人間形成を重んじる富士学苑中学・高等学校の仏教教育と注目の部活動|中高一貫校

ぽてん読者の皆さまに、特色ある教育プログラムで注目を集める学校を紹介するこの企画。今回紹介するのは、山梨県富士吉田市にある私立の共学校「富士学苑中学・高等学校」です。

富士学苑中学・高等学校は、1957年に開校した臨済宗妙心寺派のお寺「月江寺(げっこうじ)」を設立母体とする中高一貫校です。周囲からの恩に感謝し、報いることのできる人材を育成するため、勉学にも部活動にも力を入れています。

同校では、座禅や瞑想を取り入れた仏教教育と、学外連携による高い視座での学びにも注力しています。

今回は、富士学苑中学・高等学校の教育理念や、全国レベルで活躍する部活動、人間育成を促進する仏教教育などについて、校長の大森先生、教頭の大園先生、柔道部顧問の矢嵜先生にお話を伺いました。

「報恩」「奉仕」「精進」の精神を養う富士学苑中学・高等学校の教育理念

富士学苑中学・高等学校の創立者像

▲校舎内にある学園創始者の山田秀峰先生、第2代理事長・校長の山田紀彦先生の像

編集部

はじめに、富士学苑中学・高等学校の建学の精神を教えてください。

大園教頭

富士学苑中学・高等学校は、約600年の歴史を持つ臨済宗妙心寺派のお寺「月江寺」が、1957年に開設した学校です。お寺が母体となって設立した背景から、当校の建学の精神は「人間形成」です。そもそも学校自体が人間形成をする場ではありますが、社会に出る前の生徒たちにとって重要な「人間形成」を、本校ではあえて建学の精神として掲げています

編集部

「人間形成」につながる富士学苑中学・高等学校の校訓や教育理念についても教えてください。

大園教頭

富士学苑中学・高等学校の校訓は、「報恩」「奉仕」「精進」の3つです。人は1人では生きられません。いろいろな人々のおかげで生かされていることに気づき、感謝して、恩に報いることのできる大人になってほしいと思っています。

人によって幸せの形は異なりますが、人間は人のために一生懸命になれる生き物であり、他者に貢献しているときにこそ幸福を感じられるものだと考えています。子ども時代は恩に感謝しながらしっかりと力を蓄え、大人になってからは、他者のために奉仕できる人間であってほしいと願っています。

他者に貢献できる人材になるためには、それだけの力を持っていなければなりません。日々の精進が必要です。だからこそ、学校生活のあらゆる取り組みに全力で向き合いましょう、と伝えています。

編集部

実際に富士学苑中学・高等学校の生徒たちを見て、「精進」を体現していると感じることはありますか。

大園教頭

当校の生徒たちは、勉強にも部活動にも本当に真剣に取り組んでいます。この後ご紹介しますが、富士学苑中学・高等学校には、運動部・文化部ともに全国レベルで活躍する部がたくさんあります。しかし、「部活だけがんばればいい」という精神ではなく、勉学にも真剣に取り組んでいます

例えば2024年パリオリンピックで柔道女子日本代表として出場する卒業生の舟久保遥香さんは、学生のころから数多くの大会で受賞しているだけでなく、理系分野で手を抜くことなく勉強にも励んでいました。柔道を引退した後のことまで見据えて、「管理栄養士になる」といってがんばっていましたね。

富士学苑中学・高等学校出身の舟久保遥香さんの顕彰碑

▲柔道部で世界的な活躍を残した舟久保遥香さんの顕彰碑

編集部

全国・世界レベルで活躍する選手であっても、部活動だけに注力しているわけではないのですね。

大園教頭

はい。一流は、「部活動だけやっていればいい、勉強は手を抜けばいい」などとは絶対に考えません。すべての学びがつながっていることを理解しています。本校の教員は「人のためになるように一生懸命に自分の力をつける」という根本をしっかり意識して指導していますから、生徒たちもその思いを受け取ってくれていると感じます。

勉強の面でも、東京大学や東北大学、お茶の水女子大学などの難関校への合格者を輩出しています。学校生活のあらゆる活動に生徒たちが真剣に向き合っている結果だと思います。

編集部

建学の精神や校訓などの根本となる教えがしっかり浸透しているからこそ、さまざまな分野で生徒たちが実績を残しているのですね。

大園教頭

そう思います。根本を理解しているからこそ、流行に流されないのも本校の生徒の強みです。例えば校則について、「他校がこうだから」「世間一般の傾向だから」といった理由で不満の声が上がることはほとんどありません。なぜ校則が必要なのかという本質を理解できているから、今の校則が良いという思考になっているのだと思います。

編集部

富士学苑中学・高等学校の部活動や授業など、あらゆる活動が「報恩」「奉仕」「精進」の3つの校則を意識した「人間形成」の場となっていることがわかりました。

全国レベルで活躍する富士学苑中学・高等学校の部活動

富士学苑中学・高等学校各部の活動とトロフィーや賞状など

▲女子柔道部や女子バスケットボール部など全国レベルで活躍し表彰される部活動がたくさん

富士学苑中学・高等学校は、全国大会常連の強豪チームである女子バスケットボール部、県大会で複数の優勝経験のある野球部など、全国レベルで活躍する運動部が複数あります。また文化部は、全国大会常連の書道部、独立した本格的な茶室で活動する茶道部、地域に根差したボランティア活動を行うインターアクトクラブなど、個性的で種類も豊富です。

ここからは、富士学苑中学・高等学校で特に実力のある「ジャズバンド部」と「女子柔道部」について各顧問の先生にお話を伺いました。

年間コンサート約70回。全国で活躍する「ジャズバンド部」

富士学苑中学・高等学校のジャズバンド部が浅草JAZZコンテストで演奏する様子と校長でジャズバンド部顧問の大森先生

▲お話を伺った校長でジャズバンド部顧問の大森先生と、浅草JAZZコンテストで演奏するジャズバンド部の演奏風景

編集部

まずはジャズバンド部について、顧問を務められている大森校長先生にお話を伺います。ジャズバンド部はどのような活動を行っていらっしゃいますか。

大森校長

富士学苑中学・高等学校のジャズバンド部は、2003年に創部した山梨県の学校では初となるジャズクラブです。定期演奏会に当たる「リサイタル」を中心に、年間で約70回ほどコンサートを行っています。また、ジャズのコンクールやフェスティバルにも積極的に参加しています。

国内では最高峰と評され、社会人なども参加する「浅草JAZZコンテスト」では、過去に6回本選出場を果たしています。第29回大会では、高校生として初めてグランプリに輝きました。

編集部

コンサートにコンクールにと、積極的に演奏活動をされているのですね。

大森校長

はい。地域のイベントなどで演奏し、メディアで話題になることもあります。例えばASEAN特別首脳会議プログラムで日本代表として演奏をしたり、今の天皇陛下が皇太子でいらっしゃった頃に山梨で開かれた国民文化祭にて、入場演奏をさせていただいたりしました。皇室の方の入場曲などは宮内庁で雅やかな音楽を演奏するのが慣例ですが、山梨の文化と高校生らしさのあるジャズでお迎えし、話題になりましたね。

山梨県や本校のある富士吉田市の地域の文化賞をいくつも受賞させていただいているほか、東京ビッグサイトや日本医師会館などの音楽イベントにご招待を受けて、演奏することもあります。東京都内の有名なライブハウス「赤坂Bフラット」や、六本木の高級ジャズクラブ「サテンドール」を貸し切ってライブ演奏するなど、高校生のクラブ活動としてはとても珍しい活動も行っています。

編集部

富士学苑中学・高等学校のジャズバンド部は、地元山梨だけでなく全国でたくさんの演奏機会があるのですね。そもそも吹奏楽部のある学校はたくさんありますが、ジャズに特化した部活動があるのは珍しいですよね。

大森校長

そうですね。吹奏楽部がジャズを演奏することはあっても、ジャズ専門の部活動のある学校は少ないと思います。当校の野球部の大会ではジャズバンド部がアメリカンポップスを中心とした応援演奏をするので、珍しいと注目されることがありますね。

編集部

大森先生が直接ジャズバンド部のご指導をなさっているのですか。

大森校長

はい、そうです。もともと私は音楽大学の出身で、クラリネットの国際コンクールで入賞した経験があります。サックスも演奏しますね。ジャズバンド部からも音楽大学に進学する生徒がいたり、プロになって世界で活躍する卒業生もいたりして、嬉しく思っています。

編集部

経験豊富な先生から学び、たくさんの演奏機会がある富士学苑中学・高等学校のジャズバンド部は、プロを目指す生徒たちにとってぴったりな環境ですよね。演奏活動を通じて、生徒たちの成長を実感されるのはどのようなときですか。

大森校長

生徒たちが自信をもってジャズ演奏をしている姿に成長を感じますね。ジャズバンド部は「かっこよさそう」という理由で入部する生徒も多くいます。ただ、なかなか自分の個性を発揮できない生徒もいるんです。しかし、大勢の前で演奏する機会を3年間、6年間と重ねるうちに、自信をもって演奏できるくらいに成長します。

楽器の演奏が上手になることよりも、自分に自信を持てるものが見つかること、そして演奏を通じて少しでも世の中の役に立てることが大事だと思っています。部活動が建学の精神を養う場だと感じますね。

富士学苑中学・高等学校のジャズバンド部の練習風景

▲コンクールやリサイタルで数多くの演奏を披露するジャズバンド部の練習風景

編集部

始めは自分を表現できない生徒もいらっしゃるとのことですが、ジャズではソロの演奏機会などもありますよね。

大森校長

そうですね。吹奏楽や合唱は他者との協調の精神がメインですが、ジャズはそれに加えてソロ演奏も大きな要素です。しかもジャズの場合、「アドリブソロ」といって、自分で前に出てパフォーマンスすることが大切なんです。アドリブソロの経験も、生徒たちの自己表現や自信につながっていると思います。

また、アドリブといっても好き勝手に演奏するのではなく、ジャズのルールやマナーに則って伝えたい想いを表現します。決まり事やモラルなどがあったうえで表現していく点は、人の生き方に通ずるものがありますね。

編集部

ジャズ演奏が、富士学苑中学・高等学校の建学の精神である「人間形成」の場になっていることがわかります。

大森校長

そうですね。部活動の中だけではなく、ホームルーム活動や生徒会などでもリーダーとして活躍している部員もいます。ジャズバンド部の経験を生かしてくれていると思いますね。

ジャズバンド部では年間約70ものコンサートを実施しますから、チームワークもとても大切です。中学1年生から高校3年生まで、みんなで協力してコンサートを実現しています。また、保護者の皆さまも集客をお手伝いしてくださったり、スポンサーのみなさまにご協力いただいたりと、多くの支えがあって活動を進められています。

編集部

地域の皆さまの協力を得ながら全国で活躍されているジャズバンド部の活動が、演奏スキルの向上だけでなく、人間力の育成にもつながっていることがわかりました。

オリンピック選手も輩出。全国屈指の強豪クラブ「女子柔道部」

第72回関東高等学校柔道大会で優勝を果たした富士学苑中学・高等学校の女子柔道部と顧問の矢嵜先生

▲お話を伺った女子柔道部顧問の矢嵜先生と、第72回関東高等学校柔道大会で優勝を果たした女子柔道部

編集部

続いて、パリオリンピック柔道女子日本代表の舟久保遥香さん、フィリピン代表の渡辺聖未さんの出身部としても注目される女子柔道部について、顧問の矢嵜先生にお話を伺います。女子柔道部のこれまでのご活躍について、教えてください。

矢嵜先生

女子柔道部は、2019年に全国高校選手権、金鷲旗柔道大会、インターハイのすべてに優勝し「高校女子柔道三冠」を達成しました。先日も2024年の関東高等学校柔道大会で優勝を果たし、全国大会に向けて毎日稽古に励んでいます。(2024年6月取材時点)

2024年3月の高校選手権では女子団体戦ベスト16と悔しい思いをしました。関東大会での優勝を弾みに、関東王者として金鷲旗柔道大会、インターハイにも臨んでいきたいと思います。部員たちの間には、先輩たちの築いてくださった戦績を引き継ぎたい、団体戦では絶対に負けられないという強い思いがあります。そんな部員一人ひとりの姿勢がチームに良い影響を与えてくれていると思いますね。

編集部

関東大会での優勝は、生徒たちにとって大きな自信につながったのではないでしょうか。

矢嵜先生

そうですね。強豪校といわれる国士舘高校、桐蔭学園高校、淑徳高校などと対戦しましたが、大学付属校の学校はその強みを生かした指導を受けています。そんな強豪校との5試合に勝つことができたのは、生徒たちの大きな自信につながったと思います。

編集部

女子柔道部では、どのような生徒が活躍されていますか。

矢嵜先生

女子柔道部は、真面目で「日本一を目指したい」という強い想いを持った生徒が揃っています。また、卒業生であるパリオリンピック代表の舟久保遥香は、在学時代に柔道だけでなく勉強などにも本当にきっちり向き合う生徒だったため、「先輩のようになりたい」と憧れる生徒も多くいます。先輩たちの姿勢が、チームに良い影響として伝承されていると感じますね。

編集部

大森校長、大園教頭もお話しくださいましたが、富士学苑中学・高等学校の生徒は部活動で成績を上げるだけでなく、勉強にも真剣に取り組む生徒ばかりですね。

矢嵜先生

そうですね。女子柔道部では、モットーとして「気持ち一つでできることを常に全力でやりなさい」と伝えています。柔道だけ頑張ればいいのではない、学校生活も、寮生活も、きっちり手を抜かずに向き合いなさいと、いつもお話させてもらってます。

編集部

女子柔道部には寮生活をされている部員が多いのですか。

矢嵜先生

はい、全国から「柔道で日本一になりたい」という生徒が集まっているため、部員のほとんどが寮生です。大阪や京都などの関西地区から入学している生徒もいます。本校の女子柔道部の練習の厳しさは日本でも有数だと思いますが、「個人戦、団体戦で日本一を目指す」という想いのある生徒たちですから、しっかり取り組んでいます。

編集部

女子柔道部の実績や卒業生の活躍に憧れて入部される部員が多いと思いますが、OGが練習に参加することはあるのでしょうか。

矢嵜先生

そうですね。3月の全国高校選手権は毎年日本武道館で開催されるため、多数の先輩が応援に来てくれます。また、大会前の練習に先輩が来てくれたり、先輩たちが今頑張っている大学や実業団を訪問して稽古をつけてもらう機会もあります。生徒たちの実力を強化するにあたり、練習相手に恵まれた環境ですね。

富士学苑中学・高等学校の女子柔道部の練習風景

▲日本一を目指し厳しい練習に励む女子柔道部

編集部

OG達による指導が、強さの秘訣の1つなのですね。そのほかに、特徴的な練習などはありますか。

矢嵜先生

学校の裏に忠霊塔という五重の塔があるのですが、この塔まで上る階段が398段あります。この階段を週2,3回、朝の練習で走るトレーニングを行っています。かなりのトレーニング強度があるため、足腰や心肺機能、持久力を鍛えられます。当柔道部が強さを維持している一つの要因だと思いますね。

編集部

世界で活躍される舟久保遥香さんや渡辺聖未さんのような選手が、これからも富士学苑中学・高等学校から輩出されることが期待されますね。

座禅や瞑想で人間形成を促す富士学苑中学・高等学校の仏教教育

富士学苑中学・高等学校の生徒目標

▲校内には人間形成につながる生徒目標が掲げられている

編集部

富士学苑中学・高等学校は臨済宗のお寺を創立母体とする学校ですが、日々の学校生活の中で仏教の教えに触れる機会はあるのでしょうか。

大園教頭

富士学苑中学・高等学校では、毎週月曜日1時間目に、「礼拝(らいはい)」という全校集会を行っています。禅宗である臨済宗の教えを生かし、椅子に座った状態での座禅を行っています。背筋をきちんと伸ばし、目は半眼にして薄く開け、動かない。心を無にし、集中する時間を15分間作っています。

週の初めに、この1週間をきちんと過ごそうという精神統一の意味で行っています。

編集部

お休み明けの月曜日の座禅は、学校生活への気持ちの切り替えにもなりそうですね。

大園教頭

そうですね。授業への集中力を高めるために、毎回の授業の始めに「黙念(もくねん)」も行っています。クラスの代表による「姿勢を正して黙念始め」という声掛けを合図に、1分間目を瞑って背筋を伸ばし、心を無にする時間を設けているんです。

また、年に1回「接心(せっしん)」という仏僧修行の模擬体験を午後の時間に行っています。本校の道場や月江寺をお借りして座禅を組んだり、一切話しをせずに掃除をしたり、お経を唱えたりします。日常生活を見つめ直し、感謝の気持ちを促す心の成長につながる行事です。

編集部

年間行事や毎日・毎週の仏教教育が、富士学苑中学・高等学校の豊かな人格の形成につながっていると感じました。

富士学苑中学・高等学校の茶室

▲敷地内の茶室で茶道の体験学習なども実施している

学びの自主性と視座の高さを重視する富士学苑の教育姿勢

富士学苑中学・高等学校の少人数指導と大園教頭先生

▲お話を伺った富士学苑中学・高等学校教頭の大園先生と、生徒たちの学びの意欲を引き出す少人数指導の様子

編集部

富士学苑高等学校は、過去5年間に東京大学や北海道大学などの難関大学に合格者を輩出しています。学習指導の面で意識されていることはありますか。

大園教頭

自分のことは自分でしっかりと考え、学習プランニングすることを大切にしています。学ぶことは「真似る(真似をする)」ことから始まります。これは自転車の運転と同じで、いくら指導されても本人に乗ろうという気持ちがなければ、乗れるようになりませんよね。だからまずは生徒の主体性を育み、精進することにつなげています。

編集部

生徒たちの主体的な学びを促すために、意識されていることはありますか。

大園教頭

ICT教育などの教育ツールももちろん重要なのですが、その前の段階として「学問のすばらしさ」を伝えることを意識しています。また、単に勉強するのではなく、その先にある「人のため」「社会や世界に貢献するため」という目的にも触れるようにしています。

学問を学ぶことは、世界を知ることです。自分の専門分野を学ぶだけでなく、教養として幅広い知識を得ることで、物事の見え方や視座が変わります。ですから、理系だから、文系だからとこだわりすぎず、高い視座を獲得するための教育を各科目の先生が行っています。

編集部

高い視座を獲得するために、具体的にどのような取り組みをされていますか。

大園教頭

特徴的な取り組みの1つが、富士吉田市との連携です。山梨県全体で人口の流出が進んでおり、富士吉田市でも地域おこしの取り組みに力を入れています。そこに本校の生徒が積極的に参加し、地域や社会の視点から見た学びを得ています。

また総合的な探究の時間を活用して、東京大学大学院の研究室と連携した富士吉田中心市街地の活性化プロジェクトも行っています。フィールドワークで観光地になりうる場所を探したり、地域活性化につながる観光客のターゲット層やアピール方法を考えたりと、実践的な学びにつながっていますね。

編集部

富士学苑中学・高等学校での主体的な学習姿勢が学びの本質を捉え、高い視座で物事を見る力を養っていることがわかりました。積極的な姿勢や横断的な学習が、結果として高い大学進学率にもつながっていると感じます。

富士学苑中学・高等学校からのメッセージ

富士学苑中学・高等学校の校歌の碑

▲富士学苑中学・高等学校の校歌の碑

編集部

最後に、富士学苑中学・高等学校に関心のある小学生や保護者の皆さまへメッセージをお願いします。

大園教頭

学校にはそれぞれの良さがあります。富士学苑中学・高等学校の生徒たちは素直で和やかで、地域の困っている人を自然と助けるような生徒ばかりです。生徒と先生の距離も近く、保護者やPTAのみなさまの温かいご協力もあって、豊かな教育を実現できています。

規模の小さな学校ですが、国公立大学の合格率は約88%にのぼり、一般的な国公立大学の倍率数から換算するとおよそ3倍になっています。校訓である「報恩」「奉仕」「精進」の精神で、勉強も部活動も一生懸命に取り組み、成果を出してくれていると感じます。

入学した生徒は、一人ひとり大切に育てていこうと教員全員が思っていますし、卒業してからも当校の生徒であると思っています。生徒に寄り添う学校ですので、ぜひ足をお運びいただけたら嬉しいです。

編集部

今回の取材を通じて、富士学苑中学・高等学校が大切にされている「人間形成」が、部活動や勉学、あらゆる学校活動を通じて実践され、生徒たちがのびのびと成長されている様子が伺えました。ありがとうございました!

富士学苑中学・高等学校の進学実績

富士学苑中学・高等学校の授業風景

富士学苑高等学校には、東京大学などの難関国立大学進学を目指す「特別進学コースA」、早稲田大学・慶應義塾大学などの難関私立大学合格を目指す「特別進学コースS」、日本大学や東洋大学などの有名私立大学や短期大学、専門学校など幅広い進路に対応した「総合進学コース」、就職に対応した「キャリア実践コース」があります。

2019年~2023年の5年間には、東京大学、北海道大学、青山学院大学、学習院大学などへの合格者を輩出。生徒たちの希望に合わせ、短期大学や調理、美容、ITなどの専門学校へ進学した生徒もいます。また、民間企業や公的機関への就職実績も豊富です。

それぞれが自分の目指すキャリアを描き、自己実現への一歩を踏み出していることがわかります。

公式:富士学苑高等学校「進路実績」

富士学苑中学・高等学校の卒業生・保護者・在校生の口コミ

富士学苑中学・高等学校の玄関

▲玄関にも校訓が掲げられている

最後に、富士学苑中学・高等学校の卒業生、保護者、在校生の口コミをご紹介します。

(卒業生)もともと就職クラスに所属していましたが、就職クラスでも定期試験などを頑張れば大学には行けます。勉強が苦手でもサポートが手厚く、努力次第で自分の目指す進路に行けます。

(保護者)お寺が母体にあり、礼儀作法、茶道、着付けなども習得できます。少人数制なので、先生方の目が行き届いています。

(在校生)少人数教育がいいと思っている人に向いている高校だと思います。先生の質も良く、一人一人の面倒をしっかりと見てくれます。なんと東京大学理科Ⅲ類に合格した人もいます。

少人数制で進路選択においても手厚いサポートが受けられること、仏教教育で礼儀作法などを身につけられることに対する高い評価が見られました。

富士学苑中学・高等学校へのお問い合わせ

富士学苑中学・高等学校の前景

▲伝統的な茶室と美しい校舎が印象的

運営 学校法人 月江寺学園
住所 山梨県富士吉田市緑ヶ丘1-1-1
電話番号 0555-22-0696
問い合わせ先 https://gekkouji.ac.jp/contact/
公式ページ https://gekkouji.ac.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください