取自動車道「鳥取IC」から約20分 ■バス JR鳥取駅から日ノ丸バス 賀露循環線「かにっこ館前」下車 |
駐車場 | あり(無料) |
電話番号 | 0857-38-9669 |
営業時間 | 9:00~17:00(最終入館時間は16:45) |
定休日 | 火曜日(ただし以下の場合を除く) ・火曜日が祝日の場合は翌平日が休館日 ・3月24日~4月8日、7月20日~8月31日及び12月24日~1月8日は毎日開館 |
公式サイト | https://kanikko.jp/ |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。