国際バカロレア認定校「朝日塾中等教育学校」のリーダー育成を目指すグローバル教育|中高一貫校

特色ある教育に取り組む“注目の学校”を紹介するこの企画。本記事では、岡山県岡山市にある私立校かつ共学の中高一貫校「朝日塾中等教育学校」を紹介します。

IB(国際バカロレア)MYP・DP一貫教育認定校である同校は、留学生との交流や、4学年が習熟度別にクラス分けされ一緒に学ぶ「MYP English」など英語教育にも力を入れており、活きた英語が身につく独自のカリキュラムが豊富です。また、どの科目においても学習した内容と社会とのつながりを常に意識し、探究心を育めるような工夫がされています。

今回は、そんな同校の取り組みについて、入試広報部の國塩雄太先生にお話を伺いました。

英語の授業を行う朝日塾中等教育学校の國塩先生

▲取材にご対応いただいた國塩先生

朝日塾中等教育学校の教育目標:次世代リーダーの育成

メディアセンターでディスカッションする朝日塾中等教育学校の生徒たち

編集部

まず初めに、御校の建学の精神についてお聞かせください。

國塩先生

本校が所属する朝日学園・みつ朝日学園グループは、「個性を伸ばすハイレベルの教育」を建学の精神に掲げています。全員が一様に一定の偏差値ラインを目指すのではなく、生徒ひとりひとりが自分の現在位置を把握しワンランク上を目指せるような、個性を伸ばす教育を大切にしています。

また、本校は「『利他・叡智・剛健』を兼備した次代を担うリーダーたる人間を育成する」を学校教育目標としています。学びを通して身につけた叡智をもとに、他者の幸福を願う利他の心を養い、心身ともに健全である剛健な状態でもって実行に移せる。朝日塾中等教育学校では、そういった人物こそが「次代を担うリーダー」にふさわしいと考えます。

編集部

生徒それぞれの個性を伸ばすために、どんな工夫をされていますか?

國塩先生

特徴的な授業はたくさんありますが、いちばんのこだわりは少人数制です。本校では1クラスの定員を25名、1学年の人数は50名までと定めています。教員ひとりあたりが受け持つ生徒の数が少ないので、全員に目が行き届きやすい環境です。

国際バカロレア認定校ならではの特色あるプログラム

タブレットで学習する朝日塾中等教育学校の生徒たち

朝日塾中等教育学校は、中国地方の一条校として最初のIB(国際バカロレア)MYP・DP認定校として、質が高くチャレンジに満ちた国際教育に信念をもって取り組んでいます。

同校では、IBの理念にもとづき提供される教育プログラムのうち、11〜16歳を対象とした「MYP(中等教育プログラム)」と、16〜19歳を対象した「DP(ディプロマプログラム)」を履修することができます。その詳細についてお話しいただきました。

MYP・DPプログラムによる6年間の探究型学習

メディアセンターで本を探す朝日塾中等教育学校の生徒たち

編集部

御校が行うIB教育について教えてください。

國塩先生

IB教育は、「生徒の探究心とソフトスキルを養い、自ら考え社会で生き抜く力をつける」国際基準の教育プログラムです。本校では中学1年生から高校1年生までの全生徒がIB教育のひとつであるMYP教育を履修します。

また、高校2年生からは受講を希望し、かつ一定の基準を満たした生徒がDPコースを履修することができます。全科目が生徒の探究心を伸ばすことに注力して展開されるので、よくイメージされる受け身の授業の形とはかなり雰囲気が違うと思います。

編集部

すごく興味深いですね。MYPではどんな教育を行うのでしょうか。

國塩先生

MYPは、学習内容と社会とのつながりを学ぶプログラムです。本校では「言語と文学」「理科」「数学」「音楽・美術」などの8教科を、探究と行動、そして振り返りを繰り返しながら学習していきます。各教科を個別に捉えるのではなく、他の教科や実社会との関連性を意識して取り組むのが特徴で、探究活動を中心とした学習を行います。成績は、成果物やプレゼンテーション、レポートなどの課題の到達度で評価するのも特徴です。

編集部

社会で役立つ力が身につきそうですね。一方、DPはどんなプログラムなのでしょうか。

國塩先生

DPは、決められたカリキュラムを履修し、高3の11月の最終試験で所定の成績を収めると、国際的に認められた大学入学資格が取得できるハイレベルなプログラムです。

将来的に必要となる専門知識やスキルを大学入学前に身につけることを目標としています。DPではほとんどの科目で英語を使うことが求められており、本校でも英語と数学はネイティブ教員がオールイングリッシュで授業をしています。

ほかにも、生徒一人ひとりに指導教員がついて8,000字の論文を作成する課題論文の指導や、世界史・日本史の区分を設けず明治維新以降を深堀りする歴史の授業、ひとりひとりが実験をデザインして仮説と検証を行いレポートにまとめる理科の授業など、生徒の知的好奇心を刺激するような学習内容を多数準備しています。

留学生との交流で育まれる実践的英語力と多様性

メディアセンターで談笑する朝日塾中等教育学校のネイティブ教員と生徒たち

編集部

御校では、特に英語教育に力を入れているそうですね。

國塩先生

はい。本校独自の英語カリキュラムによる「MYP English」を展開しています。中学1年生から高校1年生までの生徒は、学年ではなく個々の英語レベルに合わせたフェーズと呼ばれるクラスに分かれ一緒に学びます。つまり、中学1年生と高校1年生が同じフェーズで授業を受けることもあり得ます

編集部

すごいですね。授業の内容はどのようなものなのでしょうか。

國塩先生

生徒たちはフェーズ1から4までの4つのレベルに分かれます。一番下のフェーズ1は日本語、フェーズ2は英語と日本語、フェーズ3以上はネイティブの先生がオールイングリッシュで授業をします。

編集部

フェーズはどのように決まるのでしょうか?

國塩先生

基本的には学年の最後に英語外部検定を受験し、そのスコアで次年度のフェーズが決まります。また、学年の途中でも、外部検定の上位級に合格したなどの実績があれば上のフェーズへ上がることもあります。

編集部

英語の授業はどのような雰囲気ですか?

國塩先生

生徒主体のグループワークが多く、複数人でプレゼンテーションを行う機会もあります。1学期には全生徒が「オックスフォード・ビッグ・リード」に応募します。これはオックスフォード大学出版局が主催するコンテストで、同出版局の教材を一冊読み、その内容を紹介するポスターを作るというものです。

いろんな国のお正月を体験する「New Year Party」での集合写真

編集部

英語を使うことが楽しくなりそうですね!ほかにも朝日塾ならではの特徴はありますか?

國塩先生

本校の魅力として、生徒の約3分の1が留学生であることが大きなポイントかと思います。中国、韓国、タイなど、さまざまな国籍の生徒が日本人に混ざって一緒に学んでいます。生徒たちは文化の違いの壁に直面するたびに、お互いに話し合って解決法を見出すといった国際交流をふだんから当たり前に行っていますね。

編集部

そんな朝日塾のグローバル教育の雰囲気を感じることができる、小学生向けの英語イベントがあると伺いました。

國塩先生

はい。毎年、本校と地元のテレビ局との共催で「OHK小学生英語暗唱コンテスト」を開催しています。対象は小学5年生と6年生で、経験や英語レベルは問いません。当日は生徒も運営や司会を務めるので、本校の雰囲気や生徒のようすを間近で見る機会にしていただけると思います。

実際に、コンテストに参加したことが入学のきっかけになった生徒もいるんです。本校のYouTubeチャンネルに動画を公開しているので、ぜひご覧ください。

■2023年のOHK小学生英語暗唱コンテストのようす

https://www.youtube.com/watch?v=ZvsmV08fQWQ

社会課題解決力を養う朝日塾の探究学習プログラム

校外学習に出ている朝日塾中等教育学校の生徒たち

編集部

ほかにカリキュラムの中で魅力的なポイントがあれば教えてください。

國塩先生

探究心を養う課外活動が非常に多いことも特徴のひとつですね。高校1年生では、生徒自らが設定したテーマにもとづいて探究学習を行う「Personal Project」に取り組みます。

内容は「おもちゃが与える影響とは」「カメが登れる坂の角度はどれくらいか」「初心者でもピアノは弾けるのか」など多種多様です。

そのほかにも、地域の課題解決に貢献できるようなフィールドワークも授業に取り入れています。

地元を盛り上げる「みつ元気プロジェクト」での活動風景

編集部

フィールドワークではどんなことをするのでしょうか?

國塩先生

たとえば、岡山県の空港へ行って交通量を調査したり、地域へ出向きその土地の課題を調べたりします。学校が位置する御津地域は高齢化が深刻で、自分たちにできることは何か、現地へ足を運び調査もしています。

2023年には、「住宅地」「事務所」「商店」などの位置と、「空き家」「建物取り壊し」「新築」といったそれぞれの建物の利用状況の区分を調査し記録しました。このデータを持ち帰って分析し、論文を書いたり外部のボランティアプロジェクトに利用したりすることで地域活性化の具体策を考えています。近年は地域おこしに向け、他校や地域の方と連携するなど盛り上がりを見せているプロジェクトです。

編集部

社会課題を考える実践力が身につきそうですね。こういった課外活動や学校の行事などを宣伝する場所もあるとお聞きしました!

國塩先生

岡山シティエフエムRadioMOMOの番組「~朝刊ラジオ~元気!おかやま」に本校の生徒が出演し、旬の学内イベントを紹介しています。

毎回違う生徒が本校の教員と一緒に本校の特色、文化祭や体育祭、ボランティアとして参加する地域のお祭りなどについて話しています。楽しんでいただけると思うので、興味のある方はぜひこちらもチェックしてみてください。

▶︎YouTube再生リスト「Radio momo 【朝刊ラジオ~元気!おかやま】生出演」

https://www.youtube.com/playlist?list=PLsvogUkaSwxBwxnEaEfkR6TEgJYbpPmW_

ラジオ局のスタジオで記念撮影

▲写真左はレギュラー出演している同校の杉原大輔先生、右はパーソナリティの河田奈央さん

朝日塾中等教育学校の充実したスクールライフ

朝日塾中等教育学校の校内行事風景

▲体育祭と球技大会のようす。勉強や部活、そして各種イベントと、充実した学校生活を送っている

朝日塾中等教育学校は、岡山県岡山市の郊外に立地しており、豊かな環境に囲まれています。中学棟と高校棟に分かれた校舎には、カフェテリアやメディアセンターなどキレイな施設が多く、生徒たちは日々充実した時間を過ごしています。

そんな同校の学校生活についてお話しいただきました。

カフェテリアや個室寮など充実の学内施設

朝日塾中等教育学校のカフェテリアで食事を取る生徒たち

編集部

特徴的な施設について教えてください。

國塩先生

まず、全校生徒が給食を取るカフェテリアが自慢です。とても広くきれいで、どの生徒も友達とワイワイ食事を楽しんでいます。献立は全員同じですが、サラダやパスタなど一部ビュッフェスタイルで好きなだけ取れるメニューもあります。

また、フードロスの一環として、残飯の量を計り、最も食べ残しが少なかった学年を表彰する期間限定イベントなども開催しています。

それから、「メディアセンター」という図書館・自習室・調べ学習のスペースを合わせたような施設もあります。電子書籍や検索システムを導入し、日本語のほか、英語や中国語などの書籍も揃っています。放課後ここで自習をしている生徒もいますね。

編集部

寮もあると伺いましたが、どれくらいの生徒が入寮しているのでしょうか?

國塩先生

自宅が遠い生徒や留学生など、約90人が寮を利用しています。大部屋ではなく全室個室なので、プライバシーも保たれます。一方で、夜は決まった時間に勉強するといった寮独自のルールがあり、生活リズムを整える工夫も凝らされています。

寮生たちは、寮監に見守られながら掃除や洗濯などを全て自分で行います。ホタル見学やクリスマス会など寮独自のイベントもあるほか、今まで実施したことがない行事であっても、寮生自治会で話し合い、目的や経費の試算などを行って企画申請書を提出すれば実現できます。

本校では、寮生活においても、自立心を養い、皆で協力しながら物事を進める大切さを身をもって学ばせる取り組みを行っているのです。

文武両道を実践するクラブ活動の特徴

グラウンドで練習する朝日塾中等教育学校サッカー部の生徒たち

編集部

SNSで朝日塾のサッカー部の活躍ぶりを拝見しました。

國塩先生

ありがとうございます。本校のサッカー部は、強化部として活動しており、県大会や地区大会、新人戦などで優勝経験のあるチームです。また、2024年にはインターハイ予選で初のベスト8進出を決めました。

編集部

トレーニング方法にもこだわりがあるのだとか。

國塩先生

そうですね。技術を磨くだけではなく、食育も行っています。しっかり食べて、バランスよく栄養を摂るといった指導です。また、考査で低い点数を取ったら練習に出られない、といったルールもあります。

編集部

すごいですね。文武両道ということでしょうか。

國塩先生

その通りです。勉強も部活も両方頑張る生徒を育てていきたいと考えています。本校には、サッカー部のほかにもバレーボール部やテニス部などの運動部が6つ、科学部や美術部などの文化部が5つありますが、そのすべてのクラブ活動で「文武両道」の考えを大切にしています。

クラブ活動は、人間的に成長できる場として大切なこと。一方で、勉強も大切です。生徒たちには常に「クラブの成績だけが良いのは違うんじゃないか、勉強もこなしてこそのクラブ活動だよ」と繰り返し伝えています。

朝日塾からのメッセージ

編集部

最後に、記事をご覧のお子さんと保護者の方に向けてメッセージをお願いします。

國塩先生

本校では2021年にIB認定を受けて以来、よりいっそう英語教育に力を入れています。本校独自の英語カリキュラムと、留学生との活発な交流によって、活きた英語力を身につけることができるのがいちばんの魅力かと思います。

また、MYP・DPの全プログラムを通して、興味がわく授業を展開し個々の長所を引き出します。本校で6年間学べば、一生もののスキルが身に付けられます。ぜひ、朝日塾中等教育学校を進路選択のひとつに加えていただければと思います。

編集部

英語をはじめとする多彩な授業や課外活動を通して、社会を力強く生き抜く力が身につきそうです。まさに御校が掲げる「次代を担うリーダーたる人間を育成する」を体現するカリキュラムが組まれていると感じました。本日はありがとうございました。

朝日塾中等教育学校の最新進学実績

少人数制で、全生徒の興味関心に気を配り手厚いサポートを行う朝日塾中等教育学校では、ほとんどの生徒が大学に進学します。

2023年度は、卒業生28名のうち、岡山大学に2名、愛媛県立医療技術大学に1名の生徒が合格しました。また、明治大学、上智大学、関西大学、関西学院大学、立命館大学といった難関私立大学に計10名、そのほかの有名私立大学に延べ25名の生徒が進学を決めています。

■近年の大学合格実績(朝日塾中等教育学校公式サイト)

https://m-asahijuku.ed.jp/course/achievement/10.html

保護者が語る朝日塾中等教育学校の魅力

校外学習中の朝日塾中等教育学校の生徒たち

最後に、朝日塾中等教育学校に通う生徒の保護者から寄せられた感想の一部をご紹介します。

熱心で優しい先生が多いです。特に若い先生は子どもに寄り添い、人生の先輩として相談に乗ってくれているようです。

楽しく通学している子どもの姿を見ると、この学校に入学させてよかったなと思います!

穏やかな生徒が多く、男子と女子も仲が良いようです。高校生と一緒に過ごすので、中学生のときから思考がしっかりするのも良いところです。

学年を横断した授業がある同校では、中高の垣根を超えた交流も盛んなようです。また、先生も生徒も穏やかで優しく、馴染みやすいという声が多数上がっていました。

朝日塾中等教育学校へのお問い合わせ

運営 学校法人みつ朝日学園
住所 岡山市北区御津紙工2590
電話番号 086-726-0111
問い合わせ先 朝日塾中等教育学校 入試広報部
公式ページ https://m-asahijuku.ed.jp/

※詳しくは公式ページでご確認ください